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12が3つ並んだ2012年12月12日、ルーブル美術館ランス分館 Le Louvre-Lens がオープンした。3週間で10万人が来場し、上々の滑り出しとなった。美術館の地方分権の先輩であるポンピドゥーセンター・メッス分館はすでに開館から2年が経ち、年間150万人が訪れる地方分館の最も成功した例になっている。ルーブル美術館はアラブ首長国連邦のアブダビにも新たな別館の建設を進めている(工事は予定より遅れているようだ)。フランスは中央主権国家であり、フランス革命以来、地方の経済的、文化的な衰退が著しかった。アヤゴン元文化相・ヴェルサイユ宮殿前館長は「文化の脱-中央集権化」の柱のひとつとしてルーブルの分館計画を位置づけている。
一方で坂氏は紙管を使う建築家として知られている。5年前にフランスの川に紙製の橋を架けて話題になっていた(→APF動画ニュース)。紙は一見、脆弱な素材に見えるが、恒久建築の構造材としても十分な強度を持つ。また紙はローコストで、入手しやすいという利点がある。その利点は緊急時に生かされる。坂氏は紙の建築を携えて支援活動に出かける行動する建築家でもある。阪神大震災やルワンダ難民キャンプの現場で仮設住宅を作り、同震災で消失した地元(神戸市鷹取)の教会の代わりに紙製の教会も建てている(建設にはボランティアが携わった)。そして 311 の東日本大震災では、女川町に輸送用コンテナを使った仮設住宅(画像あり)を建設し、ネットでも凄いと評判になっていた。コンテナを市松模様に積み、比較的狭いコンテナの中に子供部屋とバス・トイレを入れ、コンテナとコンテナの間のオープンな空間に全面ガラスを入れ、開放的な LDK を実現したのだった。
SANAA は国内外に注目される作品を提供している。Dior 表参道、金沢21世紀美術館、トレド美術館ガラスパビリオンなどが、世界的に高い評価を受けている。最近では「NEW ミュージアム」が、歴史的に有名な建築物の多いマンハッタンの新しいランドマークとして完成した。「 NY で現在、これほど未来への確信をインスパイアするような建築プロジェクトは他にはない」と NY タイムズから賞賛された。こちらは白い箱型の階層を重ね合わせ、自然光を取り入れる作りになっている。
中でもポンピドゥーセンター(写真)の360万人という数字は2000年の改装以降の最高記録である(前年比15%増)。館長が夏に計画的に特別展を催したことが功を奏したと言われている。そのひとつ、去年の夏に訪れたときに偶然やっていた「Paris-Delhi-Bombay 展」は新興国インドを対象にした全く新しいタイプの大規模展だった。ロレーヌ地方もポンピドゥーセンター・メッス分館 Centre Pompidou-Metz (設計は日本人建築家、坂茂)のおかげで良い結果を出した。この美術館は2010年5月にオープンしたばかりだが、去年の9月にオープンから16ヶ月で100万人に到達した。イル・ド・フランスの外では最高の集客だ。
ヴェルサイユ宮殿では企業の資金による修復も行われていて、例えば、あるコニャックのブランド会社によって天井の壁画が修復された。それを見て資金提供しようという個人もいる。「これは私の寄付で直したのよ」と庭園の彫像を指差すマダムが France 2 に登場し、小さなパネルには彼女の名前が記されていた。このようなスポンサーに応えるためにも、目をひく美術展やイベントが必要になる。古典的な作品とともに、村上隆のような現代的な作品が新しいお客を引き寄せている。古今東西の文化を混ぜ合わせ、多くのお客を楽しませるのが今のヴェルサイユの姿だ。アヤゴン館長のしたたかな戦略なのだろう。宮殿はとっくにブルボン王家のものではない。国が財政を切り詰める中、独自の収入がなければ巨大な文化遺産の維持もままならないのだ。
9月20日は Journées du Patrimoine といって、エリゼ宮を始めとするフランスの1500にのぼる公的な建物が一般公開される。公的な建物の多くは歴史的建造物。その中でもエリゼ宮(=フランス共和国大統領官邸)は目玉中の目玉である。その日、長蛇の列をものともせず、エリゼ宮探索に挑んでくれたKちゃんのリポートです。
「サルコジの私用の書斎とか、大使に会う部屋とか、20部屋ほど公開されてました。何しろ今使われているところですからね、興味深いです。もらった冊子の中に、Le directeur de cabinetからのメッセージが挟まれていて、そこには、'例年のように今年も多くの人に見学まで長い間待ってもらうことになると思い、私達はこの機会が皆さんにとって快適で興味深いものになるよう、できるだけのことを準備しました…。もし何か来年のためにコメントや提案等あれば、こちらへ送ってください…などと書かれています。どうも開門も予定より早かったみたいだし、待っている間も人間らしく過ごせるようになっていたし、去年の提案が実現したのでしょうか」(Kちゃん)
↑大使の間 Salon Des Ambassadeurs −共和国大統領が各国大使から信任状を受け取ります。
↑肖像画の間 Salon Des Portraits −元はといえば、ナポレオン1世の執務室だったのが、ナポレオン3世(第2帝政期)が当時の8人の国家元首の肖像画を飾ることに決め、この名がつきました。現在は共和国大統領の私用の書斎として使われています。
↑黄金の間 Salon Doré −共和国大統領の執務室。エリゼ宮のちょうど中心に位置しています。ジスカールデスタン大統領を除く、すべての第5共和国の大統領がこの部屋を仕事部屋にしてきました。部屋にはゴブラン織りの「ミューズたち」というタピスリーが飾られ、金色のブロンズとクリスタルで作られたシャンデリアはナポレオン3世の時代のもの。
- Boutique "Marithé et Francois Girbaud", Paris 75006, 7 rue du Cherche Midi, réalisé en 2002. (マルテ・エ・フランソワ・ジルボーのブティックの内装) - Hotel "Pershing Hall", Paris 75008, 49 rue Pierre Charron, réalisé en 2001. (ホテル・パーシング・ホールの中庭の壁面) - Fondation Cartier, Paris 75014, 261 boulevard Raspail. (カルチエ財団のエントランス) - Square Vinet, Bordeaux 33000, réalisé en 2005.
Ailleurs(フランス以外)
- Centre commercial "Siam Paragon", Bangkok, Thaïlande, réalisé en 2005. - Aquarium de Gênes, Italie.
昨年の6月にケ・ブランリー美術館がオープンした。アフリカ、オセアニア、アジア、アメリカからの品々を集めた、新しいタイプの民族美術ミュージアム。場所はエッフェル塔の足元、ブランリー河岸(= quai du Branly)。名前はそこから来ている。設計したのはアラブ世界研究所で知られるジャン・ヌーベルだ。新しい国立の美術館としてはポンピドゥーセンター以来、30年ぶり。トロカデロの人類博物館(musee de l’homme)とヴァンセンヌの森にあった、アフリカ・オセアニア美術館の所蔵品を引き継ぎ、新規購入品を加えた総数27万点におよぶコレクションの中から精選。仮面、彫刻、モニュメント、楽器、武器、装身具、テキスタイルが展示されている。
■定年退職前の厳しくも優しいロペス先生のもとで、勉強したり遊んだりする13人の子供たちの姿を追った、心温まるドキュメンタリー映画。Etre et Avoir―タイトルにもなっているこの二つの動詞から見ても、フランス人にとってのフランス語の始まりも、日本人がフランス語を始めるときと全く同じなんだな、と分かります。フランス語をやっている人なら、まるで自分も小学生になったような気分になり、子供たちと一緒に「うぃぃ〜!」「ぼんじゅ〜る、むっしゅ〜」と言ってしまいそう。