2016年03月27日

映画における不平等 - 「女性の年」と言われた今年のカンヌ映画祭

最近、「流行りの映画700本における不平等」という南カリフォルニア大学(USC)の研究レポートが話題になっていた。同大学には世界的に有名な映画学科があるが、2007年から2014年までの7年間に公開されたその年のトップ100の映画、合計700本を調査した。差別に関する興味深いデータをいくつか紹介すると、
□2007年〜2014年で、セリフのある役を演じた女性は、30.2%にしか満たない。
□2014年のトップ100本で主演もしくは共同主演した45歳以上の女優は皆無。その他の役で中年女性俳優が登場するのは19.9%。

つまり映画の中で女性は語る存在というよりは見られる存在で、しかも見られる存在は若い女性で、中年女性は映画から排除されているということだろうか。調査研究は、男女差別だけでなく、人種差別、性的マイノリティー差別など、多岐にわたって行われているが、それは今年のカンヌ映画祭で起こったことを否応無しに思い出させる。今年のカンヌも、これから日本にやってくるであろう、楽しみな作品が目白押しだったが、一方で、女性をめぐる問題や女性監督に焦点が当てられ、「今年は女性の年」と言われながらも、男性中心の映画界に対する女優や女性監督たちの異議申し立てが目立った。

女性の年?それとも女性差別?

カンヌ映画祭については、映画業界一般と同様に、これまでずっと男性が支配する世界だった。それゆえ、今年の公式セレクションが状況を少し切り開いたという安堵感があった。例えば、オープニング作品にエマニュエル・ベルコ監督の『スタンディング・トール Standing Tall 』が選ばれたが、女性監督作品がカンヌ開幕を飾ったのはカンヌ史上2回目のことだった。また、名誉パルム・ドールがアニエス・ヴァルダ監督に授与されたが、こちらは女性初だった。しかしベルコは、自分の作品がオープニングを飾ったことによって女性の権利が認められたと考えることを拒否した。「名誉なことは作品が選ばれたこと。このような名誉ある立場が女性に与えられたからといって、自分が恵まれているとは感じない」と。

コンペティション部門に、今年は2人の女性監督作品がノミネートされたが、とりわけ、レズビアンの抑圧された愛を描いたケイト・ブランシェト主演の『キャロル Carol 』は話題を集めた作品のひとつだった。アクション映画のジャンルでも、今日本でも上映され大人気の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でシャーリーズ・セロンが、麻薬組織との戦いを描いた『シカリオ Sicario 』ではエミリー・ブラントが、大活躍した。

しかし女性たちは「女性の年」と言われることに、いらだちを隠さなかった。「今年は女性の年だそうだけれど、1年限りの瞬間的ブームで終わらないことを願う」と、ブランシェットは記者会見でコメント。ブランシェットは、 2015年にもなっていまだにこうした問題が議論されるのは頭に来ると述べつつ、「これ以上議論されることを望まない。でも、議論する必要のある問題だ」と語った。

初監督作品『A Tale of Love and Darkness』のプロモーションでコート・ダジュールをかけずり回っていたオスカー女優、ナタリー・ポートマンは、女性が中心となって制作した作品は今なお「虚栄心のプロジェクト」‘vanity projects’ として片付けられてしまうと言った。ポートマンは「子供の頃、バーブラ・ストライサンドが自ら出演する作品を制作すると、人々がそれは虚栄心だ、虚栄心を満たすだけの作品だ、と言われていたことを思い出す」と語り、女性監督がわずかしか作品を撮っていないハリウッドの映画業界は「極めてアンバランス」だと批判した。

実際に数字を見てみよう。女性監督が全く含まれない状況も珍しくない今年のコンペティション部門には、2人の女性監督作品がノミネートされた。去年はどうだったか。コンペティション部門の18作品でも、女性は日本の河瀬直美監督(『2つ目の窓』)とイタリアのアリーチェ・ロルヴァケル監督(『ル・メラビジル Le Meraviglie』)の2人のみだった。2013年は1人、2012年はゼロだった。また去年カンヌに出品された1800作品全体でも、女性監督が手掛けた作品は7%だけだった。

今年のカンヌ映画祭のトークイベントで明らかにされたデータによると、昨年アメリカの大手映画会社が制作した映画のうち女性監督作品はわずか4.6%で、今年のアカデミー賞で最優秀作品賞にノミネートされた映画に女性主人公の作品は1本もなかった。また、昨年の米映画の興行成績トップ250作品のうち女性監督によるものはわずか6%で、1998年の9%かららに減っているという。

実はジェーン・カンピオンが審査員長を務めた去年のカンヌでも同じような議論があった。カンピオンは映画業界でトップを担う女性が少なく、それは業界「特有の性差別 ‘inherent sexism’」のためだと批判した。カンピオンは、パルム・ドールの受賞経験(1993年の『ピアノ・レッスン The Piano 』)がある唯一の女性監督であり、アカデミー賞でも監督賞にノミネートされた4人の女性監督の1人である。カンピオン監督の最新作は、テレビのミニシリーズ『トップ・オブ・ザ・レイク Top of the Lake 』で、故郷に帰った女性捜査官が児童虐待事件の捜査に関わっていくというストーリー。高視聴率を取り、賞もいくつか受賞している。

カンピオンは去年、「どれだけ経っても私たち(=女性)には取り分は回ってこない」と発言し、また「強い女性的な視点 a strong female vision 」を提示しただけで、それは驚きになってしまうと付け加えていた。つまりは、女性が映画を撮り、女性の視点を前面に出すことは特異なことになっていると。そのようなカンピオンの発言に対して、映画祭の主催者は、問題は認識している、しかし、作品の純粋な評価以外に別の要素を加えるならば、それはかえって女性監督たちに対する侮辱に当たるのではないかと反論した。主催者の発言は「作品の純粋な評価」と言われているものが、実は恣意的な前提に立つものだということを理解しておらず、評価の枠組み自体を全く疑っていない。

カンヌ映画祭のハイヒール論争

また今年のカンヌでは「ハイヒール論争」も巻き起こった。こちらは古臭いドレスコードに対する異議申し立てである。発端は映画情報サイト「スクリーン・デイリー」の記事によると、「キャロル」の上映会に出席しようとした50代の女性グループが、「ふさわしい靴に履き替えてくるように」と係員に言われ、入場を拒否されたという目撃証言があった。脚が不自由で平らな靴を履いていた女性もいたという。これに対して、エイミー・ワインハウスのドキュメンタリー映画でカンヌに参加したアシフ・カパディア監督が、ツイッターで「妻にも同じことが起きた(でも最後には参加できた)」というツィートが拡散した。監督や俳優/女優の、個々のツイートによる拡散の方が早くて、映画祭の主催者側の対応が常に後手に回るというのが近年の傾向のようだ。メディアだけを相手にするのならば、ある程度、情報を統制できるだろうが、SNSによる情報拡散は問題を即座に顕在化させてしまう。

カンヌ関係者は当初、「レッドカーペットでは女性はドレスにハイヒール、男性はタキシードの正装を義務付けている」と、ドレスコートの存在を認めていたが、ネット上で予想外の批判が噴出したことから、映画祭責任者のティエリー・フレモーはツイッターで「ハイヒールを義務付けているというのは根拠のない噂だ」とそれを否定した。しかし、すでに手遅れで、エミリー・ブラントが作品上映後の会見で、この件について意見を求められ、「とても残念。正直言うと、みんなフラットシューズを履くべきで、ハイヒールなんか履くべきじゃないと思う。私はコンバースのスニーカーの方が好き」と発言した。さらにイネス・ド・ラ・フレサンジュは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の上映会でレッドカーペットにフラットシューズで登場。イザベラ・ロッセリーニやサマンサ・ ベインズも追随し、ベインズはツイッターに「フラットシューズでレッドカーペットを歩くのはとっても楽しい」と投稿した。一方でカンヌではデビューしたての女優がカメラの前でセクシーポーズをとって自分を売り出す習慣があるし(写真上)、レッドカーペットを闊歩する女優たちのセクシーなドレスが話題になる(今年もソフィー・マルソーの〇〇が見えたと大騒ぎ)。

冒頭でも述べたが「流行りの映画700本における不平等」のデータによれば、映画に登場する女性は多くの場合、鑑賞される存在、男性の欲望の対象でしかないということになる。女性たちが男性の作った作品を喜んで見るのは、女性たちが男性の欲望を内面化しているからなのだろうか。それとも女性にはそれ以外の選択がないからだろうか。あまりにマッチョな場面に遭遇して(それを批判的に描いていたとしても)女性が不快になることは想像できるし、男女のあまりに固定化した役割や行動パターンに興ざめする経験は男性の側にも多々ある。女性たちが女性をとらえる新たな視点や枠組みの面白さに気がつき、また男性たちも、従来の境界のあいだを揺れ動き、攪乱するような固有の生き様に共感を始めれば、マッチョな作品をボイコットする突破口になるのかもしれない。グザヴィエ・ドランなんかの人気もそこにあるのだろう。

映画がリアルタイムの現実を反映し、多様なものになって行かざるをえないとすれば、映画を評価する人々は真っ先にそういう問題に敏感でなければいけないはずだ。しかし映画祭がそのような映画を批評する視点と力量をもたないとすれば、多様な現実を見せるという映画の役割に水を差すことになる。
現状を変えるのは経済の力?

一方で、メキシコの女優&プロデュサー、サルマ・ハエック Salma Hayek は経済的なインセンティブを強調していた。ハエックはカンヌで次のような発言をした。「私たちのできる唯一のことは、私たち(=女性)に経済的な力 an economic force があることを示すことです。それ以外に彼らを動かすことはできないでしょう。彼らはお金を見たとたんに即座に態度を変えますから」

女性ではないが、ある経済番組でLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)のマーケットとしての可能性ついて特集していた(テレビ東京WBS特集「 声を上げる同性愛者」)。日本でも10人に1人は LGBT で、日本だけでもその市場規模は5.7兆円と試算されているらしい。LGBT の人々の生活習慣に根差した新しい需要を掘り起こそうというわけだ。例えば、同性カップルは従来の家族の定義には当てはまらないので、スマフォの家族割引を適用しない通信会社があるのだという。また同性カップルは賃貸住宅の入居さえも断られることもあるし、2人で住宅ローンを組むこともできない。このような不都合を解消していくことがマーケットを生み出すことになる。また、任天堂が作った家族ゲームが LGBT を排除していたことで、アメリカで社会問題化し、任天堂は謝罪に追い込まれた。つまり LGBT に対応しないことが、今やグローバル企業の大きなリスクになっている。番組ではソニーの幹部が LGBT を支援する NGO の主催者からレクチャーを受けていたが、そうやってまず消費者との関係において企業が動く。それが社会的な認知度を高め、最終的に政治も動かざるをえなくなる。

映画作品の中で LGBTQ(LGBT+ジェンダークィア)が占める割合も低く、2014年に公開された映画トップ100本の4610人のキャラクターの内、19人だけがレズビアン、ゲイ、バイセクシャル(トランスジェンターは無し)と確認されたそうだ。約0.4%である。先の10人に1人という割合からかけ離れた数字だ。世論調査によるとアメリカ人の3.5%がLGBTで(ミレニアル世代に限れば7%)、アメリカの人の20%が同性に魅力を感じたことがあるという。このような欲望や感受性を表現する余地はまだまだあるだろう。「流行りの映画700本における不平等」で白人男性中心主義で邁進していることが暴露されてしまったハリウッド映画は、一般公開まで試写会を重ね、観客の反応に対して徹底したリサーチを行い、場合によってはストーリーの変更も辞さないようだ。それが「我々は観衆の欲望を代弁している」という口実を与えているのだろうか。

最近、映画「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドを演じたピアース・ブロスナンの「次期ボンドは黒人か同性愛者でも良い」というリベラルな発言があったが、一方で、映画がグローバル化し、イスラム教徒の人たちもハリウッド映画を見るようになった。つまりイスラム圏という新しいマーケットが意識されるようになったわけだが、その際、同性愛を禁じているイスラム教を信仰する人たちに配慮する必要も出てきたと言う。グローバル化が必ずしも多様性に行きつかない現象だ。

カンヌだけでなく、ハリウッドでも2015年は「女性の年」と言われていて、女性の主人公がストーリーを引っ張る作品が人気があるという。そのような作品は多くの女性客を呼び寄せ、今年のヒット作品『Cinderella』『Fifty Shades of Grey』『Insurgent』の観客の60%以上が女性なのだという。また家族客という枠組み(家庭でのDVD鑑賞も含め)も今年の映画において重要なファクターになっているようだ。

この文章は以下の記事を参照した。
□Inequality in 70 0 Popular Films(August 6 2015, USC)
□Cannes stars reject patronising 'Year of Women' tag(May 19 2015, AFP)
□「女性監督が少なすぎ、映画界は男性社会」カンヌ審査員長(2014年5月16日、AFP)

※(初出2015年8月23日):アカデミー賞では2015年から「白すぎるオスカー」が問題になっている。2015年のアカデミー賞授賞式で、ジョージ・クルーニーを含む複数の俳優が「会場が真っ白」などと、アメリカの映画界が未だ白人至上主義であることをジョークを交えて批判した。その傾向は2016年も変わらず、ノミネーションにおいて、2年連続で俳優部門20枠を白人が占めたことで議論が勃発した。スパイク・リー監督や、ウィル・スミス夫妻らが授賞式の欠席を表明し、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが会員ルールの変更を発表する事態となった。


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2016年03月10日

『「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか?』

「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか? 海外で成功するローカライズ・マーケティングの秘訣あまりにも身近にありすぎて、私たち日本人が当たり前だと思っている日本のスナック菓子の味のクオリティー。パッケージなどに凝らされている様々な工夫。これらは世界のマーケットでも十分通用するもので、すでに多くの国のスーパーで売り上げをのばしています。台湾のコンビニなどは、日本のスナック菓子で席巻されているといいます。先日、フランスからやってきた若い友人たちはお土産に抹茶味のキットカットを買い求めていました。ピンポイントな好みに対応できる多様性と、買ってみたくなる意外性も日本のスナック菓子の魅力につけ加えることができるでしょう。

副題の「海外で成功するローカライズ・マーケティングの秘訣」にあるように、スナック菓子の開発の担当者たちは、進出した国に最適化するためにどのような努力をしているのでしょうか。本書は業界関係者向けではないので、海外と日本の食品関連規制の違いが生む問題や、流通ルートなど専門的な知識には踏み込んでいませんが、海外市場開拓に活路を見出す日本のお菓子業界の勢いを目の当たりにすることができます。

「ポッキーはなぜフランス人に愛されるのか?」というタイトルが付いていますが、この本ではフランスだけでなく世界各国のスナック菓子事情が扱われています。しかしマーケッティング的には、ポッキーは他ならぬ文化国フランスで愛されていることが重要なのでしょう。

フランスにおける「ポッキー」にフォーカスしてみましょう。フランスで「ポッキー」がヒットした理由は、まずその形状にあります。ポッキーの特徴は、手で持つところがあり、食べているときに手が汚れないこと。食べながらおしゃべりできることです。忙しい日本では「電話で人としゃべりながら」「原稿を書きながら」ということになるのですが、時間のゆとりを好むフランスでは別の楽しみ方はあるような気がします。フランスではしばしば自宅に友人を招いて食事をしますが、食事の前のアペリティフにちょっとしたスナックを供し、それを食べながらおしゃべりに興じます。このようなニーズにも、ポッキーの特徴がはまったのでしょう。同じ「ながら食べ」でもその国の文化や習慣に寄り添う形で浸透するのです。

実はフランスのポッキーはミカドという名前で売られています。私はずっと、「日本といえば帝=ミカド」という安易な連想で名前が付いたのだと思っていました。しかし、ヨーロッパにミカドという中国発祥のポピュラーなゲームがあり、細い棒を使って遊ぶのですが、ポッキーの形態はそれに酷似しています。おそらくこちらが名前の由来なのでしょうが、ミカドのパッケージの日の丸っぽいイメージを考慮すると前者の線も捨てきれません。

そして著者が言うには、「フランス版ポッキー=ミカドは、成熟した大人の味」だそうです。そう言われて思い出すのが、フランスでよく見たミカドの CM です。ミカドの初期の CM はオフィスを舞台にしており、日本人らしき上司と OL が淫靡な雰囲気を漂わせる「コピーする女 copieuse 」や、ディスクワーク中の男女がミカドを使ってエッチなやりとりをするシーンなど、子供には決して見せられない悪趣味なレベルに達しています(youtube にいくつかアップされているので探してみてください)。これもフランスの恋愛文化をなぞっているのでしょうか(笑)。

もちろん「ポッキー」はフランスだけでなく、グローバルに展開しています。「ポッキー」をグローバルブランドに育成するのに、まず攻略すべき地域であったという ASEAN では、ネーミングは「ポッキー」に統一されたそうですが、当初マレーシアでは「ポッキー」の音がイスラム教の禁忌である豚肉「ポーク」に聞こえるという理由から「ロッキー」にしていたそうです。

このようにネーミングひとつとっても、その国の人が想起する独特のイメージがあり、それが直接売り上げに影響します。ただ良いものを造れば売れる訳ではないところが世界展開の興味深いところであり、難しいところでもあります。商売を成功させるためには、その国の商習慣といった経済面だけなく、その国の言語や文化(生活習慣)を学ぶ事が重要だということでしょう。そのためには自分の国の文化とは異なる文化を尊重する気持ちが必要なのでしょう。

日本とは違って、働く世代の割合が増え、人口ボーナス期に入る新興国は海外にまだまだあります。これは食品の分野に限りませんが、日本企業はこうした戦略によって、日本の縮小していく国内市場の売り上げをカバーしようとしているわけです。日本企業が海外に直接投資し、多国籍化せざるを得ない事情も見えてくるでしょう。だから日本企業に就職する場合でも、もはやそのような問題意識と無縁でいられないのです。

まさに『セカ就!』(=世界で就職)のこの一節を思い起こさせました。

「同じことを伝えるのでも、国ごとに伝え方は全然違う。アメリカ留学のときに苦労して身につけた「グローバルスタンダード」は、実はただの「アメリカ流」でしかないことに気がついたのは大きな収穫だった。世界には無数の「○○流」があり、相手の作法に合わせて伝え方をちょっと変えるだけで、話はスムーズに運ぶし、相手から信頼もされる。」

cyberbloom

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2016年03月08日

週刊フランス情報 FEVRIER 22 - MARS 6

国がEU離脱なら、仏から移民流入させる─仏経済相=FT(ロイター):マクロン経済相は、英国が6月の国民投票の結果、欧州連合から離脱するならば、フランスから英国への移民流入を食い止めていた国境管理をやめると警告した。
仏カレー難民キャンプの解体防げ、英俳優J・ロウさんら立ち上がる(AFP):仏北部カレー郊外にある大規模な移民キャンプ、通称「ジャングル」で難民たちが立ち退きを迫られている窮状を広く知ってもらおうとジュード・ロウさんがキャンプ内で公演。
立ち乗り10ユーロ、「LCC弾丸列車」の衝撃 価格破壊は日本の鉄道会社にも波及するか(東洋経済):この春、パリ―ブリュッセル間に、格安料金の高速鉄道列車がお目見え。立ったまま乗車すれば、料金は10ユーロ(約1240円)。★…タリスと言えば、去年、テロ未遂があった線であるが。

CINEMA
異人種間結婚多いフランス「多様性ゆえに国が豊か」 映画「最高の花婿」のショーヴロン監督に聞く(Huffpost):フランス西部のロワール地方に暮らすヴェルヌイユ夫妻は、3人の娘たちがそれぞれアラブ人、ユダヤ人、中国人と国際結婚…
César 2016 : "Fatima", Vincent Lindon et Catherine Frot...(culturebox):2016年のセザール賞:最優秀作品賞に「ファティマ」、最優秀女優賞に「偉大なるマルグリット」のカトリーヌ・フロ、最優秀監督賞に「あの頃エッフェル塔の下で」
Meilleur film : "Fatima" de Philippe Faucon
Meilleure actrice : Catherine Frot - "Marguerite"
Meilleur acteur : Vincent Lindon - "La loi du marché"
Meilleure réalisation : Arnaud Desplechin pour "Trois souvenirs de ma jeunesse"
Meilleur film étranger : "Birdman" d'Alejandro González Iñárritu
映画『偉大なるマルグリット』衣裳展が開催中。1920年代フランスの豪華絢爛な空間へトリップ!(T-SITE):壊滅的な音痴でありながら音楽を愛し、夫を愛するマルグリットの数奇な運命を描く。
アカデミー賞で話題の人種問題、仏では昨今のヒット作のテーマ(映画.com):南仏のブルジョワ家庭の4人姉妹がアラブ人、ユダヤ人、中国人、黒人と結婚する「最高の花婿」、オマール・シー主演の19世紀の実在の黒人道化師を描いた「ショコラ」

YOKAINOSHIMAWILDER MANN (ワイルドマン)

EXPOSITION
ポンピドゥー・センター所蔵作品から近現代美術を紐解く『傑作展』(CINRA):6月11日から東京・上野の東京都美術館で。同展は、フランス・パリの総合文化施設「ポンピドゥー・センター」の所蔵作品を紹介する展覧会。1906年から1977年までの1年ごとに1つの作品を選出し…
仏写真家が日本の伝統や奇祭を写した写真展が銀座メゾンエルメス フォーラムで開催(WDD):銀座メゾンエルメス フォーラムは5月15日まで、フランスの写真家シャルル・フレジェの展覧会「ヨウカイノシマ(YOKAINOSHIMA)」を開催している。2013年1月の初来日以降、3年間かけて日本全国58カ所の伝統的な仮面神や鬼、祭りの際に着用する装束を撮影した写真をメーンに展示するもの。同氏の近年の代表作で、ヨーロッパの伝統的な祝祭の儀式で登場する「獣人(ワイルドマン)」の姿を撮影した「ワイルダーマン」シリーズも展示している。

LIVRES
新刊『近代日本とフランス象徴主義』(水声社):私を含め、FBNのライターが3人書いています!

MUSIQUE
Il y a 25 ans disparaissait Serge Gainsbourg (culturebox):セルジュ・ゲンスブールが亡くなって25年。多くのメディアが彼のことを取り上げる。命日は3月2日。


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2016年03月03日

En Chantant 新星ルアンヌ・エメラの「歌い直し」

夢見るルアンヌフランスで旋風を巻き起こしている歌手がいます。ルアンヌ・エメラ。18才、天涯孤独の身の上。笑顔がチャーミングな、健康的な Girl Next Door。テレビの勝ち抜きオーディション番組でセミファイナリストになった時に見いだされ、演技経験はゼロながら映画 ”La Famille Bélier” に出演。耳の不自由な家族の中ただ一人健常者である歌手志望の娘を熱演し、映画は大ヒット、彼女自身もセザール賞の新人賞を獲得。満を持して発表したファースト・アルバムもフランス国内チャートで1位を獲得、と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのニュー・スターなのです。

Chambre 12 強い、のびやかな声の持ち主で、タワレコのフランス・コーナーに並んでいる作品群の歌声とは一線を画しています。ファースト・アルバムに納められている曲も、アメリカやUKのチャート上位にいるガール・ポップと「違い」を感じません。コトバがフランス語なだけで、こだわりの洋楽派でなければ抵抗なく受け入れてしまいそう。「Made in France」というラベルなしでも、世界のあちこちでエアプレイされる可能性を持つ歌声が、国内からひょっこりでてきたということもウケている理由かもしれません。

しかしここまでの熱狂をルアンヌ嬢が引き起こしたのは、ホコリにまみれていた往年のフランス産ポップスをカバーしたことにあるようです。出演した映画では70年代フランスで一世を風靡した歌手、ミシェル・サルドゥのヒット曲がいくつも使われていて、ルアンヌもピアノ伴奏のみといった簡素なセットで歌っています。歌詞が映画のストーリーと呼応して感動を呼ぶところもあるのだけれど、この「歌い直し」がとても新鮮だったのです。

例えば、映画の主題歌ともいえる”Je Vole”。センチなメロディーがあの当時の男性歌手にありがちな堂々とした調子で歌われ、「語り」が半分ぐらいを占めるという、いかにもフランスなドラマチックな仕立てなのがオリジナル。

ルアンヌはオリジナルの大げさなな部分を削ぎ落とし、大スターへのリスペクトうんぬんもどこかに置いて、自分の声いっぽんだけで向き合いました。曇りのない声質を最大限に活かし自分らしく素直に歌って、説得力のある歌に生まれ変わらせたのです。ルアンヌの歌のおかげで、フランスは、サルドゥに代表される良くも悪くもこの国らしいポップ・ミュージックを様々な形で楽しんでいるようです。華やかなりし頃をリアルタイムで経験した人々は今の歌い手の解釈の違いや、蘇った歌そのものにときめいている。懐メロとしてしかサルドゥをしらない世代は、今まで経験したことのないフランス産のメロディーとの出会いを楽しんでいる…。

個人的には、ルアンヌの歌い方が今のフランスを写しているようで興味深い。小さい頃からR&B主体のアメリカのヒットチャートの音楽があってビヨンセがアイドル、な普通のフレンチ・ユースのリアルな姿が見えるのです。湿り気を嫌うヒップホップを浴びて育った世代から、甘さはあっても泣き濡れていたりしない新しいフランスのポップ・ミュージックが生まれてくるように思います―好き嫌いは別にして。
 日本のフレンチ党のみなさんはどんな印象をもつのでしょう?サルドゥ氏、歌の題材のチョイスでしばしば物議をかもし左岸派びいきからは眉をしかめられる存在だそうですが。

聴いてみたい方はこちらからどうぞ。
https://youtu.be/McF-ZsJi9Qo

ミシェル・サルドゥ―のオリジナルはこちら。
https://youtu.be/y9vrFrtbzLs

映画で使われているサルドゥの曲をもうひとつ。アメリカの人気ドラマ『glee』ではありませんが、オリジナルが放っている時代や背景といった臭気をとっぱらって素直な歌声で歌を蘇らせるという試みが、上手くいっていると思います。ルアンヌのフランス語の息づかいがリアル。
https://youtu.be/-er9ZsnXYkk

オリジナルはこちら。むむむ…
https://youtu.be/2Bv1S2wKxlE

サルドゥの代表曲 ”La Maladie d’amour” は若い頃の沢田研二が全く違う内容の日本語詞を付けてカバーしてます(『愛の出帆』)。こちらは、本家よりおすすめ。

ちなみに映画 ”La Famille Bélier” は、『エール!』という邦題で全国の映画館で封切られるようです。(先月開催されたフランス映画祭2015のオープニングを飾り、観客賞を受賞しました!)


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2016年02月23日

週刊フランス情報 15 - 21 FEVRIER

イダルゴ・パリ市長来日(時事):パリのイダルゴ市長は19日、2月29日から3月2日の日程で日本を訪問すると発表した。昨年11月のパリ同時テロを受けて、日本からの観光客は急減。市長自ら街の魅力を発信し、底上げを目指す。
EAGLES OF DEATH METALがパリで再びコンサート(culturebox):France2の午後8時のニュースを見ていたら「EDMが今パリのオランピア劇場で厳戒態勢で演奏中」と報じていた。去年の11月のテロから3カ月ぶりのパリでの演奏。EDMはバタクラン劇場の惨劇を生き残った人たちを招待。カウンセラーが付き添ったり、あの日を克服するセラピー的なコンサートになった。
難民問題で揺らぐ「シェンゲン協定」 廃止なら欧州にどんな影響がある?(ThePage):シェンゲン協定は締約国間でのヒトの自由な移動を保障するもので、ヨーロッパ統合の一つの要。その協定が崩壊の危機。きっかけはシリア難民の大規模な流入。
南仏ニース・カーニバル華やかに開幕、今年のテーマは「メディア王」(AFP):パレードにはベルルスコーニ元伊首相やドミニク・ストロスカーンIMF前専務理事をモチーフにした山車などが登場。
おひとりさまフランス人記者が東京で「はしご酒」に挑戦 (クーリエジャポン+Liberation):一人で酒場に入って飲むことは、フランスではあまりよく思われない。酒を飲むことは、本質的に社交的な行為とされているからだ…

薔薇の名前〈上〉プラハの墓地 (海外文学セレクション)服従

LIVRES
ウンベルト・エーコ氏死去、イタリアの作家 84歳(AFP):ベストセラー小説「薔薇の名前」で知られる哲学者。「薔薇の名前は」はショーン・コネリー主演で映画化もされた。エーコの新刊小説『プラハの墓地』がちょうど22日に日本で発売されるところだった。
Michel Houellebecq est l'auteur francophone le plus lu en 2015:ミシェル・ウエルベックが2015年で最も読まれたフランス語圏の作家に。
命の危険もある「スタンダール症候群=美容室脳卒中症候群」とは?(ヘルスプレス):シャンプーの最中に頭痛や吐き気がしたら要注意。1817年、フランスの作家スタンダールは、フィレンツェのサンタ・クローチェ聖堂を訪ねた。ジョットのフレスコ画を見上げた時に、至福感と激しい動悸に突然襲われた。その卒倒寸前になった恐怖を『イタリア紀行』に残している。1989年、イタリアの心理学者グラツィエラ・マゲリーニは、多くの外国人観光客が崇高な充実感とともに、強い動悸、目まい、圧迫感などの症状を現したことから、スタンダール症候群と命名した。★…文学的霊感も実はこういう原因だったりする。

CINEMA
彼は秘密の女ともだち [Blu-ray]パルムドール受賞作『ディーパンの闘い』“仏テロ事件後であれば作らなかった”(webdice):映画は現実をなぞるものではない―オディアール監督が演出法と哲学を語る。オディアール監督は、現在ヨーロッパで議論を呼んでいる人種・宗教・移民問題をベースに、これまでの作品でも一貫してモチーフとしてきた人間の本能、動物的な衝動をディーパンの姿を通して描いている。
M・ストリープさん、白人男性中心の映画制作業界を批判(AFP):ベルリンで開催中の第66回ベルリン国際映画祭で行った若手俳優向けの講演で、米映画制作各社の重役から白人男性が減らない限りハリウッドの多様性をめぐる問題は解決できないと。
[新作DVD]『彼は秘密の女ともだち』フランソワ・オゾン監督ロマン・デュリス、アナイス・ドゥムースティエ主演。2月17日発売。

EXPOSITION
シャネルやディオールのオートクチュールドレス集結、仏展覧会が上陸(cinra):『PARIS オートクチュール―世界に一つだけの服』が、3月4日から東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催。
La Villa Vassilieff :モンパルナスのアーティストたちの新しい楽園(culturebox):ロシアの画家 Marie Vassilieff の元アトリエがアーティストたちの展示室と住居を兼ねた新しい文化空間に。

SPORT
五郎丸、フランス強豪トゥーロンと2年契約か、現地テレビで報道(スポニチ):仏テレビ局「カナル・プラス」は14日、同国のラグビーのプロリーグ「トップ14」の強豪トゥーロンが、日本代表FBの五郎丸歩と2年契約を結んだと報じた。


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2016年02月15日

週刊フランス情報 8 - 14 FEVRIER

彼は秘密の女ともだち [DVD]仏上院、非常事態の3か月延長を可決 5月下旬まで(AFP):国民議会(下院)でも16日に可決される見通し。非常事態法は昨年11月に改正され、警察の権限が強化されたほか、令状なしの家宅捜索、集会禁止、容疑者の自宅軟禁などが可能になった
仏外相にエロー前首相 ファビウス氏の後任(中日):内閣改造:外相のほか、文化・通信相など3閣僚も交代。
ポール・ボキューズが2月11日に90歳の誕生日を迎える(Framce2):世界にガストロノミー・フランセーズを輸出した立役者。マクドナルドと提携したり、地元リヨン に高級ハンバーガー店(L'ouest express)を作ったり、未だにビジネスに勤しんでいらっしゃる模様。
500ユーロ札が廃止の動き(France2):日本で言うと5万円札に相当。今のレートで500ユーロは63500円。高額紙幣はかさばらないので、麻薬の取引やテロリストの送金に使われる。500ユーロ札はユーロの流通量の3%を占める。しかし景気の良いドイツが反対している。現金主義かどうかというのも関係ありそう。

MUSIQUE
グレイテスト・ヒッツ・フォー・ジャパン92歳を迎えるフランスの国民的シャンソン歌手、シャルル・アズナヴール最後の日本公演が決定(billboard):シャルル・アズナヴールは2016年で92歳を迎え、【最後の日本ツアー2016】と題された同ツアーは、“シャンソンの神様”と呼ばれる彼の歌声を日本で聴く最後のチャンスとなる。現在も圧倒的な声の存在感とリズムの多様性は健在であり、60年代から70年代にかけて日本で起こった“シャンソン・ブーム”の代表曲「帰り来ぬ青春」は、多くの日本人シンガーによって今なお歌い継がれている。
フランス人の最も好きなラブソングは「愛の讃歌」(culturebox):2位、3位はジャック・ブレルの「行かないで」「愛しかないとき」。非仏語の歌では、なぜかスコーピオンズの "Still Loving You" が1位でした。こういうところに仏人の趣味の悪さが垣間見れられる(笑)。
Les Eagles of Death Metal がヨーロッパツアー(culturebox):パリのオランピア劇場でコンサートを行い、バタクランの惨劇を生き延びた人たちを招待。

EXPOSITION
Robert Doisneauイメージの釣り人」と称された仏写真家ロベール・ドアノーの写真展『Les Leicas de Doisneau』(CINRA):5月15日まで京都・ライカギャラリー京都で開催中。同展は、ドアノーがライカのカメラを集中的に使用していた時期の作品を、大きく2つに分けて紹介する展覧会。ライカギャラリー京都では日本未発表の作品を含む1970年代から晩年の作品、ライカギャラリー東京では1950年代に撮影された作品を展示する。

CINEMA
César 2016:今年のセザール賞(culturebox):最優秀男優賞のリストにはジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルッキーニら、お馴染みの名前がありますが、ドパルデューは過去15回受賞の最多記録を持ち、ルッキーニも過去10回受賞しています。ノミネート作品は1月にシャンゼリゼ通りのバルザック・シネマで上映され、発表は2月26日です。授賞式はパリのシャトレ座で行われ、全国にテレビ放映されます。
[新作DVD]フランソワ・オゾン監督『彼は秘密の女ともだち』ロマン・デュリスが女装癖のある複雑なキャラクターを熱演。アナイス・ドゥムースティエも。2月17日発売。

LIVRES
フランス人は10着しか服を持たない2ジェニファー・L・スコット著『フランス人は10着しか服を持たない2』(2/9発売):パート2が出たんですね。1冊目は日本中を席巻し、2015年の年間ベストセラー第1位!(実用書・ノンフィクション部門)。

VOYAGE
JR東日本/フランス パリ・リヨン駅に日本の駅弁売店、3月1日オープン(OVO):“ベントー”は今や国際語。フランスでも日本スタイルの“bento”は大人気で、日本で弁当箱を買って帰る観光客や、実際にランチを弁当箱に詰めてブログにアップする人も増えている。だが、それでもなかったのが“駅弁”。それがついに上陸だ。パリからフランス南東部リヨン方面に向かう列車TGVなどが発着する、フランス国鉄リヨン駅構内に、初めて、日本の駅弁売店がオープン。
描き直される世界の観光マップ、テロ・感染症・移民危機で(AFP):旅行者の最近の好みの変化で最も大きな打撃を受けているのは、イスラム圏の国々だ。2015年の世界全体の海外旅行者は12億人に迫り、前年比4.4%増だった。しかし、北アフリカではかつて人気の観光地だったビーチが、閑散としている光景に目を疑うだろう。
あわわわわ!フランスのとある町(Saint-Guénolé)が泡だらけに!(ギズモード) 日本でいう波の花らしい。ナントの近くですね。塩で有名なゲランドとか。


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2016年02月09日

週刊フランス情報 1 - 7 FEVRIER

Réforme de l’orthographe : ce qui change vraiment―フランスの綴りが変わる!(Liberation):oignon⇒ognon(玉ねぎ)、week-end⇒weekend(週末)など。特にアクサンシルコンフレクスは消えつつある(仏語の歴史の証人的記号なのに)。全部で2400語、語彙全体の4%。FBN記事「フランス語の綴りが変わる!?」を参照。
フランス、スーパーでの食料廃棄を法律で禁止(BLOGOS):廃棄されるはずだった食品はフードバンクなどの援助機関に回され、必要とする人々に配られ、毎年数百万人に無料の食事を提供。こうした動きは仏だけではなくEU全体で高まっている。
「米は対キューバ制裁完全解除を」仏大統領(日経):フランスのオランド大統領とキューバのカストロ国家評議会議長は1日、パリの大統領府で会談。
現場スタジアムでテロ後、初試合「フランスが一つに」(朝日):パリ郊外のスタジアム「スタッド・ド・フランス」で6日、ラグビー6カ国対抗のフランス対イタリア戦があった。
パリ同時テロ現場のレストラン、映像売却報道で「商売が破滅」(AFP):デーリー・メールがモハマディさんの店に5万ユーロ(約650万円)を支払って、店の監視カメラが捉えた銃撃の映像を入手したとする報道によって、フランス世論は紛糾。

CINEMA
映画『あの頃 エッフェル塔の下で』『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』が神戸アートビレッジセンターで2月6日から上映!(KAVC):『あの頃 エッフェル塔の下で』:恋愛映画の金字塔『そして僕は恋をする』の名匠アルノー・デプレシャン監督が20年の時を経て、恋に生きた青春の日々を追憶。『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』:パリのはずれの街、メニルモンタン。ボルドーの美大を卒業したアルマンは定職にもつけず、親友のバンジャマンと冴えない毎日を過ごしていた。33歳の誕生日にアルマンは決意する。「仕事をみつける。運動をはじめる。タバコをやめる。」そろそろ、本当に何か起きないといけない!そんな日のジョギング。アルマンは運命的に出会ったアメリに一目で恋をした。
サンドリーヌ・ボネール、エマニュエル・ベアール、ジャンヌ・バリバール:ジャック・リヴェットの女優たちが彼にさよならを言う(culturebox)
タランティーノ監督の『ヘイトフル・エイト』、仏団体が上映中止を要求(AFP):今月開催される第88回アカデミー賞で3部門にノミネートされているクエンティン・タランティーノ監督の新作西部劇『ヘイトフル・エイト』をめぐり、フランスのカトリック系団体が「不法に上映許可を受けた」と主張し、仏国内の映画館での上映中止を求めている。また仏パリの裁判所は3日、プロムボワール側の訴えを認め、『アンチクライスト』の上映許可を無効とする判決を下した。プロムボワールが同作品を司法措置に追い込んだのはこれが3回目。

誰が星の王子さまを殺したのか――モラル・ハラスメントの罠犬の記憶 (河出文庫)ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2 2枚組(Vol.1&Vol.2) [DVD]

LIVRES
星の王子さまは「モラハラ」で殺された!? メルヘンチックな装いでコッソリ明かされる、この世界の恐ろしい秘密(現代ビジネス):こんなことを書くのは誰と思ったら安富さんだった。「星の王子さま」は子供向けの本ではない、仏人の面目躍如的なドロドロの大人の話?
2015年実現したSF、2016年以降実現するSF(WIRED):遺伝子操作やロボット兵士、合成生物学。米国における「戦場」業務への女性参加など、2015年に起きた変革から2016年に起きるであろう科学的な革新まで。サイエンスフィクションというジャンルが予言した、いまの世界情勢を一覧。
言葉の壁は崩壊寸前−翻訳ツールが切り開く未来(WSJ):機械翻訳は私がやっていたように辞書を使って翻訳する方法より飛躍的に速く、効果的だが、正確さや実用性、話し方の点ではまだ不十分だ。しかし、そんな状態も長くは続かないだろう。私の予想では、あと10年もすれば、この記事を読んでいる全ての人が数十の言語で会話ができるようになって、言葉の壁という概念そのものがなくなるだろう。★…最近、仏作文などの問題でスマフォでこそっとGoogle翻訳にかける学生がいて困る。語学教育の危機であるのかも。

ART
パリで森山大道写真展 "Daido Tokyo"(culturebox):パリのカルチエ財団現代美術館 Fondation Cartier にて、6月5日まで。

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タグ:フランス語
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2016年02月02日

週刊フランス情報 25 - 31 JANVIER

フランス非常事態宣言、3カ月再延長へ(毎日):昨年11月のパリ同時多発テロ後、フランスで発令された非常事態宣言をめぐり、オランド大統領は期間を5月末まで3カ月延長する方針を決定。オランド氏は非常事態宣言の発動や延長の条件などを明記した憲法改正案についても、近く審議を求める意向。
フランスで非常事態宣言延長に反対するデモ(NHK):非常事態宣言のもとでは裁判所の令状なしで家宅捜索などを行うことが可能で、警察による権力の乱用につながりかねないと懸念する声。参加者たちは「非常事態宣言は単に警察が、裁判所による監視を受けなくてすむようにするためのもので、好ましくない」「非常事態宣言はテロ直後の一時的な措置であるべきで、際限なく出されてはならない」と主張。
フランス法相が辞任、国籍剥奪の対テロ策に抗議(AFP):クリスティアーヌ・トビラ(Christiane Taubira)法相が27日、辞任を表明。テロ関連の罪で有罪判決を受けたフランス生まれの二重国籍者から仏国籍を剥奪することを可能とする憲法改正を目指す政府の方針をめぐる「大きな政治的不一致」が理由としている。
日本人観光客、戻ってきて!アンヌ・イダルゴ、パリ市長、訪日してPRへ(朝日):日本旅行業協会によると、昨年11月の同時テロ後の1カ月半で約2万8千人のキャンセルが出た。治安への不安は根強く、パック旅行の予約も平年の半分ほど。
仏全土でゼネスト、デモ120か所(AFP):フランス全土で26日「黒い火曜日」と称し、公務員や教員、病院職員らの労働組合が計120件のデモを決行。ウーバーなどの新興競合業者に抗議するタクシー運転者らがタイヤを燃やすなどして道路を封鎖。
ISのフランス人テロリストの3割は女性だった 割合は2年で3倍半に、続々とISに加わるフランス人女性(JBPress):昨年11月13日のパリの同時テロでは、テロリスト10人のうち5人が仏人だったが、女性1人が含まれていた。
IS「パリ同時テロ実行犯のメッセージ」公開(AFP):一方ル・モンドのサイトには同時テロの犠牲者の名前と年齢が写真とともに掲載されている。http://bit.ly/1OVg9hh

(088)揺れる移民大国フランス: 難民政策と欧州の未来 (ポプラ新書)ちいさこべえ 4 完 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)童夢 (アクションコミックス)

LIVRES
増田ユリヤ著『揺れる移民大国フランス: 難民政策と欧州の未来』ポプラ新書(amazon):池上彰さんとよく対談している方ですね。なぜ、フランスなのか?そして、絶望から立ち上がることができるのか。シャルリー・エブド襲撃事件、続けて起こったパリ同時多発テロで今なお衝撃と恐怖に支配される欧州。悲観的観測だけでなく、移民として懸命に生きる人々と市民たちの草の根の活動の中に希望を見出す。2月1日発売。

CINEMA
仏映画監督、ジャック・リヴェット死去(culturebox):1928年、フランスのルーアンに生まれ。エリック・ロメールと la Gazette du cinéma を創刊(その後、Cahier du cinema に引き継がれる)。映画監督としては1960年「パリはわれらのもの」で長編デビュー。1950年代後半から60年代にかけて世界的なムーブメントとなったヌーヴェルヴァーグは、リヴェットによる1956年の短編「王手飛車取り」から始まったとされる。
黒沢清によるフランス映画「ダゲレオタイプの女」、2016年秋に全国公開(ナタリー):黒沢清が監督を務めた初の海外作品「La Femme de la Plaque Argentique」の邦題が「ダゲレオタイプの女」に決定。
大友克洋がルーブルで記者会見(culturebox):アングレーム国際マンガ祭の前にパリに立ち寄ってルーブル美術館のホールで記者会見を行った。大友はフランスでも「AKIRA」で知られ、カルトなファンが多い。
"Chiisakobé", un manga intimiste en compétition officielle(culturebox):アングレーム国際マンガ祭で望月峯太郎も注目されている。★…「ちいさこべえ」は読んでみたい。「ドラゴンヘッド」から随分作風が変わったんですね。
情熱的な性愛を3Dで映す、ギャスパー・ノエ新作『LOVE【3D】』(CINRA):4月1日から全国で公開。妻子のいる主人公マーフィーが、行方不明になった昔の恋人・エレクトラとの2年間にわたる情熱的な日々を振り返る…
"Jane and Charlotte Forever":Jane Birkin et Charlotte Gainsbourg vedettes d'une rétrospective à New York(culturebox):NYでジェーンとシャルロット親子をテーマに Film Society of Lincoln Center で映画特集。19の作品が上映されるが、ふたりが共演しているのはアニエス・ヴァルダの"Le petit amour"(1988)のみ。

ART
仏の移民対応批判するバンクシーの壁画、板で覆われる ロンドン(AFP):この壁画は、ユーゴーの名作「レ・ミゼラブル」の登場人物コゼットが、フランス国旗を持ち、下に置かれた缶から催涙ガスが噴き出す中、泣いている姿を描いたもの。

JAPON
若い男性の約3割は「専業主夫」は指向だ 「家族サバイバル戦略」としての側面も(東洋経済):そこに身を置くと、異性はこういうことをつらく思うのだなと気づき、男女逆転を体験することで、お互いがとらわれている不自由さがくっきりわかってくる。
コストコが全国一律時給1200円以上でアルバイトを募集する理由(ThePage):高い時給は、首都圏の相場に合わせた結果。同社は、この基準を、グローバルスタンダードに基づくもの、コストコが進出している他の国においても同じルール、と
"預金者を罰する"マイナス金利で起こること 欧州では金利体系が混乱、年金運用に打撃(東洋経済):ECB(欧州中央銀行)が同政策を採用した直後、ドイツでは市民からそれに対する激しい怒りが沸き起こった。「貯蓄に励んできた人がペナルティを受け、節操なくお金を使う人が報われるとはどういう経済なのか?」。あまりの批判の強さに、ECBは当時、慌ててホームページに、一般の人々の預金金利はマイナスに当面はならない、との説明ビデオを掲載。


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2016年01月29日

週刊フランス情報 18 - 24 JANVIER

サルコジ氏が「ざんげ本」=大統領復帰にらむ(時事):「こわもてで鳴らしたサルコジ氏の「ざんげ本」は、早くも内容が報じられており、意外感を持って受け止められている。大統領返り咲きをにらんだ巧みな広報戦略と言えそうだ」
正確な仏語作文、キーボードが妨げ?仏政府が指摘(AFP):文字の上にアクセント記号を付けることはおろか、極めて重要な記号やユーロ通貨の記号のような簡便な記号を入力することさえ不可能な現状。仏政府はキーボードの配列の微調整を要求。
日航 成田−パリ便を3月16日から再開へ(news24):パリ同時多発テロの影響で運休していた成田−パリ間の便。春休みシーズンとなることや、人の移動が活発化する3月中旬には需要が回復すると判断。
フランスでモデルに健康証明書の提出を求める法律が可決(lifehacker):3〜4万人の拒食症患者を抱えるフランスが、痩せすぎのモデルが特に若い女性に与える影響を考慮。
「星の王子さま」フランス発刊70周年記念コイン 予約販売開始(Jcast):フランスで発刊されてから70周年を迎えたことを記念して、同国国立造幣局が鋳造、フランス共和国が発行した金貨4種類と銀貨3種類を日本でも販売する。
ムール貝食べ放題980円!「ムール&フリット」が自慢のお店が西新宿に(ASCII):バケツに山盛りのムールとこれまた大量のフリットのシェ・レオンを思い出す。生きたまま輸入できるようになって日本でも美味しいムールが食べれるようになったと聞いたが、実際あるお店で出てきて美味しかった。

フランス人の40歳からの生きる姿勢シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書)魔王〈上〉 (lettres)

ミレイユ・ジュリアーノ著『フランス人の40歳からの生きる姿勢』(amazon):世界37か国、300万部大ベストセラー「フランス人は太らない」の著者。…このテーマにはいささか食傷気味だが。
エマニュエル・トッド著『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧』 (堀茂樹訳、文春新書)(amazon) : 本書が扱うのは昨年一月にパリで起きた『シャルリ・エブド』襲撃事件自体ではなく、事件後に行なわれた大規模デモ。「表現の自由」を掲げた「私はシャルリ」デモは、実は自己欺瞞的で無意識に排外主義的であることを統計や地図を駆使して証明。
『ku:nel(クウネル)』3 月号「フランス女性の生活の知恵」特集:リニューアルされたクウネルに対するオリーブ世代の読者の失望がハンパない(amazonのレビュー)。
『ふらんす』2 月号 [白水社] 1月22日発売:好評連載中のフレンチブルーム×ムートンの対談では、先回の『スパニッシュ・アパートメント』に続き、『ニューヨークの巴里夫』をテーマにしています。米仏の恋愛観の違いや、同性婚や複合家族にも言及。
なぜヒトラーの禁書「わが闘争」は再出版されたのか? “極右が台頭する今こそ…”(newsphere):著作権を持つバイエルン州政府は、ネオナチが自分達の目的のために『わが闘争』を再出版することを予期し、著作権が切れた際の対策を協議…
仏作家ミシェル・トゥルニエが91歳で亡くなる:L’écrivain Michel Tournier est mort à l’âge de 91 ans(lemonde):フランスの作家、ミシェル・トゥルニエが18日、パリ近郊ショワゼルの自宅で死去。91歳。近親者らがAFP通信に明らかにした。20世紀仏文学における主要な作家の一人。

ふらんす 2016年 02 月号 [雑誌]ku:nel(クウネル) 2016年 03 月号 [雑誌]

CINEMA
仏映画の現在を伝えるオンライン映画祭『myFFF』:短編は無料配信(CINRA):最新のフランス映画を日本語も含む各国語の字幕付きで紹介。若手監督の作品を中心に、各10本の長編作品と短編作品がコンペティション部門に出品。
20年までに少数派倍増=米アカデミー賞投票会員−主催者(時事):黒人などマイノリティー(少数派)と女性の人数を2倍に引き上げると発表。ノミネート発表直後からツイッターなどで「オスカーは真っ白」と批判が殺到。

WORLD
外国人「日本で働きたい」2割のみ、留学生支援団体調査(日経):一方で「日本に住むのは魅力的」との回答は8割超。日本文化に対する人気とは対照的に、日本企業は役職や年功による序列が強く、男性優位といった負の印象を持たれている。
ロボットの台頭で消える職、20年までに500万人分余りも (bloomberg):職の未来」というリポートで、技術変革によって先進・新興合わせて20年までに700万人の職が失われる一方、200万人分が創出されると試算。

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2015年11月26日

ジェニファー・L・スコット『フランス人は10着しか服を持たない』

ジェニファー・L・スコットの『フランス人は10着しか服を持たない』という本が、2015年度上半期1位のベストセラーを記録した。フランス関連では、異例の売れ行きとさえ言える。学生が貸してくれたので、僕もようやく読んでみた。内容は、2001年1月から半年間、パリのフランス貴族の家にホームステイしたカリフォルニアガールのカルチャーショックを綴ったブログの書籍化である。もとがブログだから、と言うと失礼だけど、ざっと読み飛ばせる内容だ。そのうえ、各章に1ページの「まとめ」まで付いていて、要点を取り違える心配はない。

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質Lessons from Madame Chic: 20 Stylish Secrets I Learned While Living in Paris (English Edition)

原題は Lessons from Madame Chic. 20 stylish secrets I learned while living in Paris. マダム・シックとは、ホームステイ先のマダムに付けられたあだ名で、もう一人、マダム・ボヘミエンヌというカジュアル系人物もちらっと登場する。邦題は、服は各シーズンに気に入ったものを10着持てばよい、というマダムの教えに由来する。だから、全部で10着しか持たないのではなく、ワードローブには10着しか掛けない方がかっこいい、というニュアンスだ。その点、邦題は、やや誇張広告ぎみではある。ちなみに僕は、「フランス人はケチだから、10着の服を着回している」という、どちらかといえば、ネガティブな話かと思って読み始めたのだが、これは僕の先入観の方に問題があったのだろう。ごめんなさい、フランス人。

本書のメッセージはシンプルで、量より質が大事、ということに尽きる。間食せずに、食事を楽しむ。良品を普段使いする。部屋は散らかさない。近年のフランス映画を少しでも見ていれば、この貴族的なフランス人イメージが、平均的フランス人にあてはまるわけがないことくらい、すぐ分かるだろう。しかし、フランス人といえば、ワイングラスをかちんと当てて「トレビアーン」とか言っている感じ、というステレオタイプがあいかわらず存在しているのも、まぎれもない事実だ。これを、平均的アメリカ人は、チップスとジャンクフードしか食べず、普段はジャージーを着て、部屋は散らかり放題、というもうひとつのステレオタイプと対比させることで、質のフランスvs量のアメリカという本書の構図が、よりはっきりしてくるだろう。

質の向上は、物質的な側面だけでなく、人間においても求められる。新聞購読や「インディペンデント系の外国映画」や旅行を勧めるのは、そのためである。ここでも、平均的アメリカ人は、ネットの芸能ニュースしか読まず、ハリウッド映画を見て、パスポートなんて一生取得しない、というステレオタイプがあってこそ、わざわざ主張する意味が出てくる。

さらには、人間性向上の一環として、「ミステリアスな雰囲気を漂わせる」ことが推奨される。「初めて会った人に私生活のことをあれこれ話さないこと。それよりもアートや哲学やいま開催中のイベントなどについて話そう。興味深い話をして、どんな人なのだろう、とみんなに思わせるように」と、ジェニファーさんは提案している。あれ、こういうのを、スノビズムと言うのでは? いろんなことに興味をもって、自分の意見をもつことは大事だが、「あの人すごい」と思われたい、という動機でいいのか? そういうゲーム的なアプローチでも、いつか本物になるかもしれないという意味だろうか。

さて、不思議なのは、なぜこの本が日本でベストセラーになっているのか、というところだ。この本を手に取る人は、断捨離ブームの流れで、シンプルな生活のヒントを、フランス人に求めるのかもしれない。フランス人はおしゃれというイメージがあるが、10着の服しか持たないって? だったら、たとえ10着でも、「清貧」ではなく、なにかエレガントで知的な暮らしを提案してくれるはず、と読者は期待するのかもしれない。そのあたりは、正直なところ、僕にはよく分からない。

ただ、僕が思うのは、本書の面白さのひとつは、「日本人がパリでシンプルライフを発見した」というありがちなストーリーから少しずれている点にあるのではないか、ということだ(まあ、そういう本もよく売れていますが)。読者は、日本以上に大量消費社会であるアメリカから来た著者がパリの貴族邸であわてふためている場面では、「いや、ジェニファー、それはないだろ!」と突っ込みを入れつつも、「やっぱり人生はクオリティで勝負だよね」という結論部分では共感する、という読み方をしているのではないだろうか。

フランス人は人生を楽しむ達人である、というイメージは、かくしてアメリカ経由で、さらに強固なものになっていく。しかも、人生の楽しみは、恋と美食だけでなく、ファッションからアートまで、知的な楽しみも含む。フランスという文化アイコンの幅の広さと、その機能性の高さを、あらためて再確認できる本である。


bird dog

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タグ:フランス人
posted by cyberbloom at 21:06 | パリ 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−フレンチ・ライフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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