2012年06月23日

日本で「オランジーナ」発売!

フランス生まれの果汁入り炭酸飲料「オランジーナ」が3月27日から日本で発売される。フランスでは国民的な炭酸飲料水として知られているが、日本では初お目見えとなる。

orangina01.jpg「オランジーナ」は名前の通り、かんきつ類(オレンジ、レモン、マンダリン、グレープフルーツ)から作られているが、オレンジの皮から抽出したオレンジピールエキスと果実繊維も入っている。果汁率は12%。開発したのはヴァレンシア出身のスペイン人化学者トリゴ博士。1933年にさかのぼる。そのコンセプトをアルジェリア系のフランス人、レオン・べトンが買い取り、フランス植民地下のアルジェリアで販売を始めた。アルジェリアが独立した1962年からフランスに移り、会社を設立した。そしてオランジーナは2009年以来、日本の飲料メーカー、サントリーの傘下に入っている。

フランスでは「バルビーボトル」と呼ばれる、丸みを帯びた瓶が親しまれているが、日本で発売される 420ml 入りペットボトルはそれをモチーフにデザインされている。

そして CM はなぜかリチャード・ギアを寅さん役に起用した「男はつらいよ」のパロディー。ギアは横文字の TORA を演じ、舞台は中世の面影を残すプロヴァンス地方。TORA が列車を降り、プロヴァンスの田舎町に久しぶりに帰ってくるシーンから始まる。
 


http://www.orangina.com/



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2009年08月04日

ゴロワーズを吸ったことがあるかい?

2008年1月1日より、フランスでは喫煙禁止令が施行された。カフェ、バー、ディスコ、レストランなどなど、室内は全て禁煙である。タバコを吸いたい人は、テラスへどうぞ、ということらしい。

あゝ、我が良き友よ(紙ジャケット仕様)
フランスというと、愛煙家が多く、カフェの中では、ゆらりゆらりとタバコの煙が漂っていたものだが、そんな空気ももはや過去のものとなってしまったのだろう。

なんといっても、この法令に違反した者には68ユーロ(約1万円)の罰金が課せられ、またオーナーが灰皿を置くなど、喫煙を誘惑するような行為を取ると750ユーロ(約12万円)もの罰金になるというのだから。

そういえば、「ムッシュ」ことかまやつひろし、かつて「ゴロワーズを吸ったことがあるかい?」という歌を歌っていました。やがてゴロワーズというブランドも失われてしまうのかもしれません。


キャベツ頭の男


ゴロワーズを吸ったことがあるかい ― ムッシュ・カマヤツ(かっこいいライブ映像)

「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」という問いは、かつて一種の特権意識の表明だったわけだが、禁煙撲滅の流れのなかで、「ゴロワーズって昔あったけど、憶えてる?」という意味になりつつある。この歌はゴロワーズというフランスのブランドをピンポイントで指示しているわけだが、「モノに凝ることが人生の幸せにつながる」ことがだんだんとありえなくなっているように思う。「何かに凝らなくてはダメだ」と飲み会で上の世代の人から説教された覚えもあるが、それは「団塊オヤジ的な美学」と言えるかもしれない。

確かに私もそういう価値観をずっと共有してきた。文学書にしろ、レコードにしろ、服にしろ、それが大した金額でなくとも、自分の持っているありったけのお金をつぎ込む快楽。それによって自分がボトムアップされたような錯覚。そしてフランスはその重要な指標のひとつだった。フランスが即物的に人生の幸せにつながることがありえたのだ。

この美学は「消費による自己実現」と言い換えることができる。しかし、消費による自己実現が難しくなり、モノに凝ろうと思ってもできない時代は、コミュニケーションの内実を回復させていくチャンスなのだ。だってモノに凝るなんて、さびしく孤独な、単に自己満足な行為にすぎないのだから。とは言っても、今の日本ではモノに見放される恐怖ばかりにとらわれて、別の生き方の可能性に気がつくことさえ難しい。

この歌はフランスと世代的な価値観が絡み合っていて、世代間対話として良い教材だ。若い世代にはこの歌詞はどのように響くのだろうか。まず「ジャン・ギャバンって誰?」って話になるだろうが、意外にも学生たちのこの歌に対する評価も共感度も非常に高かった。私のようなバブル世代から見ると今の20代のファションは少しカジュアルに見えてしまうが、金をかければいいというバブル的発想とは全く別の形でモノへのこだわりが徹底され、洗練度も高まっている。

ところで、フランス語で歌う歌姫、カヒミ・カリイとムッシュ・カマヤツのデュエット「若草の頃」も素敵である(この曲は日本語)。ムッシュのうまい歳のとり方というか、爽やかな枯れ具合は、カヒミ・カリイのロリータ・ボイスともすっと馴染んでしまう。笑い声とともに夏の草原を疾走するような軽やかさ。ゲーンズブール・トリビュートな「彼らの存在」に収録。

A FANTASTIC MOMENT - M. Kamayatsu & Kahimi Karie


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Je m'appelle MONSEIUR ~我が名はムッシュ
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2008年09月22日

MIKADO

mikado01.jpg子供の保育園の担任の M 先生に、「これを訳せませんか」と1枚の紙を渡された。それにはあるゲームの遊び方が書かれていた。直輸入品のゲームのマニュアルに訳がついていなかったらしい。しかし、それはドイツ語だった。「ドイツ語はわからないので、知り合いに聞いてみます」と、とりあえず受け取り、後日、ドイツ語の先生に訳してもらった。

それは MIKADO というゲームだった。調べてみると、ドイツだけでなく、フランスでもポピュラーなゲームらしい。それは数十本の箸のような棒を使う。まず、その束を片手で握って、平らな面の上で放す。それらは重なり合って崩れるが、その一本一本を他の棒を動かさないように取っていく。それぞれの棒に付いてるストライプの数で(色で分けているものもある)、点数が異なる。mikado(帝)と呼ばれる棒が20点でいちばんポイントが高い。以下、samurai(侍10点)、mandarin(官吏5点)、bonze(僧侶3点)、cooli(労働者2点)と続く。帝は1本しかなく、労働者がいちばん多い。日本で言うと、「将棋崩し」みたいなものだろうか。

How to Play Mikado

Mikado の歴史は古く、5世紀にすでに仏教の本に出てくる。どう見ても、箸文化に起源があるとしか思えないが、古い元型となったゲームがあり、それが形を変えていくつかの文明に広がったようだ。19世紀のフランスでは jonchets(ジョンシェ)と呼ばれ、箸は象牙で出来ていて、端っこにはトランプのキング、クイーン、ジャックに似たシンボルが付いていた。今の Mikado は19世紀に中国で広がったヴァージョンのようで、今やヨーロッパ全体でクリスマスなんかにみんなで楽しむ定番ゲームになっているようだ。

実はフランスで「チョコでコーティングしたスティック状のビスケット」は Mikado という商標で売られている(写真、上)。私はてっきり、日本の「ポッキー」を真似て作ったので、「日本といえばミカド」という安易な連想で名前が付いたのだと思っていた。しかし、考えてみれば、ポッキーの形態はゲームの Mikado そのものである。

ところで、お菓子の Mikado といえば、フランスではちょっと下品な CM で知られている(18歳未満のお子ちゃまは見ないでね)。普通の時間帯に流れていたと記憶しているが、ポッキーと違って、Mikado は大人のお菓子ということなのだろうか。

Mikado - CM version 1
Mikado - CM version 2

冬のノフラージュまた、80年代、フランスに Mikado という男女のデュオがいた。彼らの「冬のノフラージュ Naufrage en hiver」(細野晴臣のレーベルから出ていた)はエレポップの名曲で、今でも授業で聴いている。1984年にドゥルッティ・コラムと一緒に来日公演をしたのだが、私の思い出のコンサートのひとつである(当時の「Fool's Mate」に私の書いたコンサート・レビューが載っている)。楽屋でちょっと太めのパスカル嬢とお話しもした。

Mikado - Naufrage en hiver




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2008年09月10日

TGV TRAIN A GRANDE VITESSE

パリから北に A1 号線という高速道路が走っている。それと併走するようにそばをTGVの線路が伸びている。ロンドンやブリュッセルに向かう列車が高速道路を走るクルマを軽々と抜き去る。この光景は偶然に生まれたのではなく、TGV のスピードをクルマのドライバーに印象づけ、鉄道の利用を促すためにわざと併走させるようにルートを設定したということだ。



しかし、TGV はクルマより早いどころではない。TGV はいまだ速度への挑戦に飽くことがなく、世界の高速列車の王者(非浮上式部門)として君臨し続けている。去年の4月に公式走行試験で574.8km/hを樹立し、自己記録を更新した。その映像も圧倒的。徐々に加速し、最後は弾丸のようだ。

TGV 574 km/h 3 avril 2007

バカンスのたびに TGV に乗ってあちこち出掛けたお気楽な時代が夢のようだが、高速の車窓の風景も意外と見飽きないものだ。スピードが速すぎると窓から見える風景はまるで溶けていくように非人間化していく。さらに飛行機が移動する空間は人間が生きられない世界だ。飛行機の速度からも、窓から見える風景からも断絶したまま運ばれていくタイムマシーンのような体験だ。速度があるレベルを超えた時点で、それは宇宙的な風景に変わる。

ケミカル・ブラザース Chemical Brothers の「スター・ギター」の VC を MTV で初めて見たとき、静かな衝撃を受けた。見覚えのある風景だと思ったら、TGV の車窓からの風景だった。ただ流れる風景を映しているだけなのに、奇妙に引き込まれるのだ。速度が風景をスペイシーな質感に変える。工業地帯に立ち並ぶ宇宙船のような建築物。だから「スター・ギター」なのだ。TGV に乗るときは、この曲を ipod に入れて行こう。

Chemical Brothers - Star Guitar

このミュージック・ビデオを撮ったのは、マイケル・ゴンドリー Michael Gondry。ヴェルサイユ生まれで、グローバルに活躍するフランス人のひとりだ。フランス語だとマイケルはミシェルになる。ビヨークの "" を初めとした、ミュージック・ビデオの作品で知られているが(フィルム製作者としての最初の仕事はフランスのロックバンドOui Oui)、一方で、映画監督として「恋愛睡眠のすすめ」(exquise さんがすでに紹介してくれている)なども撮っている。とりわけ今年はレオス・カラックス監督らとオムニバス映画「TOKYO!」に参加し、カンヌ映画祭でも注目されている。また彼は "bullet time" という技術のパイオニアで、それが「マトリックス」の弾丸を仰け反って避ける有名なシーンに採用された。つまりは速度を操る魔術師というわけだ。

Matrix - bullet time

STAR GUITAR のメイキング・ビデオも面白い。こんなふうにシミュレーションを重ねて、計算し尽くされたものなんだなあ、と素人は素直に驚いてしまう。このビデオは、よくあるように、メンバーが登場して楽器を弾いているわけでもないし、ストーリー仕立てでもないし、「スター・ギター」というタイトルとも関係がない。純粋に曲のパターンを視覚化しているだけだ。TGVの風景は何も意味していない。速度とリズムの理想的な対応物に過ぎない。意味性や参照性をそぎ落としている。ただ視覚的なものが全面化している。それゆえ、見ていると痴呆的に気持ちが良い。

Chemical Brothers - The Making Of Star Guitar Video

この「スター・ギター」を最近、大沢伸一(Mondo Grosso)がカバーした(「The One」に収録)。大沢のヴァージョンは、ギターの音を生かしたソリッドでメタリックなバージョン。これもかっこいい。マシンガンのように強迫的なギターを、悪夢のように反復するイメージとうまく共振させている。このヴィジョンも徹底的に脱意味化され、チープの極みにある。ボーカルには、以前「春の音楽」で紹介したAu revoir Simoneをフィーチャー。普段はテンションの低いシモーヌの3人の狂おしげな感じも素敵だ。

Shinichi Osawa - Star Guitar

世界の車窓から」という旅行番組がある。オープニングの牧歌的なBGMが印象的だ。ドンコウ列車のゆるやかなスピードはあたりの風景を見回し、それを楽しむ余裕を与えてくれる。環境と自分のつながりを読み取っていく人間の日常的な行為に同調した時間の流れの中にある。しかしTGVは新たな感性を求める。テクノロジーがもたらす非日常的なスピードが人間的な意味や物語を引き剥がす。ゴンドリーのミュージックビデオや「マトリックス」もそれに対応した楽しみ方を求めている。これに馴染めなければ、宇宙旅行も楽しめないのだろう。


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2008年01月23日

ナポレオンとワインの意外な関係

mouton1988.jpgドイツのフランクフルト(Frankfurt)は、欧州中央銀行があるようにドイツの商業、金融の中心として有名だが、その歴史は対ゲルマン人(ドイツ人)の古代のローマ軍の駐屯地から始まった。フランク王国メロヴィング朝を開き、498年にはカトリック教に改宗したクローヴィス1世は500年頃アレマン族に戦いを挑み、マイン川の浅瀬を渡り、彼らをその地から追い出した。「フランク族の渡渉点」を意味するフランクフルトという地名は、その戦闘に由来する。

フランクフルトは現在、ドイツ・ヘッセン州最大の都市。ドイツ最大のハブ空港があることから、旅行者にとってはドイツ、あるいはヨーロッパの玄関口となる。 フランクフルトで日本語教師をしていた友人によると、工業都市として日本企業が多く進出し、ドイツの中でも日本人が多く住む町のようだ。「アルプスの少女ハイジ」に出て来る裕福な商人の娘、クララはこの町に住んでいる設定になっている。

ところで、この町の出身の歴史的な有名人と言えば、文豪ゲーテである。さらに挙げるとすれば、ユダヤ人のロートシルト(ロスチャイルド)家だろう。日本でも江戸時代から続く財閥は両替商(当時は西日本、東日本で銀貨、金貨の流通通貨が異なっていた)出身が多いが、フランクフルトでヘッセン選帝侯と結びながら両替商、古銭商によって財を成したのがロスチャイルド家のマイヤー・アムシェル。そして彼の5人の息子がヨーロッパ各地の主要都市に支店を設け、現在のロスチャイルド家の基盤を築くことになる。ユダヤ人はユダヤ教を信仰し、住み着いた国に同化しようとせず、独自の文化や教育を堅持するので欧米では歴史的に反感を買ってきたが、金融や商業の分野では一目置かれる存在だった。

ロンドンに渡った三男のネイサン・ロスチャイルドは、ナポレオンが欧州を蹂躙する混乱期に金融取引で活躍し、各国に戦争の資金を融通した。ネイサンは産業革命の黎明期からマンチェスターの繊維産業に投資を始めていたが、ナポレオンの大陸封鎖令で乱高下する商品相場と、兄弟間のネットワークを利用して商品をさばいた。またナポレオン戦争の戦費調達に奔走するイギリスの背後で、敵のナポレオンの統治下のパリにいた五男ジェームスと手を組む。

ネイサン&ジェームス兄弟が自ら築いたネットワークを通して、ナポレオンがワーテルローの戦いで敗退したことをいち早く知った翌日、債権の取引で一斉に売りを仕掛けた。債券相場はナポレオンの勝利(=ロンドンの債権市場の暴落)、ナポレオンの敗北(=ロンドンの債券市場の高騰)という緊張状態にあり、ネイサン・ロスチャイルドはナポレオン情報に精通していることだけは知られていたので、彼が何か情報を得たに違いないと(つまりナポレオンが勝ったに違いないと)、みんな雪崩をうって売りに向かい、債券は大暴落。その裏でネイサンは紙くずに等しいほどの債券をこっそり買い集めたのだった。

翌日の新聞にはナポレオンの敗北のニュース。一転して債券は大暴騰した。その投機的な取引で巨額の利益を上げ、「ナポレオン戦争の真の勝者はロスチャイルド」と言われるようになる。その1日の情報格差で後の繁栄の礎を築いたのである。ネイサンの機転は債券暴騰につながる情報を得た際にまず売りから仕掛けたことにあるだろう。いきなり買いから始めたとしたら儲けはそれほどでもなかったはずだ。一旦債券を売りたたいて紙くず同然にしてから買い戻す。それによって天文学的な利益を手にしたのであった。

ネイサンがナポレオンの敗北の情報を得たのは伝書鳩によるという伝説もあるが、実際はオランダの新聞をロスチャイルド家の使者が英仏海峡をボートで渡ってネイサンに渡したようだ。今のような債券や株の価格の情報がデジタルネットワークを通してリアルタイムで共有される時代ではなく、情報格差が著しいがゆえに起こりえた歴史的インサイダー事件だ。とはいえ、当時は電信技術の黎明期で、ナポレオンはすでにパリを中心に軍事用としてテレグラフ網を敷いていた。それが産業用に活用されるのは19世紀半ばからである。また、フランス銀行や証券取引所を設立したこともナポレオンの大きな功績として知られている。

ところで、日本が日露戦争を仕掛ける際、膨大な戦費をまかなうため高橋是清が外貨建て国債を発行した。日本の国力に疑問を持つ向きが多い中で、ニューヨークの銀行家でユダヤ人のジェイコブ・シフが支援を申し出た。実はシフのバックにはロンドンのロスチャイルド家がいて、彼は日露戦争の勝利の影の立役者でもあった。ロスチャイルド家はその後、ロシアの油田をちゃっかり押さえたが、ロシア革命が起こり、撤退を余儀なくされている。

ようやくワインの話題に入るが、ボルドーの赤ワイン生産者として、最高の格付けを得ている「5大シャトー」と呼ばれるブドウ畑のうち、シャトー・ムートン・ロートシルトとシャトー・ラフィット・ロートシルトが、名前が表す通り、ロスチャイルド家の所有となっている。

ムートンの方は1853年にイギリスのネイサンの三男ナサニエルが取得。ムートンは1855年にワインの格付けで二級を取得し、同じく1855年に一級の格付けを取得したラフィットの方を1868年にフランスの叔父、ジェームズが買い取った。1855年の格付けではラフィットが1級の評価を得たとき、ムートンは2級に甘んじた。しかし、ナサニエルの曾孫のフィリップの努力により、1973年、異例の格付け見直しによりムートンも1級の地位を獲得する。 その後もフィリップとその一族は、カリフォルニアの「オーパス・ワン」、チリの「アルマヴィーヴァ」などのワインを手がけ、高い評価を得ている。こうしてみると、フランスの最高級ワインの経営に携わっているのは、ナポレオンを利用して儲けたロスチャイルド家の2人の兄弟の子孫であることがわかる。

「シャトー・ムートン」は有名なアーティストが手がけるラベルでも有名で、ボルドーワインの中でもコレクション・アイテムになっている。過去にラベルのデザインを任されたアーティストにはシャガール(1970)、ピカソ(1973)、アンディ・ウォーホル(1975)、キース・ヘリング(1988、写真)などがいる。


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2007年11月27日

『アメリー』の宝箱―ナンシーのベルガモット・キャンディー

bergamote01.jpgオードレー・トトゥーが中性的な魅力を惜しみなくふりまいた『アメリー』は、フランス人によるフランス人のためのディテールに満ちた(ディテールだけでできた?)映画ではないだろうか。フランス人なら知っている仕掛けがさまざまあった中で、今はさえない中年男になってしまったブルトドーが、アメリーから返してもらった子供時代の宝箱のエピソードを憶えているだろうか。往年の自転車選手のブロマイドやベーゴマといった中身もさることながら、オレンジ色をした金属製の小さな小箱そのものが持ち主の記憶を掻きたてているはずだ。それはフランス北東部の都市、ナンシーの名産であるベルガモット・キャンディーの容器で、市の中心のスタニスラス広場のしゃれた鉄柵とタンポポの花が意匠化されて描かれている。製造元はルフェーヴル=ルモワンヌで、1840年に創業以来、ナンシー駅前の広場に面した店舗でこのベルガモット・キャンディーを売り続けている。ナンシーの銘菓といえばマカロンという焼菓子もあるのだが、これはフランス人の好きなニッキ味が多く、日本人にとっては好き嫌いが分かれるだろう。それに較べてベルガモット・キャンディーは、素朴な味わいながら時代を超えた風味を保っている。そう、100年や200年なんて、フランスでは大した時間ではないのだ。

筆者も以前、ナンシーでベルガモット・キャンディーを一缶買い求めたことがある。しゃれた小箱は最初、フランスのカフェで供される角砂糖を持ち帰ったのを入れておくのに使っていた。今はなぜか、最近引っこ抜いた親知らずを保存するのに用いている。これはこれで、わが記憶の宝箱だ。

□ベルガモットは南欧産の柑橘類で、果皮のオイルを紅茶に混ぜるとアール・グレイ・ティーになる。



セリーX・マニア

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2007年10月16日

サントリーローヤルCM ランボー編

サントリーローヤルのCM「ランボー編」は、使われていた音楽とともに、当時の視聴者に強いインパクトを与えたようで、記憶に残るアーティスティックなCMとして挙げられることが多い。時代を象徴するようなCMだったのだ。このCMと一緒に思い出す、様々な事柄…。

サントリーと言えば、サントリーホールやサントリーミュージアムに象徴されるように、元社長の佐治敬三が文化活動に積極的に関わり、また創業者の鳥井信治郎は広告が好きだったせいもあり、クオリティーの高い広告戦略を展開してきた。カンヌ国際広告祭でグランプリを受賞したサントリーホワイトのCM(ちょっと記憶にない)。そしてサントリーローヤルのCMには「ランボー編」の他に、「ガウディ編」や「マーラー編」があった。個人的には「ガウディ編」の踊っている顔の大きな女が強く印象に残っている。「ランボー編」がテレビで流れていたのは1983年のことだ。



80年代の文化を語る上で忘れてならない企業がある。セゾングループである。セゾングループが展開した東京発の文化は当時の若者の憧れだった。個人的にもパルコはよく通ったし、CD の調達先はいつも WAVE だったし、80年代後半にできたクアトロにライブをよく見に行った。80年代世代は、セゾングループによって文化的な欲望を誘導されたと言っても過言ではない。考えてみれば、服を買ったり、映画を見たり、音楽を聴いたりして、時代の先端を走っている気になっていたのも、実は企業家であり詩人であった堤清二というお釈迦様の手の中だったのだ。「大衆消費社会を批判する前衛文化を、大衆消費社会の担い手である流通産業が積極的にフィーチャーしてみせる」という「矛盾を孕んだ文化戦略」と浅田彰がセゾングループの功罪を評している。

私が文学に興味を持ったのも、この矛盾をそのまま抱え込んでのことだった。それ以前の世代との決定的な違いはここにあるだろう。今となっては「まんまと騙された田舎者」という自覚すらあるが、文学や芸術と消費社会の折り合いの付け方を体験的に学んだおかげでブログをやれているのかもしれない。

岡崎京子(お元気なんでしょうか?)の「東京ガールズブラボー」(岡京と浅田彰の対談付)なんかを読むと時代の空気がわかる。テレビでは「カノッサの屈辱」をやっていたフジテレビが、他にもとんがった深夜番組をやっていて、宮台真司が対談で言ってたが、浅田彰がポール・ヴィリリオを紹介するような深夜番組もあったらしい。

セゾンやフジテレビではない、ランボーのCMの話だった。だいぶ脱線したが、このCMもそういうとんがった時代の空気の中にあり、それらと共振していたように思う。

ランボー全詩集 (ちくま文庫)とはいえ、ランボーほどその生涯が神話化されている詩人はいない。10代で家出を繰り返し、パリ・コミューンで盛り上がるパリをうろついたり、ヴェルレーヌに誘われてベルギーを旅しながら、同性愛に耽ったり。しかもランボーはヴェルレーヌを嫉妬で狂わせ、拳銃を発射させるほどの絶望に陥れた。ヴェルレーヌの放った2発のうち1発がランボーの左手首に当たり、ランボーは入院、ヴェルレーヌは逮捕。しかし、ランボーは早々に詩を捨てて、その後、兵士、翻訳家、商人など様々な職業を転々とする。そして37歳で病死する。

ランボーの名前と、そのスキャンダラスな人生の断片について知っていても、実際の作品の方は難解そうで、読んだことがないというのが一般的な態度だったのでは。私自身もそれなりに憧れはあったが、実際に読んでみると(とりあえずほとんどの作品に目を通したが)あまりピンと来なかった。「Aは黒、Eは白、Iが赤で、Uが緑の、Oは青」なんて、それがどうしたって感じだったし、いきなり詩の中にイボ痔が出てくるし(笑)。

イメージのインフレを起こしていたランボーを、一種のわかりやすさでもって一挙に消費しまったのがこのCMだったのだろう。「あんな男、ちょっといない」というコピーと、本人らしきものがそれらしく現れたものだから、ランボーがわかった気になったのだ。

ほぼ同時期、82年に公開されたシルベスター・スタローンの主演映画が大ヒットしてからは、「ランボー」といえば、そちらの方に連想が働くようになったこともあり、それ以来、アルチュール・ランボーのデフレ時代が始まる。

改めてCMを見てみると、あのフリーキーなキャラたちは、あまりランボーっぽいイメージがしない。「ガウディ編」もそうだが、むしろ南米のカルト系映画監督、ホドロフスキー(これも当時もてやはされていた)のテイストを感じる。「ガウディー編」の音楽はとりわけホドロフスキーの「サンタ・サングレ」(1989年)を想起させる。手回しオルガンの感じとか、そっくり。もちろんこのCMの方が5年以上早いのだが。

鞄を持った男ちなみに「ランボー編」のBGMはMARK GOLDENBERGの「Queen of swords(剣と女王)」って曲。彼のベストアルバム「鞄を持った男」(1985年)に収録されている。


サントリーローヤルCM(ガウディー編)
サントリーローヤルCM(マーラー編)



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2007年08月08日

エミール・アンリ+アピルコ+デュラレックス

今回は普段使いのフランスの食器を紹介。結構気付かないうちに囲まれているんです。


*エミール・アンリ Emile Henry
以前にル・クルーゼを紹介したときに、「オーブン調理が多いフランスならでは・・・」と紹介しましたが、そのオーブン調理が可能な食器が「Emile Henry」です。150年以上前にブルゴーニュ地方に生まれた陶器の会社でフランスでは国内シェア1位。その製法で−20℃〜250℃の温度に耐えられるため、オーブン調理に適しています。昔からよく見かけるのはライオンの頭が付いたスープボウルでしょうか?私はオニオンスープボウルを愛用していますが、器自体程よい厚さがあるのでオーブン調理していない料理に使っても保温性が高いようで、具だくさんのスープや小さい丼ものなどにも重宝しています。何よりシンプルなデザインと綺麗な発色が人気の秘密かもしれませんね。


*アピルコ Apilco
alpico01.jpgパリのカフェやビストロだけでなく、日本でも色々なお店で活躍しているちょっとぷっくりとした白い食器が1826年設立の老舗メーカーが作っている「APILCO」。カフェ・レストラン・高級ホテル向けの食器で、フランス本国はもとより世界中で支持されているブランドです。 その優れた耐久性と収納性(スタッキングが可能)で業務用としてプロに愛されているだけでなく、シンプルなデザインやちょっとした温かみを持った食器は家でも使いたいな、と思う人も多いのではないでしょうか?こちらもオーブン、電子レンジ、食器洗浄器が使えるタフな食器です。


*デュラレックス Duralex
duralex01.jpg私が初めて出会ったフランスの食器はデュラレックスのタンブラーだと思います。業務用とはいえ、まずそのお洒落なデザインでしたから、雑貨好き少女?の私にとって、当時なんだか特別なグラスでした。(今ではごく当たり前ですけれど・・・)DURALEXは、1939年フランスの国営ガラス工場が強化ガラスのタンブラーを作ったのが始まり。民営化の後、今ではイタリアのガラスメーカー、ボルミオリ・ロッコ グループのブランドとして世界中に愛用されています。私は定番デザインのピカルディーの大きなタンブラーをアイスティーに愛用しています。強化ガラスなので熱い紅茶を注いでも安心です。


*FRENCH BLOOM STORE「おうちでのんびりカフェ


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2007年08月01日

プジョー製電動ペッパーミル

poivrepeugeot02.jpgプジョーといえば、ライオン・エンブレムの自動車をまず思い浮かべる。日本でもずいぶん見かけるようになった。しかし、プジョーはそれだけではない。シェフや料理好きのあいだでプジョーはペッパーミルの会社でもある。プジョー製のペッパーミルは一種の芸術品として160年ものあいだ愛用されてきた。1882年に第一号が生産された自動車よりもペッパーミルのほうがはるかに歴史が古い。

プジョー社はジャン・ピエール&ジャン・フレデリック・プジョー兄弟によって1810年に設立されたが、最初は鋼を加工して、ノコギリの刃、園芸用のハサミ、アイススケートの刃などの工具を作っていた。そこから多様な工業製品を生み出す世界企業に展開していくことになる。

プジョーのペッパーミルの本質は、二重螺旋臼方式構造にある。ペッパーが入る上部に大きな刃が、ペッパーが出る下部に小さな刃がついていて(それぞれが外刃と内刃を持つ二重構造になっている)、上の刃はペッパーの粒を確実にとらえ、小片に砕いてから下に送る。小片になったペッパー粒は小さな刃で挽かれ、ペッパーの粉になる。しかも、ペッパーの粒は必要以上に壊れることがなく、香りを最大限に引き出すことができる。この構造はどのメーカーも決して真似ができない高度な技術に裏打ちされているのだ。

プジョーのペッパーミルは、ブナやトネリコなどの天然木を使った伝統的なタイプから、アクリル製、ステンレス製など豊富な種類を取り揃えているが、数年前に電動式のミルが登場した。電動式はスイッチひとつで挽くことができ、料理をしながら片手で使えるのが魅力だ。ペッパーの粗さの調節が簡単にできるだけでなく、小さな電球がついていて、手元が暗くても振りかけた量が確認できるという優れもの。

プジョーは1840年にペッパーミルに先駆け、コーヒーミルを開発し、レストランやカフェの定番になっていた。ペッパーミルはコーヒーミルからの応用された製品だった。自動車やペッパーミルに匹敵するヒット商品としては、1867年に発売された縫製ミシンがフランスでブームを巻き起こした。これも19世紀のことだ。

□写真はエリスという型の電動ペッパーミル(Moulin à poivre électrique-Elis)。アマゾンではゼフィールという型(Moulin à poivre électrique-zephyr)が買える。

□関連エントリー「PEUGEOT プジョー


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2007年06月12日

Eye'DC

eyedc01.jpgマルセイユと言えば、サッカー選手のジダンの故郷だったり、人気映画の「タクシー」シリーズの舞台だったり、今やパリ以上に注目されている街だ。このマルセイユで生まれたアイ・ウエア(眼鏡)のデザインメーカーがある。Eye'DCだ。とりわけ独創的なフォルムが目を惹く。


「Eye'DC」はすでにフランスに400、世界中に2500の店舗を展開し、これまでにフランスの国際展示会「シルモ展 SILMO awards 」で8つの賞(金賞5つ、銀賞3つ)を受賞している。「Eye'DC」はメガネを作り出すテクノロジーとスキルの発展によって、さらに斬新でアヴァンギャルドな眼鏡を開発。2004年には子供用メガネの「Eye'DJ」のデザインを始め、7〜12歳向けながら「Eye'DC」のエッセンスは失われてない。


ぜひサイトをご覧あれ。今や芸術的なセンスはこのような工業製品のうちに発揮されていることが実感できるだろう。まるでオブジェのような眼鏡の数々。マウスを動かせば全方位からデザインの細部を楽しめる。ポンピドゥー・センターの巨大な排気口など、眼鏡をイメージさせるツインの物体を背景に配したサイトのデザインもオシャレ。


http://www.eye-dc.com/V3/index.html


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2007年06月01日

ル・クルーゼ LE CREUSET

*ル・クルーゼ
キッチンの中のフランスといえば、やはり「ル・クルーゼ」のお鍋でしょうか?
最近はその可愛いデザインの為、雑貨屋さんにまで並ぶようになりましたが、実は200年前から続く伝統工芸に支えられた技術による手作り、そして何より優れた機能性で世界中に愛用者がいる逸品です。
3層ホーロー加工がされていて保温性に優れていて、弱火での調理が可能。ふたの重みで素材から出た水蒸気がシールド代わりになり、効率よく、やわらかく火が通ります。そしてふたのつまみは230℃までの耐熱性を持つのでふたをしたまま、オーブンに入れられます。(オーブン料理の多いフランスならではですね。)
我が家では22cmのココット・ロンドを愛用していますが、驚くのは調理時間の短さ。カレーなんかも普通のお鍋より早く煮込めます。そして少々の焦げ付きもスポンジで軽くこするだけで取れるので洗うのが楽チン。
煮込み料理はもちろんのこと、ご飯を炊いたりも出来ますし、我が家では土鍋代わりにも使っています。大きさは4人分ぐらいなら22cm、炊飯には2合ぶんで18cmのものが便利だと思います。ビュッフェ・キャセロールもパエリヤやすき焼き、煮魚に、そのままテーブルに出せるので重宝しています。
ちょっと重いのと高価なのが難点ですが、私は『一生もの』のつもりで使っていくつもりです。

Le Creuset ココット・ロンド 22cm オレンジ
Le Creuset (ルクルーゼ)
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*グルメスパチュラ
「ル・クルーゼ」のお鍋はホーロー加工なので金属製の器具は使えません。シリコン製のスパチュラや木べらなどでお料理してください。
いろいろなメーカーからシリコン製のスパチュラが発売されていますが、お鍋と色を揃えるなら是非「ル・クルーゼ」のものを。シリコン製で300℃の耐熱性があるので溶ける心配がなく、お菓子作りではキャラメルを焦がす時もOKですし、ゴムベラの代わりにもなるので、お鍋に残ったソースをきれいに取ることも出来ます。1度使うと病みつきです。(大袈裟ですね。)

Le Creuset グルメスパチュラ M レッド


*レシピ本:「ル・クルーゼ」でつくりたい料理 平野由希子 著
ル・クルーゼを紹介したので関連のレシピ本も紹介しておきます。
ラタトゥユやカスレ、ポトフといった基本のフレンチを簡単に作れるレシピで教えてくれます。お鍋と一緒に購入する人が多いのでしょうか?レシピ本のコーナーでよくこのシリーズが平積みになっているようです。他にも「和食編」ともいえるものもあり、作りたい料理のジャンルで選んでもいいかもしれませんね。お鍋ひとつでレパートリーが増えるのは嬉しいかも・・・

「ル・クルーゼ」で、つくりたい料理
平野 由希子
地球丸
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「キッチンの中のフランス」 by FRENCH BLOOM STORE


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2007年04月20日

立山 Gackt parle français

gt01.jpgフランスのワインではなく、フランスとゆかりの深い日本酒の話をひとつ。

数年前、ひそかに話題になっていたローカルCMがある。「立山酒造」という富山の日本酒メーカーのCMなのだが、そのCMでGacktと篠原涼子がシュールなフランス語劇を演じていた。語学が堪能なことで知られているGacktだが、人魚に扮した篠原涼子に向かって、いつもの調子でフランス語をしゃべっていた。

舞台はガウディ風のプールのある庭園。バックに流れるのはラヴェルの「クープランの墓」。不思議な光景に思わず魅入ってしまった。Gacktよりもむしろ篠原涼子の方がはまり役かもしれない。「ハケンの品格」で「それが何か?」と凄みを利かせ、ふてぶてしいほどの存在感を漂わせていた篠原涼子だが、このCMではまだ線の細さと天真爛漫な雰囲気を残している。人魚自体はいかにも重たい感じだが。

「人魚のカケラ」というタイトルがついたこのCMの動画は富山のローカル局のサイトで公開されていたが、今は検索しても出てこない。もはや幻のコマーシャルだ。さすがにGacktファンのあいだでは有名なCMなようだ。CDに落として封印しておいたが、やはりYoutubeにアップされていた。



フランス語を聴いてみよう。(フランス語を始めたばかりの方はつづりと発音の関係を確認しながら。)

Regarde. (見てて)
Ça te plait? (愉しい?)
Heureuse?(しあわせ?)
Je dois partir. (行かなくちゃ)
Au revoir. (さようなら)

写真の方は「立山」の新聞版の広告。これもファンから問い合わせが殺到したそうだ。立山酒造は商魂たくましく、Gacktの写真入のカップ酒まで売っていた。次のCMにはGacktも篠原涼子も出ていなかったが、相変わらずフランス語がフィーチャーされていた。

立山酒造のフランスへのこだわりには理由がある。

「立山」は1867年のパリ万国博覧会に出品された筋金入りの銘酒で、そのとき日本のいくつかの蔵元が出品したようなのだが、現在残っているのは立山酒造だけだそうだ。それだけに初めてフランスに渡った銘酒として社長の思い入れは深いようだ。1867年といえば、当時の日本は幕末。徳川慶喜の名代として弟の昭武が使節団を引き連れ、勇んでパリ万博に乗り込んだ。彼らの身なりはヨーロッパの人々の注目を大いに集め、彼らの持ち込んだ美術工芸品もジャポニスム(日本趣味)に火をつける結果となった。 


■PRODUCT INFO:立山酒造 地元の人々も愛飲しているおいしいお酒が揃ってます。

■MUSIC INFO:ラヴェルの「クープランの墓」はもとは流麗で浮遊感のあるピアノ曲。オーケストラ・アレンジもあるが、この曲は木管楽器との相性が良いようで、木管のアンサンブル(CMで使われているのはこのヴァージョンか)や、オーボエとピアノという組み合わせも良い(輸入版で何枚か入手)。
ラヴェル:ピアノ曲 パスカル・ロジェ
ラヴェル:マ・メール・ロワ デュトワ指揮



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2007年04月16日

PEUGEOT プジョー

p307.jpg去年の12月我が家の愛車が壊れた。10年来乗り続けたので、愛着はあったのだが、さすがにこれは寿命だという結論に至った。それからというもの、我が家は後継車選びに東奔西走している。日産、トヨタ、マツダ等の後継車上位候補のメーカーの販売店に父親と足を運んでいたとき、ふと思い出したのがこのブログのことである。せっかくの機会だと思うとフランス車を見てみたくなった。

プジョー、素晴らしかった。プジョー307SW(写真は307CC)。インテリアのシンプルなオシャレとエクステリアに見えるカワイさ。ロゴのカッコよさ。あのオシャレの感覚が「メイド・イン・フランス」ということなのだろう。気がつくと目の眩むようなエーゲ・ブルーのボディーに吸い込まれたようになっていた。

これは調べて知ったことなのだが、やはり車ひとつとっても細かく見ると、その国のお国柄というものが色濃く現れるものらしい。たとえばアウトバーンで超高速かつ安全に走る必要があるドイツでは完璧が目指され、ドア開閉をはじめとするスイッチ類を硬くすることにより、安心感を与えるように工夫がなされている。代表的なものには、メルセデスベンツやポルシェ、BMWやアウディーなど、厳格なマイスター精神のたまものとも言える高級車が挙げられる。フェラーリが有名なイタリア車は、イタリア家具にも見られるようにデザインにカリスマ性のあるものが多かったり、という具合だ。

そこで、フランス車というと、まず1番にあがるのが「最高の乗り心地」だそうだ。これは今回ソースにしたすべての資料が共通して言っていることであり、なにより試乗を経験したことからも言える、最大の特徴だ。この長所は、ドイツなどとは違い、未だ舗装されていない道路が残っているフランスの事情が生み出したもので、そうした道であってもストレスを感じることなく走れるというコンセプトが背景にあるようだ。面白いのは荷室が非常に広いことで、この背景にはバカンスに出かける際に荷物をできるだけ多く運ぼうとするフランス人の気質からとか、大きなワイン樽を積んでも安全に走れるようにという諸説が存在しているようだ。なかなか奥深いものだ。

フランス文化にはうまくは言えない「カワイさ」がある。今回はフランス車に焦点をあてたのだが、本ブログの「どうってことない風景」の画像や、授業で目にした「アメリ」の世界などのオシャレな「カワイさ」。そんなものに惹かれてフランス語を勉強していくことを決めたのだと思う。プジョーの販売店を後ろ髪引かれる思いで後にして、トヨタ、日産の販売店からも電話攻撃を受けている今日この頃である。


関連エントリー「シトロエンC6」




K大経営学部SY

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2006年09月13日

SOLEX ソレックス

solex01.jpgソレックス、と聞いて、あれだなって思い浮かぶ方は、フランスのとある街で軽快に走り抜けていくそのシルエットを見送ったことがあるか、フランス映画にしばしば「脇役」として登場するその姿を好ましく思っている方でしょう。

古い映画で言えば、ジャック・タチの「ぼくの伯父さん」とか、ちょっと古い映画で言えば、ジャン=ジャック・ベネックスの「ディーバ」とか。

正式名称は、ヴェロ・ソレックス VELO SOLEX。もともと馬力の小さな原付「自転車」。その名のとおり、VELO SOLEX は VELO(自転車)なんですね。フランスでは免許なしで乗れるソレックス。だって、エンジンが付いてても、「自転車」だもん。

学生時代、原付に乗って山の上の大学まで通っていたこともあるのですが、最近ではもっぱら歩いて登っています。といっても、夏の暑いさかり、冬の冷たい風が厳しい折り、寝坊して講義に遅れそうになったときなどなど、バイクがあればなぁ、と何度思ったことでしょう。でも、いまさら原付でもないし、それでも車とまではいかないし。そこで、思いついたのが「ソレックス」。

大学まで続き、最後にはそのまま空まで昇ってしまいそうな坂道を眺めながら、大学までのあの坂をこいつがとても登るとは思えない。いやしかし、映画「アメリ」では、ニノがアメリを乗せてモンマルトルの丘を颯爽と走っていたぞ。

このエッセイが参考になります。本国フランスでは88年に生産が中止されましたが、ハンガリーでライセンス生産が始まり、日本にも輸入されているようですね。



PST

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2006年07月20日

シトロエン C6

Citroen-2CV.jpg少し前の話になりますが、今年の1月インテックス大阪で開かれた大阪モーターショーに行きました。クルマの性能のことなど皆目分からないので、そこらじゅうに並んでいる展示車をチェックするポイントは、やはり外見やインテリア。そういう観点だと、面白いのはやはりヨーロッパ車で、特にフランスやイタリアのようなラテン系の車のデザインや色使いには、遊び心が感じられて、素人目にも楽しい。

ところでフランスの三大車メーカーというと、ルノー Renault、プジョー Peugeot、そしてシトロエン Citroën。どのメーカーにも魅力はありますが、とりわけシトロエンの車作りには、昔から常にアヴァンギャルドな精神が表れています。

Citroen-Ds.jpgたとえば「人間4人と50キロのジャガイモもしくは小樽をのせて、最高時速60キロで、100キロをガソリン3リットルで」、また「一かごの卵をのせていても1つも割ることなく」走ることを条件に開発され、1948年に発表された2CV(写真上)はなんと1990年までほとんど大きな変更もなく生産され続けていました。また1955年に発表されたDS(写真中)は、かの思想家ロラン・バルトが著書『神話作用』で「別世界から落ちてきた物体」のようだ述べているように、神秘的ともいえるくらい美しい流線型をしていました。先日の週刊ニュースでも2054年モデルを映画に提供したという記事があったように、シトロエンの目は常に未来に向かって開かれているのです。

C6.jpg現在シトロエンの主なラインナップは「Cシリーズ」というもので、日本でもC2〜C5が販売されていますが、今回のモーターショーでは、今秋から日本にも登場すると言われているC6(写真下)が展示されていました。同じCシリーズとはいえ、この車種は抜きん出た流麗さを備えていました。DSの系譜を受け継いだそのスタイルには、ベンツとは違うしなやかさに加え、ポルシェにはない優雅さや落ち着きがある、とでも言いましょうか。バルトがかつて感じた「超自然的なもの」がこの車にも漂っている、というのは言い過ぎかもしれませんが、どこか神々しいイメージが発されているようで、何もわからぬ素人にも、フランス車ってカッコいいなあと素直に思えてしまう車でした。

なんでも昨年のベネチア映画祭で、北野武監督が会場に乗りつけたのが、このシトロエンC6だったそうで、実際には見ていないけれど、北野監督とC6はさぞかしお似合いだったことでしょう。たとえ今、買える資力が手元にあったとしても、自分がこの車に見合う人物になるにはまだまだ時間がかかりそうです。いつか色々な意味で、C6を乗りこなすべく人になることを思い描きつつ、目下私はこの年で教習所通い中です。

シトロエン・ジャポンのオフィシャル・サイト



exquise

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2006年07月18日

Gerard Mulot

mulot01.jpg一時期、野郎3人で神戸と大阪のケーキ屋巡りをしていた過去を持つ甘党の私にとって、パリの幸せな場所のひとつだった、ジェラール・ミュロ。店の前を通るときはいつも、子供のように色とりどりのケーキが並ぶショーウインドウに魅入ったものだった。クリスマス(Noël)の時期にはビュッシュ・ド・ノエル(bûche de Noël)が、復活祭(Pâques)にはチョコレートの卵が、公現祭(Epiphanie)には、陶製の人形が入ったパイ、ガレット・デ・ロワ(galette des Rois)が並んだ。店の奥に小さなカウンターがあり、コーヒーも出してくれるので、そこでケーキの他にサンドイッチなんかをよく食べた。

日本のデパ地下でもジェラール・ミュロを見かけるようになって久しい。イート・インのパン屋、Paulなんかも。


□「フランス美食村」さんに願ってもない写真が。お店の雰囲気が手にとるようにわかります。
□マカロンが通販で買えます。
□写真はミュロが出しているレシピ本。アマゾン・フランスから買えます。


cyberbloom

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2006年04月25日

beurre échiré

Echire.jpg以前にチーズの話をしたので、今回はバターのお話を。うちの家族はパンが大好きで、常日頃からパン屋探訪をしております。おいしいパンと出会ったら、今度はそれにおいしいバターをつけて食べたい、と思うもの。そんなときに料理に詳しい友人から名前を聞いていたエシレバターを、とあるパン屋さんで見つけました。

エシレには有塩と無塩の、2種類のバターがありますが、パンに直接つけて食べるなら無塩タイプがおすすめ。あっさりしているけれど、香り豊かでフレッシュな味わいで、いくらでもパンが食べられそう。実際最初に手に入れたときは、一緒に買ってきたバゲットパンとともに、半分がたちまち消費されてしまいました(高いバターなのに‥)。

このバターはフランス南西部にあるエシレ村で伝統的な製法で作られていて、ヨーロッパの王室や有名レストランの多くで使われているそうです。高級フレンチは縁遠いけれど、おいしいパンとエシレがあるときは、ちょっとゼイタクな気分になります。




exquise@extra ordinary #2

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2006年04月14日

boursin

boursin (2).jpgとある先生にワインをご馳走になったとき、おつまみとして出てきたブルサン。私にとって「ワインにはチーズ」という決まり文句を実感させてくれたのは、このクリームチーズです。

ガーリックとハーブが混ぜ込まれた、ノルマンディー生まれの白くて柔らかなこのチーズは、風味がよくとっつきやすい味。単品で食べてもよいですが、 "du pain, du vin, du boursin(パン、ワイン、ブルサン)" というこのチーズのキャッチフレーズからもわかるように、他のものと組み合わせるといっそうおいしさが引き立ちます。まずはお説に従ってフランスパンに添えてワインのお供にいかがでしょう。

ちなみに私が初めて食べたときは、クラッカーとスライスしたサラミという組み合わせでいただいたのですが、今でもこの3点セットがいちばん好きです。クラッカーは「ナビスコプレミアムクラッカー」がおすすめ。そのほか「クラコット」などでもナイスです。

ほかにもプレーンや胡椒入りのタイプがあります。輸入食品が置いてあるスーパーならたいてい見つかります。

□Product Info:ブルサンの日本サイトはこちら




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2006年04月13日

jack gomme

jackgomme (2).jpg数年前、通販のカタログをパラパラめくっていたら、風変わりなバッグが目に飛び込んできた。形自体はふつうだけど、どう見てもおじさんとおばさんの顔が一面にプリントされているそのバッグ‥思わず申し込んでしまいました。

そのお二人こそ、ジャック・ゴムのデザイナー、ソフィとポールなのです。ブランド名は何でも彼らが最初に作ったバッグがゴム素材だったことに由来しているのだとか。このカップルが作りだすバッグは新鮮なデザインもさることながら、機能性の高さも魅力で、小粋だけど背伸びしすぎない、毎日使いたいと思えるものばかりです。今シーズンはとてもカラフルな色をアクセントにした、楽しいバッグや小物類がいっぱい。もちろんソフィとポールの顔シリーズ "POL & SOF" も健在です。

日本では東京、横浜、熊本、札幌、小倉にお店がある(なぜか関西にはナイ!サビシイ〜)ので、近くまで行かれたら、足を伸ばしてみてはいかがでしょう。まずは彼らの素敵なウェブサイトでその雰囲気に触れてみてください。特にソフィとポールのことを紹介している DESIGNERS のコーナーはとってもキュートなのでぜひ!


□SHOP INFO:ジャック・ゴムのサイト




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2006年03月12日

PERRIER

perrier01.gifパリのカフェの写真があるとすると、テーブルの上には、十中八九、緑のボトルの炭酸水がさりげなく置かれているはず。80年代のカフェバー・ブームの際には、ペリエはお洒落な飲み物として脚光を浴び、日本人が始めて水に対して金を払ったと言われた。

競馬好きは勘違いしないでね。ペリエと言えば、どんな駄馬も1着にもってくる、ペリエ・マジックで名高いフランス人の騎手でしょ?残念でした。あれはPerrierではなく、Peslierと綴る。

ペリエは炭酸ガス入り(gazeuse)のミネラル・ウォーターで、南フランスのヴェルジェーズに源泉がある。地殻変動で地下水と天然ガスが偶然に結合し、発泡する天然水が産まれた。まさに奇跡の水だ。

炭酸水は適度に胃腸を刺激し、ダイエットにいいらしい。適度なミネラル成分もお腹をユルくしてくれる。でも、甘くない炭酸水はあまり日本には定着しなかった。80年代に一時的に流行ったのも、味覚よりは、おそらくはペリエのデザイン性の高いクールなボトルのせいだろう。


□Product Info : ペリエのサイト



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2006年03月11日

LE TANNEUR

tanneur01.jpgフランスの国会議員のオフィシャル・バッグとして日本でも知名度が上がってきた「ル・タヌア」。日本では英語読みしているみたい。

TANNEURは「なめし皮職人」のこと。19世紀末、南フランスのなめし皮職人が「縫い目のない」小銭入れを作ったところ、大評判になった。小銭入れは今も重要なアイテムのひとつだが、LE TANNEURは今や企業体としてLVMH(モエ ヘネシー・ルイ・ヴィトン・グループ)と資本提携し、パリ証券取引所に上場するまでに成長している。

LE TANNEURがオフィシャル・バッグを提供しているフランスの国会議員だが、2000年に政党に国会議員に立候補する候補者を男女同数にするという画期的な法律(パリテ選挙法)が制定された。日本じゃありえない。夫婦別姓にすると家庭が崩壊するとか見当違いなことを言ってるオッサンたちに、このバッグは似合わないだろうな。

写真は、男性用の書類カバン(serviette)、249ユーロ。


□SHOP INFO:LE TANNEUR


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2006年03月06日

カフェオレ・ボウル

カフェオレ・ボウル bol à café au lait は、80年代前半のフランス雑貨ブームの象徴的なアイテムとして注目を集めた。フランスと言えば、それまでは、文学だの、映画だの、モードだの、お高いイメージが先行していたのだが、カフェオレ・ボウルは何よりも日常生活のフランスとして日本に入ってきた。フランス雑貨ブームのピーク時には、パリの普通のスパーマーケットに並べられているものが、そのまま輸入され、オシャレなアイテムとして売りさばかれたのだった。

濃いコーヒーもミルクと合わせると、味がマイルドになって、多めに飲みたくなるが、小ぶりの丼一杯は適量といえる。ミニ丼とか、別の用途でも使えそう。

紹介する本は、カフェオレ・ボウルの写真集。料理研究家である著者が、パリの蚤の市で集めた、選りすぐりのカフェオレボウル、150点を紹介している。絵柄、形、色合いにそれぞれ特徴があり、どれも個性的なボウルばかり。またカフェオレボウルを通して、地方の食文化にも話題を広げている。巻末には、パリのお薦めスポットや美味しいカフェオレの淹れ方も載っている。


カフェオレボウル
カフェオレボウル
posted with amazlet on 06.03.06
山本 ゆりこ
六耀社 (2005/02)
売り上げランキング: 27,313
おすすめ度の平均: 4.5
4 カフェオレボウル、写真も素敵、内容もかわいい!
5 カフェオレボウルへの偏愛?


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2006年03月01日

CHATELDON

ctldn01.jpg今回はプレミアものの、ミネラル・ウォーターの紹介。その名もCHATELDON−シャテルドン。何か怪獣のような名前だが、ルイ14世の寵愛を受け、「太陽王の水」と言う異名を持つ。「水のドンペリ」と呼ぶ人もいる。シャテルドンはフランス中部オーベルニュにある小さな町。オーベルニュ産のミネラル・ウォーターと言えば、日本のコンビニでも売ってるボルビックVolvicがポピュラーだが、シャテルドンの方は、年間100万リットルの限られた量しか採取できないため、希少価値が非常に高い。ルイ14世は大きな瓶でオーベルニュからヴェルサイユに運ばせ、毎日飲んでいたようだ。

日本では大塚ベバレジが発売元になっており、500mlで1000円。微炭酸で、そして硬度が高いにもかかわらず、口当たりが柔らかく、甘みさえ感じる。ワインのように味わうべきなのだろう。ちょっと値が張るが、話のネタに飲んでみてはいかがでしょう。



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