2007年09月24日

週刊フランス情報 17 - 23 SEPTEMBRE 

「イランとの戦争に備えなければ」強硬姿勢鮮明に
◇フランスのクシュネル外相は16日、イランの核兵器開発に関連して「最後まで(イランと)交渉を続ける必要がある」とした上で、「われわれは最悪の事態、つまり戦争に備えなければならない」と述べた。さらに17日、イランに対する「欧州独自の経済制裁」構想に踏み込む姿勢を示し、対イラン強硬姿勢を一層鮮明にした。クシュネル外相は16日「イランを攻撃する計画は現在のところはない」と断った上で、「イランによる核兵器開発は世界全体にとって正真正銘の脅威」との認識を強調した。米国はこれまでイランへの軍事攻撃の可能性を否定していない。フランスはサルコジ政権発足後、対イランや中東政策で米国との協調姿勢を示す場面が多くなっている。
◇イラン核問題で仏外相が「(イランとの)戦争に備えるべきだ」と発言したことに対し、イラン政府関係者や国営メディアは17日、反発した。親米のサルコジ政権による強硬姿勢にイランは警戒を強めている。イランのホセイニ外務報道官は「(外相は核問題の外交解決を目指す)欧州連合(EU)の政策を忘れたようだ。フランスの信頼を傷つけ、両国間に緊張を生じさせるだけだ」と批判した。国営イラン通信は論評で「(仏大統領府の)エリゼ宮に新しい主が入って以来、米国と一線を画した仏の独自外交は、硬直し、非論理的で挑発的になった」と指摘。核問題についても「仏指導部の極端主義は解決の障害になっている」と非難した。イランは国内の石油や天然ガス開発などを巡り仏と経済関係を構築してきただけに、米国同様、厳しい経済制裁の発動を警告するサルコジ政権の姿勢に戸惑っているようでもある。
(9月18日、毎日新聞)
NATO復帰を示唆、フランス国防相モラン仏国防相は11日、1966年にドゴール大統領が軍事機構からの脱退を決めたNATOとの関係について「フランスがNATOとの政治姿勢を変えなければ、欧州の防衛体制は進歩しない」と述べ、軍事機構への復帰を示唆した。仏ルモンド紙は、来年4月のNATO首脳会議で復帰が決定されるとの見通しを伝えている。
(9月13日、毎日新聞)

★フランスといえばNATOに属さずに、軍事的に独自路線を歩んできた。またシラク前政権はアメリカの対イラン政策とは一線を画していたが、対米協調路線に方向転換したようだ。クシュネル外相は21日に、ライス米国務長官と会談し、イラン情勢に関して米仏間では全く認識の違いがないことを確認している。一方、サルコジ大統領はテレビのインタビューでイランの核兵器保有は容認できないが、外相のように戦争という言葉は使わないと言っている。

移民規制へDNA鑑定案、「差別的」
フランス国民議会(下院)は18日、移民規制強化に向け、移民系の住民が本国から呼び寄せる家族にDNA鑑定を受けさせる内容の政府提出法案の審議を開始した。しかし、野党ばかりか与党の一部からも、「差別的」と反対論が続出している。法案は移民系の若者の暴動などによる治安悪化を受け、サルコジ右派政権のオルトフー移民・統合・国家アイデンティティー相が立案。新たな呼び寄せ条件として、DNA鑑定導入により血縁関係を確認することを盛り込んだ。 
(9月19日、時事通信)
★何か胡散臭い名前の省庁だと思っていたが、こういうことをするわけね。アイデンティティーという言葉はポジティブな意味で使われることが多い。例えば、アイデンティティーの追求というと、自分は何者か問うということだが、普通の人間はそれを自由に追求できる。いわゆる自分探しってやつだ。しかし、移民のようなマイノリティーの人々は自分でそれを問うのではなく、入管や尋問で「オマエは何者だ」と権力側から一方的に問われ続け、それによって自己規定される。これほど不自由なことはない。それに DNA という根本的な生体情報によって人間をアイデンティファイするなんて最悪の国家管理だ。最近は銀行のATMでも指紋の照会とかあるけど、自分の生体情報を明け渡すことに多少は敏感になった方がいいかも。

FRBが大幅利下げ、経済保護が狙いと説明
アメリカの連邦準備理事会(FRB)は18日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を0.50%引き下げ、4.75%とした。FRBは今回の措置について、経済の保護が狙いと説明した。決定は全会一致。FF金利4.75%は前年5月以来の低水準となる。FRBは公定歩合も0.50%引き下げ、5.25%とした。利下げは2003年6月以降初めて。0.50%ポイントの金利引き下げは02年11月以来。バーナンキFRB議長にとっても前年2月の議長就任以降、初めての利下げとなる。金融市場では、FRBによる利下げ実施がほぼ確実視されていたが、実際に利下げ幅が0.50%となったことはサプライズとして受け止められた。利下げを受け、株式市場が急上昇、ダウ平均株価は300ドル強値上がりした。
(9月19日、ロイター)
ECBは他の中央銀行を見習うべき、とサルコジ仏大統領
フランスのサルコジ大統領は20日、テレビインタビューで、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、利下げを実施した米連邦準備理事会(FRB)を見習うべきだとの認識を示した。 サルコジ大統領は、これまでも繰り返し、ECBの政策がフランスの景気低迷とユーロ高の原因になっていると批判している。大統領は、ECBの独立性は大切だが、政策について議論する場を設けるべきだと主張。「トリシェ氏には、他の人が何をしているか見てほしい。他の人がしていることは、必ずしも悪いことではない」と発言。「米国では中央銀行が利下げしてすべてがうまく行き始めた。欧州では利下げしなければ、欧州経済は落ち込む。これが少し問題だ」と述べた。「私はトリシェ氏を批判しているわけではない。最も尊敬すべき人の1人だ。『何が起きているか状況を見てほしい』といっているだけだ」と述べた。
(9月21日、ロイター)

★バーナンキ議長の思い切った利下げは市場に対する強力なカンフル剤となり、ダウ平均に負けず、翌日、日経平均も580円上げた(5年半ぶりの上げ幅)。日本は最近までの円安で輸出関連企業が大きな恩恵を受けてきたが、ヨーロッパの輸出企業にとっては逆にユーロ高が重くのしかかり、ボディーブローのようにジワジワと効き始めている。サルコジ大統領はユーロがヨーロッパ経済に悪影響を及ぼすと、事あるごとに発言している。アメリカが利下げをしてから、ユーロが対ドルで最高値(先週終値:1ユーロ=1.41ドル)を更新した。欧州の航空機大手エアバスのファブリス・ブレジエ最高執行責任者(COO)は21日、ユーロが1.42ドル付近に上昇していることについて、1ユーロ=1.35ドルをベースに策定した再建計画「パワー8」を達成するためには、10億ユーロの追加的なコスト削減が必要になるとコメント。しかし、ECBが利上げをするのはインフレ懸念があるからで、それは利下げを余儀なくされたアメリカも事情は同じだ。サブプライムに端を発した信用収縮(イギリスでは取り付け騒ぎもあった)、インフレ圧力、そして輸出企業への配慮。トリシェ総裁は、どっちに転んでも問題が生じるという難しい舵取りが迫られている。

トゥールダルジャン再開、3カ月かけ大改装
パリ最古のレストラン「トゥールダルジャン」が17日、3カ月の長期休業を経て再オープンした。400万ユーロ(6億4,000万円)を投じ、モダンな作りに変ぼうしている。トゥールダルジャンは1582年に創業し、400年以上にわたり王侯貴族や美食家の舌を楽しませてきた。中でも鴨料理は絶品とされる。だがこのところ評価が下がっており、1996年には長い間維持してきたミシュランの3つ星が2つに。2006年には1つだけとなった。同年には60年にわたりオーナーとして君臨したクロード・テライユ氏が88歳で亡くなっている。 イメチェンを図ったのは息子のアンドレ氏(27)。セーヌ川とノートルダム寺院を見下ろす食堂はそのままだが、オフィスや6階に及ぶキッチンは完全に作り直された。各階にはカメラとモニターが設置され、35人のシェフは料理の進行状況をつぶさにチェックできる。 メニューも一部を残し、若き料理長ステファン・エッサン氏の手で変更された。アンドレ氏は「常連も大切だが、前に進まなければならない」と話している。
(9月18日、NNA)

□公式サイト(東京店もあり) http://www.tourdargent.com/



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2007年09月18日

週刊フランス情報 10 - 16 SEPTEMBRE 後編

ロートレック展、ブルースに酔いしれる夜
3Lautrec01.jpg「ロートレック展」(毎日新聞社など主催)開催を記念するブルースコンサート「木村くんと有山くん〜天保山な夜」が10月5日午後7時、大阪市港区海岸通1、サントリーミュージアム[天保山]内のアイマックスシアターで開かれる。出演は元「憂歌団」のリードボーカル、木村充揮(あつき)さんと元「上田正樹とサウス・トゥ・サウス」のギタリスト、有山じゅんじさん。日本のブルース界を代表する2人によるソウルフルなサウンドと19世紀末パリの歓楽街に入り浸ったロートレックの魂が共鳴する一夜となりそうだ。
(9月13日、毎日新聞)
ロートレック展(サントリーミュージアム天保山)

フランソワ・オゾン監督来日
フランスの人気映画監督フランソワ・オゾンが、最新作「エンジェル」のプロモーションで来日。9月10日、東京・恵比寿のウェスティンホテル東京で記者会見を開いた。「エンジェル」は、英国の人気作家エリザベス・テイラーの小説が原作。19世紀初頭のイギリスを舞台に、主人公の女性作家エンジェル(ロモーラ・ガライ)の栄光と凋落を描き、オゾン監督にとっては初めての英語劇で、かつ初めての時代劇となった。オゾン監督は「原作を読んで、主人公エンジェルに恋をした。舞台をフランスに置き換えても無理が出るし、イギリス的な雰囲気を出すために原作のまま(英語で)映画化した」と本作を手掛けた理由を語り、自らの才能だけを頼りに人気作家へ成り上がったものの、空想世界に生き現実を直視せず、やがて落ちぶれていく主人公エンジェルについて「アーティストとして同じ生き方をしてはいけないという自戒も込めた。アーティストは常に現実と接点をもち、進化し続けなくてはいけない」と話した。

(9月11日、eiga.com)
□関連エントリー「ふたりの5つの分かれ道」(by exquise)
★フランソワ・オゾンの代表作↓

スイミング・プール 無修正版 ふたりの5つの分かれ道 8人の女たち デラックス版

ウィキペディア、英語版の記事数が200万の大台に
利用者が自由に編集できるオンライン百科事典「ウィキペディア」の英語版の収容記事数が、200万項目の大台に達した。ウィキペディアは、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、タイム・ワーナー、イーベイに次いで世界で6番目に訪問者数の多いウェブサイト・ネットワークとなっている。250の言語で展開し、全言語合わせたウィキペディアの記事数は800万を超える。英語の次に規模が大きいのはドイツ語版とフランス語版で、それぞれ50万項目以上を掲載。このほか、10万項目以上となっているのが9言語。南アフリカのコーサ語や人工国際語のエスペラントなど、比較的一般的でない言語のバージョンもある。
(9月13日、ロイター)
★800万のうち200万が英語の記事。次いでドイツ語とフランス語が50万って意外な結果。人口的には中国語とスペイン語が多いはずだが。ネットの世界の英語帝国化が危惧されているが、この結果から見て言語的な多様性はとりえず保障されていると言えるのだろうか。

ミシェル・ルグラン来日記念、9タイトルが一挙に発売
ジャズ・シーンや映画音楽の世界でその名を轟かせる作・編曲家のミシェル・ルグラン。10月末からは彼の生誕75周年を記念する日本公演が行なわれますが、それに合わせ、各レコード会社から関連作品が一挙にリリースされることになりました。その数、CD8枚+DVD1枚。
(9月14日、CDジャーナル)

“滝クリ狙い”で起用される葉山エレーヌはどこまでバケる!? 
フジテレビの滝川クリステルは“斜め45度の女神”として大人気になっているが、日本テレビも“滝クリ戦略”に乗り出すようだ。10月から朝の情報番組「スッキリ!!」の新司会者に入社2年目のハーフ、葉山エレーヌ(25)を起用するのだ。エレーヌが投入されるのは、現在の阿部哲子が海外赴任中の夫と生活するため、日テレを退社するのに伴うもの。エレーヌは母親がフランス人のハーフで、明大政経学部卒。フランス人とのハーフというのは滝クリと同じ。エレーヌは“滝クリ路線”を狙ったのか、入社当時の名前「みゆき」から今春に名前を「エレーヌ」に変えた。
(9月15日、日刊ゲンダイ)
□関連エントリー「滝川クリステル


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2007年09月16日

週刊フランス情報 10 - 16 SEPTEMBRE 前編

サルコジ仏大統領、ドイツに核兵器共有提案、即拒否される
ドイツの週刊誌シュピーゲルは17日発売号で、サルコジ仏大統領が10日の独仏首脳会談でメルケル独首相に、フランスが持つ核兵器の共有を持ちかけたと報じた。ドイツは核兵器所有を国として認めておらず、メルケル首相はその場で断ったという。同誌によると、サルコジ大統領は「仏核戦略は隣国ドイツも(核の傘の)保護対象としており、ドイツも核兵器使用を巡る決定に参加するかどうか考えるべきだ」と述べた。同席したシュタインマイヤー独外相が「ドイツは核兵器所有を考えておらず、75年に核拡散防止条約(NPT)に加盟した」と反論し、メルケル首相も外相に同調したとしている。
(9月16日、毎日新聞)

「甘やかされた子供」、仏ラジオ局−安倍首相辞任で
ニュース専門の仏公共ラジオ局フランス・アンフォは12日、安倍晋三首相の退陣表明を速報するとともに、「安倍氏は政界の名家出身だが、国民の目には『甘やかされた子供』と映っていた」「ナイーブで内閣運営の経験と感覚を欠いていた」とする辛らつな東京特派員の解説を報じた。また、仏紙ルモンド(電子版)は安倍氏について、自民党最右派と目され、日本を過去に対するコンプレックスから脱した大国にしようという決意を抱いていたが、「既に国民の支持は落ちていた」と伝えた。
(9月12日、時事通信)
★「戦後レジームからの脱却」という大きな看板を掲げた割には、あまりにもお粗末な安倍さんの結末。一方、14日のリベラシオン紙では「首相、マンガ、株」(le ministre, les mangas et la bourse)という見出しで、麻生さんが首相の有力候補となったとたんに、GDH、東映アニメーション、角川ホールディングスなどの、マンガ関連株が上昇したことを伝えている(その日、日経平均が下げたにもかかわらず。そして福田さんの名が挙がると、次は中国関連株だと騒がれた)。また麻生さんは1週間に1ダースものマンガを読むとも紹介されている。日本のマンガ好きのフランス人には馴染みやすい話なのだろう。

ドイツの町、交通安全の向上のため信号や標識を撤廃
ドイツ西部の町の自治体が、交通の安全性を高める最良の策として、繁華街の信号や停止標識を取り払うことを決めた。交通事故を減らし、歩行者が歩きやすい環境を実現するため、ボームテの町の中心部では、9月12日から全ての信号・標識をなくす。交通安全の向上目的で標識を取り払うという考え方は「Shared Space(共有空間)」と呼ばれ、オランダ人の交通専門家ハンス・モンデルマン氏が考案、欧州連合(EU)の支持も得た。ボームテでも、信号などを取り外す費用120万ユーロ(約1億8800万円)の半分をEUが負担する。
(9月11日、ロイター)
★「危険回避原理」の実証実験として信号を全部とっぱらったオランダのハーレンという町があり、その結果、かえって気を付け、互いに譲り合うようになり、それ以後事故は起こらなくなった。
★以前、「パリのカフェ的コミュニケーション」という記事で、人間の介在を可能な限り排除し、消費者の欲望を即物的に満たそうとするシステムが日本社会に張り巡らされている、ということを書いた。レンタルショップ、コンビニ、ファミレス。様々な自動販売機。広い駐車場を備えた郊外型の店舗。人間が介在するにしても、店員は極端に儀礼化された言葉使いと態度で客と接し、私たちも彼らの人格を無視するようにふるまっている。現代日本の利便性は、人間を介さない自動的かつ儀礼的なシステムに媒介されることを意味し、私たちはそれらに安易に身をゆだねている。
★このドイツの例は、自動化システムがもたらす流動性の過剰な高まりに楔を打ち込み、逆の流れを作る試みだ。最近、ヨーロッパではこのような公共性を再構築するような実験が各分野で行われている。そのベースになっているのは、他者との関係や交渉において自分で物事を判断するという人間の基本的な態度だ。確かに自動化されたシステムは便利だが、そういう人間不在の風景の寒々しさも私たちは良く知っている。

イタリア人がパスタのボイコット運動、値上げに抗議
イタリアで13日、今後パスタ価格の値上がりが見込まれることに反発し、多くの国民がスーパーでの買い物時にパスタを買わないというボイコット運動に出た。同国では、小麦価格の値上がりを背景に、今後数カ月内にスパゲティの価格も上がることがほぼ確実視されている。たとえ数円程度の値上がりになるとしても、多くの家庭で毎日のようにパスタが食卓に上がる食事情もあり、国民の怒りを買う状況となっている。ローマでの抗議活動に参加したある人は「パスタやパン、牛乳は最も重要なものだ。香水や宝石(の値上げ)について抗議しているわけではない」と語った。同国のマステラ法相は、こうした主張に賛同。自身も、トマトとリコッタチーズを詰めたチューブ型パスタを使った好物料理を食べないようにすると約束した。
(9月14日、ロイター)
★人事ではない。イタリアではパスタだが、日本では日清食品が「チキンラーメン」「カップヌードル」「どん兵衛」「焼そばU・F・O」を値上げしている。ほぼ全種類の即席めんが7-11%高くなるが、主要商品の値上げは約17年ぶりだという。いくつかのファミレスも値上げを決めている。
★米シカゴ商品取引所では4日、小麦が過去最高値を上回る1ブッシェル(約27キロ)=8ドルを記録。2005年の相場は1ブッシェル=3ドル台で安定的に推移していたが、世界的な需要拡大を受けて06年夏ごろから上昇。生産地の豪州が干魃に見舞われた06年秋には5ドルを突破した。豪州だけでなくウクライナなどの生産国も干魃の被害を受け、今年6月ごろから小麦相場は急速に上昇。原油価格高騰で包装材や輸送費も上昇がさらに追い討ちをかけている。
★旱魃も原因のひとつだが、やはり新興国の需要が増えていることが大きいのだろう。世界中で「消費生活」への参入者が増えているのだ。BRICs のあとには「ネクスト11」が控えている。さらに食料争奪戦が激化するだろう。日本のように食料自給率が低く、食料を輸入に頼っている国は、こういう売り手市場に非常に弱い。金があっても売ってもらえない可能性もあり、それを切り札にいろんな局面で圧力をかけられることも予想される(例えば牛肉)。食料自給は重要な安全保障のひとつと言われるが、それを放置したツケを払わされることになる。穀物だけでなく、天然資源の需給も逼迫している。インフレもじわじわと迫っている。

フランスに衝撃、スコットランドが首位に
ユーロ2008予選(グループB):ユーロ(欧州選手権)2008予選の残り試合が3試合(ウクライナのみ4試合)となった時点で、スコットランドがイタリアとフランスを抑えてグループBの首位に立った。2006年ワールドカップ・ドイツ大会で世界の8強に残った3チームが含まれるこのグループで、最初からこの結果を予想していた者はほとんどいなかったはずだ。スコットランドはその3チームの一つではないが、現在はどの相手よりも好調な戦いぶりを見せており、アウエーのフランスで歴史的な勝利を収めて首位の座を奪った。スコットランドがホームにイタリアを迎える11月の試合は、間違いなく決定的な意味を持つ一戦となりそうだ。スコットランドに敗れたフランスは3位に急降下。このままでは本大会の出場権を失ってしまう。
(9月13日、スポーツナビ)



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2007年09月10日

週刊フランス情報 3 - 9 SEPTEMBRE

シラク前大統領の次女捜査対象に
シラク前仏大統領のパリ市長時代(77~95年)の公金不正支給容疑事件を捜査しているパリの予審判事は5日、シラク氏の次女、クロード・シラク前大統領広報顧問を不正受給容疑で捜査するよう警察に命じた。週刊誌ルポワンが報じた。同誌によると、クロード広報顧問は前大統領が市長時代の89~93年に市長広報顧問だったが、民間企業から給与を支給されていた疑いが持たれている。同誌は「彼女は当時、市庁内に机やパソコンを持ち、会議に出席していたが、市職員ではなく別の会社の社員だった」としている。前大統領は、パリ市長時代に党首だった政党・共和国連合の幹部党員らに市財政から給与が支払われていた不正支出容疑を巡って7月、予審判事から事情聴取を受けた。前大統領を巡っては他にもパリ市印刷局を巡る不正支出容疑など数件の容疑が浮かんでおり、今月にも再聴取が予想されている。
(9月6日、毎日新聞)

仏に巨大エネルギー会社
フランスのガス公社(GDF)とエネルギー&環境大手のスエズは3日、共同声明を発表し、両社が来年中に合併することを明らかにした。これにより年間売上高が合わせて約720億ユーロ(約11兆4000億円)の世界有数のエネルギー会社が誕生する。新会社名は「GDFスエズ」で社長にはスエズのジェラール・メトラレ社長が就任する。合併は2日夜の両社の役員会で承認された。株主総会で正式決定する。合併後も政府が株主総会などで提案を阻止できる最低限の33%を上回る35%の株を保有する。両社の合併計画は、昨年2月にイタリアの電力大手エネルによるスエズ買収を阻止するために、当時のドビルパン首相が「経済的愛国主義」を主張して両社の合併を指導したのが発端。5月に就任したサルコジ大統領が、合併後も政府が決定権を維持できる最低限の株の保有などを条件に自ら交渉して合併にこぎつけた。
(9月4日、産経新聞)

「ユニクロ」パリ凱旋門地区にフランス1号店を開店
ファーストリテイリングは4日、グループ事業の方向性と主力であるユニクロ事業での出店加速などを柱とする拡大戦略を発表した。国内ユニクロ事業では大型店の出店を進め、2010年までの3年間で毎年40店を出店。この間に東京都心に新たな旗艦店の開業を目指す。海外ユニクロ事業では11月7日に英ロンドンのファッションブランドが集積するオックスフォードストリートに2310平方メートル規模の旗艦店のほか、売り場面積1320平方メートルの大型店を同時オープンする。さらに12月上旬にはフランスのパリ凱旋門地区に同国1号店を開店する。アジア地区では北京、ソウルに大型店をオープンする。また、グローバルブランド事業のコントワー・デ・コトニエは欧州全土に年間40店舗を出店。日本でも本格展開する。
(9月5日、日刊工業新聞)

Uniqlo débarque en France!(ユニクロがフランスに上陸!)
COMPTOIR DES COTONNIERS −フランスの母娘ブランド
http://www.comptoirdescotonniers.com/

国立西洋美術館本館、世界文化遺産候補に、仏政府持ちかけ
東京・上野公園にある国立西洋美術館本館が世界文化遺産の推薦候補に浮上している。同館はフランス人建築家ル・コルビュジエの設計で、世界各国のコルビュジエ作品をまとめて世界遺産に推薦することを検討しているフランス政府から、文化庁や同館に話が持ち込まれた。「それまでは『世界遺産に』という議論はまったくなかった」(同庁記念物課)建物だが、関係機関は千載一遇のチャンスと前向きな姿勢を見せている。国立西洋美術館は、1951年のサンフランシスコ講和条約で仏政府の所有とされた絵画などの返還を受け入れる施設として、59年3月に完成。
(9月3日、読売新聞)

「明るい瞳」の主人公は癒し系の不思議ちゃん
何となくやわらかい気持ちになる大人の童話。そんなフランス映画『明るい瞳』が9月1日に公開された。主人公はいわゆる社会生活の輪にどうしてもなじめない女性、ファニー。兄夫婦と暮らしているが、どうも彼らとの生活は息苦しい毎日だ。彼らもファニーの突発的で想定外な言動に辟易。そんな中、兄嫁の秘密を見てしまうファニー。説明できないモヤモヤをどうすることもできず、ついには家を飛び出してしまう。車を走らせ、目指すは大好きな父の眠るドイツ。そして、初めて安らぎとぬくもりを得るが…
(9月7日、オーマイニュース)

「明るい瞳」-公式サイト

オシム監督、松井にフランス語指導
日本代表MF松井が異例の“フランス語レッスン”を受けた。オシム監督がサイド攻撃の練習を一旦止めた時だ。選手を集め「サイドで1対1になったらそのまま行くか、ワンツーするのか、自分で判断しろ」と告げた。だがほとんどの選手がポカン。指揮官から飛び出したのは、松井にしか分からない流ちょうなフランス語だった。3月、今やFWの軸として“別格扱い”となっている高原を初招集した時も指揮官はドイツ語で指導した。通訳を介さない指導は期待の表れ。松井は「ぼくはフランス語が下手なんで。指示は分かりますが…」と、うなずくだけだったが、それでも近くにいた通訳は「2人の世界が広がってましたよ」とただならぬ?空気を感じ取っていた。
(9月7日、スポーツニッポン)


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2007年09月04日

週刊フランス情報 27 AOUT - 2 SEPTEMBRE

米大統領、戦前日本とアルカイダ同列視
ブッシュ米大統領が22日に中西部ミズーリ州カンザスシティーで行った演説は、自らのイラク政策を正当化するため、日本の戦後民主主義の成功体験を絶賛、フル活用する内容だったが、半面で戦前の日本を国際テロ組織アルカイダになぞらえ、粗雑な歴史観を露呈した。米軍撤退論が勢いを増す中でブッシュ氏の苦境を示すものでもある。 冒頭は9・11手ロかと思わせて、実は日本の真珠湾攻撃の話をする、という仕掛けだ。戦前の日本をアルカイダと同列に置き、米国の勝利があって初めて日本が民主化した、という構成をとっている。大正デモクラシーを経て普通選挙が実施されていた史実は完全に無視され、戦前の日本は民主主義ではなかった、という前提。「日本人自身も民主化するとは思っていなかった」とまで語った。
(8月24日、ASAHI.COM)

★Youtubeにこういう動画もアップされている。
Bush's and America's mis-understanding of history 

★以前、NYの同時多発テロ(9・11)の直後に出たル・モンド紙(2001年9月13日付)の記事を紹介したことがある。その記事ではツインタワーに航空機で突っ込んだテロリストに対して「パールハーバー・テロリスト」とか「カミカゼ攻撃」という表現が使われていた。また記事にはパールハーバー奇襲(アリゾナ沈没の写真)と山本五十六の写真が大きく掲載されていた。9・11当日のフランスのテレビも同じように演出されていた。炎上し、崩壊するツインタワーや、オサマ・ビン・ラディンの映像の合間に、奇妙なことに、日本の特攻隊がアメリカの戦艦に突っ込んでいく映像が流されていた。
★NYを突然襲った驚きと恐怖を表象するのに、あたかも日本と同時多発テロが関係あるかのように、太平洋戦争時の日本のイメージが徹底的に流用されていたのだった。つまり、特攻隊もアルカイダも、西洋的な理性によっては理解できない、東洋人の野蛮で、狂気じみた行為として結びけられ、思い出されているのだ。「こういう緊急に作られた特別番組こそが欧米人の無意識の欲望を誘い出すのかもしれない」とそのとき書いたが、ブッシュ大統領はそれをあからさまに言っている。それらは決して過去の記憶ではなく、今も確実に信じられ、流通可能なイメージだということを、改めて思い知らされる。
★日本人は敗戦という決定的な断絶によって、戦前、戦後と分けて考えてしまう。またイラクに対してはアメリカと同調し、自衛隊を派遣したことで、アメリカと同じ視線でイラクを見がちだ。このブッシュ大統領の発言は、否応なしにアメリカに対する幻想から私たちを引き戻してくれる。おそらくこれは歓迎すべき体験なのだろう。アメリカにとって、太平洋戦争と、湾岸戦争やアフガン・イラク戦争は連続性のある軍事行動だとすれば、私たちはイラクを私たちと同じ目線で見ることも可能なのだ。

ホームレスをネズミ薬散布で「駆除」、仏で非難の声
パリ郊外のセーヌ川沿いにあるアルジャントゥイユ市で、中心街からホームレスを追い出そうと、ネズミ駆除に使う化学薬品を市が路上にまいていたことが明らかになった。市は当初、市職員に散布させようとしたが拒否され、業者に依頼したという。「非人間的な方法による弱い者いじめだ。容認できない」と、非難の声が上がっている。 仏テレビTF1によると、同市は市中心部の商業地域の路上からホームレスを退去させる計画を立て、散布する薬品を7月に購入した。刺激性の悪臭を放つもので、箱には吸入禁止と記されていた。人が吸った場合、吐き気を催すという。 当初は、道路管理課の職員に散布を要求。しかし、職員から「ネズミ用で人間には使えない」と拒否されたため、一部を建物管理業者に依頼して散布させたという。 同市幹部はAFP通信に「悲しい方法だが許されると思った」と弁明。計画を主導したとみられるモトロン市長は路上生活者嫌いで知られ、3年前には街中で物ごいを禁止する行政命令を出し、物議を醸している。
(8月25日、ASAHI.COM)
★これがサルコジ政権が助長する今のフランスの姿なのか。市の職員が拒否したことがせめてもの救いだが、民間会社にそういうモラルがないのもおかしい。官から民への動きは合理性の問題であって、最低のモラルを切り捨てていいという話ではない。

小火器所有、米が突出、10人あたり銃9丁
マイケル・ムーア ツインパック 「華氏 911」×「ボーリング・フォー・コロバイン」 (初回限定生産)ジュネーブ高等国際問題研究所は拳銃や自動小銃、携行型対空ロケット砲など小型武器の現状をまとめ多07年年次報告書を発表した。世界中で出回っている拳銃など小火器の数は推計8億7500万丁で、うち7割以上の6億5000万丁が民間が所有していた。民間で小火器所有数がもっとも多いのは米国で2億7000万丁。人口10人あたり9丁の計算で突出している。民間の小火器所有が多い国としてはドイツやフランス、イタリア、スペインなど先進国、人口の多い中国とインドが並ぶ。報告書はまた、米国やブラジルでのデータを基に、大都市ほど小火器による殺人事件の発生率が高くなると指摘。大規模で無秩序な都市化の進行は、小火器を使った犯罪増加に結びついていると警告している。
(9月2日、毎日新聞)
★GYAOで無料配信していたマイケル・ムーアのドキュメンタリー映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」をタイミング良く見た。アメリカと同じように銃の携帯率が高く、銃弾も普通に買えるにもかかわらず、銃犯罪がほとんどないカナダとの比較が興味深かった。川をはさんで対岸に位置するアメリカとカナダの町の治安状況が全く違う。カナダの人は玄関のドアに鍵もかけないのだ。アメリカ人は銃を持つ口実として、「自分や家族を守るため」とか言っているが具体的な敵のイメージがはっきりしない。それはときに黒人男性として、ときにテロリストとして表象されるが、結局はマスコミがテレビを通して日常的に煽り立てる恐怖心の過剰反応にすぎないことをマイケル・ムーアはあぶりだしていく。つまりは恐怖による国家管理なのだ。それをインディアンの虐殺からアメリカの歴史が始まったとか、キリスト教は常に魔女狩り的な行為を内にはらんできたとか、様々に解釈することが可能だろうが、アメリカが世界各地で戦争を仕掛けてきた理由も何となくわかってくる。アメリカの軍事行動と銃社会は連続性のあることなのだ(コロンバイン高校の銃乱射事件とコソボに対する最大の空爆が同じ日に起こったという皮肉も指摘されている)。さらにアメリカ人が恐れるものといえば、共産主義であり、アメリカが格差社会を維持する(=皆保険制度を採らない)のは共産主義に対する恐怖心だということが、新作「シッコ」から読み取れるかもしれない。

■週刊スポーツ情報(by superlight):横断的フットボール国際大会情報
*9月7日(金):サッカーA代表国際親善試合
*9月7日(金):ラグビーW杯開幕
*9月8日(土):北京五輪アジア最終予選
(→続きを読む)

もっとサッカーの記事を読む

□今回代表に招集された松井の先週のゴールシーンを改めて動画で。ウェストフランス紙が「この世のものではないゴール」と絶賛。
http://jp.youtube.com/watch?v=MDHS0ihLj28



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2007年09月03日

週刊フランス情報 27 AOUT - 2 SEPTEMBRE

ダフト・パンク、CD2枚組のライヴ・アルバムをリリース
12月に「ダファンクフェスト」と題された来日公演も決まったダフト・パンクから、ファン待望のライヴ・アルバムが到着!『Alive 2007』と題し、11月にリリースされます。『ALIVE 1997』以来となる通産2作目のライヴ・アルバムで、地元フランス・パリのパレ・オムニスポール・ドゥ・パリ・ベルシーにて2007年6月14日に行なわれたライヴの模様を収録しています。27曲を収めたディスクとボーナス・ディスク付のCD2枚組で、50ページのブックレットも付属した「デジ・ブック」スタイルのパッケージとなる模様です。なお、ダフト・パンク関連作として、彼らが監督したロード・ムービー『エレクトロマ』が9月26日にDVD化されます。
(8月28日、CDジャーナル)

■リュック・ベッソン最新作『アーサーとミニモイの不思議な国』先行上映決定
アスミック・エース エンタテインメントはリュック・ベッソン監督の最新作『アーサーとミニモイの不思議な国』の先行ロードショーを9月15日から3日間行うことを発表した。この作品は主人公の少年・アーサーが体長2ミリのミニモイ族の世界に入り込み、悪魔マルタザールを倒す冒険物語。リュック・ベッソンが原作、監督、脚本を担当。原作本となる『アーサーとミニモイたち』と続編3冊はフランスで100万部以上を売り上げ、世界34カ国で翻訳される大人気シリーズとなっている。今回決定した9月15・16・17日の先行ロードショーの劇場情報および上映開始時刻は公式サイト( http://www.arthur-movie.jp/ )にて近日発表される。全国ロードショーは9月22日から。
(8月27日、マイコミジャーナル)

真夏のパリで、伝説の凶悪犯の実話映画を撮影中
ヴァカンス・シーズンまっただ中のパリで、ヴァンサン・カッセルとリュディヴィーヌ・サニエは映画を撮影中。'70年代のフランスに実在した強盗と脱獄の常習犯、ジャック・メスリーヌの自伝をもとにした2部作『L'instinct de mort』(原題)と『L'ennemi public no1』(原題)の2作だ。8月15日はラストシーンの撮影がパリ市北部のクリニャンクールで行われた。メスリーヌは1936年にパリで生まれ、「百の顔を持つ男」の異名をとり、'60年代から国内外で強盗を働き、カナダで投獄されるが脱獄。'72年に帰国し、強盗や殺人、誘拐、武器密輸などの犯罪と脱獄を繰り返し、獄中で映画と同名の自伝「L'instinct de mort」を執筆。'79年11月、前年に脱獄して逃亡中のところをクリニャンクールで警察に射殺された。メガホンをとるのはジャン=フランソワ・リシェ監督。ヴァンサンがメスリーヌを、リュディヴィーヌは彼と行動を共にしていた愛人・シルヴィアを演じる。ジェラール・ドパルデュー、サミー・ナセリらが共演。前編の『L'instinct de mort』は'08年10月にフランス公開予定。
(8月27日、cinemacafe.net)


■今週の Youtube
フランスに語学研修に行っている学生のMixiをのぞいてみたら、ノルマンディーのホームステイ先の女の子が浜崎あゆみと Gackt のファンで、噂には聞いていたけど、ここまで J-POP が浸透しているとは驚いたと、書いていた。共通の話題が豊富で、フランス語を話すのが楽しくてしょうがないようだ。トヨタやソニーなどの日本製品がヨーロッパを席巻し始めたころから、日本に興味を持ち、日本語を学ぶフランスの学生が増えたが、サブカルチャーの共有という事態は、私の世代ではありえなかった。ところで、フランスにおけるアニメの日常化を物語る、面白い動画を発見。アニメソングを歌う2人のフランス人の若者だ。ジェルマン君は「となりのトトロ」をギターで歌う。これがなかなかキュート。「聖闘士星矢」を熱唱するのはジェローム君、25歳。TV番組のコンテストのようだが、途中で止められて、「まだ終わっていない」と不満げ。それにしても審査員たちは笑いすぎ。

「となりのトトロ」(by Germain)
「聖闘士星矢」(by Jerome)


■今週の iPod
"Easy Money"
King Crimson
in Lark's Tongues In Aspic (1973)
太陽と戦慄(紙ジャケット仕様)お盆に実家に帰って、久しぶりにテレビを見た。いきなり聞き覚えのある音楽が流れてきた。オダギリジョーをフィーチャーしたトヨタISTのCMの背後からだ。その曲が何であるか思い出すまで時間がかかったのは、こんな曲が CM で使われるはすがないという無意識の思い込みのせいかもしれない。その曲とはキング・クリムゾンの Easy Money だ。往年のクリムゾン・ファンのあいだで、このCMはすでに話題になっているようだが、CMを制作した黒田秀樹監督もそういう世代のようだ(ドラマーのビル・ブラフォードの大ファンだったということだ)。黒田監督と言えば、最近では資生堂の TSUBAKI の CM を手掛けている売れっ子である。クリムゾンがCMと全く無縁だったというわけではなく、最も有名な曲「21世紀の精神異常者」がときどき思い出したように使われる。

TOYOTA IST-featuing Joe Odagiri 1
TOYOTA IST-featuing Joe Odagiri 2

トヨタISTのキャッチコピーは「Heavy Beauty」で、この曲がこのコピーが喚起するイメージとピッタリだったと言うが、この時期(1973-74)のキング・クリムゾンはメタリックな質感が強い。この曲のイントロも、歪ませたジョン・ウェットンのボーカル、ただれ落ちるようなロバート・フリップのギター、ビル・ブラフォードとジェイミー・ミュアの重厚なドラム&パーカッションが印象的で、それらが CM の映像と絶妙にシンクロしている。キング・クリムゾンはプログレッシブ(進歩的)・ロックというジャンルの代表的なバンドなのだが、一言でいえば、「ロックがここまでやるか」ってバンドだった。下のライブ映像を見ればわかるが、どうみてもロックバンドの構成ではない。「Bitches Brew」あたりのマイルス・デイビスを髣髴させるジャズ・インプロビゼーション(即興演奏)が通好みなのだろうが、ヴァイオリンとメロトロンが醸し出すヨーロッパ的な哀愁も魅力のひとつだ。また専属の詩人が歌詞を書いていて、文学的な曲のタイトルと象徴的なジャケットの絵柄もいかにもプログレのバンドらしい。ともあれ、若い人たちにぜひ聴いてもらいたいバンドのひとつである。

当時の貴重なライブ映像
Easy Money
Lark’s Tongues In Aspic part1


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2007年08月27日

週刊フランス情報 20 - 26 AOUT サルコジ大統領の評価は?

ハイパー大統領、就任から100日、評価は?
フランスのサルコジ大統領は23日、5月の就任から100日を迎えた。活力を失いつつあった仏社会の再生を目指し、「過去との決別」や「より働きより豊かに」のスローガンとともに登場したサルコジ政権の滑り出しについて、左派リベラシオン紙は22日、「国民の65%が仕事ぶりを評価している」と報じた。ただ、経済成長率が予想を下回った点やリビア問題などでの大統領の政治手法に疑問の声も少なくない。大統領は就任以来、細かな内政問題にも自ら判断を下し、欧米やアフリカ諸国との外交も積極的にこなすなど、その豊富な活動力から「ハイパー大統領」のあだ名が定着している。また、閣僚の半数に女性を登用し、左派野党・社会党陣営から有力者を右派政権に迎え入れ、国民からは「開かれた政権」と評価されている。
(8月24日、毎日新聞)

レイモン・バール仏元首相死去 世界文化賞の国際顧問
フランスのレイモン・バール元首相が25日、パリのバル・ド・グラス仏軍病院で死去した。83歳。死因は不明だが、4月から心臓疾患で入院していた。政界引退後も日仏対話フォーラムの仏側座長や、高松宮殿下記念世界文化賞の国際顧問として、何度も来日した知日派政治家だった。サルコジ大統領は「自由で独立した精神の持ち主」と評し、シラク前大統領も「偉大な経済学者で偉大な欧州主義者」と述べ、弔意を表明した。
(8月26日、産経新聞)

■ドイツでも広がる原発不信
ドイツ北部のクリュンメル原子力発電所で6月28日午後、変圧器のショートによる火災が発生した。発電所は一時黒煙に覆われ、送電も停止されたが、火は数時間後に消し止められた。IAEA(国際原子力機関)は原子炉でも事故トラブルの危険度を7段階に分けて評価しているが、この火災はゼロだった。柏崎刈羽原発に比べるとはるかに小さいトラブルだ。しかし、原子炉を管理していたドイツ3位の電力会社バッテンフォール・ヨーロッパには世論の批判が集中。その理由は同社が積極的な情報公開を拒んだことにある。この火災は原子炉に直接危険はなかったが、運転員が班長の指示を誤って理解し、炉を緊急停止させてしまった。この不必要な緊急停止措置が取られたことを隠していたのだ。その他にもいくつかの事実の隠蔽があり、消極的な情報公開姿勢が非難されたわけだ。環境政党「緑の党」や環境団体は同社の原子炉運転許可を取り消すように州政府に求めている。
(8月28日号、エコノミスト)
★原発に対して他の先進国の人々はどう考えているのだろうか、と気になっていたが、原発に対して不信感を抱いているのは日本だけではないようだ。やはり原子力発電所を抱える電力会社の隠蔽体質はどこも同じ。原発に対して不信を抱かれていることを従業員たちが自覚しているから、何かトラブルが起こると、どうしても隠そうとしてしまうらしい。ドイツは1986年のチェルノブイリの事故を経験しているし、世界で最も環境問題に対する意識が高い。柏崎刈羽レベルの事故なんて問題外だろう。その一方で、ドイツの連立政権も他の先進国と同じように脱原子力政策を見直し、原子炉の稼動年数を延長したいと考えているが、小さな事故が原子力推進の大きな逆風になってしまったようだ。ところで、中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発について、石橋克彦・神戸大教授ら科学者や技術者4人が21日、閉鎖を求める声明を発表した(8月1日、毎日新聞)。原子炉内部の被害状況が不明のまま「損傷は予想を下回った」と報告した国際原子力機関の姿勢を批判。一帯は地震活動度が高く今後も大地震が起こる可能性があることなどを理由に閉鎖を訴えた。

グルメ大国・仏で食品危機 魚から猛毒PCB
「グルメの国」フランスで川魚や牛乳が汚染される事件が相次いでおり、不安が募っている。フランス東南部のローヌ川で獲れる魚から猛毒のポリ塩化ビフェニール(PCB)が8月中旬に見つかり、同川での魚の全面的な食用が禁止されたが、環境団体は付近のイゼール川とアン川での食用魚の禁止も政府に訴えている。フランスでは1987年にPCBが禁止されているが、昨年からローヌ川でPCB濃度の高い魚が見つかり出したほか、今年2月にイゼール川とアン川でも見つかった。かつてPCBを使用していた工場の廃棄物が残留している可能性や洪水の影響などが指摘されているが、出所が不明なだけに市民は不安感を募らせている。しかも仏中部のロワール川でも8月中旬に水銀に汚染された魚がみつかり、ロワール地方の農業森林局は販売と食用禁止の通達を出した。また、仏北西部ルドンの約100件の農家から出荷された牛乳からダイオキシンも発見され、回収が行われるなど“食品危機”が続発している。
(8月20日、産経新聞)




■週刊スポーツ情報:日本人選手ゴールラッシュ(by superlight)
今週末、欧州各国リーグで日本人選手が大活躍。チームに貢献するようなゴール&アシストラッシュがみられました。なかでも注目はセリエA開幕戦でゴールを決めた森本貴幸選手。先週(あいかわらずの)決定力不足を露呈してしまった、オリンピック代表の救世主となってほしいものですね・・・。(→続きを読む)

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2007年08月25日

週刊フランス情報 20 - 26 AOUT キムタク、トラン・アン・ユン監督の映画に出演

キムタク、トラン・アン・ユン監督の映画に出演
夏至 特別版SMAPの木村拓哉が全編英語の仏映画「I COME WITH THE RAIN」(来年公開予定)に出演することが21日、発表された。「シクロ」で95年のベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したベトナム出身のトラン・アン・ユン監督の8年ぶりの新作。米俳優のジョシュ・ハートネットが主演、イ・ビョンホンらも出演する。2004年にウォン・カーウァイ監督の映画「2046」に出演し、世界デビューを果たした木村が、再び世界へ羽ばたく。「I COME WITH THE RAIN」は、パリを拠点に活躍するトラン・アン・ユン監督の8年ぶりの新作。監督自身によるオリジナル脚本の「サイコロジカル・スリラー」だ。木村が演じるのは、ある日本人大富豪の息子で、行方不明の日本人・シタオ。「2046」ではセリフは日本語だったが、今回、セリフは全編英語。監督は「連続殺人鬼・私立探偵・救世主という、西洋世界の映画の“三種の神器”にこだわって、華美なアクション映画であり、かつ詩的なスリラー」とコメントしており、木村は現代に現れた救世主的人物な役どころだという。
(8月22日、スポーツ報知)

□関連エントリー
トラン・アン・ユン監督「夏至」:音楽で観る映画(3)−「夏至」
トラン・アン・ユン監督「シクロ」:音楽で観る映画 − 番外編
ウォン・カーウァイ監督:カンヌ映画祭(6) FESTIVAL DE CANNES 2007

映画『エディット・ピアフ−愛の讃歌』マリオン・コティヤール記者会見
時代を超え、国境を越え、そして世代、ジャンルを越えて広く歌い継がれている「愛の讃歌」。この名曲の生みの親である歌姫、エディット・ピアフの生涯を描いた『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』が今年の9月下旬より全国公開される。本作のプロモーションのため、ピアフを演じたマリオン・コティヤールとオリヴィエ・ダアン監督が来日し、8月22日(木)に記者会見を行った。
(8月23日、cinemacafe.net)

□公式サイト http://www.piaf.jp/
フォトギャラリー
□関連記事−ピアフは仏版美空ひばり?

ボードレールな夜
(きっこのブログ、8月20日)
なぜか「きっこのブログ」がボードレールをテーマに書いている。懐かしい頭脳警察やブリジット・フォンテーヌにも言及…あたしは、シャルル・ボードレールの有名な言葉、「女と猫は呼ばない時にやって来る」ってのを思い出しちゃった…

太宰「人間失格」、人気漫画家の表紙にしたら売れまくり
人間失格 (集英社文庫)太宰治の代表作「人間失格」の表紙を、漫画「DEATH NOTE(デスノート)」で知られる人気漫画家、小畑健さんのイラストにした集英社文庫の新装版が6月末の発行以来、約1か月半で7万5000部、古典的文学作品としては異例の売れ行きとなっている。「恥の多い生涯を送ってきました」という文章で知られる「人間失格」は、太宰が自殺する1948年(昭和23年)に発表された自伝的小説。生きることの苦悩を見つめた小説には若い世代のファンが多く、52年初版の新潮文庫は602万5000部と夏目漱石「こころ」と並ぶ大ベストセラー。90年初版の集英社文庫でも40万部を超えている。
(8月18日、読売新聞)
新訳「カラマーゾフの兄弟」異例のベストセラー
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)ロシアの文豪、ドストエフスキーの名著「カラマーゾフの兄弟」の新訳本が26万部を突破し、古典文学としては異例のベストセラーとなっている。最終巻が出版された7月にはインターネットの文芸本ランキングで4週間連続のベスト10入り。旧訳本も相乗効果で売り上げを伸ばす。ミステリーとしてのおもしろさはもちろん、男女の愛憎や幼児虐待、テロリズムなど現代にも通じるテーマが、混とんとした時代を生きる現代人の心をとらえているようだ。
(8月22日、産経新聞)

□普段はサッカーの記事を書いているsuperlightさんが「人間失格」の書評を書いてくれています(→記事はコチラ)。フランス文学の作品も、表紙を変えたり、現在的な問題と結びつけて売り出すと注目されるかもしれない。このブログで火をつけたいところだが、何か良いアイデアありませんか。


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2007年08月19日

週刊フランス情報 13 - 19 AOUT 後編

また実業家のカネで豪遊、米滞在2週間で680万円、仏大統領
19日付の仏紙ルモンドは、サルコジ大統領が米ニューハンプシャー州の湖畔でこの夏バカンスを楽しんだ際の豪華別荘の賃借料が2週間で4万4000ユーロ(約680万円)に上り、それを実業家に肩代わりしてもらったことを大統領自ら認めたと報じた。サルコジ氏は大統領に当選した直後の今年5月にも、地中海のマルタ島で仏実業家バンサン・ボロレ氏所有の豪華ヨットを乗り回し、「金持ちと癒着している」と批判を浴びていた。
(8月19日、時事通信)

海辺の別荘にサルコジ氏招待、米大統領は早々と「盟友」扱い
9日から夏季休暇に入ったブッシュ米大統領は11日、北東部ニューハンプシャーの湖畔で長期バカンス中のサルコジ仏大統領を、隣接するメーン州ケネバンクポートにある父親のブッシュ元大統領の別荘に招き、昼食を交えながら非公式に会談した。ケネバンクポートは大西洋に面した高級リゾート地。その別荘に招かれた賓客はブッシュ一族に「盟友」と認められたことを意味し、5月に就任したばかりの親米派のサルコジ大統領は早々と「親友」としてブッシュ家別荘の門をくぐった。ブッシュ家側は元大統領夫妻や大統領の双子の娘らが総出で歓迎したが、サルコジ氏のセシリア夫人と子供は体調不良を理由に欠席を決めた。 
(8月12日、時事通信)

フランス大統領夫人、ブッシュ家の招待すっぽかす
米国で休暇中のサルコジ仏大統領夫人のセシリアさんが11日、メーン州にあるブッシュ米大統領一家の別荘での昼食招待を突如欠席し、フランスでは「また気まぐれが出たか」と物議を醸している。セシリアさんの欠席が発表されたのはサルコジ大統領が別荘に到着するわずか1時間前。「のどの疾患」が理由で、本人からブッシュ大統領夫人に電話があったという。ところが、AFP通信によれば、セシリアさんはその翌日、街を友人2人とぶらついているところを写真に撮られた。 
(8月13日、時事通信)

フランス、「首相の犯罪」に興味津々
フランスではドビルパン前首相がサルコジ大統領の追い落としを図ったとして、「誹謗密告事件」の共犯容疑で7月末に起訴を前提とした本格的取り調べが開始され、政治的父親のシラク前大統領との接触も禁止された。事件はドビルパン氏が外相時代の2004年に発生。ルクセンブルクの銀行にサルコジ氏ら仏政界人らの隠し口座があるとして口座の名義人リストとともに捜査当局に密告があったが、捜査の結果、隠し口座は存在せず、リストも架空だったことが判明した。ドビルパン氏とサルコジ氏は当時、大統領選の右派候補の座を争っていたうえ、シラク氏も1995年の大統領選で自分を裏切ってバラデュール元首相を支持したサルコジ氏に含むところがあった。いかにもフランス的なのがデュマの「モンテ・クリスト伯」を地で行くような「誹謗密告事件」。ナポレオン帝政時代の復讐(ふくしゅう)劇を読むかのように、国民は秋からの事件の進展に興味津々だ。
(8月13日、産経新聞)
★ドビルパンの名前は日本ではもう忘れられつつあるが、アメリカに対してイラク戦争反対を表明した当時の仏外相だ。詩人でもある。それ以来、フランスとアメリカの関係はこじれたが、徐々に修復され、フランスの大統領が代わり、蹴落とそうとしたサルコジが今、アメリカと盟友関係を築いている。

■安倍首相、パール判事の長男と面会へ
パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義安倍晋三首相がインド訪問中、極東国際軍事裁判(東京裁判)で判事を務めた故パール判事の長男と会うことが13日、固まった。パール判事は、戦勝国が敗戦国指導者を裁くことに疑問を提起、判事の中で唯一被告人全員の無罪を主張した。靖国神社には顕彰碑が建立されている。首相はインド独立運動の指導者、故チャンドラ・ボース氏の子孫とも会談する。
(8月14日、産経新聞)
★パール判事ってどんな人物?→「パール判事-東京裁判批判と絶対平和主義」の書評を読む(FBN-main blogへ)

投資資金が「円売り」から「円買い」一気に逆流
日米の外国為替市場で円高が急激に進んだのは、米住宅ローンの焦げ付き問題に伴う信用不安の高まりで、円安を演出してきた投資資金が「円売り」から「円買い」に一気に逆流したためだ。16日の米市場は、株価急落を受けて「円キャリートレード」も急速に解消に向かい、「株安・円高」が同時に進んだ。円相場は一時前日午後5時比4円59銭も円高・ドル安が進み112円01銭に急伸し、対ユーロでも一時、1ユーロ=150円03銭と昨年11月以来の高値をつけた。
(8月17日、毎日新聞)
★こんなに激しい為替相場の動きはなかなか見れるものではない。ユーロ円は160円を切るどころか、150円も切れそうな勢い。日本株も売られまくって、日経平均株価は874円も下げ、1万5000円台前半に。ヘッジファンドが解約に備えて喚換金売りを出しているほか、大幅下落に便乗するヘッジファンドの売り攻撃に、個人投資家の追証が重なってパニック的な相場になっている模様。しかし、日本企業のファンダメンタルズは好調で、世界の富裕層がファンドを解約している(=間接的に日本株を売っている)のは先行き不透明という不安からで、こんな水準まで売り込まれる理由はないだろう。と思っていたら、すかさず17日にFRB(米連邦準備制度理事会)が公定歩合を0・5%引き下げ、それを好感したNYダウは200ドルを越す上昇に転じた(日本時間で17日深夜から18日の未明)。ドル円は114円台に、ユーロ円は154円台にとりあえず戻した。これでサブプライム問題が片付くわけではないが。週明けの日本の市場に注目。

世界株安が告げる金融システム問題
米国のサブプライムローンは、債権者に融資した金融機関が融資債権としてまるまる抱え込んでいるわけではない。その多くが住宅ローン担保証券(RMBS)の形で証券化されている。今年に入り低所得者向けのローンの延滞や破綻が増えるにつれて、RMBSのなかには大幅に価格が下落するものが出てきた。RMBSをさらに束ねる形で、債務担保証券(CDO)など複雑な金融商品が組成されてきた。問題をこじらせたのは、これらの金融商品を保有する金融機関や投資家の資金調達手法である。彼らは資産を担保とするコマーシャルペーパー(CP)の発行などで、短期の資金を調達していたが、サブプライム問題の深刻化でCPが売れなくなり、急速なカネ詰まりを起こした。資産担保CPは米国だけで1兆2000億ドル、ヨーロッパなども含め全世界で1兆5000億ドル規模にのぼるという。資産担保CPは、代表的な個人投資家向けの金融商品であるMMFにも組み込まれている。アメリカやヨーロッパの中央銀行が大規模な資金供給を迫られている背後には、こうした事情がある。
(8月17日、NIKKEI NET)
★証券化というリスク分散の手法が、皮肉にも逆に世界的なリスク拡散を招き、それがどこまで波及しているのか、全体像が見えなくなっている。それが余計な不安を煽っているのだろう。証券化によって金融商品の組成がしやすくなった一方で、それらが複雑化することでリスク管理ができなくなっているということか。それにしても経済力のない人たちに無理やりお金を貸して、家を買わせてまでして作られたバブルって。これを「マネーゲームの終焉」とか言っている人も多いが、これも聞き飽きた言葉で(ITバブルのときもそうだった)、また新たなバブルを画策するんだろうな、アメリカって。ポスト・サブプライムの動きはもう始まっているのかもしれない。



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サッカー豆知識(3)―W杯に最大4チーム出場できて、五輪には出場すらできない国:中村俊輔選手の活躍で日本のサッカーファンにも馴染み深い存在となったスコットランド。スコットランドは「一主権国家」ではなく、いうなれば日本でいう「関西地方」や「関東地方」「九州地方」といったイギリス(正式名称「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国のなかの一地域にしかすぎないのですが、ところがところが…。(続きを読む)


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2007年08月18日

週刊フランス情報 13 - 19 AOUT 前編

ゲド戦記■先月「ゲド戦記」のDVDが発売された。通常版(2枚組み)特別収録版(4枚組み)の2種類ある。

2006年の最大のヒットとなった「ゲド戦記」は、衝撃的な父親殺しで始まる。何も不自由しない境遇に生きながら、得体の知れない暴力と否定の衝動に駆られる王子アレン。何か宮崎吾朗の置かれた立場を暗示していて興味深い。一方で、そのような人物造形は、人の心の暗部は単純な動機や悪意によっては理解できないし、もはや単純な理想主義では観客を引っ張れないという同時代的な認識が根底にあるのだろう。クライマックスには、「生きることを怖れてはいけない!」という生命に対する畏敬の念に目覚める。

CUT」(2007年7月号)に、フランスで「ゲド戦記」の配給を手掛けたフランソワ・カミエル氏のインタビューが掲載されていた。

ゲド戦記 特別収録版カミエル氏は、初監督で宮崎駿の息子というプレッシャーを撥ね退け、複雑な物語をうまく纏め上げたと評価。ルグィンの原作は世界中で有名だが、フランスでは余り知られていないようだ。もちろん出版はされているがそれほど読者は多くない。宮崎吾朗の作品を、やはり日本と同じようにフランスでも父親と比較して語る人たちは多かったが、吾朗の処女作として評価していたひとも多かった。ゲド戦記は日本では610万人、77億円という興行収入。一方で、フランスでは30万人の動員と一桁違うが、フランスの人口は日本の半分だし、アニメに親しむことがすべての世代に浸透しているわけではない。30万人という数字は「風の谷のナウシカ」と同じくらい。「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」には及ばないが、日本人の初監督作品としては素晴らしい記録なんだそうだ。「彼の独特のタッチが生かされるのであれば、題材は何でもありうると思う」、と次の作品にも期待を寄せている

関連エントリー
宮崎吾朗インタビュー-CAHIER DU CINEMA(1)
宮崎吾朗インタビュー-CAHIER DU CINEMA(2)

ジブリ美術館館長に直撃!『アズールとアスマール』のヒットの秘密とは?
この夏、渋谷・シネマアンジェリカなどで上映中の長編アニメーション作品『アズールとアスマール』が、映画ファンの間で話題を呼び、大ヒットを記録している。同作を配給する三鷹の森ジブリ美術館の中島清文館長に作品の持つ魅力や、“三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー”について話を聞いた。『アズールとアスマール』は、2人の少年が不思議な世界を冒険しながら、成長を遂げるファンタジー。物語の面白さはもちろん、フランスアニメーション界をリードするミッシェル・オスロ監督が作り出す圧倒的な映像美も見どころだ。しかし本当の意味で、この作品が観る人の心をつかむ理由は別にあると中島館長は語る。「作品の裏に、異文化間の偏見がいかに作られるものなのか、また“常識を疑え”っていうメッセージが描かれています。
(8月10日、シネマトゥデイ)

公式サイト−AZUR ET ASMAR

幼き少年の夢と奇跡を描く『チャーリーとパパの飛行機』
大好きだったパパからの最後のプレゼント、真っ白な飛行機に乗ってもう一度パパに会いたい!カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと世界の映画祭をまたぎ、フランス映画界を牽引する監督、セドリック・カーンが子供のひたむきに夢を信じる姿を描く『チャーリーとパパの飛行機』。9月1日(土)に公開。
(8月10日、cinemacafe.net)
Photo Galery

蜷川渾身、全裸だけじゃない舞台「エレンディラ」見所
エレンディラ (ちくま文庫)「脱がせます。捕まらないギリギリのところまでやります」…演出家、蜷川幸雄氏がこう息巻くのは、モデルで女優の美波(みなみ)がヒロインを務め、あす9日開幕の舞台「エレンディラ」(彩の国さいたま芸術劇場、9月2日まで)。受けて立つ美波は、フランス人の父、日本人の母を持つハーフ美女。「抵抗はありません。脱ぐことよりも、役のことを考えて、頭の中は“挑む”の文字でいっぱい」と、制作発表では謙虚だった。ノーベル賞作家、ガルシア・マルケス原作の同舞台は、5年前から蜷川氏が案を練った大作。少女エレンディラを砂漠で行列ができる街娼に仕立て上げる祖母、エレンディラと恋に落ちるウリセスを描く物語。
(8月8日、夕刊フジ)
★「脱がせる」に惹かれて、あるいは女優がフランス人のハーフいう理由で取り上げたわけはない。魔術的リアリズムと評されたガルシア・マルケス(コロンビア)の小説版がお薦め(「百年の孤独」も忘れてはいけない)。「エレンディラ」は本人の脚色によって映画化されていて、それをぜひ見て欲しいのだが、DVDはおろか、VHSでも見つからず残念。蜷川解釈の演劇か、文庫本で楽しむしかないようだ。南米を旅した友人にいろいろ話を聞くのだが、人里離れた場所にいきなり出現するウルトラ・バロック様式の教会建築が凄いらしい。一度見てみたいものだ。ガルシア・マルケスって、今はバッグのブランドで知られているんだね。


★先週の週刊情報で紹介したピエール&ジル、彼らの経歴が動画で手っ取り早く紹介されています。


■今週の iPod
"In Limbo"
Radiohead
in Kid A (2000)
KID A『海辺のカフカ』のカフカ少年は暗闇の中、一人きりでレディオヘッドを聴いていたけれど、私が彼らの音を最も体感するのは地下鉄の構内みたいな、人が大勢いるのに孤独を覚える場所にいるときだ。この浮遊しながら漂うギターの音色を聴くと、その周りの雑踏ともども冷たい海の底に沈められたような感覚に陥る(実際、"I'm lost at sea" と歌われている)。それにしても、トム・ヨークの声はどうしてこうも悲しく響くのか。どんなエフェクトをかけられても、彼の声は見捨てられた子供の叫びのように、いつも痛切だ。
(by exquise)

村上春樹は、小説のなかの道具として音楽を使っている。小説家は雨や雪、風などといった自然をその登場人物の心情やその小説の先を暗示するものとして使うことがよくある。それと同じように村上春樹は音楽を使っている。

『海辺のカフカ』では、カフカ少年がRadioheadの「kid A」を聞きながら一人で運動するシーンがある。この「kid A」という問題作は音だけ聞いていても暗く、別世界にいるような心地さえする。歌詞は隠喩が多用されていて理解しづらいが、現実世界への絶望、孤独、疎外感といったような負の側面を歌っていることは間違いない。カフカ少年が周りの少年にとって劣悪だった環境から逃げ出して一人で生活していくという小説の世界にあてはまる。

また「kid A」という曲の歌詞の中に「Standing in the shadows at the end of my bed」という一節がある。これは少女のころの佐伯さんが僕の寝室に現れるシーンとよく似ている。この一節をもとに村上春樹はあのシーンを書いたのかもしれない。このような暗示的な音楽を使うことで読者に様々な読み方、考え方を提示している。
(by lemon)

lemon
PROFILE:福岡出身です。趣味は読書、ギター、音楽・映画鑑賞、写真、サッカー・野球観戦です。


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2007年08月12日

週刊フランス情報 6 - 12 AOUT

柏崎刈羽原発「時間かけ安全性検討」、IAEAの調査終了
国際原子力機関(IAEA)の調査チームは9日、新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所の調査を終了した。10日に経済産業省原子力安全・保安院を訪れ、意見交換を行う。調査団長のフィリップ・ジャメ原子力施設安全部長は「日本側は専門家が対応し、多くの情報を提供してくれた。原発の安全維持への努力も良い」と評価した。ただ、同原発の安全性については「結論を出すのは時期尚早。ウィーンの本部に持ち帰って、時間をかけて検討する」と述べた。保安院などによると、調査団は1〜7号機すべての外観や内部を調査。特に微量の放射性物質を含む水が外部へ漏出した6号機の水漏れの経路や、緊急時の要となる非常用ディーゼル発電機の機能維持に関して、詳細な説明を求めた。また、耐震設計専門家による詳細な聞き取りも行われた。
(8月9日、読売新聞)
★フィリップ・ジャメ氏、名前からしてフランスの方だと思うが、二度と事故を起こさないようにと来日(ジャメ ne...jamais=never、実際の綴りは Jamet)。ジャメ氏は「緊急時の要となる非常用ディーゼル発電機の機能維持」に強い関心を抱いているが、2006年7月にスウェーデンで起こった原発事故を念頭に置いていると思われる。その事故では、原子炉の冷却水のポンプが動かなくなり、非常用の発電機も動かないという事態に陥り、死ぬなら家族と死にたいと、作業員が家に逃げ帰ったという。そのときは何とか別の発電機を手動で作動させ、メルトダウンという大惨事にはならなかったようだが、下手をすればヨーロッパ全体に被害が及んでいたと言われる(この事故もほとんど日本で無視された)。ある雑誌が柏崎刈羽の事故でも最悪の場合200万人の死者が想定されたと書いていたが、世界中でかなり危ない綱渡りをしている。一方で、新興国の電力需要はさらに高まり、原発の建設ラッシュが起ころうとしている。原発は果たしてそういうリスクに見合ったものなのだろうか。

■サブプライムの新たな衝撃、フランスのBNPパリバも
今回の株安はフランス大手金融機関のBNPパリバがサブプライムローンの焦げ付き問題にからみ、傘下の3ファンドの凍結を発表したのがきっかけ。信用不安が米国内の一部のヘッジファンドにとどまらず、欧州の大手銀行にまで広がっていることが明らかに。
(8月11日、朝日新聞朝刊)
★落ち着きそうに見えたサブプライム問題が今度はフランスの大手銀行を火種に再燃。サブプライム問題が表面化してから、NYダウは今年何番目の下げ幅とか上げ幅とか言いながら数百ドルの値幅で乱高下を繰り返している。日本の株式市場もそれに振り回されっ放し。日経平均株価やTOPIXは下げる時はNY以上に下げて、戻すときはNYほど戻らないのが情けない。やはり日本も欧州も信用不安を映して銀行株の下げが目立つ。信用不安の解消を目指して、FRB(米連邦準備制度理事会)、ECB(ヨーロッパ中央銀行)、そして日銀が大規模な資金供給を実施した。最近話題にしているユーロ円も円高で推移。1ユーロ=160円を切りそうな趨勢(週末はちょっと戻して、1ユーロ=162・06円)。

■ハリポタ勝手に仏訳公開
英ベストセラー小説「ハリーポッター」シリーズの完結編となる第7巻を勝手に翻訳し、インターネットで公開したとして、南仏エクサンプロヴァンスの16歳の高校生がフランス捜査当局の事情聴取を受けた。高校生は同書の熱心なファンで営利目的ではなかったとみられる。訳文はプロ顔負けと捜査官が舌を巻くほどの出来栄えだっという。8日付けパリジャン紙(Parisien)によると高校生は英語が得意で7月21日付の英語版出版の数日後に独自の仏語全訳を完成させ、ダウンロードできるように公開した。仏語訳刊行を10月に予定している出版社が見つけ、当局に通報した。
(8月11日、朝日新聞朝刊)

■田中康夫の参議院ウォッチング
たまには日本の政治の話題。田中康夫が8月9日の日刊ゲンダイに寄稿していた「おかしな、おかしな参議院のこの光景」という参議院ウオッチングは笑えた。田中康夫は国会議員になったんだよね(オウム報道で有名な有田氏の方は落選)。9条ネットの天木直人氏がブログで紹介していたので、そのまま引用。

「…(副議長に誰を書くか考えあぐねている間に、)隣席の糸数慶子女子も、前席の川田龍平氏も、にやんと、山東昭子女子の名前を記し終えているではありませんか。ねえねえ、抵抗感を抱かないの、川田君にそう尋ねると、そう言われてますから、と事もなげに答えます…驚いたのは、常日頃から育児と国政活動の両立を声高に語る民主党の女性議員が、議員食堂の喫煙室で談笑している…更には川田君が議場で後ろを振り向いて、ゴルフを教えてください、と横峯パパに弟子入りを申し出たのにもビックリしました。プチブル政治家に堕落したかと茶々を入れると、彼は真顔で、政治の深い話はゴルフ場で行われるんですよ、と僕を諭してくれて、いやはや、仰け反りそうになりました…」

あの川田龍平氏までも。市民派を自負する議員も、議員になると別の論理の中に回収されてしまうのか。与党だろうが、民主党だろうが、市民派だろうが、党派を超えた議員という特権意識と仲間意識ができてしまうようだ。田中康夫の批判の切れ味は相変わらす鋭い。独特のユーモアと毒があり、議会内の象徴的な光景をうまくあぶりだしている。政治家としての資質はともかく(個人的には期待しているが)、政治の世界を内側から見せてくれそうで楽しみだ。

Vanessa paradis / Divine Idylle
ヴァネッサ・パラディのニュー・シングル、フランスのヤフーでも動画配信していた。手っ取り早くYoutubeで。

■週刊スポーツ情報(by superlight) http://frenchbloom.seesaa.net/
*ヨーロッパ各国リーグ開幕&日本人選手情報
ヨーロッパではすでにいくつかの国で2007〜08シーズンが開幕していますが、気になる日本人選手の動向はどうなっているのか? 今年度はほとんどの日本人選手たちがレギュラー格扱いとなっており、チームの中心として活躍してくれることが予想されます。きょうのエントリーではそんな彼らの情報をお届けしましょう(→続きを読む)



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posted by cyberbloom at 13:09| パリ ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月11日

週刊フランス情報 6 - 12 AOUT アート編

■ピエール&ジル、ピアジェの「夢」のイベントで来日
時計・宝飾メーカー、ピアジェの依頼で製作した「夢」のお披露目イベントのために、フランスのポップアート・コンビのピエール&ジルが来日。彼らの作品はピエールが写真を撮り、ジルが絵の具を重ね塗りするという手順で作られる。今回の作品の主役は渡辺謙の長女で、パリコレで活躍するモデルの杏。衣装は東京コレクションの人気ブランドとして知られるドレスキャンプの岩谷俊和がデザイン。
(8月11日、朝日新聞朝刊)
Heavenly Bodies: Photographs by Pierre & Gilles★ピエール&ジルはすでにピアジェの広告を4作担当している。ゴルチエの広告も有名だ。彼らは自分たちの作品には二面性があり、それは「おだやかさの中の毒」だという。確かにあざやかな色であふれているが、キッチュな不気味さがある。それは「宝飾品というきらびやかな夢の世界だが、高度な職人芸の集積でもある」というピアジェの二面性にも通じるのだとか。ふたりはパリのケンゾーブティックのオープニングで出会い、70年代の後半からコンビを組んだ。80年代にはコートジャケットも多く手掛けた。マーク・アーモンド、ミカド(フランスのエレポップ)、セント・エチエンヌ&ダホ、サンディーなどが思い出される。既刊の写真集、Pierre & Gilles: Double Je 1976-2007はピエール&ジルの30年間の集大成で、イギー・ポップ、マドンナ、マリリン・マンソン、レティシア・カスタなど、多くのセレブを題材に万華鏡のように華やかでめくるめく世界が展開されている。

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