2009年05月12日

第62回カンヌ映画祭開幕!

cannes09affiche2.jpg第62回カンヌ映画祭が5月13日に開幕します。プレスに向けてその内容が発表されました。今年も魅力的な審査員や出品作の名前が次々登場しています。ポスターもヒッチコック風で素敵ですね。


まず、今回の長編映画部門の審査委員長は、フランス女優のイザベル・ユペール(写真中)です。これまで数々の女優賞に輝いた彼女は今やフランスを代表する女優の一人ですが、大女優の地位に甘んずることなく、さまざまな役に意欲的に取り組むチャレンジ精神にあふれた人です。そのような彼女がどんな映画を選ぶのか、今から興味津々。


彼女を筆頭に、昨年監督賞を受賞したトルコのヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督、一昨年に「シークレット・サンシャイン」がノミネートされたイ・チャンドン監督、94年にヴェネチア映画祭で銀獅子賞を受賞のほか、これまでカンヌでも作品が多くノミネートされたアメリカのジェームズ・グレイ監督、作家で映画の脚本も多く手がけているイギリスのハニフ・クレイシ、そして台湾のスー・チー、イタリアのアーシア・アルジェント(写真下)、そしてアメリカのロビン・ライト・ペンという3女優が名を連ねています。

Huppert.jpgスー・チーは多くの台湾映画に出演しているほか、リュック・ベッソン製作の「トランスポーター」にも出演。アーシア・アルジェントは映画監督ダリオ・アルジェントの娘で、自らも作品を監督することもありますし、女優としても個性的(彼女を画像検索していただくと、その大胆さがおわかりになるとお思います)。ロビン・ライト・ペンは「フォレスト・ガンプ」の想い人、といったら分かる方もおられるでしょうか、昨年の審査委員長ショーン・ペンの奥さんでもあります。何だか今回の審査員は女優パワーが強力そうですね〜。


短編映画部門では、イギリスのジョン・ブアマン監督を審査委員長に迎え、フランスのベルトラン・ボネロ監督や、中国の女優チャン・ツィイーなどが審査員になっています。


asia-argento.jpgさて、審査員に個性的な名前が並んだのに比例するかのように、コンペティション部門に選ばれたのも錚々たる面々です。カンヌ常連のなかでもオリジナリティ豊かな作品を作る映画人たちがずらりと集まりました。ペドロ・アルモドバル、ジャック・オディアール、ミヒャエル・ハネケ、アン・リー、ケン・ローチ、ギャスパー・ノエ、パク・チャヌク、クエンティン・タランティーノ、ジョニー・トー、ツァイ・ミンリャン、ラース・フォン・トリアー・・・、こっちが圧倒されそうな豪華メンバーだし、中身も濃そう。常連とはいえ、アルモドバル、ハネケ、チャヌク、タランティーノ、ノエ、フォン・トリアーあたりの名前に問題作やぶっとんだ衝撃作が飛び出してきそうな不穏な感じがするのもいい(笑)。そのほかジェーン・カンピオンやイザベル・コイシェ(菊池凛子主演で東京が舞台だそう)といった女性の監督や、フランスの大御所アラン・レネの作品も選ばれています。


日本作品では、「ある視点」部門に是枝裕和監督の「空気人形」が出品されます。今回もコンペ作がないのが少々寂しいですが。


個人的には、最近なぜか我が家でブームになっているペドロ・アルモドバルの新作(ペネロペ・クルス主演の恋愛映画)が登場するのが嬉しいです。また前作「デス・プルーフ in グラインドハウス」が痛快だったクエンティン・タランティーノ(何とブラッド・ピット主演の戦争映画だとか)や、女性の心の動きを独特の繊細さで描くジェーン・カンピオン(久々の長編作品!)に期待しています。注目作品の内容は次回お伝えしたいと思います。



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2008年06月02日

カンヌ映画祭受賞結果

palmares0801.jpg第61回カンヌ映画祭の授賞式が最終日5月25日に行われました。すでに多くの報道機関で伝えられているように、主な賞は以下の結果となりました。


カメラ・ドール(新人監督賞):Hunger(スティーヴ・マックイーン)
さらに特別賞として:Everybody Dies But Me(ヴァレリア・ガイア・ゲルマニカ)

最優秀脚本賞:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(作品:Le Silence De Lorna)

最優秀監督賞:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(作品:Uc Maymun (Three Monkeys))

最優秀男優賞 : ベニチオ・デル・トロ(作品:Che (スティーヴン・ソダーバーグ監督))

最優秀女優賞:サンドラ・コルベローニ(作品:Linha De Passe(ウォルター・サレス&ダニエラ・トマス監督))

審査員賞: Il Divo(パオロ・ソレンティーノ監督)

第61回賞(特別賞):カトリーヌ・ドヌーヴ(作品:Un Conte De Noël(アルノー・デブレシャン監督))、クリント・イーストウッド監督(作品 : Changeling (The Exchange))

グラン・プリ:Gomorra (マッテオ・ガローネ監督)

パルム・ドール:Entre Les Murs (ローラン・カンテ監督)


palmares0802.jpg会場に下馬評の高かったダルデンヌ兄弟の姿を見つけたとき、「ついに史上初三度目のパルム・ドール受賞か!」と思っていたら、彼らは脚本賞。カトリーヌ・ドヌーヴがいたので「ようやくデプレシャン監督が受賞か!」と思えば、特別賞。そしてパルム・ドールはほとんど情報が手元になかったローラン・カンテ監督の Entre Les Murs(「壁の間で」)でした。授賞式前日に上映されたので、教育現場を扱ったものという程度しかわからなかったのですが、式場の舞台に次から次へと現れた若者たちと監督の興奮した姿から、作品のエネルギーが伝わってくるようでした。


後日観たハイライトによると、パリ20区にある ZEP(教育優先地区)政策の学校を舞台に、リベラルな国語教師と彼を挑発する生徒たちを描いた映画で、国語教師役は作品の原作者(実体験をもとにした小説だそう)、生徒役は素人の若者たちが演じている、というものでした。上映後の反応は「ブラヴォー」という声が飛び交い、メディアの評価も高かったものの、パルム・ドールという結果は予想外だったようで、21年ぶりのフランス映画受賞ということもあり、地元は相当盛り上がっているようです。


また今回はイタリア映画2作品が賞に選ばれました。方やこれまでのマフィアを超えた大きな犯罪組織に脅かされる街を描き、方や権力に固執した実在の政治家アンドレオッティの半生を描く、というどちらも硬派な作品です。ダルデンヌ兄弟の脚本賞(ベルギー国籍を取得するために偽装結婚、果ては殺人を企てるアルバニア人女性を描く)も含め、今回はヨーロッパの映画が健闘しました。そして前回に引き続き、社会的・政治的内容の強い映画が注目を集めたコンペティションでした。


palmares0803.jpgパルム・ドールと同じく会場が盛り上がりを見せたのは、男優賞のベニチオ・デル・トロと特別賞のカトリーヌ・ドヌーヴ(残念ながらクリント・イーストウッド監督は欠席)が舞台に上がったときで、やはりスターが登場すると空気が変わりました。貫禄たっぷりのドヌーヴ様のどっしりと落ち着き払った女王オーラと、4時間半にも及ぶ大作の中であこがれの革命家チェ・ゲバラを熱演したデル・トロの感極まった表情が対照的でした。


この他の賞では、黒沢清監督の『トウキョウソナタ』がある視点部門審査員賞を受賞しました。コンペには今回日本作品がなかっただけに嬉しいニュースですね。


惜しくも賞にもれた作品には、ダイジェストを観ただけでもなかなか個性的で面白そうな映画がたくさんありました。次回はそのなかのいくつかをご紹介します。



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2008年05月19日

カンヌ映画祭(2) FESTIVAL DE CANNES 2008

cannes0801.jpg第61回カンヌ映画祭が5月14日から開幕し、開会式の模様が日本でも放映されました。


式場へのレッド・カーペットには、ケイト・ブランシェット、デニス・ホッパー、フェイ・ダナウェイなどのハリウッド・スターのほか、オープニング作品に選ばれたフェルナンド・メイレレス監督の Blindness の出演者が現れました。ジュリアン・ムーア、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナルとともに、日本の伊瀬谷祐介、木村佳乃らも登場し、一斉にフラッシュを浴びていました。ガエル君と連れ立った木村佳乃さんの美しい着物姿は他の女優たちに負けぬほどの注目を集めたようで、テレビカメラも何度となく彼女をとらえていました。


開会式は脚本家、監督もこなす俳優のエドゥアール・ベールが司会をつとめました。彼のときおりコミカルな調子で軽快に進行されていた式は、審査員の面々が紹介され、最後に審査委員長のショーン・ペンが登場すると、その近付き難いオーラのせいか、会場がぐっと緊張したように見えました。「配給会社の皆さん、作品が賞に選ばれなかったとしても、変わらず支援し続けてください」と強く主張した彼も、サプライズゲストの歌手リッチー・ヘヴンスが39年前にウッドストックで演奏した「フリーダム」を熱唱すると、顔がほころび大きな拍手を送っていました。


cannes0802.jpgすでに4日目に入っている映画祭では、作品が次々と上映されています。開会式でも作品の一部が紹介されましたが、コンペティション対象作品はやはり社会派の作品や、重い内容のものが目立っていたように思います。 Blindness は突然失明するという伝染病に襲われ、病院に隔離された人びとを描いた3カ国合作の映画で、アメリカ、メキシコ、カナダ、日本など多国籍のスタッフが参加しており、さまざまな国の映画を同等に扱うこの映画祭のオープニングにふさわしい作品といえるでしょう。これまで上映されたなかでメディアの評価が高いのは、イスラエルのアリ・フォルマン監督による Waltz With Bashir で、80年代初頭のレバノン戦争の記憶をたどろうとする映画監督を描いたアニメーションで、前年の「ペルセポリス」に続き、アニメーションが賞を受賞する瞬間が見られるかもしれません。


一方、特別招待作品では、スティーヴン・スピルバーグ監督の「インディー・ジョーンズ」最新作をはじめ、ウディ・アレンの Vicky Cristina Barcelona(スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデム出演)、ウォン・カーウァイの Ashes Of Time Redux、エミール・クストリッツァがサッカーの神様マラドーナをテーマに撮ったその名も Maradona など話題を呼びそうな映画が盛りだくさんです。15日に上映された マーク・オズボーンとジョン・スティーヴンソンによるアニメ作品 Kung Fu Panda (何とまあ潔いタイトルじゃありませんか)の会場では、声優をつとめるジャック・ブラックのほか、大きなお腹のアンジェリーナ・ジョリーがブラッド・ピットを伴って登場し、ひときわ華やかな雰囲気に包まれました。映画の評判も上々のようで、日本での公開が待ち遠しいところです。


cannes0804.jpgまた前回触れたオムニバス映画 Tôkyô! も上映され、こちらもまずまずの評価を得ています。東京にやってきた映画監督志望の青年とぼんやりした性格の娘をおかしくもリリカルに描く "Interior Design"(監督:ミシェル・ゴンドリー、出演:加瀬亮、藤谷文子、大森南朋、妻夫木聡など)、 Merde (糞)と呼ばれる未知の文明から来た男が東京をパニックに陥れる話 "Merde"(監督:レオス・カラックス、Merde 役はどうやらドニ・ラヴァンらしい)、引きこもりの青年がピザ配達の少女に恋する話 "Shaking Tokyo"(監督:ポン・ジュノ、出演:香川照之、蒼井優など)だそうで、好奇心をそそられる内容と出演者ですね。写真は左からゴンドリー、カラックス、ポン監督ですが、カラックス監督はなんだか人が変わったようだな〜。


次回のエントリーでは授賞結果と注目作品についてお伝えする予定です。



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2008年05月07日

カンヌ映画祭(1) FESTIVAL DE CANNES 2008

cannes08.jpg今年もまたカンヌ映画祭の季節になってきました。5月14日からの開催を前に、先月末プレス向けの発表が行われ、審査員や参加作品の全貌が明らかになってきました。ちなみに今年のポスターはデヴィッド・リンチの撮影した写真を使っているそうで、彼の映画作品と同じく怪しげな空気が漂っています。


今回長編作品のコンペティション部門で審査委員長を務めるのはアメリカの男優ショーン・ペンになりました。「ミスティック・リバー」や「アイ・アム・サム」などでの演技が高く評価されている彼は、映画監督としてもすでに数本を制作し、プロデューサーとしての経験も持っており、豊かな視点からの選考が期待されます。とはいうものの、彼の性格からしてまた今回も硬派で堅実な路線の作品が選ばれそうな予感が今からしています。そのほか俳優ではナタリー・ポートマン、フランスのジャンヌ・バリバール、また監督ではアルフォンソ・キュアロンや、昨年「ペルセポリス」で審査員賞を受賞したマルジャン・サトラピなどが名を連ねています。


sean-penn.jpgシネフォンダシオンおよび短編映画部門では、台湾のホウ・シャオシェン、「ある視点」部門ではドイツのファティ・アキン、カメラ・ドール部門ではフランスのブリュノ・デュモンといった監督たちがそれぞれ審査委員長に選ばれました。


さて、今年のコンペ部門参加作品はカンヌ常連組や個性的な監督が多いようです。ラインナップには、ダルデンヌ兄弟、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、スティーヴン・ソダーバーグ、ヴィム・ヴェンダースといった歴代の受賞者、アルノー・デプレシャンやフィリップ・ガレルらフランスの気鋭、アトム・エゴヤンやウォルター・サレスといった実力派、そして発表する作品が世界の映画祭で高く評価されている中国のジャ・ジャンクーの名前などが見られます。


また今回の「大物」はクリント・イーストウッドでしょう。誘拐されて戻った息子が自分の子供ではないと疑う母親を描いた、アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチも出演するミステリーだそうで、非常にそそられます。さらに個人的には、チャーリー・カウフマンの初監督作品 Synecdoche, New York が気になります。「マルコヴィッチの穴」や「アダプテーション」など奇想天外な物語を送り出してきたこの脚本家がついに監督デビューを果たし、おまけに出演がフィリップ・シーモア・ホフマンだということですから、とても面白そう! カメラ・ドールの有力候補となることでしょう。


オープニング作品にはブラジルのフェルナンド・メイレレス監督の Blindness が選ばれました。ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナルといった有名どころに加え、日本の木村佳乃や伊勢谷友介も出演しています。この作品はコンペ部門にもノミネートされていますから、今年のコンペは注目作品が目白押しですね。


このほか日本関係の作品はといえば、「ある視点」部門に黒沢清監督の「東京ソナタ」が選ばれています。またこの部門ではポン・ジュノ、レオス・カラックス、そしてミシェル・ゴンドリーの Tokyo! も選ばれていて、文字通りこの3人の監督が東京を舞台にしたオムニバス映画だそうで、日本でも話題を呼びそうです。


次回のエントリーでは開会式の模様や、参加作品自体についてもっと詳しくお伝えできればと思います。




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2007年05月31日

カンヌ映画祭(8) FESTIVAL DE CANNES 2007 その他の注目作品

tommy_lee_jones.jpgハイライトやウェブの記事などを見て興味を覚えた、受賞作以外の作品の話をいくつか。

コンペ作で個人的に観たいなと思ったのは、コーエン兄弟、ガス・ヴァン・サントの2作のほか、クリストフ・オノレの Les chansons d'amour 、ラファエル・ナジャリの Tehilim などでした。

「10年ぶりの傑作」とまで言われたコーエン兄弟の作品は、西部を舞台にした犯罪映画で、トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム(髪型が見もの)などが出演(写真上)。「バートン・フィンク」や「ファーゴ」のあの静かな興奮がまた甦るのではないかと期待しています。

Les chansons d'amour は、タイトル通り登場人物たちがしばしば自分の気持ちを歌で表現する恋愛映画で、映画の一部を見た感じでは、ジャック・ドゥミやフランソワ・トリュフォーなどの作品を想起させます。ルイ・ガレル、リュディヴィーヌ・サニエ、キアラ・マストロヤンニといった配役も魅力的で、日本でも当たりそうな予感です。

Tehilimjpg.jpgTehilim はエルサレムを舞台に、突然姿を消した父親を探す少年たちを描いたもの(写真中)。子供たちの表情が悲しい。
他にも、シュールなスチール写真にインパクトを感じるウルリッヒ・ザイドルの Import Export 、緊張感の漂う映像に美男俳優チャン・チェンが映えるキム・ギドクの Soom (Breath)(写真下)なども気になりました。


コンペ外でも話題作が色々出品されました。マイケル・ムーア監督がアメリカにおける医療の実態を告発した Sicko は観客から盛大な拍手を受けていましたが、キューバでの無許可撮影を理由に本国での公開が危ぶまれているようです。

ほかにはブラッド・ピット製作、アンジェリーナ・ジョリー主演で誘拐されたジャーナリストの妻を描いた A mighty heart(マイケル・ウィンターボトム監督)、ロックバンドU2のライヴを立体的に楽しめる U2 3D(キャサリン・オーウェンズ/マーク・ペリントン監督、カンヌではU2本人たちがレッド・カーペットでパフォーマンスも披露)などは、日本でも話題を呼びそうです。

souffle.jpg個人的には、オリヴィエ・アサイヤスの Boading Gate が観たいです。監督曰くフランスと香港を舞台にした「B級映画」で、このところの活躍が目覚ましい女優アーシア・アルジェントのために作られた作品だそう。でも、この監督の作品は日本ではなかなか公開されないので、字幕付きで観られるのは難しいかもしれません。

日本では何と言っても松本人志監督の「大日本人」が最大の注目になっていましたが、この作品を取り上げた記事をフランスのサイトからはなかなか見つけられず、プレスの評価がどうなっているのかは謎のままです。


第60回ということで、今回はさまざまなイベントが催されましたが、なかでも35人の監督たちのオムニバス映画 Chacun son cinéma は大きく注目されました。ここにはもう一人話題を集めた日本人監督、北野武が参加。彼のちょんまげ姿(躊躇していたところ、ヴィム・ヴェンダースやウォルター・サレスにそそのかされたのだそう)が世界に配信されました。1人あたり3分(短い・・)で、「映画」をテーマに作品が作られたそうで、オムニバス映画は時として1つ1つの作品に物足りなさを覚えてしまうことが多いのですが、これだけの数の名監督を集め、それぞれの映画への思いを表現させる、という狙い自体はとても興味深いですね。35作品の中から、デヴィッド・リンチ作品が、開会式に上映され、相変わらずのぶっとびぶりに会場は不思議な空気に包まれましたが、凝縮されたエネルギーを感じました。


さて、お祭りも終了し、あとは公開を待つのみです。今回ご紹介した映画のいくつが、日本で公開されるのでしょうか。1本でも多く観られることを期待しています。


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2007年05月29日

カンヌ映画祭(7) FESTIVAL DE CANNES 2007 受賞結果&河瀬監督のカンヌでの動画

cannes-mungiu.jpg今回のカンヌのコンペティション部門は、社会的な問題を扱った作品が多かった前回とは違って、ヴァラエティに富んだ映画が集められ、「映画を観ること、映画を作ることの楽しさ」に立ち返っている印象を全体から受けました。
スカパーで毎日放映されていたハイライトや、カンヌ関係のウェブサイトを見ながら、各賞を勝手に予想するのもまた楽しいことです。観客やプレスの受けなどを検討すると、Le scaphandre et le papillon (ジュリアン・シュナーベル)、Persepolis (マルジャン・サトラピ/ヴァンサン・パロノー)、No country for old men(コーエン兄弟)、Paranoid Park(ガス・ヴァン・サント)などの評価が高かったようです。またフランスでも17日に一般公開されたばかりの Zodiac (デヴィッド・フィンチャー)、ルーマニアでの中絶問題を扱った 4 mois, 3 semaines, et 2 jours (クリスティアン・ムンギウ)も大きな関心を集めていました。
もっとも終わりの方に上映された作品などの批評はまだ公になっているものがそう多くないので、結果がどうなるかを予測するのはなかなか難しい(もちろん各作品を観ているわけでもないし・・)。


と、ここまでは授賞式前に書いたもの。昨日コンペティション部門の授賞式が行われ、各賞が発表されました。スカパーで生中継を見ていたところ、レッドカーペットにガス・ヴァン・サントや河瀬直美監督(写真中)らの姿を発見し、一挙に興奮が高まりました。以下に結果をお伝えします。


cannes-kawase2.jpgカメラ・ドール:Meduzot(エトガール・クレット&シーラ・ゲフィン)
さらに特別賞として:Control(アントン・コービン)

審査員賞:Persepolis(マルジャン・サトラピ/ヴァンサン・パロノー)
     Stellet Licht (Lumière silencieuse)(カルロス・レイガダス)

最優秀男優賞:コンスタンチン・ラウロネンコ(作品:Izgnanie (The Banishment)(アンドレイ・ズビャギンツェフ監督)

最優秀女優賞:チョン・ドヨン(作品:Secret Sunshine(イ・チャンドン監督)

最優秀脚本賞:ファティ・アキン(作品:Auf der anderen seite (The Edge Of Heaven))

最優秀監督賞:ジュリアン・シュナーベル(作品:Le scaphandre et le papillon)

60回記念賞(特別賞):ガス・ヴァン・サント監督の今までの功績と今回の出品作 Paranoid Park に対して

グラン・プリ:『殯(もがり)の森』(河瀬直美)

パルム・ドール:4 Luni, 3 spatamini si 2 zile (4 mois, 3 semaines et 2 jours)(クリスティアン・ムンギウ)


「映画を作り続けてきてよかった」という河瀬監督の第一声が印象的でした。『殯(もがり)の森』は奈良を舞台に妻に先立たれた認知症の男性を扱った映画で、「作品に非常に自信を持っている」と監督自ら述べていた作品だけに、喜びはひとしおでしょう。
ガス・ヴァン・サント監督が60回を記念する特別賞に選ばれたのも嬉しいことです。作品を発表するたびに招かれる彼は、「カンヌに愛されている監督」なんだなあと実感しました。Paranoid Park において、彼は再び若者たちの心理を描く映画に取り組み、しかも撮影はウォン・カーウァイ作品でおなじみのクリストファー・ドイル、ということでこれまた公開が待ち遠しい。監督が起用する少年少女たちは雰囲気がある人が多いのですが、今回主演のゲイブ・ネヴィンス(映画初出演)も印象深いまなざしをたたえた若者でした。
最高賞パルム・ドールは、ルーマニアの監督クリスティアン・ムンギウ(写真上)が獲得しました。4 Luni, 3 spatamini si 2 zile は、並行して与えられる各賞をほかに2賞受賞しており、以前から注目を集めていたこの若い監督(68年生まれ)への評価の高さがうかがえます。


persepolis.jpgまた審査員賞に選ばれた Persepolis (写真下)も、プレスの評判が非常に高い作品でした。イラン出身でフランス在住のマルジャン・サトラピが、自らの体験をもとにして制作したアニメーション(!)で、カトリーヌ・ドヌーヴなど、豪華な声優陣も話題になりました。戦争の最中、イラクからフランスへ移住した女の子の冒険物語、ということで、内容のわりにとてもポップな感じがして、とても興味深かったです。


新人監督作品に贈られるカメラ・ドールの特別賞に輝いた Control もほかに複数の賞を獲得していた好作品のようです。監督のアントン・コービンは、UKロック好きには有名な写真家で、ミュージック・ヴィデオ制作も手がけており、ミュージシャンたちからの信頼も厚い人です。Info-base でも取り上げられていましたが、作品はイギリスのロックバンド、ジョイ・ディヴィジョンのヴォーカリストで若くして命を絶ったイアン・カーティスを描いたもので、個人的にも気になる映画です。


全体として、今回は重い内容の作品が賞に選ばれていたように思います。ここ数年は同じような傾向が続いていますが、そうなるとタランティーノの Death Proof みたいな「新しいスプラッター映画」(と監督がこの作品を説明していた)や、Les chansons d'amour や My blueberry nights のようなロマンティックな恋愛ものなどエンタテインメント性の強い作品は不利になってしまうのが残念。特にコーエン兄弟の作品は下馬評が相当高かったにもかかわらず、無冠に終わってしまいました。これは周囲も予期せぬことだったようで、カンヌ関係の掲示板では「なぜ?」という不満の声が多く聞かれました。


受賞作品以外にも、色々面白そうな映画がありました。長くなってきたので、続きは次回に・・


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■カンヌ映画祭の動画集(from AFP)
【動画】<第60回カンヌ国際映画祭>河瀬直美監督、審査員特別グランプリ受賞作『殯の森』を語る
(5月28日、AFP)

【動画】<第60回カンヌ国際映画祭>河瀬直美監督作品『殯の森』予告編

【動画】<第60回カンヌ国際映画祭>受賞者&審査員が語る それぞれの想い
(5月28日、AFP)

【動画】<第60回カンヌ国際映画祭>授賞式&閉会式、レッドカーペットに河瀬直美監督らが登場
(05月28日、AFP)


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2007年05月23日

カンヌ映画祭(6) FESTIVAL DE CANNES 2007

松本人志の映画がウケているというニュースが相次ぐなかで、「松ちゃんカンヌで洗礼、監督の才能ないのでは」(5月22日、夕刊フジ)という「大日本人」に対する厳しい記事があった。日本ではいかにもカンヌで話題になっているようなニュースが流れてくるが、松ちゃんの名前で検索をかけてもフランス語の記事が出てこない(代わりに「松本零士」が出てくる)。一方、世界のキタノはちょんまげカツラをかぶった姿が地元の新聞に出たり、検索にかけてもフランス語の記事はもちろん、インタビュー動画まで出てくる。カンヌ60周年企画、「トゥー・イーチ・ヒズ・オウン・シネマ」(世界25か国、35人の監督が、「映画と人」をテーマに3分間の短編を製作)のために作った3分の映画も好評だったようだ。北野監督もエールを送っているように、松本監督の才能が開花するのはこれからだろう。

木村拓哉は「西遊記」の香取慎吾と一緒に主演映画「HERO」の宣伝のためにカンヌ入りしたが、キムタクは2004年のカンヌ映画祭でレッドカーペットは経験済み。ウォン・カーウァイの「2046」に出演したからだ。

恋する惑星 in the Mood for Love ~花様年華 2046

最近、カーウァイはカンヌの顔って感じで、去年は審査委員長を務め、今年は新作「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(日本来年公開)がオープニング作品として上映された。カーウァイの話をしても今の学生さんはピンと来ないようで、日本での知名度はいまいちなのだろうか。前作「2046」は下馬評が高かったが、結局2004年のカンヌでは何の賞も取れず。キムタクに関して、カーウァイはだいぶ前から目をつけていたようだ。彼の演技は、賛否両論だったが、中国の俳優・女優たちの圧倒的な存在感(チャン・ツィイーの壮絶な表情ときたら!)に対して、木村拓也の薄っぺらな、存在感のなさが対象的だった。これは別に悪い意味ではなく、外国から見た日本人像みたいなものが反映されているのだろう。

つまり、キムタクが演じているのは先端技術が普及した未来国家の、自我の希薄な若い男。彼は2046年から帰還できた唯一の人間で、映画の中で日本は未来に位置づけられている。だから、彼は2046年に向かう列車のシーンと不思議な親和力を発揮している。これまた日本=未来というような、ポストモダン神話が復活してしまいそうな話だが、それを60年代のレトロな香港と対比させて描く、強烈なコントラストが何だか分けわかんなくて凄い。お子ちゃまはおとといおいでって感じの、恋愛の酸いも甘いも知り尽くした大人にしかわからない、匂いたつほど官能の世界も見所なのだが、「花様年華」とは明らかに別のものを狙っている。

言葉の問題もあるだろう。広東語が響いている中で日本語を聞くと、キムタクの話し方のせいもあるのだが、一種の軽さというか、はかなさを感じてしまう。これは私が広東語がわからないせいもあるかもしれないが、ああいうパースペクティブから日本語を聞くのも独特な体験だ。

「2046」はフランスもかんでいる多国籍合作映画。カーウァイのキャリアにおいてフランスは重要な国だったはずだ。カーウァイ人気はフランスでまず火がついたと言われている。それまで香港映画と言えば、ブルース・リーやジャッキー・チェンのようなカンフー映画しか連想されなかった。カーウァイは映画を通して、アジアの若者の生態やライフスタイルをヨーロッパに知らしめたと言える。つまりは、アジアはいつまでもヨーロッパの観客のエキゾチズムの対象ではなくて、ヨーロッパの若者と同じように恋をし、ライフスタイルを楽しんでいるんですよ、というアピールにもなった。グローバリゼーションの進行によって、西洋も東洋もさほど違いがなくなり、グローバルな日常やそこから生じる感受性や問題意識が共有されているということだ。

フランスは自国の映画だけでなく、他国の映画の紹介にも熱心で、フランスに行くといろんな種類のアジア映画を見ることができる。カーウァイは明らかにヨーロッパの観客を意識した映画作りをしており、自国よりもまずヨーロッパで「発見」されたという意味で、これまたヨーロッパで絶大な人気を誇る北野武監督(あざといくらい意識してる)と共通点がある。

faye02.jpg

「In mood for love〜花様年華」(2000年)はフランスで70万人を動員。「天使の涙」(1995年)は公開時にパリで見たが、ブームと言えるほどの人気ぶりで、街中にポスターが貼られていた記憶がある。この作品と「恋する惑星」(1994年)には、日本のドラマでもお馴染みの金城武が出演しており、彼はカーウァイによって見出された俳優のひとりだ。「恋する惑星」にはモンチッチ頭のフェイ・ウオンも出ていて、ケチャップの瓶を振り回しながら60年代の名曲「カリフォルニア・ドリーミング」に合わせて踊るシーンが素敵だ。フェイは「2046」にも出演。未来へ向かう列車の中の、アンドロイドになった姿(写真)が悲しい。


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2007年05月17日

カンヌ映画祭(5) FESTIVAL DE CANNES 2007

カンヌ映画祭華やかに開幕
第60回カンヌ国際映画祭が16日夜(日本時間17日未明)、仏南部カンヌで開幕した。27日まで12日間の日程で、正式出品作品22本が最高賞のパルムドールを競う。日本からは河瀬直美監督の「殯(もがり)の森」(日仏合作)が出品されている。河瀬監督は1997年に「萌の朱雀」で新人監督に与えられるカメラドールを受賞している。映画祭の審査員は9人で審査委員長は英国のスティーブン・フリアーズ監督。映画祭と同時に見本市も開催されており、世界中から約1万本が市内の映画館などで上映され、配給会社が買い付けに駆け回る。
(5月17日、産経新聞)

第60回カンヌ国際映画祭:『マイ・ブルーベリー・ナイツ』の上映で幕開け
第60回カンヌ国際映画祭が仏時間16日、オープニング作品であるウォン・カーウァイ監督の映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(原題)(08年日本公開)の上映で幕を開けた。 同作品は、香港のカーウァイ監督の米国進出作品であり、グラミー賞受賞歌手のノラ・ジョーンズがスクリーンデビューを飾った話題作。ジョーンズ演じる、失恋で傷心の日々をニューヨークで過ごしていた女性が、メンフィス、ラスベガスと旅をし、新たな恋を見つけるまでの物語だ。
(5月17日、シネマトゥデイ)


Maggie_Cheung.jpgいよいよ第60回カンヌ映画祭が開幕しました。前のエントリーではコンペ作品について触れたので、今日は審査員をご紹介します。毎回さまざまな地域からさまざまなタイプの審査員が選ばれていますが、前回お伝えしたように、今年の審査委員長にはスティーヴン・フリアーズが選ばれ、その他映画関係者ら8人とともに審査をすることになっています。

今回の審査員は、監督ーマルコ・ベロッキオ(イタリア)、アブデラマン・シサコ(モーリタニア)、俳優ーマギー・チャン(香港)、トニ・コレット(オーストラリア)、監督兼俳優ーマリア・デ・メデイロス(ポルトガル)、サラ・ポーリー(カナダ)、ミシェル・ピコリ(フランス)です。

今年は、審査員に俳優の占める割合が高く、監督業も行う俳優が3人いるのが特徴的ですね。また、カンヌでは文学者が審査に加わることも多く、今回もトルコからノーベル賞受賞作家オルハン・パムクが招かれています。


s_polley.jpg今回の審査員は、日本でも知られている映画人が多いようです。マギー・チャン(写真上)はウォン・カーウァイの「花様年華」にも主演した、香港を代表する女優ですね。彼女は一時期フランス人監督オリヴィエ・アサイヤスと結婚しており、彼の監督した映画でカンヌの主演女優賞も獲得したということもあり、フランスでも馴染み深いアジア女優といえます。

トニ・コレットは、「リトル・ミス・サンシャイン」や「イン・ハー・シューズ」に出演した女優さん、といったらピンとくる人も多いのではないでしょうか。

また「死ぬまでにしたい10のこと」に主演したサラ・ポーリー(写真中)は、28歳の若さで出演作はテレビドラマを含めて50本を超え、自ら6作品を監督、脚本も手がけるという才能の持ち主です。



piccoli.jpgそして嬉しいのはフランス俳優の大御所ミシェル・ピコリ(写真下)の名前があること。彼は1940年代後半から映画界にたずさわり、ジャン・ルノワールやルネ・クレールといったフランス映画界の巨匠から、ヌーヴェル・ヴァーグの監督たち、近年の若手らと幅広く活動してきた俳優で、かつてご紹介した 「ロシュフォールの恋人たち」「汚れた血」にも出演しています。

フランス以外の監督たちとの仕事も多く、特にスペインのルイス・ブニュエル監督の作品に多く出演し、「小間使いの日記」「自由の幻想」「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」といった数々の問題作で独特の存在感を示しています。


このように個性的なメンツが揃った審査委員会が選ぶのはどんな作品か、とても楽しみですね。


このほか短編映画、「ある視点」部門、「カメラ・ドール」の審査委員会もあります。短編映画の審査委員長は、ヨーロッパでの評価が高く、以前 「青の稲妻」をご紹介した中国の監督ジャ・ジャンクー。審査員のなかには、フランスの作家で日本でも作品が多数翻訳されているル・クレジオの名前も見えます。

また「ある視点」部門はフランスの監督パスカル・フェラン、「カメラ・ドール」はロシアの監督パーヴェル・ルンギンが審査委員長をつとめます。「カメラ・ドール」は新人監督の作品に与えられる賞なので、先日 INFO BASE でお伝えした松本人志監督の「大日本人」 もこの賞の対象作品になります。内容がほとんどわからない( C'est un film sur les relations humaines 「人間関係についての映画である」という説明がされていましたが・・)のですが、彼の時にベタで時にシュールな感覚がフランスでどう受け取られるのか? もしかしたら閉会式に松ちゃんの姿が見られるかもしれませんね。


カンヌ映画祭公式サイト



exquise

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2007年05月15日

カンヌ映画祭(4) FESTIVAL DE CANNES 2007

カンヌ国際映画祭では日本の映画も数々の賞を受賞してきた。古いものでは、衣笠貞之助監督「地獄門」(1954年、グランプリ)や今村昌平監督の「楢山節考」(1983年、グランプリ)などがあげられる。今村昌平は1997年に「うなぎ」で2度目の受賞(パルム・ドール)を果たす(そして去年のカンヌ閉幕直後に亡くなった)。同年にカメラ・ドール(新人監督賞)を獲った河瀬直美の「萌の朱雀」も味わい深い映画だった。

そして河瀬直美の「殯(もがり)の森」が今年のコンペ部門の唯一の邦画としてが出品される。主演女優は「萌の朱雀」でデビューした尾野真千子。中学3年のとき、学校で靴箱を掃除中、撮影に訪れていた監督にスカウトされた全くの素人だった。10年の時を経て「殯(もがり)の森」で再び黄金タッグを組んだ。

それでは去年のカンヌ映画祭の結果はどうだったのか。先回に引き続き、exquise さんの去年の授賞式後のエントリーを紹介します。


第59回カンヌ映画祭の授賞式が28日に行われ、各賞が発表されました。ウォン・カーウァイ監督が選ぶ作品は何かと期待していたところ、意外(?)と硬派な作品に賞が集中しました。

麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション ユマニテ ふたりの人魚

まず今回のサプライズは主演女優・男優賞でしょう。女優賞はペドロ・アルモドバル監督の Volver の主な出演女優ら、男優賞はラシッド・ブシャレブ監督の Indigènes の主な出演男優ら(「アメリ」や先頃公開されたリュック・ベッソンの新作「アンジェラ」に出演しているジャメル・ドゥブーズも登場)全員に授与されることになり、式場では大変盛り上がりました。どちらの賞も主要な俳優全員が獲得する、ということはこれまでなかったように思いますが、ここには俳優だけではなく作品全体も評価しているよ、という審査員側のメッセージも感じられます。Volver は脚本賞も受賞しており(また今回も掟破りが)、以前に「オール・アバウト・マイ・マザー」でも監督賞を受賞したアルモドバル監督は、母親をテーマに扱うと、カンヌで受けがよいですね。

さて、最高賞であるパルム・ドールはイギリスのケン・ローチ監督作品 「麦の穂をゆらす風 The Wind That Shakes The Barley 」が、また次点のグラン・プリはフランスのブルーノ・デュモン監督の Flandres が受賞しました(リンクの写真は、1999年にカンヌで審査員グランプリ、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞の三冠を獲得した「ユマニテ」)。ローチ監督は常にイギリスの社会問題を見つめて映画を撮り続けて来きたベテランで、逆にブリュノ・デュモンは長編がこれがまだ4作目(とはいえカンヌ受賞はすでに2度目)という若手。前者は1920年代のアイルランド紛争を、後者は中東らしき戦場に派遣された若者たちを扱っての受賞です。第2次世界大戦時のフランス軍アルジェリア系兵士を題材にした先述の Indigènes も合わせて、今回は戦争や民族間闘争を取り上げた作品が多く注目されました。

また私がちょっと気になっていたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の「バベル Babel」は監督賞を受賞しました。難解な構成が特徴的な監督ですが、今回はわかりやすい編集にしているそうで、それが功を奏したのかも。銃の問題が取り上げられるなど、これも社会性の強い作品のようです。

スカパーのハイライトでいくつかの作品紹介を見てきたところ、受賞を逃した他の作品にも、興味深いものがたくさんありました。ファストフード業界裏側の暴露本をもとに作られたリチャード・リンクレイター監督の Fast Food Nation、天安門事件の頃の若者たちの日常を描いたロウ・イエ監督の Summer Palace などはぜひ日本でも公開してほしいです。今年は政治や社会問題をテーマにした映画が意識的にノミネートされたそうで、評価が高いものが多く混戦模様でした。ウォン・カーウァイのことだから、映像美や実験性のあるものが有利かなと思っていたら、それどころかシンプルでストレートに事柄を伝えるやり方のほうが好まれたようです。パルム・ドールは満場一致だったそうですから、真摯に作られた映画の力強さがまさに「国境を越えて」審査員に受け止められたといえるでしょう。


ロウ・イエ(婁Y)監督は、カンヌの後、去年9月に中国の当局に呼び出され、5年間の映画製作の禁止を言い渡された。「頤和園 Summer Palace 」を無許可で出品したのが理由だ。映画は1989年の天安門事件と、その後に大きく変貌する中国社会を背景に、地方出身の女子大生と北京の青年の「愛と性」を描いたが、微妙な政治的話題と性愛場面がひっかかったようだ。同じ命令を受けたのは「ふたりの人魚(蘇州河)」(2000年、写真のDVD)以来2度目。イエ監督自身は「映画監督は政治家じゃない。事件は歴史学者が討論すればいい。これは愛の物語だ。天安門事件そのものを描くことは目的でなかった」と反論。

ファストフードが世界を食いつくすリチャード・リンクレイターの「ファスト・フード・ネイション」も早く見たいが、日本のアメリカ産牛肉輸入と関わっているので公開されないのかも。この映画のもとになったエリック・シュローサーの同じタイトルの著作は翻訳が出ている。邦題は「ファーストフードが世界を食い尽くす」。アメリカの食肉産業の実態が克明にレポートされ、ハンバーガーを食べる気が完全に失せる。映画にはシュローサーも脚本で参加。映画はあくまでフィクションだが、食肉加工工場の凄まじいシーンは原作に引けをとらないようだ。ファーストフード業界からの反発を避けるために別のタイトルで製作が進められ、店の名前もマクドでなく、「ミッキー」になっている。歌手のアヴリル・ラヴィーンも出演。     

菊池凛子のアカデミー賞・助演女優賞ノミネートで話題になった「バベル」は現在上映中。公式サイトはコチラ



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2007年05月13日

カンヌ映画祭(3) FESTIVAL DE CANNES 2007

「週刊フランス情報」でもすでにいくつかのカンヌ情報を紹介した。

日本関連では何と言っても、お笑い芸人、松本人志が企画・監督・主演を手がける映画「大日本人」(6月2日全国公開)が、カンヌ映画祭「監督週間」部門の正式招待が決定したことだろう。この映画は、吉本興業が初めて本格的に映画界へ進出することでも話題になっていたが、それがいきなりカンヌの招待を受けた。

監督週間とは、コンペティション部門とは異なり、作家性の強い才能を世界に紹介するという理念で作品が選出される。「大日本人」の選出についてカンヌ映画祭ディレクターは「これはある種のコメディの最高傑作だと思います。ファンタジーとドキュメンタリーを非常に独創的で興味深い手法で融合させた全く新しいコンセプトの映画の誕生です。私のまわりでもすでにこの映画の熱狂的なファンが存在します」と絶賛している。一方、松本は「カンヌといわれても正直、まだピンときてないのですが、とにかく僕の映画を認めたカンヌは僕も認めます(笑)。映画祭のこととかは全く頭に入れず、あくまでも日本人向けに作ったので、外国の人がどう観るかは興味はありますね」とコメント。

何の番組だったか忘れたが、松本人志がアメリカ人を笑わせるための短編を作るという企画があった。松本がほとんど即興で作ったコント風の映画は、アメリカン・ジョークのツボや、アメリカ人が日本を見る視点をきちんと押さえ、アメリカ人の客を大いに笑わせていた。意外に普遍的な笑いを作れる人かも知れないと、そのとき思ったものだった。北野武の名を挙げるまでもなく、お笑い界はひとつの映画の才能の宝庫でもある。

また、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」という強烈なタイトルの作品が、批評家週間に正式出品されることが決定。自らの劇団を率い、三島由紀夫賞・芥川賞ノミネートなど、新進気鋭の女流作家としても注目される本谷有希子の人気戯曲が、数多くのヒットCMを手がけてきた吉田大八によって映画化された。配役も絶妙で、強烈なキャラクターを放つ主人公・澄伽(すみか)を佐藤江梨子が演じる。漫画を効果的に使用し、絶妙な滑稽さで姉妹バトルを演出している全く新しいタイプの映画だ。全国にて近々公開。

今回は exquise さんの一昨年の記事を紹介。第58回の開幕直後に書かれたもの。カンヌ映画祭の各賞の解説もあるので、とても参考になる。



いよいよ5月11日から第58回カンヌ映画祭が始まりました。去年の柳楽優弥君の主演男優賞受賞が記憶に新しいですが、今年はどんな驚きが生まれるのか、早くもワクワクしています。

ブロークンフラワーズ オペレッタ 狸御殿 デラックス版 ラストデイズ

というのも、今年は例年になく豪華な顔ぶれが参加しているのです。まず、賞レースが展開されるコンペティション(長編映画)(注1)部門には、デヴィッド・クローネンバーグ、ダルデンヌ兄弟、アトム・エゴヤン、ミヒャエル・ハネケ、ホウ・シャオシェン、ヴィム・ヴェンダースなどなど、歴代の受賞者・候補者や実力者の作品がずらりと揃っています(注2)。日本からはイラクでの人質事件を扱った小林政広監督の『バッシング』がノミネートされました。私が注目しているのは、ジム・ジャームッシュとガス・ヴァン・サントのアメリカ勢。ジャームッシュの「ブロークンフラワーズ Broken Flowers 」はビル・マーレイ、シャロン・ストーンなど大物が出演する久々の新作長編で、カンヌでの前評判も高く、ファンとしては楽しみです。またヴァン・サントの"Last Days"は、90年代初頭のロック・シーンに衝撃を与えたアメリカのバンド「ニルヴァーナ」のフロントマン、カート・コバーンが自殺にいたるまでの数日間を扱ったもので、2年前にパルム・ドール(注3)と監督賞をダブル受賞した「エレファント」(注4)が非常にすばらしかっただけに、期待大です。

映画祭ではこのほかさまざまな部門に分かれて、作品が上映されます。特別招待作品では、去年『マトリックス・リローデッド』が話題になりましたが、今年の目玉はやはりジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ エピソード3』でしょう。その他ウディ・アレンの"Match Point"、日本からは鈴木清順の『オペレッタ狸御殿』(オダギリジョーとチャン・ツィイーという異色の組み合わせ!)などが上映されます。またコンペ外ですが、芸術志向の強い映画を集めた「ある視点」部門には、フランス人監督フランソワ・オゾン(注5)や日本の青山真治などが名を連ねています。これ以外に、フランス映画協会など別組織によって運営される「監督週間」、「批評家週間」といった部門もあり、ここでも小栗康平、柳町光男、内田けんじの日本人監督3人の作品が上映されます。

さて話はコンペに戻りますが、カンヌ映画祭では審査員が毎年変わります。今年の長編部門の審査委員長は、95年「アンダーグラウンド」でのパルム・ドールのほか、カンヌで数々の賞を獲得したボスニア・ヘルツェゴビナのエミール・クストリッツァ監督です。また審査員は各国の映画監督(「ミッション・インポッシブル2」のジョン・ウーなど)や、作家、俳優たちがつとめます。審査員陣のカラーが賞の行方を大きく左右するので、メディアの批評などはあまりあてになりません。昨年のウォン・カーウァイの「2046」のように、下馬評は高かったのに結局何の賞も取らなかった、なんていうこともあるのです(注6)。さあ、どの作品がパルム・ドールを獲得するのでしょうか。この結果は次回のエントリーでお伝えします!


注1:Compétition−「競争」の意味です。この部門は芸術性と商業性のバランスがとれた作品を対象としています。

注2:とはいうものの、無名・有名、新人・ベテランを問わずノミネートするのがカンヌのよいところ。今回も各国から幅広いジャンルの映画が集められています。なかにはアメリカの俳優、トミー・リー・ジョーンズの初監督作品、なんていうのもあります。

注3:Palme d'or−「金のシュロ」の意で、シュロの枝はこの映画祭のトレードマークです。カンヌには「グラン・プリ」という賞もあってまぎらわしいのですが、現在は最高賞がパルム・ドール、次点の賞がグラン・プリです。

注4:この年、カンヌは賞が1つの作品に集中しないように、各賞を分散させるきまりを作ったばっかりだったのに、早速例外を作ってしまいました。

注5:François Ozon −フランスの若手監督で最も意欲的なのは彼でしょう。次々と問題作・話題作を送り出しています。日本でも「まぼろし」、「8人の女たち」、「スイミング・プール」などの作品がDVDもしくはビデオで鑑賞できます。

注6:ちなみに去年の審査委員長は「キル・ビル」の監督クエンティン・タランティーノ。コンペ候補には彼の趣味が反映されたのか、ヴァイオレンスものや日本のアニメなどが挙がっていましたが、グラン・プリに彼好みの「オールド・ボーイ」(パク・チャヌク)が選ばれたものの、パルム・ドールは政治色の強いマイケル・ムーアの「華氏911」に決まりました。おそらくキャスリーン・ターナー、エマニュエル・ベアールといった大御所女優を集めた審査員陣の意見が強力だったのでしょう。タランティーノさんは押しが弱そうですし…。



この年はガス・ヴァン・サントによるカート・コバーン(ニルヴァーナ)の映画が話題になっていたが、今年はジョイ・ディヴィジョンのフロントマン、イアン・カーティスの伝記映画「Control」がカンヌで上映される。コバーンは90年代に、カーティスは80年代に自らの命を絶った。自殺したアーティストは神話化される運命にあるが、等身大の彼にどれだけ迫れるかが見物だ。カンヌとは関係ないが、ブロンディーのデボラ・ハリーの伝記映画の制作も決まったようで、マリー・アントワネットを演じたキルスティン・ダンストがデボラ本人からデボラ役の指名を受けたらしい。80年代人間にはたまらない話題。

この前、アメリカのヴァージニア工科大学で痛ましい乱射事件が起こったが、ヴァン・サントの「エレファント」、マイケル・ムーア「ボウリング・フォー・コロンバイン」は描き方は違うがぜひ見ておきたい作品である。


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2007年05月12日

カンヌ映画祭(2) FESTIVAL DE CANNES 2007

去年のカンヌ国際映画祭は、『ダ・ヴィンチ・コード』の特別上映で開幕した。

去年のカンヌ映画祭の出品作品のほとんどは、ちょうど1年経った今頃に公開されるものが多く、毎年、exquise さんがカンヌ映画祭の記事を書いてくれるのだが、逆に今読んだ方がよくわかったり、ピンときたりする。一方で、カンヌ映画祭の出品作品は日本で公開されないこともあり、DVD化を待つことを余儀なくされることも。まずは exquise さんの去年(2006年)のエントリーを紹介してみよう。

* * *


第59回カンヌ映画祭が開幕し、17日に開会式が行われ、スカパーでも生中継でこの模様が放映されました。

今年のカンヌ映画祭の話題は、まず華やかな審査委員陣でしょう。

ダ・ヴィンチ・コード デラックス・コレクターズ・エディション マリー・アントワネット (初回生産限定版) バベル


今回の審査委員長はウォン・カーウァイ監督(今回の映画祭のポスターは彼の代表作「花様年華」へのオマージュなのでしょう、とても素敵です)。その他の審査委員は、チャン・ツィイー、サミュエル・L・ジャクソン、ティム・ロスら俳優勢とパトリス・ルコントらの監督勢で構成され、レッド・カーペット上では、とりわけ3人の女優たち(ツィイー、モニカ・ベルッチ、ヘレナ・ボナム・カーター)の美しい姿が注目を集めていました。

男性として初めて開会式の司会を務めたヴァンサン・カッセルは、全身真っ白という出で立ちで現れ、MCぶりも堂々としたものでした。フランスというさまざまな民族が生きる国で開かれるこの映画祭は、文化の混淆の象徴であるということを冒頭に朗々と述べた後、審査員紹介のときになって、奥方のモニカ・ベルッチの名前を気恥ずかしそうに呼んでいたのも印象的でした。

このところのカンヌはオープニング作品に話題作や大作を持ってきていますが、今回はご存知「ダ・ヴィンチ・コード」。レッド・カーペットにはロン・ハワード監督をはじめ、トム・ハンクス、オドレイ・トトゥら主要な出演者が顔を揃え、笑顔をふりまいていましたが、実際の映画の評判はあまり芳しくないようです。原作を読んでいないとよく理解できていない部分も多いようで、本を読んでからこの映画にのぞんだほうがよさそうですね。堅実な作り手であるロン・ハワード監督作品には大ハズレがないと思っていたのですが、かなり期待はずれだったようで、カンヌは肩すかしの幕開けとなりました。

さて、今回のコンペティションの候補作は、審査員陣と比べると地味かもしれませんが、実力派や個性派の監督らの作品が揃っているように思います。カーウァイ監督が審査委員長とはいえ、アジア系の候補作はロウ・イエ監督の1作のみ。逆にフランス勢が元気で、ブリュノ・デュモン監督作品をはじめ、製作に関わった作品は20作品中実に11作品(前述のロウ・イエ作品も中国とフランスの共同製作です)。全体的に今回はヨーロッパ系の作品が多くノミネートされています。

前情報があまりない中、気になる作品はというと、まずはペドロ・アルモドバルの Volver 。死んだ母親が生前やり残したことにケリをつけるために幽霊になって帰ってくる話だそうで、ペネロペ・クルスが主演。また大好きなアキ・カウリスマキの Laitakaupungin valot は孤独な男が運命の女性と出会う話ということで、これも楽しみ。また以前「ヴァージン・スーサイズ」をご紹介したソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」は豪華な衣装やインテリアが気になりますが、アントワネットを演じるのがキルスティン・ダンスト(「スパイダーマン」のMJですね)なのはいかがなものか。それからアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの Babel は、モロッコ、チュニジア、メキシコ、日本で展開される3つの物語を扱ったもので、役所広司が出演しています。この監督特有の複雑な構成(代表作は「21グラム」など)は、カーウァイ監督の気に入るかも。その他、ケン・ローチ、リチャード・リンクレイター、ロウ・イエ、ナンニ・モレッティら、興味深い監督たちの作品が目白押しです。

今回はコンペ外の作品にも日本人の監督が見当たらず、寂しいなあと思っていたら、ひとつ見つけました。それは Paris, je t'aime というオムニバス映画で、パリ20区それぞれをテーマにした短編映画を別々の監督が作って長編映画にしたものだそうで、それを聞くだけでもそそられるじゃありませんか。日本からは諏訪敦彦監督が2区を担当しており、そのほかコーエン兄弟(1区)、オリヴィエ・アサイヤス(3区)、ガス・ヴァン・サント(4区)なども参加しています。日本での公開が待ち遠しいですね。

* * *


去年の前評判の中心は「ダヴィンチ・コード」。小説は売れに売れ、関連本や関連TV番組を生み出し、キリスト教の世界にも動揺をもたらしたが、あの喧騒は今となってはウソのよう。映画の評価はあまり芳しくなかったようだが、すでにDVDになっている。カリウスマキの Laitakaupungin valot -Lights in the Dusk は日本で秋に公開との噂もあり、ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」は1月にすでに公開され、7月にはDVDが発売される(初回限定版予約可)。有名監督競演のオムニバス映画、「パリ、愛してる Paris, je t’aime 」は3月に公開されたばかりだ。



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2007年05月10日

カンヌ映画祭(1) FESITVAL DE CANNES 2007

Cannes07.jpg今年もまたカンヌ映画祭の季節になりました。5月16日の開会式を前に、招待者や出品作品がだんだんと発表されてきています。



まず、今回のコンペティション部門の審査委員長はイギリス人監督のスティーヴン・フリアーズ(写真中)。日本では現在、彼の「クイーン」が上映中です。ダイアナ元皇太子妃が事故死した後のエリザベス女王の苦悩を描いたこの作品は高い評価を受け、エリザベス女王を演じたヘレン・ミレンはアカデミー賞主演女優賞をはじめ、数々の賞を受賞しました。この映画によって日本での彼の知名度も上がったでしょうが、彼の監督歴は1985年からスタートしており、今やベテランの域に達しています。コインランドリーを経営するゲイのパキスタン人青年を描いたデビュー作「マイ・ビューティフル・ランドレット」や、実在した劇作家ジョー・オートンを扱った「プリック・アップ」(1987)など彼は初期から面白い作品を作っていました。ダニエル・デイ・ルイスやゲイリー・オールドマンなどのイギリスの個性的な俳優を、彼の作品を通して知ったものです。また彼はラクロの『危険な関係』の映画化(1988)も手がけました(原作に忠実な作りでしたが、キャスティングに少々問題があったような・・)。


stephen-frears.jpg今年のコンペティションの候補作品は22作品で、常連の名前も多く見られます。有名どころでは、まずコーエン兄弟、クエンティン・タランティーノ、ガス・ヴァン・サントらのアメリカ勢。久々デヴィッド・フィンチャー監督(「セブン」「パニック・ルーム」の監督)も登場。実在の連続殺人犯を取り上げた作品 Zodiac (主演ジェイク・ギレンホール)が出品されます。またこちらも久々のタランティーノ作品 Death Proof は、同じ題材(SFホラー)をロバート・ロドリゲスと2タイプの作品に仕立てた映画 Grindhouse のうちの、自分のヴァージョンのようです。ロドリゲスが前にカンヌに出品した「シン・シティ」でも「ゲスト監督」(ってどんな監督やねん)をしていたタランティーノ、仲良しなのね〜。最近は俳優業も忙しいタランティーノさん、最新作は三池崇史監督の「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(すごいタイトルだ)で、こちらは秋に公開予定だそうです。


アメリカ作品と同じく、地元フランスの作品も5本(共同出品も含め)選ばれています。イラン出身のマルジャン・サトラピ、ラファエル・ナジャリ、クリストフ・オノレといった新人・若手の監督と、カトリーヌ・ブレイヤ、ジュリアン・シュナーベルら個性派の名前が見られ、注目が集まりそうです。


韓国からはキム・ギドクらの3作品がノミネートされ、「韓流」はいまだ強し。日本からは河瀬直美の「殯(もがり)の森」が候補になりました。その他エミール・クストリッツァやアレクサンドル・ソクーロフ、カルロス・レイガダス、データベースでもご紹介したウォン・カーウァイらも名を連ね、今年も興味深いメンツが揃いました。外国人俳優を初めて起用したカーウァイ監督、ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、ティム・ロス、ナタリー・ポートマン、エド・ハリス、、レイチェル・ワイズといった豪華キャストですが、あの木村拓哉もヘキエキしたという、彼独自の撮影スタイルはどう受け入れられたのでしょうか、出演者のインタビューが聞いてみたいですね。


コンペ外の作品に関しては、まずスティーヴン・ソダーバーグの「オーシャンズ13」のプレミア上映が挙げられるでしょう。ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツらの出演者がレッド・カーペットに現れる予定です。またアート志向の高い作品を集めた「ある視点」部門では、ジュリエット・ビノシュの紹介のもと、ホウ・シャオシェンの A la recherche du ballon rouge(「赤い風船を探して」仮タイトル)が上映されます。個人的に気になるのは、ファンであるジャン=ピエール・リモザン監督の Young Yakusa。Tokyo Eyesのほか、北野武のドキュメンタリー映画も手がけていて、日本との関わりも深い彼の新作は、やはり東京を舞台にしたドキュメンタリー作品のようです。


diane.jpg今年の開会式の司会はダイアン・クルーガー(写真下)。審査員などについてはまた次回お知らせいたしましょう。今から開幕が待ち遠しくてたまりません。


カンヌ映画祭公式サイト


*この記事は4月27日にmain blogに掲載されたものです。これからカンヌ映画祭閉幕まで特集を連載する予定です。



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2006年06月02日

(7)カンヌ映画祭特集−カンヌ結果発表!

kenloach01.jpg第59回カンヌ映画祭の授賞式が28日に行われ、各賞が発表されました。ウォン・カーウァイ監督が選ぶ作品は何かと期待していたところ、意外(?)と硬派な作品に賞が集中しました。

まず今回のサプライズは主演女優・男優賞でしょう。女優賞はペドロ・アルモドバル監督の Volver の主な出演女優ら、男優賞はラシッド・ブシャレブ監督の Indigènes の主な出演男優ら(「アメリ」や先頃公開されたリュック・ベッソンの新作「アンジェラ」に出演しているジャメル・ドゥブーズも登場)全員に授与されることになり、式場では大変盛り上がりました。どちらの賞も主要な俳優全員が獲得する、ということはこれまでなかったように思いますが、ここには俳優だけではなく作品全体も評価しているよ、という審査員側のメッセージも感じられます。Volver は脚本賞も受賞しており(また今回も掟破りが)、以前に「オール・アバウト・マイ・マザー」でも監督賞を受賞したアルモドバル監督は、母親をテーマに扱うと、カンヌで受けがよいですね。

さて、最高賞であるパルム・ドールはイギリスのケン・ローチ監督作品 The Wind That Shakes The Barley が、また次点のグラン・プリはフランスのブルーノ・デュモン監督の Flandres が受賞しました。ローチ監督は常にイギリスの社会問題を見つめて映画を撮り続けて来きたベテランで、逆にブリュノ・デュモンは長編がこれがまだ4作目(とはいえカンヌ受賞はすでに2度目)という若手。前者は1920年代のアイルランド紛争を、後者は中東らしき戦場に派遣された若者たちを扱っての受賞です。第2次世界大戦時のフランス軍アルジェリア系兵士を題材にした先述の Indigènes も合わせて、今回は戦争や民族間闘争を取り上げた作品が多く注目されました。

また私がちょっと気になっていたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の Babel は監督賞を受賞しました。難解な構成が特徴的な監督ですが、今回はわかりやすい編集にしているそうで、それが功を奏したのかも。銃の問題が取り上げられるなど、これも社会性の強い作品のようです。

スカパーのハイライトでいくつかの作品紹介を見てきたところ、受賞を逃した他の作品にも、興味深いものがたくさんありました。ファストフード業界裏側の暴露本をもとに作られたリチャード・リンクレイター監督の Fast Food Nation、天安門事件の頃の若者たちの日常を描いたロウ・イエ監督の Summer Palace などはぜひ日本でも公開してほしいです。今年は政治や社会問題をテーマにした映画が意識的にノミネートされたそうで、評価が高いものが多く混戦模様でした。ウォン・カーウァイのことだから、映像美や実験性のあるものが有利かなと思っていたら、それどころかシンプルでストレートに事柄を伝えるやり方のほうが好まれたようです。パルム・ドールは満場一致だったそうですから、真摯に作られた映画の力強さがまさに「国境を越えて」審査員に受け止められたといえるでしょう。

来年は第60回という節目の年。近年のカンヌはメッセージ性の強い映画が多く登場していますが、次回はどうなるのでしょう。あまのじゃくな私は、こうなると純粋な「娯楽」映画にも頑張ってもらいたいなあと思ってしまうのですが…

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2006年05月20日

カンヌ映画祭特集(6) カンヌ映画祭開幕!

cannnes06-affiche01.jpg第59回カンヌ映画祭が開幕し、17日に開会式が行われ、スカパーでも生中継でこの模様が放映されました。

今年のカンヌ映画祭の話題は、まず華やかな審査委員陣でしょう。

cyberbloom さんが Data Base のほうで書かれていたように、今回の審査委員長はウォン・カーウァイ監督(今回の映画祭のポスターは彼の代表作「花様年華」へのオマージュなのでしょう、とても素敵です)。その他の審査委員は、チャン・ツィイー、サミュエル・L・ジャクソン、ティム・ロスら俳優勢とパトリス・ルコントらの監督勢で構成され、レッド・カーペット上では、とりわけ3人の女優たち(ツィイー、モニカ・ベルッチ、ヘレナ・ボナム・カーター)の美しい姿が注目を集めていました。

男性として初めて開会式の司会を務めたヴァンサン・カッセルは、全身真っ白という出で立ちで現れ、MCぶりも堂々としたものでした。フランスというさまざまな民族が生きる国で開かれるこの映画祭は、文化の混淆の象徴であるということを冒頭に朗々と述べた後、審査員紹介のときになって、奥方のモニカ・ベルッチの名前を気恥ずかしそうに呼んでいたのも印象的でした。

このところのカンヌはオープニング作品に話題作や大作を持ってきていますが、今回はご存知「ダ・ヴィンチ・コード」。レッド・カーペットにはロン・ハワード監督をはじめ、トム・ハンクス、オドレイ・トトゥら主要な出演者が顔を揃え、笑顔をふりまいていましたが、実際の映画の評判はあまり芳しくないようです。原作を読んでいないとよく理解できていない部分も多いようで、本を読んでからこの映画にのぞんだほうがよさそうですね。堅実な作り手であるロン・ハワード監督作品には大ハズレがないと思っていたのですが、かなり期待はずれだったようで、カンヌは肩すかしの幕開けとなりました。

さて、今回のコンペティションの候補作は、審査員陣と比べると地味かもしれませんが、実力派や個性派の監督らの作品が揃っているように思います。カーウァイ監督が審査委員長とはいえ、アジア系の候補作はロウ・イエ監督の1作のみ。逆にフランス勢が元気で、ブリュノ・デュモン監督作品をはじめ、製作に関わった作品は20作品中実に11作品(前述のロウ・イエ作品も中国とフランスの共同製作です)。全体的に今回はヨーロッパ系の作品が多くノミネートされています。

前情報があまりない中、気になる作品はというと、まずはペドロ・アルモドバルの Volver 。死んだ母親が生前やり残したことにケリをつけるために幽霊になって帰ってくる話だそうで、ペネロペ・クルスが主演。また大好きなアキ・カウリスマキのLaitakaupungin valot は孤独な男が運命の女性と出会う話ということで、これも楽しみ。また以前「ヴァージン・スーサイズ」をご紹介したソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」は豪華な衣装やインテリアが気になりますが、アントワネットを演じるのがキルスティン・ダンスト(「スパイダーマン」のMJですね)なのはいかがなものか。それからアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの Babel は、モロッコ、チュニジア、メキシコ、日本で展開される3つの物語を扱ったもので、役所広司が出演しています。この監督特有の複雑な構成(代表作は「21グラム」など)は、カーウァイ監督の気に入るかも。その他、ケン・ローチ、リチャード・リンクレイター、ロウ・イエ、ナンニ・モレッティら、興味深い監督たちの作品が目白押しです。

今回はコンペ外の作品にも日本人の監督が見当たらず、寂しいなあと思っていたら、ひとつ見つけました。それは Paris, je t'aime というオムニバス映画で、パリ20区それぞれをテーマにした短編映画を別々の監督が作って長編映画にしたものだそうで、それを聞くだけでもそそられるじゃありませんか。日本からは諏訪敦彦監督が2区を担当しており、そのほかコーエン兄弟(1区)、オリヴィエ・アサイヤス(3区)、ガス・ヴァン・サント(4区)なども参加しています。日本での公開が待ち遠しいですね。

さて、2週間後のエントリーでは結果発表をご報告する予定です。果たしてカーウァイ監督の選ぶ作品は何でしょうか? 

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2006年05月14日

カンヌ映画祭特集(5) 司会のヴァンサン・カッセルって誰?

今年のカンヌ国際映画祭で開会式と受賞式の司会を務めるのは、ヴァンサン・カッセル。1966年生まれで、91年に映画デビュー。何と言っても、彼が最初に世界の注目を集めた作品が、マチュー・カソヴィッツ監督の「憎しみ」だ。この作品は1995年のカンヌの監督賞を受賞。ヴァンサン・カッセルはパリ郊外に住むユダヤ系の若者、ヴィンツを演じた。

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Jusqu'ici tout va bien...
L’important, c’est pas la chute, c’est l’attérrissage.

憎しみ冒頭の、ライムのように語られるこの台詞にいきなりやられてしまう。50階の建物の屋上から落ちている男が自分に語りかけている。「ここまでは大丈夫。重要なのは落ちていることではない、どう着地するかだ」。50階の高さから落ちているのだから、助かりようがない。それがパリの郊外に住む移民系の若者の現実だ。何千台もの車が焼かれた、去年の秋の暴動も記憶に新しい。警官に追いかけられた郊外の少年が変電所に逃げ込み、感電死した事件をきっかけにフランス全土に広がった。カソヴィッツがこの映画を撮った動機として、同じような事件があった。1992年、パリの交番で18歳のザイール出身の若者が殴り殺された。郊外の若者は、失業率が異常に高く、ホスト国からはよそ者として蔑視され、常に犯罪予備軍として警察の監視下にある。そういう状況下で、方向性のない憎しみを鬱積させる若者をカッセルは見事に演じた。その後カソヴィッツの「クリムゾン・リバー」にも出演。ジャン・レノの相棒役を務めた。父親も有名な俳優(ジャン=ピエール・カッセル)だが、「憎しみ」を見てショックを受けてたという。「フランス映画にありがちな気取った芸術作品に出てたやつにはわからないさ」と二世俳優の枠に収まろうとしない頼もしい発言をしている。

ドーベルマンカッセルのもうひとつの重要な作品は「ドーベルマン」である。このヤン・クーネン監督の作品によって日本でも広く知られるようになり、自動車のCMにも声がかかった。「ドーベルマン」はテクノチューンにのって疾走する鬼畜系バイオレンス映画。フランスでも物議を醸した。カッセルが演じたのは、ロケットランチャー内蔵のマグナム357で銀行強盗を繰り返す主人公、ドーベルマン。これもカンヌで上映され、アメリカのミラマックス社の社長を震撼させたという。下品極まりないキレた登場人物たちが、汚い言葉を吐きまくる。自分でシナリオを起こして学生と読んだが、訳すのに困った覚えがある。大友克洋の「アキラ」やケン・イシイのテクノが大好きだというヤン・クーネン監督だが、映画の中でギャングのひとりに「ゴジラ」への愛着を告白させている。カッセルの妻は、今年の審査委員でもあるモニカ・ベルッチ。「イタリアの宝石」と呼ばれるほどの美貌を持つ。「ドーベルマン」では超セクシーな爆破のスペシャリストを演じていた。

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2006年05月12日

カンヌ映画祭特集(4) 今年の審査委員長はウォン・カーウァイ

一昨年のカンヌ映画祭で木村拓也が赤い絨毯の上を歩いていて、「何で?」と思ったら、カーウァイの「2046」に出演していたのだった。この映画は下馬評が高かったが、結局2004年のカンヌでは何の賞も取れず。カーウァイはだいぶ前からキムタクに目をつけていたようだ。彼の演技は、賛否両論だったが、中国の俳優・女優たちの圧倒的な存在感(「SAYURI」にも出てるチャン・ツィイーの壮絶な表情ときたら!)に対して、木村拓也の薄っぺらな、存在感のなさが対象的だった。これは別に悪い意味ではなく、中国から見た日本人像みたいなものが反映されているのだろう。

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つまり、キムタクが演じているのは先端技術が普及した未来国家の、自我の希薄な若い男。彼は2046年から帰還できた唯一の人間で、映画の中で日本は未来に位置づけられている。だから、彼は2046年に向かう列車のシーンと不思議な親和力を発揮している。これまた日本=未来というような、ポストモダン神話が復活してしまいそうな話だが、それを60年代のレトロな香港と対比させて描く、強烈なコントラストも何だか分けわかんなくて凄い。とはいえ、見所はやはり、お子ちゃまはおとといおいでって感じの、恋愛の酸いも甘いも知り尽くした大人にしかわからない、匂いたつほど官能の世界。

言葉の問題もあるだろう。アクセントの強い広東語が響いている中で日本語を聞くと、キムタクの話し方のせいもあるのだが、一種の軽さというか、はかなさを感じてしまう。これは私が広東語がわからないせいもあるかもしれないが、ああいうパースペクティブから日本語を聞くのも独特な体験だ。

「2046」はフランスもかんでいる多国籍合作映画。今回、カンヌで審査委員長を務めることになったが、カーウァイにとってフランスは重要な国だったはずだ。カーウァイ人気はフランスでまず火がついたと言われている。それまで香港映画と言えば、ブルース・リーやジャッキー・チェンのようなカンフー映画しか連想されなかった。カーウァイは映画を通して、アジアの若者の生態やライフスタイルをヨーロッパに知らしめたと言える。つまりは、アジアはいつまでもヨーロッパの観客のエキゾチズムの対象ではなくて、ヨーロッパの若者と同じように恋をし、ライフスタイルを楽しんでいるんですよ、というアピールだ。グローバリゼーションの進行によって、西洋も東洋もさほど違いがなくなり、グローバルな日常やそこから生じる問題意識が共有されているということだ。

フランスは自国の映画だけでなく、他国の映画の紹介にも熱心で、フランスに行くといろんな種類のアジア映画を見ることができる。カーウァイは明らかにヨーロッパの観客を意識した映画作りをしており、自国よりもまずヨーロッパで「発見」されたという意味で、これまたヨーロッパで絶大な人気を誇る北野武(あざといくらい意識してる)と共通点がある。北野武の方は特にイタリアで人気が高いせいか、ベネチアの方に縁があるようですが。

「In mood for love〜花様年華」(2000年)はフランスで70万人を動員。「天使の涙」(1995年)は公開時にパリで見たが、ブームと言えるほどの人気ぶりで、街中にポスターが貼られていた記憶がある。この作品と「恋する惑星」(1994年)には、日本のドラマでもお馴染みの金城武が出演しており、彼はカーウァイによって見出された俳優のひとりだ。「恋する惑星」にはモンチッチ頭のフェイ・ウオンも出ていて、ケチャップの瓶を振り回しながら60年代の名曲「カリフォルニア・ドリーミング」に合わせて踊るシーンが素敵だ。フェイは「2046」にも出演。未来へ向かう列車の中の、アンドロイドになった姿(写真、上)が悲しい。

タランティーノが審査委員長を務めた2004年は、彼のアジア趣味が受賞作品の決定に大きな影響を及ぼした。今年の選考にはカーウァイの意向がどのように反映されるのだろうか。

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2006年05月11日

カンヌ映画祭特集(3) TOKYO EYES

tokyoeyes02.jpgカンヌ国際映画祭では日本の映画も数々の賞を受賞してきた。古いものでは、衣笠貞之助監督「地獄門」(1954年、グランプリ)や今村昌平監督の「楢山節考」(1983年、グランプリ)などがあげられる。今村昌平は1997年に「うなぎ」で2度目の受賞(パルム・ドール)を果たす。同年にカメラ・ドールを獲った河瀬直美の「萌の朱雀」もいい映画だった。一昨年の審査委員長を務めたクエンティン・タランティーノ監督は「今世界の中で最高に刺激的なのは、日本映画と韓国映画だ」と語り、2004年は随所にタランティーノ好みの「アジア趣味」が発揮された選考となった。グランプリが韓国の「オールド・ボーイ」、主演男優賞は最年少受賞の年齢を大幅に引き下げた当時14歳の柳楽優弥(「誰も知らない」)、主演女優賞は香港のマギー・チャン(元夫のオリビア・アサイヤス監督「クリーン」)とアジア勢が大当たり。

個人的にカンヌで思い出す日本関連の映画がある。1996年に「ある視点賞」部門に出品された、フランス人監督ジャン=ピエール・リモザンによる「TOKYO EYES」。東京を舞台にしていて、最近ではソフィア・コッポラの「ロスト・イン・トランスレーション」なんかを思い出させるのだが、「TOKYO EYES」には不可解な欲望を持つ日本の若者の姿が描かれている。主人公はゲームのプログラマーで、現実とゲームの世界の区別がつかないかのように、改造拳銃で人を脅して歩く。これはリモザンが想定する日本のオタクの姿のようだが、武田真治が扮するキャラクターはかなりスタイリッシュに設定されている。日本ではその病理性と非社交的な側面がもっぱら強調されるオタクだが、フランスではヴァーチャルな世界に対応した新しい人類というような意味合いで受け取られているようだ。美容師見習いのヒロインに、吉川ひなの(ホリエモンが塀の向こうから帰ってきたね)。どうみても素人臭い演技と棒読みの台詞が、逆説的に「東京」を体現している。北野武の「おっちゃん」もいい味出している。音楽的にはテクノ(YMOの国だから?)が強調され、当時の人気テクノDJ、田中フミヤが特別出演。一方で、テクノオリエンタリズムとも言うべき、日本の先端技術と伝統文化の対比も随所に見られ、改造拳銃を持った危険な主人公が出没するのは、東京の古くからある場所、路地裏、銭湯、バッティングセンターである(バッティングセンターで思い出すのが、村上龍の「イン ザ・ミソスープ」。これも同系の作品だろう)。

tokyoeyes03.jpgこの作品には映画における新しい傾向の前兆が見て取れる。映画にマンガやアニメという日本発のメディアが関わり始めたということである。2004年のグランプリ作品「オールド・ボーイ」(日本のマンガを原作とした韓国映画)など、この先、マンガやアニメを原作とした映画が注目を集め、新しいアニメ作品そのものもカンヌ映画祭に出品される。2004年のコンペティション部門に、押井守監督「イノセンス」が出品されたことは記憶に新しいし、2003年には松本零士とDAFT PUNKのコラボ作品「INTERSTELLA 5555」も上映されている。


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2006年05月09日

カンヌ映画祭特集(2) 去年のサプライズと掟破り

昨日に引き続き、去年のカンヌ国際映画祭のおさらいです。カンヌの季節が再びめぐって来たころに、去年のおさらいをすることは意外に重要なことかもしれません。映画祭では一般人は出品作品が見れないので、タイトルやウワサだけで内容を想像するしかありませんが、1年経った今は出品作品の多くがDVD化されているのですから。情報だけの興奮にようやくリアリティが伴うわけです。今日は去年の受賞発表後の exquise さんのエントリーを紹介します。DVD情報も提供しながら。去年もサプライズや掟破りがあったようです。


シン・シティ スタンダード・エディションカンヌ映画祭の授賞式が5月21日に行われました。当日スカパーの生中継で直前の模様から見ていたのですが、式場へのレッドカーペットを歩いていたのは、アモス・ギタイ、ジム・ジャームッシュ、トミー・リー・ジョーンズ、そして「シン・シティ」(注1)を監督したロバート・ロドリゲスなどなど。授賞式に列席した人たちはたいてい何らかの賞を獲得するのが慣例なので、これを見ると大体受賞者がわかってしまいます。しかし審査委員長のクストリッツァは審査員の意見が分かれ、授賞式ではサプライズがあると予言していました。

さて授賞式の結果はすでに方々で結果が報じられているのでご存知の方も多いでしょう。今回は各国の映画に賞が分散する一方で、トミー・リー・ジョーンズの作品(注2)に2つ賞が与えられるという「掟破り」がまたありました。そしてメディアの評価が高かったクローネンバーグ、ヴェンダース、ホウ・シャオシェン、レイガダスらの作品は選ばれませんでした(赤絨毯の上に姿を見せなかったので、予想はしていましたが)。

ある子供パルム・ドールだといいなあと思っていたジャームッシュがグラン・プリに選ばれたとき、私は「まさか『シン・シティ』がパルム・ドール?そういやロドリゲス来てたしなあ…これがサプライズかい」と早合点してました。そうしたらダルデンヌ兄弟の「ある子供」!いとし・こいしのような風貌のこのお二人をすっかり見落としていたんですね〜。まあ確かにこの結果は予想していなかったけれども、全体を振り返ってみるとやっぱり「カンヌ好み」の作品が大半を占めていたように思います。

ダルデンヌ兄弟がこの最高賞を、イラクで行方不明になっているフランス人ジャーナリストとイラク人ガイドに捧げたこと(前回述べましたが、開会式にドミニク・モルも彼らのポートレートを胸につけていました)も印象的でしたが、今回選ばれなかった監督たちの名前を挙げて、「私は芸術表現における競争というものを信じない。このコンペティションに他の偉大な映画人たちとともに選ばれただけで光栄だ。私たちはみな同じ家族の一員であり、私はその家族の一員であることを名誉に思う」というジャームッシュのスピーチもすばらしかったです。

運命じゃない人+WEEKEND BLUES ツインパック残念ながら日本からの「バッシング」は賞を逃しましたが、批評家週間に上映された「運命じゃない人」(内田けんじ監督、DVD右)は大きな注目を浴び、「フランス作家協会賞」、「金のレール賞」、「(ベリー)ヤング・クリティック賞」、「最優秀ドイツ批評家賞」の4賞(注3)を受賞しました。内田監督はこれが長編デビュー作だそうで、今後の活躍が期待されますね。

映画祭は幕を閉じましたが、ここで上映された作品が日本で公開されるのはこれからです。受賞を逃した作品にも面白そうなのがたくさんありましたし(注4)、来年の5月がやってくるのを楽しみにしながら、今回の出品作を1つ1つ味わっていきたいです。もっとも私は専らDVD鑑賞者なので、実際に目にするのはいつの日になることやら…

注1:「シン・シティ」はアメリカのコミックを実写・アニメ・CGを織り交ぜながらフィルム・ノワール調で描いた作品で、ベニチオ・デル・トロ、クライヴ・オーウェン、ミッキー・ローク、ジェシカ・アルバなどが出演。またゲスト監督(!)にタランティーノの名が。今までのコミックを映画化した作品とはひと味違う斬新な映像で、個人的には非常にそそられます。

注2:当初新人監督に贈られる「カメラ・ドール」受賞が有力と思われていましたが、過去にテレビ番組を監督していたことがわかり、対象外に。

注3:いずれの賞も映画祭本部とは別の団体から贈られる賞で、「フランス作家協会賞」は批評家週間に上映された作品のうち最も優れた脚本に対するもの、「金のレール賞」は映画好きの鉄道員たちが選んだもの、「ヤング・クリティック賞」は高校生が選んだもの、「最優秀ドイツ批評家賞」は文字通りドイツ人批評家たちが選んだものだそうです。

注4:たとえばシャルロット・ゲンズブールとシャーロット・ランプリングが共演したドミニク・モルのサスペンス作品"Lemming"、「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルン役、ヴィゴ・モーテンセン主演のスリラー"A History of Violence"(デヴィッド・クローネンバーグ)、最近気になりっぱなしのケヴィン・ベーコンとコリン・ファース出演の"Where the Truth Lies"(アトム・エゴヤン)、私のなかで「いい男さん」ベスト3に入るサム・シェパードとジェシカ・ラングのカップルが出演した"Don't Come Knocking"(ヴィム・ヴェンダース)などなど。

exquise

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2006年05月08日

カンヌ映画祭特集(1) 去年のカンヌはどうだった?

ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版今年で59回目を迎えるカンヌ国際映画祭が5月17日、『ダ・ヴィンチ・コード』の特別上映で開幕します。FRENCH BLOOM NET では、「カンヌ映画祭特集」を組み、今年の注目作品から、過去の受賞作品まで、幅広く、また多様な切り口で紹介してみたいと思います。おまけに5月は注目のフランス映画もいくつか公開予定なので、それらもまとめて。

去年のカンヌ映画祭の出品作品のほとんどは、ちょうど1年経った今頃になって次々公開されている状況です。去年、exquise さんがカンヌ映画祭の記事を書いてくれたのですが、逆に今読んだ方がよくわかったり、ピンときたりします。一方で、カンヌ映画祭の出品作品が日本で公開されないことも多く、DVD化を待つしかないこともあります。まずは exquise さんの去年(2005年)のエントリーを紹介してみたいと思います。カンヌ映画祭の各賞の解説もあるので、とても参考になります。


いよいよ5月11日から第58回カンヌ映画祭が始まりました。去年の柳楽優弥君の主演男優賞受賞が記憶に新しいですが、今年はどんな驚きが生まれるのか、早くもワクワクしています。

というのも、今年は例年になく豪華な顔ぶれが参加しているのです。まず、賞レースが展開されるコンペティション(長編映画)(注1)部門には、デヴィッド・クローネンバーグ、ダルデンヌ兄弟、アトム・エゴヤン、ミヒャエル・ハネケ、ホウ・シャオシェン、ヴィム・ヴェンダースなどなど、歴代の受賞者・候補者や実力者の作品がずらりと揃っています(注2)。日本からはイラクでの人質事件を扱った小林政広監督の『バッシング』がノミネートされました。私が注目しているのは、ジム・ジャームッシュとガス・ヴァン・サントのアメリカ勢。ジャームッシュの"Broken Flowers"はビル・マーレイ、シャロン・ストーンなど大物が出演する久々の新作長編で、カンヌでの前評判も高く、ファンとしては楽しみです。またヴァン・サントの"Last Days"は、90年代初頭のロック・シーンに衝撃を与えたアメリカのバンド「ニルヴァーナ」のフロントマン、カート・コバーンが自殺にいたるまでの数日間を扱ったもので、2年前にパルム・ドール(注3)と監督賞をダブル受賞した「エレファント」(注4)が非常にすばらしかっただけに、期待大です。

映画祭ではこのほかさまざまな部門に分かれて、作品が上映されます。特別招待作品では、去年『マトリックス・リローデッド』が話題になりましたが、今年の目玉はやはりジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ エピソード3』でしょう。その他ウディ・アレンの"Match Point"、日本からは鈴木清順の『オペレッタ狸御殿』(オダギリジョーとチャン・ツィイーという異色の組み合わせ!)などが上映されます。またコンペ外ですが、芸術志向の強い映画を集めた「ある視点」部門には、フランス人監督フランソワ・オゾン(注5)や日本の青山真治などが名を連ねています。これ以外に、フランス映画協会など別組織によって運営される「監督週間」、「批評家週間」といった部門もあり、ここでも小栗康平、柳町光男、内田けんじの日本人監督3人の作品が上映されます。

さて話はコンペに戻りますが、カンヌ映画祭では審査員が毎年変わります。今年の長編部門の審査委員長は、95年「アンダーグラウンド」でのパルム・ドールのほか、カンヌで数々の賞を獲得したボスニア・ヘルツェゴビナのエミール・クストリッツァ監督です。また審査員は各国の映画監督(「ミッション・インポッシブル2」のジョン・ウーなど)や、作家、俳優たちがつとめます。審査員陣のカラーが賞の行方を大きく左右するので、メディアの批評などはあまりあてになりません。昨年のウォン・カーウァイの「2046」のように、下馬評は高かったのに結局何の賞も取らなかった、なんていうこともあるのです(注6)。さあ、どの作品がパルム・ドールを獲得するのでしょうか。この結果は次回のエントリーでお伝えします!

注1:Compétition−「競争」の意味です。この部門は芸術性と商業性のバランスがとれた作品を対象としています。

注2:とはいうものの、無名・有名、新人・ベテランを問わずノミネートするのがカンヌのよいところ。今回も各国から幅広いジャンルの映画が集められています。なかにはアメリカの俳優、トミー・リー・ジョーンズの初監督作品、なんていうのもあります。

注3:Palme d'or−「金のシュロ」の意で、シュロの枝はこの映画祭のトレードマークです。カンヌには「グラン・プリ」という賞もあってまぎらわしいのですが、現在は最高賞がパルム・ドール、次点の賞がグラン・プリです。

注4:この年、カンヌは賞が1つの作品に集中しないように、各賞を分散させるきまりを作ったばっかりだったのに、早速例外を作ってしまいました。

注5:François Ozon −フランスの若手監督で最も意欲的なのは彼でしょう。次々と問題作・話題作を送り出しています。日本でも「まぼろし」、「8人の女たち」、「スイミング・プール」などの作品がDVDもしくはビデオで鑑賞できます。

注6:ちなみに去年の審査委員長は「キル・ビル」の監督クエンティン・タランティーノ。コンペ候補には彼の趣味が反映されたのか、ヴァイオレンスものや日本のアニメなどが挙がっていましたが、グラン・プリに彼好みの「オールド・ボーイ」(パク・チャヌク)が選ばれたものの、パルム・ドールは政治色の強いマイケル・ムーアの「華氏911」に決まりました。おそらくキャスリーン・ターナー、エマニュエル・ベアールといった大御所女優を集めた審査員陣の意見が強力だったのでしょう。タランティーノさんは押しが弱そうですし…。

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