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個人的には、最近なぜか我が家でブームになっているペドロ・アルモドバルの新作(ペネロペ・クルス主演の恋愛映画)が登場するのが嬉しいです。また前作「デス・プルーフ in グラインドハウス」が痛快だったクエンティン・タランティーノ(何とブラッド・ピット主演の戦争映画だとか)や、女性の心の動きを独特の繊細さで描くジェーン・カンピオン(久々の長編作品!)に期待しています。注目作品の内容は次回お伝えしたいと思います。
カメラ・ドール(新人監督賞):Hunger(スティーヴ・マックイーン) さらに特別賞として:Everybody Dies But Me(ヴァレリア・ガイア・ゲルマニカ)
最優秀脚本賞:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(作品:Le Silence De Lorna)
最優秀監督賞:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(作品:Uc Maymun (Three Monkeys))
最優秀男優賞 : ベニチオ・デル・トロ(作品:Che (スティーヴン・ソダーバーグ監督))
最優秀女優賞:サンドラ・コルベローニ(作品:Linha De Passe(ウォルター・サレス&ダニエラ・トマス監督))
審査員賞: Il Divo(パオロ・ソレンティーノ監督)
第61回賞(特別賞):カトリーヌ・ドヌーヴ(作品:Un Conte De Noël(アルノー・デブレシャン監督))、クリント・イーストウッド監督(作品 : Changeling (The Exchange))
グラン・プリ:Gomorra (マッテオ・ガローネ監督)
パルム・ドール:Entre Les Murs (ローラン・カンテ監督)
会場に下馬評の高かったダルデンヌ兄弟の姿を見つけたとき、「ついに史上初三度目のパルム・ドール受賞か!」と思っていたら、彼らは脚本賞。カトリーヌ・ドヌーヴがいたので「ようやくデプレシャン監督が受賞か!」と思えば、特別賞。そしてパルム・ドールはほとんど情報が手元になかったローラン・カンテ監督の Entre Les Murs(「壁の間で」)でした。授賞式前日に上映されたので、教育現場を扱ったものという程度しかわからなかったのですが、式場の舞台に次から次へと現れた若者たちと監督の興奮した姿から、作品のエネルギーが伝わってくるようでした。
すでに4日目に入っている映画祭では、作品が次々と上映されています。開会式でも作品の一部が紹介されましたが、コンペティション対象作品はやはり社会派の作品や、重い内容のものが目立っていたように思います。 Blindness は突然失明するという伝染病に襲われ、病院に隔離された人びとを描いた3カ国合作の映画で、アメリカ、メキシコ、カナダ、日本など多国籍のスタッフが参加しており、さまざまな国の映画を同等に扱うこの映画祭のオープニングにふさわしい作品といえるでしょう。これまで上映されたなかでメディアの評価が高いのは、イスラエルのアリ・フォルマン監督による Waltz With Bashir で、80年代初頭のレバノン戦争の記憶をたどろうとする映画監督を描いたアニメーションで、前年の「ペルセポリス」に続き、アニメーションが賞を受賞する瞬間が見られるかもしれません。
一方、特別招待作品では、スティーヴン・スピルバーグ監督の「インディー・ジョーンズ」最新作をはじめ、ウディ・アレンの Vicky Cristina Barcelona(スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデム出演)、ウォン・カーウァイの Ashes Of Time Redux、エミール・クストリッツァがサッカーの神様マラドーナをテーマに撮ったその名も Maradona など話題を呼びそうな映画が盛りだくさんです。15日に上映された マーク・オズボーンとジョン・スティーヴンソンによるアニメ作品 Kung Fu Panda (何とまあ潔いタイトルじゃありませんか)の会場では、声優をつとめるジャック・ブラックのほか、大きなお腹のアンジェリーナ・ジョリーがブラッド・ピットを伴って登場し、ひときわ華やかな雰囲気に包まれました。映画の評判も上々のようで、日本での公開が待ち遠しいところです。
また今回の「大物」はクリント・イーストウッドでしょう。誘拐されて戻った息子が自分の子供ではないと疑う母親を描いた、アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチも出演するミステリーだそうで、非常にそそられます。さらに個人的には、チャーリー・カウフマンの初監督作品 Synecdoche, New York が気になります。「マルコヴィッチの穴」や「アダプテーション」など奇想天外な物語を送り出してきたこの脚本家がついに監督デビューを果たし、おまけに出演がフィリップ・シーモア・ホフマンだということですから、とても面白そう! カメラ・ドールの有力候補となることでしょう。
Les chansons d'amour は、タイトル通り登場人物たちがしばしば自分の気持ちを歌で表現する恋愛映画で、映画の一部を見た感じでは、ジャック・ドゥミやフランソワ・トリュフォーなどの作品を想起させます。ルイ・ガレル、リュディヴィーヌ・サニエ、キアラ・マストロヤンニといった配役も魅力的で、日本でも当たりそうな予感です。
ほかにはブラッド・ピット製作、アンジェリーナ・ジョリー主演で誘拐されたジャーナリストの妻を描いた A mighty heart(マイケル・ウィンターボトム監督)、ロックバンドU2のライヴを立体的に楽しめる U2 3D(キャサリン・オーウェンズ/マーク・ペリントン監督、カンヌではU2本人たちがレッド・カーペットでパフォーマンスも披露)などは、日本でも話題を呼びそうです。
第60回ということで、今回はさまざまなイベントが催されましたが、なかでも35人の監督たちのオムニバス映画 Chacun son cinéma は大きく注目されました。ここにはもう一人話題を集めた日本人監督、北野武が参加。彼のちょんまげ姿(躊躇していたところ、ヴィム・ヴェンダースやウォルター・サレスにそそのかされたのだそう)が世界に配信されました。1人あたり3分(短い・・)で、「映画」をテーマに作品が作られたそうで、オムニバス映画は時として1つ1つの作品に物足りなさを覚えてしまうことが多いのですが、これだけの数の名監督を集め、それぞれの映画への思いを表現させる、という狙い自体はとても興味深いですね。35作品の中から、デヴィッド・リンチ作品が、開会式に上映され、相変わらずのぶっとびぶりに会場は不思議な空気に包まれましたが、凝縮されたエネルギーを感じました。
今回のカンヌのコンペティション部門は、社会的な問題を扱った作品が多かった前回とは違って、ヴァラエティに富んだ映画が集められ、「映画を観ること、映画を作ることの楽しさ」に立ち返っている印象を全体から受けました。 スカパーで毎日放映されていたハイライトや、カンヌ関係のウェブサイトを見ながら、各賞を勝手に予想するのもまた楽しいことです。観客やプレスの受けなどを検討すると、Le scaphandre et le papillon (ジュリアン・シュナーベル)、Persepolis (マルジャン・サトラピ/ヴァンサン・パロノー)、No country for old men(コーエン兄弟)、Paranoid Park(ガス・ヴァン・サント)などの評価が高かったようです。またフランスでも17日に一般公開されたばかりの Zodiac (デヴィッド・フィンチャー)、ルーマニアでの中絶問題を扱った 4 mois, 3 semaines, et 2 jours (クリスティアン・ムンギウ)も大きな関心を集めていました。 もっとも終わりの方に上映された作品などの批評はまだ公になっているものがそう多くないので、結果がどうなるかを予測するのはなかなか難しい(もちろん各作品を観ているわけでもないし・・)。
最優秀脚本賞:ファティ・アキン(作品:Auf der anderen seite (The Edge Of Heaven))
最優秀監督賞:ジュリアン・シュナーベル(作品:Le scaphandre et le papillon)
60回記念賞(特別賞):ガス・ヴァン・サント監督の今までの功績と今回の出品作 Paranoid Park に対して
グラン・プリ:『殯(もがり)の森』(河瀬直美)
パルム・ドール:4 Luni, 3 spatamini si 2 zile (4 mois, 3 semaines et 2 jours)(クリスティアン・ムンギウ)
「映画を作り続けてきてよかった」という河瀬監督の第一声が印象的でした。『殯(もがり)の森』は奈良を舞台に妻に先立たれた認知症の男性を扱った映画で、「作品に非常に自信を持っている」と監督自ら述べていた作品だけに、喜びはひとしおでしょう。 ガス・ヴァン・サント監督が60回を記念する特別賞に選ばれたのも嬉しいことです。作品を発表するたびに招かれる彼は、「カンヌに愛されている監督」なんだなあと実感しました。Paranoid Park において、彼は再び若者たちの心理を描く映画に取り組み、しかも撮影はウォン・カーウァイ作品でおなじみのクリストファー・ドイル、ということでこれまた公開が待ち遠しい。監督が起用する少年少女たちは雰囲気がある人が多いのですが、今回主演のゲイブ・ネヴィンス(映画初出演)も印象深いまなざしをたたえた若者でした。 最高賞パルム・ドールは、ルーマニアの監督クリスティアン・ムンギウ(写真上)が獲得しました。4 Luni, 3 spatamini si 2 zile は、並行して与えられる各賞をほかに2賞受賞しており、以前から注目を集めていたこの若い監督(68年生まれ)への評価の高さがうかがえます。
新人監督作品に贈られるカメラ・ドールの特別賞に輝いた Control もほかに複数の賞を獲得していた好作品のようです。監督のアントン・コービンは、UKロック好きには有名な写真家で、ミュージック・ヴィデオ制作も手がけており、ミュージシャンたちからの信頼も厚い人です。Info-base でも取り上げられていましたが、作品はイギリスのロックバンド、ジョイ・ディヴィジョンのヴォーカリストで若くして命を絶ったイアン・カーティスを描いたもので、個人的にも気になる映画です。
全体として、今回は重い内容の作品が賞に選ばれていたように思います。ここ数年は同じような傾向が続いていますが、そうなるとタランティーノの Death Proof みたいな「新しいスプラッター映画」(と監督がこの作品を説明していた)や、Les chansons d'amour や My blueberry nights のようなロマンティックな恋愛ものなどエンタテインメント性の強い作品は不利になってしまうのが残念。特にコーエン兄弟の作品は下馬評が相当高かったにもかかわらず、無冠に終わってしまいました。これは周囲も予期せぬことだったようで、カンヌ関係の掲示板では「なぜ?」という不満の声が多く聞かれました。
「In mood for love〜花様年華」(2000年)はフランスで70万人を動員。「天使の涙」(1995年)は公開時にパリで見たが、ブームと言えるほどの人気ぶりで、街中にポスターが貼られていた記憶がある。この作品と「恋する惑星」(1994年)には、日本のドラマでもお馴染みの金城武が出演しており、彼はカーウァイによって見出された俳優のひとりだ。「恋する惑星」にはモンチッチ頭のフェイ・ウオンも出ていて、ケチャップの瓶を振り回しながら60年代の名曲「カリフォルニア・ドリーミング」に合わせて踊るシーンが素敵だ。フェイは「2046」にも出演。未来へ向かう列車の中の、アンドロイドになった姿(写真)が悲しい。
また「ある視点」部門はフランスの監督パスカル・フェラン、「カメラ・ドール」はロシアの監督パーヴェル・ルンギンが審査委員長をつとめます。「カメラ・ドール」は新人監督の作品に与えられる賞なので、先日 INFO BASE でお伝えした松本人志監督の「大日本人」 もこの賞の対象作品になります。内容がほとんどわからない( C'est un film sur les relations humaines 「人間関係についての映画である」という説明がされていましたが・・)のですが、彼の時にベタで時にシュールな感覚がフランスでどう受け取られるのか? もしかしたら閉会式に松ちゃんの姿が見られるかもしれませんね。
さて、最高賞であるパルム・ドールはイギリスのケン・ローチ監督作品 「麦の穂をゆらす風 The Wind That Shakes The Barley 」が、また次点のグラン・プリはフランスのブルーノ・デュモン監督の Flandres が受賞しました(リンクの写真は、1999年にカンヌで審査員グランプリ、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞の三冠を獲得した「ユマニテ」)。ローチ監督は常にイギリスの社会問題を見つめて映画を撮り続けて来きたベテランで、逆にブリュノ・デュモンは長編がこれがまだ4作目(とはいえカンヌ受賞はすでに2度目)という若手。前者は1920年代のアイルランド紛争を、後者は中東らしき戦場に派遣された若者たちを扱っての受賞です。第2次世界大戦時のフランス軍アルジェリア系兵士を題材にした先述の Indigènes も合わせて、今回は戦争や民族間闘争を取り上げた作品が多く注目されました。
今回はコンペ外の作品にも日本人の監督が見当たらず、寂しいなあと思っていたら、ひとつ見つけました。それは Paris, je t'aime というオムニバス映画で、パリ20区それぞれをテーマにした短編映画を別々の監督が作って長編映画にしたものだそうで、それを聞くだけでもそそられるじゃありませんか。日本からは諏訪敦彦監督が2区を担当しており、そのほかコーエン兄弟(1区)、オリヴィエ・アサイヤス(3区)、ガス・ヴァン・サント(4区)なども参加しています。日本での公開が待ち遠しいですね。
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去年の前評判の中心は「ダヴィンチ・コード」。小説は売れに売れ、関連本や関連TV番組を生み出し、キリスト教の世界にも動揺をもたらしたが、あの喧騒は今となってはウソのよう。映画の評価はあまり芳しくなかったようだが、すでにDVDになっている。カリウスマキの Laitakaupungin valot -Lights in the Dusk は日本で秋に公開との噂もあり、ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」は1月にすでに公開され、7月にはDVDが発売される(初回限定版予約可)。有名監督競演のオムニバス映画、「パリ、愛してる Paris, je t’aime 」は3月に公開されたばかりだ。
コンペ外の作品に関しては、まずスティーヴン・ソダーバーグの「オーシャンズ13」のプレミア上映が挙げられるでしょう。ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツらの出演者がレッド・カーペットに現れる予定です。またアート志向の高い作品を集めた「ある視点」部門では、ジュリエット・ビノシュの紹介のもと、ホウ・シャオシェンの A la recherche du ballon rouge(「赤い風船を探して」仮タイトル)が上映されます。個人的に気になるのは、ファンであるジャン=ピエール・リモザン監督の Young Yakusa。Tokyo Eyesのほか、北野武のドキュメンタリー映画も手がけていて、日本との関わりも深い彼の新作は、やはり東京を舞台にしたドキュメンタリー作品のようです。
さて、最高賞であるパルム・ドールはイギリスのケン・ローチ監督作品 The Wind That Shakes The Barley が、また次点のグラン・プリはフランスのブルーノ・デュモン監督の Flandres が受賞しました。ローチ監督は常にイギリスの社会問題を見つめて映画を撮り続けて来きたベテランで、逆にブリュノ・デュモンは長編がこれがまだ4作目(とはいえカンヌ受賞はすでに2度目)という若手。前者は1920年代のアイルランド紛争を、後者は中東らしき戦場に派遣された若者たちを扱っての受賞です。第2次世界大戦時のフランス軍アルジェリア系兵士を題材にした先述の Indigènes も合わせて、今回は戦争や民族間闘争を取り上げた作品が多く注目されました。
cyberbloom さんが Data Base のほうで書かれていたように、今回の審査委員長はウォン・カーウァイ監督(今回の映画祭のポスターは彼の代表作「花様年華」へのオマージュなのでしょう、とても素敵です)。その他の審査委員は、チャン・ツィイー、サミュエル・L・ジャクソン、ティム・ロスら俳優勢とパトリス・ルコントらの監督勢で構成され、レッド・カーペット上では、とりわけ3人の女優たち(ツィイー、モニカ・ベルッチ、ヘレナ・ボナム・カーター)の美しい姿が注目を集めていました。
今回はコンペ外の作品にも日本人の監督が見当たらず、寂しいなあと思っていたら、ひとつ見つけました。それは Paris, je t'aime というオムニバス映画で、パリ20区それぞれをテーマにした短編映画を別々の監督が作って長編映画にしたものだそうで、それを聞くだけでもそそられるじゃありませんか。日本からは諏訪敦彦監督が2区を担当しており、そのほかコーエン兄弟(1区)、オリヴィエ・アサイヤス(3区)、ガス・ヴァン・サント(4区)なども参加しています。日本での公開が待ち遠しいですね。
「In mood for love〜花様年華」(2000年)はフランスで70万人を動員。「天使の涙」(1995年)は公開時にパリで見たが、ブームと言えるほどの人気ぶりで、街中にポスターが貼られていた記憶がある。この作品と「恋する惑星」(1994年)には、日本のドラマでもお馴染みの金城武が出演しており、彼はカーウァイによって見出された俳優のひとりだ。「恋する惑星」にはモンチッチ頭のフェイ・ウオンも出ていて、ケチャップの瓶を振り回しながら60年代の名曲「カリフォルニア・ドリーミング」に合わせて踊るシーンが素敵だ。フェイは「2046」にも出演。未来へ向かう列車の中の、アンドロイドになった姿(写真、上)が悲しい。
注4:たとえばシャルロット・ゲンズブールとシャーロット・ランプリングが共演したドミニク・モルのサスペンス作品"Lemming"、「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルン役、ヴィゴ・モーテンセン主演のスリラー"A History of Violence"(デヴィッド・クローネンバーグ)、最近気になりっぱなしのケヴィン・ベーコンとコリン・ファース出演の"Where the Truth Lies"(アトム・エゴヤン)、私のなかで「いい男さん」ベスト3に入るサム・シェパードとジェシカ・ラングのカップルが出演した"Don't Come Knocking"(ヴィム・ヴェンダース)などなど。
今年で59回目を迎えるカンヌ国際映画祭が5月17日、『ダ・ヴィンチ・コード』の特別上映で開幕します。FRENCH BLOOM NET では、「カンヌ映画祭特集」を組み、今年の注目作品から、過去の受賞作品まで、幅広く、また多様な切り口で紹介してみたいと思います。おまけに5月は注目のフランス映画もいくつか公開予定なので、それらもまとめて。
■定年退職前の厳しくも優しいロペス先生のもとで、勉強したり遊んだりする13人の子供たちの姿を追った、心温まるドキュメンタリー映画。Etre et Avoir―タイトルにもなっているこの二つの動詞から見ても、フランス人にとってのフランス語の始まりも、日本人がフランス語を始めるときと全く同じなんだな、と分かります。フランス語をやっている人なら、まるで自分も小学生になったような気分になり、子供たちと一緒に「うぃぃ〜!」「ぼんじゅ〜る、むっしゅ〜」と言ってしまいそう。