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日本男性のコミュニケーション下手は、社会的な役割分担の中で、男性の女性への依存関係ができ上がってしまったことに原因があるのかもしれない。この場合の依存とは男性が女性に身の回りの世話をされるという関係で、その役割は母親から妻へと受け継がれる。一方で、女性は男性に経済的に依存し、両者が互いに all or nothing の極端な関係に陥ったことが問題なのだろう。つまり経済的自立と生活的自立のバランスが悪すぎたのだ。その中で自立した人格として女性に働きかけるチャンスが失われ、コミュニケーションが貧困なものになっていくのは当然の成り行きと言える。
フランス出生率2.02に上昇、欧州トップ ■フランス国立統計経済研究所(INSEE)が13日に発表した統計によると、2008年のフランスの出生率は前年を上回り、女性1人あたりが産む子どもの数が平均2人以上となり、欧州トップの座を確かなものにした。INSEEによると、フランスの人口はドイツについで欧州第2位で、2009年初頭の住民数は08年から36万6500人増え、6430万人となった。 ■フランスでは、出産適齢期の女性数は減少しているものの、出生率は上昇を続けている。08年の女性1人あたりの出産数は、07年の1.98人を上回り、2.02人となった。また、08年のフランスの出生数は80万人を超えた。これは過去最高数で、フランスの家族支援政策が成功したことを示す結果となった。フランスでは、政府による養育費支援や家族支援手当が定着しており、また、妊婦支援や育児休暇を提供する労働法が整備されたこともあり、若いカップルの育児が支援される環境がある。 ■欧州全体の平均出生率は1.5人で、フランスとアイルランドが高い出生率をけん引している。多くの西欧諸国と同様、フランスでは高齢出産が多く、出産時期は1980年代と比較して2歳ほど伸び、30歳ごろからが多い。出産率は30-40歳のグループで上昇しており、前年の出生数の5人に1人が35歳以上の女性の出産となった。1998年には、晩産は16.5%ほどにすぎなかった。また、2006年以降、婚外子の増加傾向が続いている。2008年には、新生児の52%が婚外子となり、1998年より10%増加した。 (1月14日、AFP) 【動画】C'est en France qu'on pouponne le plus ■Selon l'Insee, la France a franchi en 2008 le seuil des deux enfants par femme en moyenne. Notre pays est ainsi devenu le champion d'Europe de la natalité, une première depuis 30 ans. (13 janvier, TF1)
★2008年のフランスの出生率が2人の壁を突破した。子供を産んで欲しければ、政府がすべてを整備することだ。フランス国民がそれを強く要求し続けてきた結果である。フランスでは育児休暇が16週間、3人目の子供からは26週間取れる。ベビーシッター制度、家族手当、学校手当も充実し、6歳以下の子供を育てるのにヨーロッパで最もお金がかからない国だ。こうした政策が出生率を後押ししている。フランスでは85%の女性が働き、家庭の母と社会的な役割を両立させているが、もちろん男性の協力があってこそだ…これがTF1のニュースの内容。 ★フランスと比べると日本の子育て支援なんて、何もしていないに等しい。それどころかこれから子供を作る世代に経済的なしわ寄せを押し付けている有様。働く若い世代の3分の1以上は非正規雇用にもかかわらず、今回の派遣切りでは何のセーフティーネットもないことが明白になった。今回の世界的な不況がフランスにもどのような影響を与えるのか見物だが、こういうときこそ手厚い社会的なバックアップが重要になる。それにしても、このニュースを日本のマスコミはほとんど伝えていないようだが、伝えられると困るのだろうか。 ★読者の方に指摘していただいたのだが、「相対的に出生率が高い移民が多いからフランスの出生率は高い」という議論がある。これは「移民をめぐる状況が異なるから日本とフランスは同様に論じられない」とか、「少子化対策として移民を受け入れよう」という主張の根拠になっている。これに関して、「子ども(連れ)にやさしい国の高い出生率」という記事に「出生数全体に占める移民女性の出生数の割合が小さく、出生率全体へのインパクトは限定的で、小数点以下2桁レベルのインパクトしかないという試算もあるようです。第2に、移民女性の出生率が高いという点も移民の時期に左右されるため、割り引いて考える必要がある」と書かれている。筆者はこうした移民と出生率との議論を関連付けることには慎重であるべきだと述べている。「移民の時期」とは、元の国にいたときならともかく、フランスに住む移民が今の時代において貧乏子沢山的な状況にあるかということだろう。何よりも出生率の増加を85%に達する「働く女性」に帰そうとしているが、実際リーズナブルな方向なのだろうし、これは自由と人権の国のアピールにも都合の良いディスクールなのだろう。 ★TF1のニュースの中に、出生率の上昇が à faire pâlir d’envie nos voisins (私たちの隣国を顔面蒼白になるほどうらやましがらせる)という表現が出てくるが、とりわけフランスが意識しているのはドイツである。ニュースで発言しているジャーナリストも「ドイツには保育園も幼稚園もない」と名指しで言っている。家族政策を人口政策として位置づけるフランスの方針はドイツとの対抗意識から始まった(もちろん第二次世界大戦の経験も)と言われているが、政策目標を一貫させると(日本にはこれが全くない)効果が現れるという好例である。ドイツ(人口8200万人)より大きくなりたいという悲願は案外、叶うかもしれない。例えば、EU加盟国に割り振られているEU議会の定員はドイツが99人で、フランスが78人。人口に比例し、人口が多いとそれだけ発言力が増すということだ。
前の結婚でもうけた子供を、ヴァカンスでなく格差社会の現実を教えるためにインドへつれていくなど型破りなパパであるトゥイトゥですが、愛娘のために拵えた幼稚園、Ateliers de la Petite Enfance(略称A.P.E.)のカリキュラムもユニークそのもの。あくまで子供の個性、自主性を尊重し、大人があれこれ押し付けたり仕切ることは一切なし。厳密なルールもありません。
そういうふうに、出産があまりに医学的に管理されたものになった結果、欧米社会では英語圏を中心に自然なお産を見直し、出産を医療側から妊婦の手に取り戻そうとアクティブバース active birth の運動が起こった。フランスのお産もその影響を受け始めているが、これに関しては日本の方が助産院を中心に盛り上がっている。どんなお産をするかは個人の選択の問題であるが、どのような選択をするにせよ、正確な情報がきちんと行渡る必要がある。下記のイギリスのようにイメージに踊らされるケースもあるし、倖田來未の「羊水が腐る」発言のように、高齢出産に対する誤った知識も流通している。
去年読んだニュースによると、イギリスでは帝王切開がブームらしい。ヴィクトリア・ベッカムやエリザベス・ハーレーなんかが自ら希望して帝王切開で生んだ影響のようだ。帝王切開はスケジュールも調整できるセレブな出産というわけだ。too posh to push(力むには上品過ぎる)という流行語まで生まれ、流行と親の都合で誕生日を決められてしまう子供が増えている。イギリスの国立病院では自然分娩か帝王切開かの選択が可能だが、帝王切開が40%を超えることもあるという。お世話になった助産婦さんがおっしゃっていたが、ブラジルでも帝王切開は金持ちの出産方法という認識があるらしく、費用を賄えない人以外は帝王切開が当たり前なんだそうだ。その助産婦さんはブラジルで自宅出産や自然分娩を広める活動をなさっている。
フランスでは結婚件数が27万4400組と前年よりも8800組も減っていて、95年以来の少ない数。しかしフランスでは結婚せずに同棲でも、PACSという法律で結婚した場合と同じ権利を保障されている。pacser という動詞も使われているようで、飛行機で隣になったフランス人のカップルも、On a pacsé と言っていた。
「カネをくれるより、夫のサポートをくれ」という要求も高い。子持ちの男性を早く家に帰らせることだが、同じように時間の捻出が必要になる。フランスの出生率の上昇には「週35時間労働制」も大きく寄与していると言われている。月曜から木曜まで9 to 5で働けば金曜は半ドン。これは社会党のジョスパン首相のもとでワークシェアリング(1人の仕事の時間を減らして全体の雇用を増やす)として実現。つまり雇用政策が少子化対策にも繋がったのだ。しかし、サルコジ政権は「もっと働いてもっと稼ごう」をモットーにこの枠組みを崩そうとしている。
■定年退職前の厳しくも優しいロペス先生のもとで、勉強したり遊んだりする13人の子供たちの姿を追った、心温まるドキュメンタリー映画。Etre et Avoir―タイトルにもなっているこの二つの動詞から見ても、フランス人にとってのフランス語の始まりも、日本人がフランス語を始めるときと全く同じなんだな、と分かります。フランス語をやっている人なら、まるで自分も小学生になったような気分になり、子供たちと一緒に「うぃぃ〜!」「ぼんじゅ〜る、むっしゅ〜」と言ってしまいそう。