管理人:cyberbloom
★FRENCH BLOOM NET は「フランス」の情報化のプロジェクトです。具体的には、フランス語を学ぶ人やフランスに関心のある人のために、フランス関連情報を記事にして、カテゴリー別に蓄積しています。週末には「週刊フランス情報」と題して1週間のフランス関連ニュースをピックアップしています。この他にもサイトを運営しています。 □精鋭ライターによる投稿サイト:FRENCH BLOOM NET □仏検&フランス語学習サイト:FRENCH BLOOM CAFE □音楽専用サイト:FRENCH BLOOM MUSIC □インスタントストア:FRENCH BLOOM STORE ★当方、大学でフランス語を教えているメンバーを中心としたグループです。詳細やお問い合わせに関しては「ABOUT & PROFILE」をご覧ください。
C’est l’histoire d’un homme qui tombe d’un immeuble de ( ) étages. Le mec, au fur et à mesure de sa chute, il se répète sans cesse pour se rassurer : ≪Jusqu’ici tout va bien, jusqu’ici tout va bien, jusqu’ici tout va bien. Mais l’important, c’est pas la chute. C’est l’atterrissage. ≫
■C’est l’histoire d’un homme qui tombe d’un immeuble de cinquante étages. 1)( )に入るのは50=cinquante です。 2)qui は関係代名詞。 3)tomber de …から落ちる 4)文章全体を訳すと、「これは50階の建物から落ちている男の話である」
■Le mec, au fur et à mesure de sa chute, il se répète sans cesse pour se rassurer 1)mec は homme の俗語。 2)au fur et à mesure de(オ・フュール・エタ・ムジュール・ド) につれて 3)se répéter 自分に繰り返し言う、自分に繰り返し言い聞かせる 4)pour+不定詞 するために 5)sans cesse 絶え間なく 6)se rassurer 自分を安心させる 7)文章全体を訳すと「その男は、落ちるにつれて、自分をつねに安心させるために、自分に繰り返し言い聞かせている」
■Jusqu’ici tout va bien. 1)jusque+ici=jusqu'ici ここまで 2)va の不定詞は aller で、この場合は「順調である」の意味。動画は tout vas bien となっていますが、間違いです 3)訳は「ここまではすべて順調」
■Mais l’important, c’est pas la chute. C’est l’atterrissage. 1)l’important は形容詞に定冠詞がついたもの。形容詞に定冠詞をつけると名詞化し、「大切なこと」の意味になります。 2)c'est pas=ce n'est pas 会話ではしばしば ne が落ちます。 3)訳は「しかし大切なことは、落ちていることではない。どう着地するかだ」
これはマチュー・カソヴィッツの『憎しみ la haine 』の冒頭部分。1995年の作品で、同年のカンヌ映画祭の最優秀監督賞を受賞した。1992年に、18歳のザイール出身の若者がパリの交番で殴り殺されるという事件があり、カソヴィッツが『憎しみ』を撮る強い動機になった。カソヴィッツは同年に起こったアメリカのロス暴動を念頭に置いていて、アメリカでは激しい抗議が起こったが、フランスでは何も起こらなかった。映画でそれを埋め合わせたのだ、と言っている。
使い古しのネタですが、かなり前に扱ったネタなので知らない読者も多いと思うので取り上げてみました。「立山酒造」という富山の日本酒メーカーのローカル CM「人魚のカケラ」です。その CM で Gackt と篠原涼子がシュールなフランス語劇を演じています。語学が堪能なことで知られている Gackt ですが、人魚に扮した篠原涼子に向かって、いつもの感じでフランス語をしゃべっています。舞台はガウディ風のプールのある涼しげな庭。バックに流れるのはラヴェルの「クープランの墓」。今回は発音よりも文法の解説に重きを置きましょう。
Regarde. Ça te plaît? Heureuse? Je dois partir. Au revoir.
■Regarde.(見て) Tu regardes.→Regarde. 現在形から主語をとって作る命令形です。-er 動詞の場合、tu の活用では語末の s も落とします。
■Ça te plait?(気に入った?) 不定詞は plaire。A plait à B. という形でよく使われ、A は B を喜ばせる= B は A を気に入るという意味になります( A と B の関係に注意)。te は à を介しているので間接目的語。
■Heureuse? (しあわせ?) Tu es heureuse? ってことですね。相手が女性なので形容詞は女性形になります。heureux(男性) – heureuse(女性)と変化します。youtube のコメントのやりとりを見ると、フランス人はこれが聴き取りにくいようですね。 ―I can't catch this one. The Japanese sub says "Are you happy?" ―Il dit "heureuse" non? C'est ca que j'entends en tout cas.(彼は…って言ってるんじゃないの?私にはそう聞こえるよ)
■Je dois partir.(行かなくちゃ) dois はdevoir で、動詞の不定詞をつけて用いられます。英語の must にあたります。je dois tu dois il doit nous devons vous devez il doivent と変化します。主語を非人称にして、Il faut partir. とも言えます。
夏休み向けのフランス語講座を始めます。といっても、そんなご大層なものではなく、フランス語をとっている学生さんが夏休みのあいだにフランス語を忘れないように、というレベルのゆるい企画です。最近、大学でも IT を使った語学教材をお金をかけて作っていますが、IT が可能にするものの本質は何よりもブリコラージュにあるわけで、ありあわせのもので手っ取り早く、それもタダで作るというのが基本でしょう。
今回はヌヴェル・ヴァーグ期のオシャレ映画「勝手にしやがれ à bout de souffle 」の予告編を使ってみました。味気ない教科書の例文とは違って、ゴダールの映像と一緒だとスリリングだし、含蓄のある言葉に聞こえるでしょう。まずフランス語に耳を傾けながら、[ ] の部分を聴き取ってみましょう(答はいちばん下にあります)。また全体の読み方を確認し、何度も一緒に発音してみましょう。英語がそのまま使われている単語もあります。それと男性の声のナレーションの部分は省いてあります。
la jolie [ ](可愛い○○) le vilan [ ](聞き分けのない○○) le revolver(拳銃) le gentil [ ](やさしい○○) la méchante [ ](意地悪な○○) ※[ch]はシュ
la mort(死) la [ ] américaine(○○なアメリカ女) ※女性形の形容詞が入る le voleur d’autos(自動車泥棒) le concerto pour clarinette(クラリネットのための協奏曲) la police(警官)
la pin-up(ピンナップガール) le romancier(小説家) la boniche(女中) Humphrey Bogart(ハンフリー・ボガート、アメリカの俳優) Marseille(マルセイユ) mon [ ] Gaby(私の○○のガビー) Picasso(ピカソ) le photographe [ ](○○人の写真家) les anarchistes(アナーキスト) ※冠詞とリエゾン le magnetophone(テープレコーダー) ※[gn]はニュ
la tendresse(優しさ) l’aventure(冒険) le mansonge(嘘) l’amour(愛) les Champs-Elysées(シャンゼリゼ) la peur(恐怖)
le diable au corps(「肉体の悪魔」映画&小説のタイトル) du rififi chez les hommes(「男の争い」映画のタイトル) et Dieu créa la femme(「素直な悪女」バルドーが出ててるイタリア映画) scarface(「スカルフェイス」映画のタイトル) à bout de souffle(「勝手にしやがれ」
ミシュランの旅行ガイドには、où se restaurer ? という項目がある。「お薦めレストラン」ということだが、直訳すれば「どこで自分自身を立て直すか」という風になるだろう。これをあえて拡大解釈すれば、フランス人は空腹で倒れそうになるまで食事をしない、ということかもしれない。大量のサラダやスープの後に、肉とポテトを平らげ、チーズでワインの残りを流し込み、クリームのたっぷり詰まったデザートを食べる人たちを見ていると、レストランというのは、美食のためではなく、まずは空腹を徹底的に駆逐する場なのだ、と思わずにはいられない。空腹が満たされるという前提があったうえで、それをいかに愉しく満たすか、という付加価値が成立する。
どうも欧米人というのは、とある事物・名詞にたいして特定化、不特定化、ひとつか、それ以上か、という概念整理を暗黙裡におこなっているようです。つまり、日語の「犬が好き」という表現は、「犬」を一個の「集合」概念としてとらえて、ある意味では「犬という動物種が好き」といった感じになっているように思います。ところがI like dogs&J’aime les chiensというとき、犬をいったん複数化することによって1匹2匹3匹…n匹と具体的なイメージを与え、そしてこれらの「集合」としてのdogs& chiensを想起しているようです。強引に日語化すると「あの犬もこの犬も、犬はみんな好き」といった感じなんだろうか。
ちなみに、すくなくともフランス語では定冠詞がつくので、以上のような「複数の犬集合」という考え方でいいんだろうと思います。ただ英語では無冠詞になるのは、なんでなんだろうか。そもそもtheはthatに由来するそうですが、I like the dogsとなると限定的側面が強すぎて、たとえば「(だれかの飼っている)あの数匹の犬が好き」って感じになるのかな。
さらに、ぼくの高校時代、英語の先生が不可算名詞の説明するときに「チーズは数えられないでしょ。たとえば犬は1匹2匹と数えられるけど、チーズはそうじゃないですよね。だから不可算になる。だから不定冠詞のaや複数形のsがつかないんだ」みたいなニュアンスで教えてくれましたが、ぼくはかなり不信感をもちました。製品一個一個としては数えられるし、そもそも実際上チーズは一個に固まって存在しているのではなく、大なり小なりそれこそ食べこぼしのゴミくずのようになったチーズでさえ、やる気があるなら数えられるはずなのになぁと。その後、チーズというかcheeseは一個のまとまった製品などを考慮に入れれば可算名詞となり、たとえばI bought two cheesesといえることを知り、自分の考えはどうも間違ってなさそうだと推論。さらにその後、名詞の可算と不可算は客観的事実というより、話者(≒言語体系)の心象に依存するというという説明をみて、目から鱗がぽろぽろ落ちるように納得。つまるところ、英米人が「I love cheese.」というときの「cheese」は、日本語でいう「わたしはチーズが好き」というときに日本人のとらえる「チーズ」の数の数え方とおなじような心的状況をもっているのかなぁと。
・the second floor—2番目の階(米語) ・the first floor—1番目の階(英語) ・le premier etage—1番目の階(仏語)
米語は日本語とおなじ。ところが英語&仏語では日&米でいう「2」階を「1」階ととらえている。ぼくは言語学者ではないので語源などの知識で説明できませんが、仏語の場合、Il est a l’etage「彼は2階にいる」という表現があり、さらにetageを仏仏辞典で調べてみると「建物の床と床の間の空間」とあるので、etageという単語は、複数階でもって作られた建物の存在&地面から離れた床と床の間にある空間の存在とを暗示していて、rez-de-chaussee(地上階=車道とおなじ目線の階)から数えてひとつ目の階をしてle premier etageといってるんじゃないかな。etageに関して仏人にとってみれば、どーんと複数階をもつ建物があってこれが地面から離れていくまず「1」番目の空間が「2」階になってるんじゃないかな。
ただ、米語&英語の場合はどうなのかな。floorには「床」って意味があるし、そもそも「建物の床と床の間の空間」というのなら英語ではstoryって単語があり、しかもこれでもたとえば「彼の事務所は2階にある」というのが表せて、で、この場合His office is on the second story… このあたり、いったいどうなっとるのだろうか。
■定年退職前の厳しくも優しいロペス先生のもとで、勉強したり遊んだりする13人の子供たちの姿を追った、心温まるドキュメンタリー映画。Etre et Avoir―タイトルにもなっているこの二つの動詞から見ても、フランス人にとってのフランス語の始まりも、日本人がフランス語を始めるときと全く同じなんだな、と分かります。フランス語をやっている人なら、まるで自分も小学生になったような気分になり、子供たちと一緒に「うぃぃ〜!」「ぼんじゅ〜る、むっしゅ〜」と言ってしまいそう。