2015年09月10日

週刊フランス情報 31 AOUT - 6 SEPTEMBRE

2015年度3級仏検公式ガイドブック―傾向と対策+実施問題(CD付) (実用フランス語技能検定試験)フランス、シリア空爆検討 イスラム国掃討とルモンド紙報道(blogos 共同):米軍など有志国が過激派組織「イスラム国」掃討のためシリア領内で実施している空爆へのフランス軍参加を、オランド大統領が検討していると報じた。
フランス:新型原発また稼働延期 4度目 廃炉計画に影響(毎日):仏北西部のフラマンビル原発のEPR(欧州加圧水型炉)は航空機の墜落にも耐えられる安全構造などを売り物にし、07年に着工したが、トラブルが相次ぐ。
だまされたー!フランス語にしか聞こえない西諸弁ムービーがイケてる(ジモトのココロ): 宮崎県小林市の「てなんど小林プロジェクト」の一環で、移住促進をテーマとしたシティ・プロモーションムービーとして制作されたもの。
■「湘南T-SITE」が贈る、フランス一色の3週間!フランスフェアが 9月9日開幕(T-SITE): 「なぜフランスに惹かれるのだろう」。その答えを体感できるイベント「Vous aimez la France ?(フランスはお好き?)」
2015年度秋季実用フランス語技能検定試験(仏検=ふつけん)は本日より出願申込受付を開始しました!(仏検事務局):出願締め切りは願書郵送が10/14消印有効、WEBが10/21です。
■フランスのゴミの不法投棄対策(France2):ゴミの不法投棄が最近酷いので、ある仏の自治体がゴミの中身から捨てた人間を特定、返却することに。市長さんが直々に家を訪れたが、返事がなかった ので、ゴミを玄関にぶちまけるという強硬手段に。この方法で効果が出ていると言った矢先に、家の持ち主が最近変わったと知らされ、真っ青に(笑)
Louis XIV : les héritages du Roi Soleil(culturebox):ルイ14世が亡くなって今日(9月1日)でちょうど300年!ヴェルサイユ宮殿を始めとする、太陽王の遺産と威光は今もフランスで輝く。
フランスの「寿司ブーム」に陰り? 現地大手寿司チェーンが事業縮小の動き(ZUU):過当競争による品質の劣化や、どこでも購入できるようになった手軽さが、ある種の神秘性やもの珍しさといった寿司の魅力を大幅に減退させ、購買意欲をそいだ。

レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)居酒屋 (新潮文庫 (ソ-1-3))海底二万里〈上〉 (新潮文庫)

LIVRES
調査:フランス人は相変わらず読書が好き(culturebox):仏人の77%が読書が好きと答え、37%が大好きと回答。30%がネットではなく書店で購入。仏人お気に入りの作家はパニョルとユゴーが同率1位、ゾラ、ヴェルヌと続く。★…古典が人気があるんですね。こういう調査報告が頻繁に出ますが、本文化を大切にというメッセージでもあるのでしょう。

CINEMA
スズメになった女子大生が夜のパリへ、仏映画『バードピープル』(CINRA):『第67回カンヌ国際映画祭』「ある視点」部門にノミネート。「彼女であれば、私たちはスズメへの変身を信じられると思った」とフェラン監督。★…『バードピープル』公式サイト:http://birdpeople-suzume.com/

EUROPE
男児遺体漂着写真の衝撃広がる、EU各国の政策に影響も(JNN):キャメロン首相は記者に詰め寄られる。オランド大統領の会見も。
動画:パリで移民への支援を求め抗議集会、男児の遺体写真うけ(AFP):ソーシャルメディアでの呼びかけにより行われた。
英仏海峡の高速鉄道、屋根に難民!で緊急停止(newsweek):英仏海峡トンネルを通って豊かなイギリスを目指す難民の津波に当局はお手上げ。列車の屋根の上に人が乗っている、と乗客から通報があって密航に気付いた。
「移民は先進国経済にとってプラス」英国企業、優秀な外国人労働者を積極採用(newsphere):WSJは、日本は長らく外国人労働者受け入れに抵抗してきたが、実際には外国人はすでに日本の人手不足を補っていると報じる。
欧州が難民を受け入れるべき理由(reuters) 欧州に流入する移民・難民の玄関口となっている南欧では、人口の約80%が人口流入を望んでいない。難民危機に対する有権者の考えが、欧州の「強硬な」政策を形づくっている。
7月のユーロ圏失業率、11%下回る 約3年ぶり低水準(reuters) 失業率が最も低かったのはドイツで4.7%(移民受け入れに積極的)。同時にアメリカの「8月失業率は5.2%に低下か」というニュースも。
女性専用車両導入(つまり隔離政策)は敗北?英国で国民的議論に 日本で乗車経験のある記者は賛成(newsphere):英国ですでに過去に導入され、こういう議論の蓄積があるとは。


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2015年08月31日

週刊フランス情報 17 - 30 AOUT

パリ、革命以来のパン不足 販売店が一斉バカンス 市民は制度廃止に恨み節(SankeiBIz) :オランド政権の規制緩和策の一環で、今年から、首都のパン店が自由に夏のバカンスを取れるようになり、8月に休業が集中してしまったため。★…フランス・ソワール紙によると、最初に騒いだのはイギリス人=テレグラフ紙のようだ。8月のあいだパリの住人の多くはバカンスに出かけているので、パンがなくて困るのはパリにやってくる外国人観光客。
仏政府が米国人乗客らに最高勲章 列車発砲事件(CNN):フランスの高速鉄道車内で起きた発砲事件で、銃を持った男と格闘して取り押さえた米国人と英国人の乗客4人が最高の栄誉とされるレジオンドヌール勲章を授与。★…同じ電車に俳優のジャンユーグ・アングラー氏も偶然乗り合わせていて非常ボタンを押した際に手にけがをしたことも話題になった。
独仏首脳、欧州難民危機で団結呼び掛け(AFP):ドイツへの移民希望者は今年1月から年末までに80万人達するが、国内では反移民感情が高まっている。オランド大統領は「亡命する権利に対し、われわれは統一したシステムを導入しなければならない」。★…移民問題で揺れるヨーロッパ。
極右政党で父娘確執 創設者ルペン氏除名(毎日):人種差別的な姿勢を改めない父との対立が解けず、除名に発展。
アルセロールミタル、フランスの斜陽工業地帯で想定外の成功(WSJ):フランス北部のフロランジュは大聖堂や白ワインで有名だが、今や傘下で最も利益を上げている事業部門。ドイツ車が好調な欧州自動車市場向け鋼板の50%のシェア。

カフェ・ド・フロール─愛が起こした奇跡─ [DVD]パリよ、永遠に [DVD]

CINEMA
新作DVD『カフェ・ド・フロール─愛が起こした奇跡』(amazon):ヴァネッサ・パラディ主演作がもうDVDに。9月2日発売。パリに生きた、ダウン症の息子をもつ若い母親ジャクリーヌと、現代のモントリオールに生きる離婚後間もない人気DJアントニーの運命を平行して映しだす。
新着DVD『パリよ、永遠に』(amazon):アメリカ・イギリス・自由フランス軍からなる連合国パリに到着する。パリの中心に位置するホテル ル・ムーリスにはパリ防衛司令官ディートリヒ・フォン・コルティッツ率いるナチス・ドイツ軍が駐留したいた。夜明け前にコルティッツはアドルフ・ヒトラーの命を受けてパリ壊滅作戦を進めていた。★…時代背景を知ると断然面白くなると友人が言っていた。
ナタリー・ポートマン、パリに住み始めてからオシャレになった?(T-SITE):LAに住んでいた頃に愛用していたスウェットパンツを封印。「シャツとパンツが10着ずつあればいいってこともね」。★…『フランス人は10着しか服を持たない』と同じことをおっしゃってますね。
ジャン・レノが "Antigang" の刑事役でアクション映画に復帰(culturebox):67歳でこういう役も最後か。先日出たJDDのフランス人の人気ランキングで6位。
肉だらけの予告編が公開、ステーキ世界一を決める旅のドキュメンタリー(CINRA):仏誌『レクスプレス』が主催した覆面調査で「パリで最高の精肉店」に選ばれた店のオーナーとF・リビエレ監督が世界最高のステーキを求めて繰り広げた2年間の旅。
『氷の花火 山口小夜子』予告編、ランウェイ映像やゴルチエらの姿も(CINRA):「服が自然にどこかへ連れて行ってくれる」と山口さん。

ELLE Japon (エルジャポン) 2015年 10月号 [雑誌]山口小夜子 未来を着る人

LIVRES
■発売中の ELLE Japon(エル・ジャポン)10月号の特集は「新しいパリに夢中!」:憧れの街、パリが急速に変化している! 自由でエネルギーあふれる若い世代の息吹が花の都に新たな表情をプラス。今ホットなアドレスから、パリジェンヌの御用達、ライフスタイルショップ、ヘルシーグルメまで、パリのトレンドスポットを徹底網羅!
『星の王子さま その先の物語』:サン=テグジュペリの「星の王子さま」のゲーム化第2弾。仏のゲームデザイナー、鬼才ブルーノ・カタラとアントワーヌ・ボザのコンビによる。話題の映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」を題材に。8月31日発売。

人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅 (光文社新書)星の王子さま その先の物語 日本語版

VOYAGE
人生の"夏休み"に最適!? スペイン巡礼7つの魅力(cakes): 「人生に疲れたらスペイン巡礼」。素晴らしいね。
フランス文化を身近に 来月のイベント、弘大生が準備 /青森(毎日):弘前市は、ブルターニュ地方などが名産として知られるりんご酒「シードル」の日本国内有数の産地。フランスとの関わりも深い。…フランスと地方が直接つながる。
「宮廷一望できる部屋」も、仏ベルサイユにホテル建設計画(AFP): 同宮殿の敷地と境界沿いにある17世紀の3つの建物を豪華ホテルに改築する計画があるようだ。
現状の鉄道周遊券は、訪日観光客に甘すぎる(東洋経済):「JAPAN RAIL PASS」。東京―大阪を1往復で元が取れる安さ。J指定券発行は枚数の上限規定は無いので、基本的にはいくらでも指定券を発券⇒指定券を取るだけ取って乗らずに放置。

MUSIQUE
ミレーヌ・ファルメールとスティング(exポリス)の謎のコラボ(culturebox):サイトには寄り添うふたりの写真と、何かが発表される8月28日までのカウントダウンが表示。

SPORT
ツール・ド・フランスにみるテレビの未来(ギズモード):「インターネットはTVの宿敵だと考えられていた時期もありました。しかし、今ではNBCなどの放送網にとって、インターネットはスポーツの新しい視聴の形を模索する場所となっています」

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2015年08月20日

週刊フランス情報 10 - 16 AOUT

JDD恒例の人気のあるフランス人(leJDD.fr):1位はジャンジャック・ゴールドマン、2位はオマール・シーと不動。6位ジャン・レノ、8位ソフィー・マルソー、9位ジャンポール・ベルモンド、あたりが日本でも知れているところか。
憲法会議、法律止めた…「抜け道」採択後(毎日):フランス政府が放射性廃棄物最終処分場の建設を推進するため、基本計画法の修正案を別の法案の中に盛り込んで法制化したところ、違憲審査などを行う憲法会議からストップをかけられた。
「ハリー・ポッター」の球技「クィディッチ」の第1回欧州大会が開催(wired):「J・K・ローリングはきっと、魔法使いの奇妙なスポーツであるクィディッチを考案したとき、人間がこれに取り組もうとするとはまったく考えていなかっただろう」。ハリポタ発祥の地、英国がフランスに負けたらしい。★…しかし飛ばない箒でやって楽しいのだろうか。ところで著者のローリングはフランス語ができたので話の中にフランス語がよく出てくる。例えば、Voldemort(ボルデモート)はvol de mort (=flight of death)から来ている。
なぜ今パリでイチゴ栽培が広がっているのか?(マイナビ):パリ市とパリ経済開発局による都市緑化政策「革新的な緑化プロジェクト」の中で、無土壌の「パリイチゴ栽培プロジェクト」が進められている。ギャラリー・ラファイエットのオスマン店でも。

勝手にしやがれ [DVD]最強のふたり スペシャル・プライス [DVD]レオン 完全版 [DVD]

AFRIQUE
フランコフォン・アフリカはフランスメディア産業の救世主(GlobalVoices):フランスの映画産業は世界各国での興行成績を上げるのに苦戦しているが、成功のカギはアフリカにあるのかもしれない。この見解はフランスのメディア産業全体にもあてはまる。「もしフランスが国際的な影響力を高めたいと考えているなら、影響力の高い情報発信国として地位を築かなければならない。そのために、今すぐにでもメディアの改革を始める必要がある。強いメディア力とさらに文化的な戦略を持たないと世界情勢に影響を与えられる国とは言えないだろう」。
年商500億円!今アフリカで超人気の日本企業 トヨタも知名度では足元にも及ばない!?(東洋経済):「ビィ・フォアード」社の主軸となるビジネスは、日本国内で流通している中古車を仕入れて、アフリカなど新興国に輸出。会社の設立は2004年。資本金わずか1000万円ながら、2015年6月期は492億円を売り上げた(前期比38%増)

ART
マグリット展公式図録フランス発、人気雑誌モデル出身の芸術家『ニキ・ド・サンファル展』(T-SITE):六本木の国立新美術館で9月18日からスタート。ニューヨークで結婚・出産してパリに移住するも、重度の精神疾患で入院。やがて治療のために絵を描きはじめる。
「マグリット展」(京都市美術館):京都でマグリット展やっているとは知らなかった。20世紀に活躍したベルギーのシュルレアリスト&国民的画家。13年ぶりの大回顧展だそうです。⇒は本展の公式図録。
「大津絵」紹介、仏で出版 クリストフ・マルケさん(毎日):大津絵は江戸時代初期、大津市付近で誕生し、東海道を行き来する人々に土産物として好まれた。当時は『江戸の錦絵、京都の大津絵』として全国的に知られていた。

LIVRES
仏銃士ダルタニャンの足跡をたどるプロジェクト始動(AFP):剣を巧みに操る姿は、19世紀の作家、アレクサンドル・デュマによって、「三銃士」をはじめとする数々の作品で小説化され、さらに、そこから発想を得た映画が多数制作。

三銃士 [DVD]三銃士〈上〉 (岩波文庫)

CINEMA
オスカー受賞俳優の豪華共演『パリ3区の遺産相続人』公開決定!(クランクイン):ケヴィン・クラインとマギー・スミスのアカデミー賞俳優の共演で注目される。ニューヨークに住むマティアス(ケヴィン・クライン)は、父親が亡くなり相続したパリ郊外の豪華なアパルトマンを売りにパリへ…。

MODE
不法滞在の日本人デザイナー、パリ司法宮 Palace de Justiceでファッションショー開催(AFP):「特別な才能」を持つ人に滞在許可証を与えるという法令を根拠に大浦の滞在許可を取得しようと尽力したが、申請は却下。苦肉の策として奇抜な試み打って出た。★…フランスはアーティスト系の人々には優しい国と言われるが。

GOURMET
廃棄処分寸前の食材をレスキューするレストラン、ベルギーにも登場(PUNTA):一般スーパーから、賞味期限切れの食材を調達するのみならず、エコ・スーパーで売れ残ったバイオ食材をも収集し、料理として提供する点を売りものとしている。
ラデュレ、初秋限定マカロンボックス「ラ・パリジェンヌ」と新作マカロン「キャラメル・バナーヌ」発売(FashionPress)

VOYAGE
【世界遺産】まるで小さなパリ!「月の港ボルドー」現地ルポ(Huffpost):北大西洋へとつながる、ビスケー湾に面したフランス南西部の華やかな港町「ボルドー」。新旧融合した街並がとても美しい街で、昼と夜では表情が変わるのも魅力。ランス国内では、パリに次いで歴史的な建物が多いことでも有名。このため「月の港ボルドー」として、ユネスコの世界遺産に登録されている。古くからワイン貿易を通して富を得たリッチな街で、18世紀にはすでに「プチ・パリ」と呼ばれていた。

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2015年08月17日

生誕100年目のロマン・ガリ

今年はマルグリット・デュラス生誕100年ということだが、先日届いた Magazine littéraire 誌で、ロマン・ガリの生誕100年でもあることを知った。これに合わせて、ロジェ・グルニエとの未刊の対談集や幻の処女作がまもなく出版されるとのことだ。

La promesse de l'aubeLa promesse De l'aube (Folio)

ロマン・ガリ(Romain Gary)という作家は、日本では残念ながらほとんど紹介されてこなかった(1980年前後に、後述のアジャール名義の小説が数冊翻訳されたが、とっくに絶版になっている)が、没後34年経った現在でも、フランス人によく読まれている。とりわけ『夜明けの約束 La promesse de l’aube 』(1961)は、母子家庭に育った自分の半生を、強烈な母親の肖像とともに、ユーモラスに、ときに苦く語り、一大ベストセラーとなった。映画や舞台にもなり、14カ国語に訳されたそうだが、日本語版はない(じつはこれを訳して世に出したいというのが、僕の積年の野望である)。「たとえ母親でも、誰か一人だけをあれほどまでに愛するということは許されないのではないか」と言うほどの激しい愛情は、決して無償の愛ではなかった。その強烈な個性は、母親を追慕しがちな優しい日本の小説には見当たらないものである。

さて、ロマン・ガリというと、枕詞のように付いて回るのが、ドゴール主義者、ゴンクール賞、ジーン・セバーグである。空軍パイロットだったガリは、ドゴールの呼びかけに応じてナチスと戦い、勲章を受けた。その功績から外交官のキャリアを得て、最後はロサンジェルス総領事にまでなった。また、『空の根っこLes racines du ciel』(1956)でゴンクール賞を受賞し、さらにエミール・アジャール(Emile Ajar)名義で書いた『これからの人生 La vie devant soi 』(1975)で二度目のゴンクール賞を受賞した。これは一人一回という賞の原則が裏切られた事件として、文学史上有名である。1963年から1970年にかけては、ジーン・セバーグと結婚していた。ちなみに最初の妻レスリー・ブランチ(小説家)もイギリス人だった。ロシア人の母とともにポーランドで幼少期を過ごしたロマン・ガリは、14歳のときにフランスに移住した。その結果、ロシア語・ポーランド語・フランス語・英語に堪能だった(英語では6冊の小説を執筆している)。1980年にピストル自殺。遺書には「ジーン・セバーグとは何の関係もない」、「いっぱい楽しんだ。さようなら、ありがとう」と記されていた。

こうした派手な経歴と、誇張を含んだ虚言の数々で、生前は批評家たちの反感を買った。だが、いまロマン・ガリを読む人は、たぶんこうしたスキャンダルは忘れて、単純に興味深い小説家として接することができるだろう。ロマン・ガリの主題は、一言で言うと、絶対的な価値を追求する者への同情と疑義である。理想がなければ人は生きていけないが、絶対化された理想は、他人に対しては暴力的になり、自分に対しては絶望を植えつける。デビュー作『ヨーロッパの教育 Education européenne 』(1945)では、ポーランドで反ナチスのレジスタンス運動に従事する若者たちを主人公にして、その献身的な態度の美しさと、その先にある凄惨な殺戮の実態とを対比させた。『空の根っこ』では、フランス領チャドを舞台に、象の保護のためにテロ行為に手を染める一人のフランス人を狂言回しに、理想に生きることの意味を問うた。『星を食らう人々 Les mangeurs d’étoiles 』(1966)では、大道芸に熱狂する南米の独裁者を描き、不可能性が麻薬のように人を魅了する恐ろしさを喚起した。

だが、ガリはニヒリストではない。ガリにとって、裏切り者は偽善者よりも愛すべき人間の象徴だった。偽善者は保身のために偽るが、裏切り者は欲望に忠実だ。だから、人の姿としては、嘘がない。だが、そんな人間でさえも、何らかの理想が必要だということを、ガリは悲しみをたたえた眼で見つめていた。ツヴェタン・トドロフは、「批判的ヒューマニズム」の作家としてガリを高く評価した(『悪の記憶・善の誘惑』)。

ガリの文体については、早書きのせいで、文章が乱れている、という批判が多い。しかし、小説の随所に印象的な言葉を残している。いくつか紹介してみよう。 「愛国心とは身内を愛することだ。ナショナリズムとは他者を憎むことだ。」 「ズボンを脱いだときに人を判断することはできない。本当にひどいことは服を着てやるものだ。」 「私は滅多に嘘をつかない、嘘は無能の甘えの味がするからだ。」

最後に余談をひとつ。僕にロマン・ガリという作家を薦めてくれたのは、パトリス・ルロワだった。ある語学学校で彼のクラスの生徒だった僕は、たまたま帰りの電車が一緒になったときに、彼の好きな作家を訊ねた。パトリスは即座にガリの名前を挙げた。それ以来、彼がテレビやラジオでどんなに馬鹿げたコントをやっていても、僕はそこに、悲しみをユーモアで超えようとするロマン・ガリ的なポーズを見出してしまう。たぶん、勝手な思い込みにちがいない。

□初出2014年5月21日


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2015年08月13日

ラ・ヴィレットの夏の野外映画祭

パリの南端に位置するモンスーリ公園は、各国の留学生会館のある大学都市 cité universitaire に近いので、留学生たちの憩いの場所になっている。私もよく、夕方になるとモンスーリ公園によく昼寝や読書をしに行った。広い芝生のスペースがあり、そこにバスタオルを敷いて横になると、涼しい風がときおり吹いてくる。そこに本や音楽があるだけで贅沢な時間を過ごた。日本では外で読書をしようという気分にはなかなかなれない。公園のベンチに座ってみてもどうしても人の目が気になり、気が散ってしまう。加えて日本の夏はそうやって過ごすには少し暑すぎるのかもしれない。



芝生で楽しめるのは読書だけではない。真夏の夜は、パリの19区にあるラ・ヴィレット公園(メトロJaurès駅近くの運河沿い)へ足を運んでみよう。この時期、芝生の上で映画を楽める野外映画祭が行われている。バカンスに出かけなかった人も、早いバカンスから帰ってきた人も、暑い夏の夜は、アペリティフを味わいつつ星空の下に寝転んで、巨大スクリーンで上映される映画を堪能する。

映画の上映が始まる夕暮れがやってくるまでは、みんなで食べ物や飲み物を持ち寄って公園の芝生の上で、思い思いのピクニックを楽しむ。入場無料はで毛布やデッキチェアも貸し出している。パリ・プラージュもそうだが、パリはこういう充実した無料イベントに事欠かない。

毎年、野外映画祭のテーマが決まっていて、今年のテーマは「ホーム・シネマ」。月曜日と火曜日を除く7月22日から8月23日にかけ連日「メゾン ある娼館の記憶」「ホーンティング」「紫禁城」「シャイニング」などの、「家」をめぐって繰り広げられるカルトムービーを25本上映される。

番組編成担当のフレデリック・マゼリ氏によれば、例年通り日曜日は古典的なものを、土曜日は家族連れが多いから誰でも楽しめる「テイク・シェルター」「ビートルジュース」「シャッターアイランド」といった怪奇SFなどをチョイスしてあるそうだ。

ちなみに昨年のテーマは「メタモルフォーズ」(変身)。マーチン・スコセッシ、ペドロ・アルモドヴァール、ガス・ヴァン・サント、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、マチュー・カソヴィッツ、ジム・ジャームッシュ、ソフィア・コッポラなどなどといった監督による、人生の中で起こりうるあらゆる変化をテーマとした映画を上映された。

今年はこれからも一晩に平均1万人の観客が訪れる模様。皆リラックスしておしゃべりしながら、映画の上映が始まるのを待っている雰囲気を知りたい方は、上の動画をご覧ください。


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タグ:夏休み 映画
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2015年08月11日

週刊フランス情報 3 - 9 AOUT

フランス、ロシア向け揚陸艦2隻の契約を破棄 違約金は1500億円か(産経):1隻はウラジオストックに配備予定だった。
“夢の国”に苦情殺到、ディズニーランドパリで「外国人価格」(産経):7月28日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)や29日付ロイター通信などによると、ディズニーランドパリは英国人やドイツ人に対してプレミアムパッケージをフランス人より割高な料金で販売。ドイツ人はフランス人の1・8倍以上高くなっている。欧州連合(EU)が調査に乗り出す。
仏高速鉄道TGVを悩ます型破りなライバル 低価格を武器に新興企業が攻め込む(東洋経済):ライバルとなる「新しい自動車交通」はライドシェア。仏新興企業のサービスの会員数は2000万人。対象は長距離移動の利用者、平均移動距離は330km。このサービスは「相乗り」の相手を探してくれること。自家用車を持つ会員は、自分が移動する日時や行程、乗れる人数などを登録する。相乗りしたい会員は出発地・目的地などから自分と合う車を検索し、ドライバーと連絡を取って決定する。料金はシステムが人数と距離に応じた燃料消費量などを算出して「割り勘」のように提示し、ドライバーは価格調整もできるものの、ガソリン代などの必要経費を上回る「利益」は出ない仕組み。
なぜ、フランスの子供は「ADHD(多動性障害)発症率」が圧倒的に低いのか(ガジェット通信):フランスでは、ADHDの原因が社会的な状況や環境にあると考えられているため、化学療法に頼る前に子供たちの心を圧迫しているであろう精神的原因を捉えることに重きが置かれている。そのため、治療法には心理療法や家族へのカウンセリングが用いられる。
世界中で人気を博しているフランス発祥のシークレット・ディナー・パーティー「Diner en Blanc」(=白い服を着てディナーを)が10月3日、日本に初上陸(iFlyer):ドレスコードは全て白一色で統一。 開催会場は直前まで秘密。

ART
ポンピドゥーセンターのル・コルビュジエ展 "Le Corbusier, Mesures de l'homme" が大成功(culturebox) :月曜に終了し、入場者が26万人を超え、最高記録。フランク・ゲーリーの20万人を超える。
どんなワインからも酸化防止剤を除去できる魔法のデバイス(newsweek):「Üllo(ウーロ)」は、酸化防止剤である亜硫酸塩を、ワインを飲む直前に除去するための道具。…気になりつつもどうしようもないと諦めていた亜硝酸塩。

エロイーズ (本当のワタシを探して)ラディアン (EUROMANGA COLLECTION)今日もお天気 家族でパリ旅行編 (Feelコミックス)

LIVRES
8月7日発売、フランスで女性支持率No.1の作家ペネロープ・バジューによる、女性のためのフレンチコミック『エロイーズ』 (本当のワタシを探して)(amazon):今週金曜日の見本が届きました。色鮮やかに描かれたパリの街並みも必見! …
フランス発!日本マンガの影響下に生まれたユーロマンガ!トニー・ヴァレント『ラディアン』日本語版発売!:フランスのマンガは“バンド・デシネ”と呼ばれ、オールカラーの、時に芸術的なスタイルで描かれることに特徴がありますが、今回刊行するトニー・ヴァレント『ラディアン』は、日本マンガの影響を受け、日本マンガのスタイルで描かれた注目すべきユーロマンガ。
桜沢エリカ 『今日もお天気 家族でパリ旅行編』 (Feelコミックス) (amazon):エリカのハッピー育児番外編。 ユーロ安の今がチャンス! 家族でめぐるパリの楽しみ方をご紹介。 ディズニーランド・パリ、バスク地方の情報もあり(特にビアリッツについては見逃せません)♪ 旅のサブガイドにもピッタリです!

CINEMA
アニエスベー自ら選んだチラシビジュアル公開、初監督作「わたしの名前は…」(ナタリー):本作は、アニエスが10年以上前に新聞で読んだある事件の記事をもとに、家出少女とトラック運転手の交流を描いたロードムービー。★…明日8/8(土)より映画『わたしの名前は...』、アニエスベー特製トートバッグ付き鑑賞券発売開始!⇒こちらから購入できます!
仏女優「フランス人は10着しか服を持ってないなんて嘘」(T-SITE):オゾン監督の『彼は秘密の女ともだち』でクレール役を演じるのがアナイス・ドゥムースティエ。

MODE
フランスらしさ売り、定番のボーダーシャツ(朝日):原型となるブルーと白のボーダーは、1855年に仏海軍に採用された海軍兵士の制服で、ナポレオンの勝利数を表す21本の白い縞をあしらったものだった。…80年代はSt.ジェームズ、アニエスb.とか。

VOYAGE
『ヨーロッパのハワイ』イビサ島への投資ラッシュが続く(PUNTA):70年代、欧州経由でこの島にやってきた各国のヒッピーたちがさまざまなトレンドを持ち込み、独特なカルチャーが生み出された。★…お隣のマヨルカ島も良かったが、ドイツ人にとってのハワイという感じだった。

JAPON
「セブンティーン」の戦後特集が話題 憲法9条に対するリアルな声も(Fashionsnap):ファッション誌で戦争や政治の特集が組まれるのは異例。論争が過熱している憲法9条や沖縄の米軍基地についても紹介。木村草太氏とのディスカッション…
ジム・ロジャーズ独占インタビュー(現代ビジネス):日本の若い人に言えることがあるとすれば「外国語を覚え、日本株を持って、国外に逃げ出したほうがいい」。10年、20年経って日本人の皆さんは気づくでしょう、「安倍総理が日本を滅ぼした」と。
なぜ日本の公園は、あれもこれも禁止なのか いまどきの公園は自ら稼いで街を潤す(東洋経済):加点評価方式で運用されている代表的な公園のひとつが、富山市の富山環水公園。08年ストアデザイン賞で最優秀賞を獲得した世界一美しいスタバで有名に。


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2015年08月10日

フランス国立図書館でエディット・ピアフ展

エディット・ピアフ生誕100年に際し、この夏(8月23日まで)フランス国立図書館で大規模な彼女をテーマとした展覧会が開かれています。現存する多数の音源、写真、ポスターや手紙をもとに、この20世紀の偉大な歌声をよみがえらせようという企画です。

エディット・ピアフエディット・ピアフは20世紀フランスの最も有名な歌い手の1人。愛と悲劇的な運命をテーマとする歌で彼女に勝る歌い手はいないでしょう。映画「愛の讃歌」では彼女の波乱万丈の人生を、マリオン・コティヤールが見事に再現していました。このエディット・ピアフ展は、フランス国立図書館の所蔵する未刊行資料によって、さらに彼女の人生を掘り下げてみようという企画です。

この展覧会では、どのように大道芸人の娘が国民のシンボルになったのか、彼女が歌と恋人たちによって、すべての愛の形と色合いを、最も悲劇的なものから最も幸福に満ちたものまで、また最も従属的なものから最も自由なものまで、どのように演じているのか、発見できるでしょう。

1915年パリ生まれ、キャバレーの歌手であったエディット・ガションは「私の兵隊さん」などの政治的かつ愛国的な歌で、第二次世界大戦中に有名になり、「国民の娘」と呼ばれるようになります。彼女の声の響きや現実的な歌詞、愛と孤独と欲望を表現したメランコリックなタイトルは注目の的になりました。

ファンからの手紙を読むとどれだけ彼女が人々にとって身近な存在であったかわかります。あるファンは彼女に対する賛嘆を叫び、あるファンは大胆にも彼女に金銭的な援助を求めました。1961年に300万フランを貸して欲しいとピアフに懇願したデストラ夫人や、出獄後にやり直すため援助を願い出た無名の男などがいました。

ピアフ展の展示物は、エディット・ピアフのデビューから今日までの数々の壮挙を我々の前に蘇らせてくれます。エディット・ピアフは1963年に亡くなっていますが、彼女のフェイスブックには現在も78万5000人のファンが名を連ねています。

先ほど挙げた ’Mon légionnaire’ はピアフの代表的なレパートリーになっていますが、légionnaire とは外人部隊の兵士のことです。ミステリアスな外人部隊の兵士に恋をして、一夜をともにした女の歌です。この歌にはセルジュ・ゲーンズブールのファンク版のカバーがあります(1987年のアルバム:"You're Under Arrest" に収録)。ゲンスブールは歌詞を変えずに歌っており、彼が歌うことでホモセクシャルな意味合いを帯びることになります。それにしても今聞いても色褪せない斬新さです。

EXPPSITION PIAF Bibliotheque Nationale de France
Serge Gainsbourg - Mon Légionnaire(via youtube)
Edith Piaf - Mon Légionnaire(via youtube)

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posted by cyberbloom at 17:14 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事+トレンド特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年08月04日

週刊フランス情報 27 JUILLET - 2 AOUT

仏アレバ、原子炉事業の経営権を売却へ−フランス電力に(bloomberg):フランスの原子力企業アレバ は、原子炉事業の経営権をフランス電力(EDF)に売却することで合意した。残るウラン鉱山・燃料処理事業向けの資金調達を視野に、増資を来年実施する計画だ。同社は2017年までの資金調達ニーズ70億ユーロ(約9500億円)を満たすため、アレバNP部門の少なくとも 75%を20億ユーロで売却することを目指している。さらに4億ユーロ相当の資産売却のほか、支出削減と資金運用改善も進める方針という。
超高層タワー計画でパリの景観論争が再燃(newsweek):パリ中心部での超高層タワー建設計画が42年ぶりに許可。「トゥール・トリアングル」は180mの規制ぎりぎりの高さ。多くの人が、再びパリ市民の間で景観論争が勃発すると見ている。
フランスのバカンスで大騒動 サウジアラビア国王(テレ朝):サウジアラビアの国王御一行様は何と1000人。南フランスのビーチを独占して大変な騒動になっている。…そういえば5月に中国企業の全社員6400人でニース旅行というのもあったね。
「費用オーバーに税金使えない」ボストン、24年五輪招致断念 (AFP):「市民の完勝」と現地誌。広く歓迎された2012年のロンドン大会でさえ大幅な費用増加。オリンピックは経済効果のためにリスクを取る価値はない、という研究結果も。★…ル・モンドでも紹介。 「オリンピックをやめて、よりよい学校を、より安全な町」をというプラカードは説得力がある。日本で新国立競技場の膨大な予算に揺れているだけに。2024年はパリが名乗りを上げて本命視されている。http://bit.ly/1D4Zess

MODE
英歌手J・バーキンさん、エルメスのわに革バッグ=バーキン・クロコから「自分の名前を外して」(AFP):「私の名を冠したエルメスのハンドバッグを製造する過程で殺処分されるクロコダイルへの残酷な処置を知るに至った」
エルメス、特に日本での売上が好調 一人勝ちの理由(newsphere):日本で売上が伸びた理由は、日本の景気回復……ではなく中国人観光客。今まで中国本土からの観光客が目的地として真っ先に香港を選んでいたのが、最近では日本が好まれるようになったからだと見られている。昨今の好みはハデ好みからシブ好みに移行しているようで、時代を謳歌したグッチやルイ・ヴィトンが一時の勢いを失っているのはそのためのようだ。

奇人たちの晩餐会 HDリマスター版(続・死ぬまでにこれは観ろ!) [Blu-ray]ゲンスブールと女たち(続・死ぬまでにこれは観ろ!) [Blu-ray]メルシィ!人生 HDリマスター版(続・死ぬまでにこれは観ろ!) [Blu-ray]

CINEMA
パリの冴えない30代男の日常と恋描く『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』(CINRA):11月公開。ボルドーの美術大学を卒業し、定職に就けずに親友と冴えない毎日を過ごしている30代の青年アルマンの恋や、周辺の人々との日常が描かれる。
「続・死ぬまでにこれは観ろ!」でフランス映画のDVDが続々再発売(amazon):『奇人たちの晩餐会』(HDリマスター版Blu-ray)、『ゲンスブールと女たち』(Blu-ray)、『メルシィ!人生』(HDリマスター版Blu-ray)など。

ART
仏アルビで草間彌生展、水玉のオブッセッション(culturebox):草間さんは86歳。ファンの撮影にも気軽にこたえていらっしゃるようだ。ところでアルビと言えば、中世の異端宗派として知られるカタリ派の別名、アルビジョワ派で知られている。
ゴッホがオーヴェル=シュル=オワーズで亡くなって125年(動画 culturebox):ゴッホ目当てに村には年間20万人が訪れる。記念の年である今年はゴッホの人生において重要だった場所で美術展が開催。★…一度行きましたが良い所。
Un été d'expositions à Paris=今年の夏のパリの美術展(culturebox):Le design italien au Musée d'Orsay, la peinture congolaise à la Fondation Cartier, l'architecture humaine de Lucien et Simone Kroll à la Cité de l'architecture, exposition en plein air à Versailles avec Anish Kapoor ou voyage en pays inca au Quai Branly, un petit panorama des expositions à voir cet été à Paris.

行ってはいけない世界遺産いないも同然だった男クサマトリックス/草間弥生

LIVRES
『いないも同然だった男』パトリス・ルコント著(amazon):7月15日発売。「だれにも見えない男」は、愛を伝えるため、自分の存在を証明するため、英仏海峡を泳いで渡ることを決意するが…。映画界の巨匠ルコントならではの、ちょっと間抜けで哀感に満ちたふしぎな物語。
こんな人は、モン・サン=ミシェルに行ってはいけない(Newsweek):「見どころ」と「コストパフォーマンス」をもとに世界遺産をぶった切った、これまでになかったガイドブックより。

MUSIQUE
ニール・ヤングが新作でモンサントほか巨大企業を痛烈批判、その内容とは(webdice):「コーヒーは飲みたいが遺伝子組換食品は嫌だ」ニュー・アルバムの歌詞対訳掲載。スターバックス・コーヒーの商品をボイコットすべきだという声明も去年発表。

ザ・モンサント・イヤーズ(DVD付)
ニール・ヤング+プロミス・オブ・ザ・リアル
ワーナーミュージック・ジャパン (2015-07-29)
売り上げランキング: 393

VOYAGE
プロから見て、新幹線には大きな欠点がある ネットを通じた予約が世界の常識!(東洋経済) … 仏のTGV、日本から席を予約して向こうで引き換えれるが。日によってプルミエールクラスが安く出てていたりするのでお得。
“歴史的”訪日客が出国者を逆転、上半期914万人 京都は2年連続世界一の観光都市に(newsphere) 米旅行誌『Travel+Leisure』の読者投票による「魅力的な観光都市」年間ランキングに、京都が2年連続で1位に。


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タグ:映画 音楽 政治
posted by cyberbloom at 23:43 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年08月02日

『木村伊兵衛のパリ ポケット版』 朝日新聞出版

1950年代の中頃、渡航は夢のまた夢という時にパリに足を踏み入れた木村伊兵衛がカラーフィルムで撮影した街の姿。外遊の気負いも興奮もどこかにうっちゃって、東京の下町を着流しで歩くように街を歩き回り出会い頭に切り取った、お、という瞬間は、静かでおだやかな明るさに満ちている。パリ祭のようなハレの日の写真もあるものの、大半は街のいつもの暮らしのひとこま。屋台の店先。商家のおかみさん。若くない、逢い引きする二人。路上の子供たち。しかし一枚一枚ながめているとなんとなく心和むのである。古き良き時代へのノスタルジアのせいではない。前向きにいい気持ちになるのだ。

1月7日のパリでのあの事件以来怒濤のように押し寄せた一連の出来事が、この写真のかもし出す雰囲気を求めさせているのかもしれない。信じるものがちがっても、この一冊が記録した街と人々のおだやかさ、明るさは誰しもが大事にしたいのではないだろうか。夕暮れのパリの空の美しい色には何年も前にギャラリーで見た時もときめかされたけれど、この2015年2月に、手に載るサイズの本で見ると、なおいっそう心がふるえる。

GOYAAKOD

木村伊兵衛のパリ ポケット版
木村伊兵衛
朝日新聞出版 (2014-12-19)
売り上げランキング: 3,237

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タグ:パリ
posted by cyberbloom at 19:09 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−文学・芸術・思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年07月31日

「これ、どう訳しますか?」

フランス語会話や作文の授業を担当していると、ときどき、「これ、どう訳しますか?」という学生の質問に窮することがある。もちろん、僕のフランス語の知識が不足していることが最大の原因だが、それだけではなく、「日本語にはあってもフランス語にはない語彙」があるからだ。それは、日本とフランスの風習の違いによる。いくつか例を挙げてみよう。

1)「兄は社会人です。」
「社会人」とは、「実社会で活動している人」を意味する。では、学生は「実社会」に参加していないのか、という疑問が頭をよぎるが、要するに「社会人」とは、「自分で生計を立てている人」のことだろう。フランス語では、このような包括的な言い方は一般的ではない。そこで授業では、salarié(給料生活者)、fonctionnaire(公務員)、commerçant(自営業者)など、より具体的な職種を述べるように指導している。

2)「先輩の影響で」
フランスに留学して新鮮に感じたことの一つが、「年齢の違う人を ami と呼べる」ということだった。年上でも年下でも、tu で話し、bise をしたりする。日本語では、上級生は「先輩」、下級生は「後輩」となり、会社に入っても、入社年度による区分がある。同じ職階でも、入社年度が早い人は「会社の先輩」と呼び、丁寧語の対象となる。逆に言えば、ami と「友達」の意味範囲は、じつは一致しないということになる。

3)「鍋パーティーやりました」
複数の人間で一つの鍋を囲む、という食べ方をフランス人はあまりしない。似たものとして fondue が挙げられるが、あれはスイスに近いサヴォワ地方の家庭料理で、パーティーの主役になることはなさそうだ。少なくとも、一般的にフランスの学生同士がフォンデュを囲んで集まる、という風景は考えにくい。そういえば、フランス人が好む apéro というのも、日本ではなじみのない習慣で、日本語に訳しにくい。あえて言えば、「ちょっと一杯」?

こうした翻訳の難しさは、もちろん文化的背景の違いによる。外国語を話すということが、どこか窮屈なのは、自分が本来持っている文化をうまく入れることができないところがあるからだ。だからと言って、「社会人」や「先輩」といった概念を知らなかったかのように、つまりフランス人のように話すというのは、どこか芝居がかっている。外国人らしく話す、というのは、まさに僕たちノン=ネイティブの権利なのだから、「先輩と鍋パした」と簡単に言えないもどかしさとともに、フランス語を話していけばいいのだ。そうでなければ、フランス語圏でないところでフランス語を話すことは、ことごとく「本場の模倣」になり、どこまでいっても「ネイティブにかなわない」という話に終始してしまう。それではつまらない。


cyberbloom

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posted by cyberbloom at 07:12 | パリ ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | フランス語講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする