2008年04月30日

ラルク世界初!海外ライブを生中継…5・9パリ公演

ラルク世界初!海外ライブを生中継…5・9パリ公演
KISS■人気ロックバンド「ラルク アン シエル」の5月9日のフランス・パリ公演が、東京・大阪など5都市のシネコンで衛星生中継されることが26日、分かった。海外コンサートの同時生中継は世界初の快挙となる。
■現在、ラルクは世界ツアー「TOUR 2008 L`7~Trans ASIA via PARIS~」の真っ最中。19日は上海で1万6000人を動員。この日は、初の台湾公演を台北の中山足球場で開催。1万7000人の台湾っ子を熱狂の渦に巻き込んだ。パリでのライブは数年前からオファーを受け続けており、昨年7月にパリで行われた「JAPAN EXPO」でライブビデオを上映したところ5000人のファンが殺到するなど、欧州での人気も証明されたことから、今回のパリ公演が実現した。
■ライブ会場となる「ルゥ ゼニット アリーナ」はU2、エルトン・ジョン、オアシスなどがライブを行っている海外アーティストのライブの聖地。ラルクにとって節目のイベントを日本にいるファンと共有できるように、との配慮から今回の企画が決まった。
■パリでのライブが現地時間午後8時スタートのため、日本では10日午前3時スタートとなるが、パリ公演限定グッズの販売もあり、デジタル上映のため臨場感たっぷりの映像が楽しめる。「ラルク アン シエル」はフランス語で「虹」の意味。パリから日本のファンへ、ライブ生中継という壮大なアーチをかける。
(4月27日、スポーツ報知)
□TOUR 2008 L'7〜Trans ASIA via PARIS〜 
パリ公演生中継日本時間:5月10日(土)午前3:00〜 
全国5ヵ所のシネコンにて
【新潟】T・ジョイ新潟万代
【東京】新宿バルト9
【大阪】梅田ブルク7
【広島】広島バルト11
【福岡】T・ジョイリバーウォーク北九州
料金:¥5,000-
チケット販売方法: http://www.music-airport.com/ods/index.html
□現地時間:5月9日(金)午後8:00〜 
パリ:ルゥ ゼニット アリーナ Le Zénith de Paris
★フランス語では「ラルク・アン」と切れずに、「ラルカン」と発音される。そこはフランスで突っ込まれないのか(笑)。フランスのファンサイトを見てみると、略称の「ラルク」をローマ字式に raruku と表記している。さらに X JAPAN もフランス進出する。「7月5日、フランスのパリで2万人規模のライブをやります」と Yoshiki がすでに表明している。フランスでのJ-ROCK、Visual-Kei(ビジュアル系) の人気は本物のようだ。

なぜラルクと浜崎あゆみは全世界を魅了するのか
■ラルクも浜崎あゆみにも、圧倒的な悲しさがある。ラルクも浜崎も大規模な海外ライブツアーを成功させるほど、世界的にも人気がある。なぜラルクや浜崎は、全世界を魅了するのか。その秘密は、死と隣り合わせなほどに、悲壮美を伴った、彼らの作品の悲しみにある。(全文はタイトルをクリック)
(4月20日、ツカサネット新聞)
★いくら悲しみと死が歌われているからと言って、浜崎あゆみと hyde と村上春樹と三島由紀夫をひっくるめて論じるのは多少強引な気がするが、確かにフランス人にどのように聴かれているかというのは気になるところだ。単にファッションなのか、それとも詞の内容にも踏み込んだ深いレベルの共感なのか(CDには訳詩がついているのか、それとも熱心なファンは日本語が読めるのか)。また、以前は厳然たるヒエラルキーが存在していた文学とロック、フランスと日本の関係が完全にフラットになってしまっているのも興味深い現象だ。
□フランスのファンサイト http://www.laruku.fr/
□関連エントリー「新しいゴシック世代(1)-(3)



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2008年04月09日

危機に瀕する聖火リレー

パリでの聖火リレーが打ち切り、激しい抗議活動受け
■8月に開かれる北京五輪の聖火リレーが7日、仏パリで行われたが、チベット騒乱での中国政府の対応に対する抗議活動が相次ぎ、途中で打ち切られる異例の事態となった。中国当局は、抗議活動家が五輪準備期間を、チベットでの人権全般に対する中国のこれまでの対応を糾弾したり、中国の外交政策を批判するために利用しようとしているのは「恥ずべきこと」と非難。その上で、世界各地を回る聖火リレーに変更はないとしている。
■パリでの聖火リレーは、出発地のエッフェル塔をスタートした直後からトラブルに見舞われ、抗議者が聖火ランナーを取り囲む厳重な警備を突破しようとするたびに繰り返し中断された。数千人のデモ参加者を前に、聖火は幾度かバスの中にかくまわれたほか、少なくとも2度、消すことを余儀なくされた。新華社は中国当局者の話として、安全上の理由から消火したとしている。仏内務省の発表によると、警察は今回のデモで18人の身柄を拘束した。
■聖火は9日、米サンフランシスコに到着する。当地では7日、チベットを支援する活動家3人が名所ゴールデンゲート・ブリッジに登り、抗議の垂れ幕を掲げた。
(4月7日、ロイター)

フランスを象徴? 筋金入りのデモ・スト大国 聖火リレーの翌日も
■その少年はアッという間に、金髪をなびかせてバス停の屋根に飛び乗ると、オレンジ色と黄色が主体のチベットの大型旗を振りはじめた。シャンゼリゼ大通りを北京五輪の聖火が機動隊の大型装甲車などに囲まれて到着したときだ。エッフェル塔を正午過ぎに出発した聖火は、中国のチベット弾圧政策に反対するチベット支援団体や国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF)などのデモで、予定より約2時間遅れで到着したが、大通りには聖火を見ようと人垣ができていた。道路には1メートル置きに警備の警官が防護服に身を固めて立ち、不穏な動きを見張っていたが、少年の動きは警官たちが制止する暇もないほどの早業だった。仏当局はこの日、フランスと中国の国旗の掲揚は許可したが、チベットの旗の掲揚は禁止していた。
■少年の動きに応えるかのようにビルの窓からも旗が垂れ、歩道をデモ行進していたチベット支援団体からも、「チベ、チベ!(チベットの仏語読み)」の声援が上がった。私の隣にいた中年の女性は小声で、「いざ、祖国の子らよ!」と仏国歌ラマルセイエーズを歌って少年を応援した。聖火を擁護する中国人の一行に対しては観衆から激しいブーイングが上がった。少年は警官が近づく前に身を翻して屋根から飛び降りると、支援団体ともども遠ざかっていった。
(4月9日、産経新聞)

Les raisons du cafouillage de Paris
Parcours changé en cours de route, drapeaux tibétains arrachés : après le passage chaotique de la flamme olympique à Paris, place à la recherche des responsabilités.
「パリの大混乱の理由」(TF1-VIDEOS JOURNAUX TELEVISESより)
★かいつまんで内容を紹介すると…(適当に補足も)
★聖火リレーの舞台となったパリでは、ロンドンに引き続き大混乱が起こったが、その際の中国当局の役割が問題になっている。中国当局の人間が聖火リレーに同行していて、聖火を消せなど、フランス側の運営や警備に口を挟み、トラブルになっていたようだ。
★指示はフランスの中国大使館から出ていて、テレビにも無線を持った男が映っているが、パリの警察に「あいつらは中国人じゃない、チベット人だ、逮捕しろ」と叫んでいる。聖火リレーは中止されたが、それを決めたのは中国当局。パリ市役所でのセレモニーもキャンセルした。このやり方が正しいか、間違っているかはともかくとして、この決定をし、責任を取ったのは、中国当局であることは事実。
★あちこちでチベットの旗や抗議の横断幕が押収されたが、パリの警察によると、それを持った人々が聖火リレーの行程を邪魔するときのみ、押収されるべきだが、そうではない場合にも旗や横断幕の押収があちこちで起こり、それは問題だと。旗や横断幕を使ってデモをすることは基本的に正当な権利だということだろう。ロイターは仏当局がそれを禁止していたと書いているが、TF1のインタビューを受けた仏警察の担当者はそうは言ってなかった。
★聖火リレーランナーのひとり、有名な柔道家、ダヴィッド・ドゥイエ氏が途中で中国人スタッフに火を消された。一体何を恐がっているんだ、そんなことをやる理由がわからないと怒っていた。アスリートたちへの冒涜だと。
★北京ではちょうどオリンピックの会合が持たれていた。フランスのオリンピック委員会会長の発言。中国側はアジアの哲学を理解してくれてと言ったが、自分たちの言い分ばかり主張するのではなくて、西洋の哲学(つまりは人権)も理解して欲しい。アジアの哲学って一体?
★アメリカやブエノスアイレスではさらに警備を強化しようとしているようだ。パリで起こったことは今後も世界各地で起こるだろう。もちろん、長野も例外ではない。中国のテレビでは「聖火が美しいパリの街に到着し、シャンゼリゼ大通りを駆け抜けました。パリの人々に熱烈に歓迎されながら」と報道していた。

バターの品切れに戦慄
★ところで、聖火リレーとは関係がないが、最近バターが品切れ状態という噂を聞いたので、スーパーで見てみたら、昨日はあったが、今日見たら確かに品切れ状態だった。マーガリンや偽バターは置いてあったが、定番の雪印バターやよつ葉バターが全くない。去年、牛乳が売れ残り、減産した影響だというが、値上げはともかく、品切れなんてあったろうか。根本的には家畜の飼料の高騰があるわけだが、それを払えずに廃業する酪農家が増えているらしい。
★穀物の高騰は真っ先に穀物を輸入に頼る貧しい国々を直撃している。TF1のニュースによると、エジプトではパンの高騰で暴動が起きたようだ。こういう状況でも、相変わらず日本では結婚式場やデパ地下で大量の食料が廃棄されているのだろうか。それ以上に、食料の安全保障について何も考えてこなかった、そしてこの期に及んでも何も考えてなさそうなこの国の政治家って一体。多少の農業スキルを身につけて自給自足の生活をしなきゃとマジで考えているが、すぐにでも実行に移さなければならない時期が来ているのかもしれない。



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2008年02月26日

仏熱狂!48年ぶり米アカデミー賞主演女優賞で

■25日の第80回米アカデミー賞で、フランス人のマリオン・コティヤールさん(32)が「エディット・ピアフ 愛の讃歌」(オリビエ・ダアン監督)の熱演で主演女優賞を獲得したことで、フランスは喜びに包まれた。仏人女優の同賞受賞は故シモーヌ・シニョレさん以来、48年ぶり。
■主演女優賞獲得の朗報が飛び込んできたのはパリ時間の同日未明。フィガロやルモンドら主要紙が一面で報じたほかテレビも感激の受賞風景を終日、放映。サルコジ大統領、フィヨン首相、アルバネル文化相らが次々祝電を打った。
■コティヤールさんは同日付けのフィガロ紙との会見で、「私には常に大きな夢があった」と述べ、その夢の1つの実現に期待感をにじませていた。すでに2本の米映画の出演交渉を受けていることも明らかにした。
■コティヤールさんは国内での主演作品数も少なく、注目度も低かったうえ不世出の伝説の歌手、ピアフを演じるとあって当初、失敗が懸念されたほどだ。予想外のヒットで出演料も最終的に値上がりした経緯がある。
(2月26日、産経新聞)
★「国内での主演作品数も少なく、注目度も低かった」とあるが、リュック・ベッソン製作の「TAXi」シリーズの主人公ダニエルの恋人、リリー役と言えばピンと来ないだろうか。また『アメリ』で有名なジャンピエール・ジュネ監督の『ロング・エンゲージメント』(2004年)で第30回セザール賞助演女優賞も受賞している。

□「エディット・ピアフ―愛の讃歌」公式サイト
□映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』(予告編 from youtube)
Edith Piaf - Hymne à L'Amour(from youtube)


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2008年02月13日

マイ・ファニー・バレンタイン My Funny Valentine

バレンタイン・デーにまつわる音楽と言えば、やはり思い出すのは「マイ・ファニー・バレンタイン My Funny Valentine」。ロジャーズ&ハートによるミュージカル、「ベイブス・イン・アームズ Babes in Arms」(1937年)の中で歌われていた曲だが、それがジャズのスタンダード・ナンバーになり、すでに600人ものアーティストによって歌われ(あるいは演奏され)、1300ものアルバムに収められているという。

チェット・ベイカー・シングス Cookin'

大御所ではフランク・シナトラやビング・クロスビー、ジャズ・アルバムでは、マイルス・デイヴィス率いる最強のクインテットによる「マイ・ファニー・バレンタイン」(「Cookin'」収録)や、アンニュイでメロウなチェット・ベイカーの「マイ・ファニー・バレンタイン」(「チェット・ベイカー・シングス」収録)などが思いつく。

個人的に思い出深いのは、NICO が歌うヴァージョン。地の底から響いて来るような、神がかった、この世のものとは思えない声で歌われる「マイ・ファニー・バレンタイン」(彼女の死の3年前に出た「Camera Obscura」に収録)。その声にはイアン・カーのトランペットと共振するような、メタリックな質感さえあるが、長年のヘロインとタバコとアルコールの賜物なのだろうか。

The Velvet Underground & Nico Camera Obscura

NICOは伝説のグループ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド The Velvet Underground (1967年)に参加したことで知られているが、1950年代にパリでモデルをしていて、ココ・シャネルに雇われていたという話もある。ヴェルヴェツもいいが、彼女のソロアルバムも素晴らしい。どのアルバムにも彼女の人生が醸成した壮絶な内面のドラマが映し出されている。強いて挙げれば「The End」(ドアーズにインスパイアされ、イーノがプロデュース)、「The Marble Index」あたりだろうか。

My Funny Valentine-Nico(from youtube)
Femme Fatal-The Velvet Underground & Nico(from youtube)


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2008年02月10日

「ファストフード・ネイション」を見る前に

ファストフードが世界を食いつくす数年前に書いたエントリー「ファストフードが世界を食いつくす−BSE問題の背景」へのアクセスが急増している。アマゾンで本もボチボチ売れている。この本はリチャード・リンクレイター監督によって「ファストフード・ネイション」として映画化(2006年のカンヌに出品)されているのだが、これが2月16日から日本でも上映される。アクセス急増の原因はこれのようだ。この映画でミッキーズというハンバーガーショップが出てくるがもちろんマクドナルドを暗示している。「ビッグワン」なんて、ビッグマック以外の何ものでもない。

ところで、タイミング良く日本マクドナルドホールディングス(HD)が2月7日に2007年12月期連結決算を発表した。最終利益が約5倍の78億円となり、大幅な増収増益を達成した。ビッグマックならぬ、メガマックが収益に大きく貢献したようだ。コスト高で逆風の吹く外食産業の中で独り勝ちが鮮明になった。さらに08年12月期は最終利益が27・9%の100億円と予想し、大台突破を狙っている。シュローサーの警告なんてどこ吹く風で、日本人のマクドナルド依存度はさらに高まっているようだ。

去年、子供を連れて某企業がバックアップしている産業博物館を訪れる機会があった。そこでコンビニ弁当が作られる過程を展示していて、弁当のほとんどの食材が輸入品で、それを世界から集めてくる物流システムがいかに素晴らしいか自画自賛していた。これも極端な合理性の追求が非合理性に反転しているマック・システムと同じではないだろうか。

おいしいハンバーガーのこわい話アメリカにはマックジョブ mcjob という言葉がある。文字通りマックのバイトのことで、それは「夢も希望もない低賃金の仕事」の象徴になっている。一方でマックの魅力は手軽さと低価格にあるのだが、それを消費する多くはマックジョブに従事する若者たちだったりする。そこには、ワーキングプアな若者たちが、その生産と消費のサイクルの中で徹底的に搾り取られるという構図が見えないだろうか(これは日本にもあてはまりつつあるだろう)。マックジョブのさらに下には食肉の解体に従事する不法移民たちがいる。

日本では「ギョーザ事件」が起こったが、これを単に中国バッシングで終えてしまっては全く意味がない。食をグローバル化やマクドナルド化に委ねることや、食料自給率が低いことがどんなにリスキーなことか、改めて考える必要がある。ギョーザ事件の真相はまだわからないが、中国には同じようにギョーザを作る低賃金の労働者がいるわけだ。低賃金でこきつかわれ、しかも自分の共同体の外に出荷されるギョーザを作っている彼らに一定のモラルを期待できるだろうか。「ファストフード」の予告編にあったような、パテを汚い床に落としたバイトの若者が「焼けば同じだ」と言っている光景が普通に起こっていることなのだろう。これはシステムの問題なのだ。

バンズの原材料である小麦が記録的に高騰しているというニュースも流れている。世界的に食料の需給が逼迫し、インフレの時代がすでに始まっている。正月のテレビでフードファイターが復活していたのには愕然とした。以前ブームになったとき、フードファイターの真似をした中学生が死亡したことが原因でその手の番組がテレビから姿を消したと記憶しているが、ほとぼりが冷めたのでOKってことなのか。日本人の頭の中はいまだにバブリーな飽食の時代らしい。

□「マック最終利益5倍、外食独り勝ち鮮明に」(2月8日、フジサンケイ)
□「ファストフード・ネイション」公式サイト
□「ファストフード・ネイション」(予告編)
FAST FOOD NATION‐trailer in English
□シュローサーは「ファストフードが世界を食いつくす」をわかりやすく書き直した「おいしいハンバーガーのこわい話」も上梓している。


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2008年02月02日

2月2日はクレープの日

Blinis & Crepesこの時期日本では「節分」が重要なイベントだが、フランスのテレビを見ていたら、2月2日は「クレープの日」だと言っている。もともと2月2日はキリストの生誕から数えて40日目の「ロウソクの祝日La Chandeleur」。5世紀にローマ教皇のジェラーズ1世が異教の儀式だったロウソクの祭りを「幼子イエスの奉献の祝日」(ルカの福音書2章22-38節に由来)と結び付けた。ジェラーズ1世はローマに来た巡礼者たちにクレープをふるまっていたことから、「クレープの日」にもなった。クレープは丸くて黄金色をしているので、暗くて寒い冬の終わりと春の到来を告げる太陽を連想させる。フランスでクレープといえばブルターニュで、起源は関係ないとはいえ、やはりこの日はブルターニュで盛り上がるようだ。そのうち日本にも「クレープの日」が導入され、バレンタインデーや節分と並ぶ2月の重要なイベントになるかも。


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2007年12月29日

2007年の音楽シーン回顧

★フランスのヒットチャートを見ると、ファタル・バズーカFatal Bazooka の"Fous ta cagoule" (2週トップ)と"Mauvaise foi nocturne" (6週トップ)、カミニKaminiの"Marly-Gomont" (7週トップ)、ヤニク・ノアYannick Noah の"Aux Arbres Citoyens" (1週トップ)などがヒット。ファタル・バズーカとカミニはラップのグループ。カミニは同曲のVCがネット上でブームになった。ヤニク・ノアは1983年の全仏オープン男子シングルス優勝者。テニス選手引退後、歌手になったが小さいころからジミ・ヘンドリックスに憧れ、音楽の道も選択にあったようだ。
★フランスでもクリスティーナ・アギレラの"Hurt" 、ブリトニー・スピアーズの"Gimme more"は大ヒット。

Psychostar World Charango Fous Ta Cagoule

★今年はミッシェル・ポルナレフの復活が話題になった。7月14日の革命記念日にシャン・ド・マルスでポルナレフの無料コンサートが行われた。
★今年1月に、カーラ・ブルーニ(現在、サルコジ大統領の新しい恋人)が「ノー・プロミセズ No promises」を発表。英語で歌い、歌詞はアイルランドの詩人ウィリアム・イエーツや米詩人エミリー・ディキンソンの作品から引用しているが、前作「風のうわさ Quelqu’un m’a dit 」ほどのヒットにはなっていない。8月にヴァネッサ・パラディが「Divinidylle」を発表、相方、ジョニー・デップが描いたジャケットの絵が話題になった。
★カネボウのシャンプー、SALA の音楽に使われたダフネが日本で注目された。SALAと言えば以前、フランスのロックバンド、Pleymo の曲が使われ、CM制作者はフランスの音を意識して使っているのかも。

ノー・プロミセズ Carmin Divinidylle

★タイム誌が投げかけた「フランス文化の死」論議で、誰もフランスのグループだと知らなくて聴いていると言われたジャスティス Justice 。Xavier de Rosney(グザヴィエ・ドゥ・ロズネ)と Gaspard Auge(ギャスパール・オジェ)によるエレクトロ・デュオ。ジャスティスはロック・シーンとクラブ・シーンを繋ぐ架け橋的な存在として、ヨーロッパ全土で圧倒的な支持を得ている。リミキサーとしても、フランツ・フェルディナンドからブリトニー・スピアーズ、ファットボーイ・スリムまで、ジャンルを超えた幅広い層のビッグ・ネーム達から引っ張りだこ状態。そして今年は"D.A.N.C.E"が、MTVヨーロピアン・ミュージック・アウォーズ(2007年11月1日、昨年もビデオ“We Are Your Friends”で同賞を2年連続で受賞、)でビデオ・オブ・ジ・イヤーを獲得した。ビデオの監督は75Prod’Jonas & François、ビデオ中のイラストレーションはSo Meが手がけている。またジャスティスは同賞のベスト・フレンチ・アクトも獲得。彼らのデビュー・アルバム "" はフランス国内で既に100,000枚の売上を記録し、世界では250,000枚以上のセールスを上げている。来年1月の来日公演も決定!(大阪BIG CAT:2008/1/23、東京STUDIO COAST:2008/1/24)。

バック・トゥ・ベーシックス マザーシップ~レッド・ツェッペリン・ベスト【デラックス・エディション】 †

★7月には、前アメリカ副大統領のアル・ゴア氏が呼びかけた地球環境保護コンサート、「ライブ・アース」( Live Earth)が世界9都市で同時開催された。地球温暖化の危機に対して関心を促すグローバルなイベントで、ポリス(ニューヨーク)、マドンナ(ロンドン)、レニー・クラヴィッツ(リオデジャネイロ)などが出演。日本では京都の東寺などで開催され、再結成されたYMO(Yellow Magic Orchestra)が登場した。ゴア氏は今年のノーベル平和賞も受賞(ゴアは原子力発電の利権と関わっていて、彼の地球温暖化の主張には「不都合な真実」が隠れているのではないかと個人的には疑念を持っている)。
★12月10日、ロンドンでレッド・ツェッペリンの27年ぶりの再結成チャリティーコンサートが行われた。沢尻エリカもコンサートにかけつけたと報じられていたが、大ファンなんだそうだ。ドラムのジョン・ボーナムは1980年にすでに亡くなっていて代わりを息子が務めた。
★ポルナレフ、ライブアースのポリス、YMO、そしてレッド・ツェッペリン。再結成(復帰)の話題ばかり。音楽シーン自体が行き詰まり、新しいものが出てこない証拠なんだろうか。再結成バンドって全く興味がないなあ。70年代の終わりごろだったか、渋谷陽一がラジオ番組で、○十年後のレッド・ツェッペリンという話をしていて、よぼよぼのジミー・ペイジが、中身をくりぬいて軽量化したダブルネックギターで登場するとか、ふざけて話していたが(リスナーのハガキを紹介したのかもしれない)、何だかそれが現実になったようなトホホ感があった。ちゃんとダブルネックで「天国への階段」を弾いてたけどね。私も中学生のとき「天国への階段」弾きたさにギターを買い一生懸命コピーしたくちです。とはいえ、ツェッペリンを久しぶりに聴きたくなり、早速、iPodに Achilles Last Stand, The Song Remains The Same, The Rain Song , Battle Of Evermore などを入れたが、やはり色褪せない名曲ばかり。ツェッペリンはハードロックというよりは、ケルトを初めとする様々な音楽を取り込んだ実験色の強い音楽。安易に様式化していった他のハードロックバンドと一線を画すところだろう。若い人も沢尻エリカにならってぜひ聴いてみてください。

Led Zeppelin / Stairway to Heaven(London,10 December 2007)
Justice / D.A.N.C.E(Version Finale)



cyberbloom

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2007年12月22日

12月のパリ

12月のパリさむいです。帽子をかぶらないと耳が痛い。パリでは、清掃のために歩道の脇に水を流している光景が良く見られますが、ここ数日はその水も凍っていたし、今日は RER の車窓から外を見ていると、土手に植わった木が全部凍っていました。まさにクリスマスに向けてあちこちに飾られている雪化粧したモミの木のよう・・・。

boulangerie01.JPG

ちなみに巨大な生モミの木も、この時期スーパーに沢山売られています。おうちに飾るのですが、この木の下に家族で交換し合うプレゼントを置くのですよね。フランスへ来たはじめの頃、家族でのプレゼント交換の習慣を知らなかったわたしは手土産のお菓子だけをもって仲良くなったお友達の家族団らんにお邪魔してクリスマスを過ごしたのですが、お友達や家族の方からプレゼントをもらってしまい、プレゼントを用意してなかったのであせった思い出があります。今年も、家族へのプレゼント探しに精を出している友達の話を聞いていると楽しいですね。

decoration01.JPG

キャベツ頭の男さんの投稿にあるように、パリでは12月になると、通りに電飾が設置されたり、街路樹に飾りがつけられたり、街が華やぎます。去年、一昨年とわたしの住んでいるイタリア大通りには資金不足か電飾が設置されなくてさびしかったのですが、今年は復活しました!違うデザインですが、うれしかったです。以前に使われていたのは、キャベツ頭の男さんがアップされているようなあったかいオレンジ色の光のイリュミネーションでとても好きだったのですが、今年は青いカーテンのようなデザイン。朝、窓の外をみると、8時を過ぎても群青の空に、青い電飾がまだついていて、ちょうど日が昇るころに消えます。一枚目の写真は、わたしのアパートの隣にあるパン屋さん。毎年この時期の飾りつけがかわいくて楽しみです。二枚目の写真は、セーヌ川沿いで見た木のデコレーション。広場の木はたいていこんな飾りつけがされています。夜も光って綺麗ですよ。



ubucoucou

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2007年12月21日

ノエル

DSC00393.jpg12月も下旬である。
ノエルである。
前回も似たような口上で始めたような気がするが、よしとしよう。
そして前回も似たような写真を添えたような気がするが、こちらもよしとしよう。


12月のフランスのイルミネーション、当たり前といえば当たり前だし意外といえば意外だが、毎年飾り付けは異なる。
前年、見応えのあった照明が施されていた場所を再び訪れてみても、何の飾り付けもなく真っ暗闇ということもある。
精神的にも物理的にも寒々しいことである。


とはいえ、この時期、夜の街を散歩していて思いかもかけぬ場所に簡素ながらもなかなか魅力的な照明に行き当たることもある。
写真は周囲には観光名所も何もない14区の住宅街。
同じ場所に、今年はどのような照明が施されているのだろうか。



キャベツ頭の男

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2007年12月20日

12月

DSC00026.jpg12月である。
12月といえばノエル、すなわちクリスマスである。


フランスのクリスマスというと、日本のお盆やお正月のようなもので家族で過ごすもの。
しかしクリスマスの前に、頭を悩ませるのがプレゼントである。
フランスでは、集まる家族それぞれにプレゼントを用意するものらしく、毎年のことだけにそれを選ぶのが大変だというわけだ。


というわけで街は買い物をする人々で賑わい、どこか慌ただしい。
日曜日はお店は基本的にお休みのフランスでも、この時期だけはお店を開ける。


DSC00029_2.jpgとはいえ、そういった落ち着かない街の雰囲気も夜になると一転する。
12月になると、街のいたる所でクリスマスのためのイルミネーションが灯るが、人気のなくなった夜の通りを飾る明かりは実に落ち着き払っている。


キャベツ頭の男

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2007年10月27日

シャンゼリゼ通りの現在(2)

champselysees01.jpg10年くらい前に、シャンゼリゼに面した知り合いの部屋(ほぼ屋根裏部屋)を借りて2ヶ月くらい住んだことがある。建物の中庭には高級車がひしめき、中層階にはシャンデリアがきらめいていて、ブルジョワな住人が多かった。同じ建物に住んでいても、使用する入り口やエレベーターが違う。バルザックの「ゴリオ爺さん」(1834)の舞台となっているヴォケール館では、階によって部屋の広さと作りの良し悪し、部屋代が著しく異なり、各階がそのまま社会階層と対応していたが、おそらく19世紀から(バルザックが没した直後にオスマンによって大規模なパリ改造が行われたとはいえ)あまり変わっていないパリの構造を裏側から垣間見たような気がした。

建物から一歩外に出ると目の前にヴィトンのメガストアがあり、多くの観光客が歩いていて、世界的に有名な観光地も居住地区として立派に機能していることを実感したのだが、19世紀からの変化の度合いよりも、最近の10年のパリの変化の方が大きいのかもしれない。

ヨーロッパの大都市が不動産価格の高騰に見舞われていることは以前から伝わっていた。サブプライム問題の波及でそれが頭打ちになるかと思いきや、そうでもなさそうだ。不動産価格の高騰が地元の人間のつながりを破壊するという話は、地上げ屋によって老舗が立ち退きを迫られるとか、日本のバブル期にもよく聞いた。しかし、現在は東京の一部の地価が高騰していて、バブル期にはなかった不動産流動化(証券化)という新しい事業が個人投資家の資金も取り込んで不動産取引を活発化させている。もちろんヨーロッパの大都市も同じ状況にある。

ところで、資本力に物を言わせてパリの有名な観光スポットに進出をもくろむのは、H&M(スウェーデン)のような比較的新興の外資だったりする。シャンゼリゼといえば強力なブランドイメージを持った老舗企業が看板を掲げるという印象が強かったが、日本のユニクロがパリ進出を果たすのもこの近くだ。

以前、「パリのカフェ的コミュニケーション」というエントリーで、ファーストフードの店やセルフサービスのカフェの進出に押されて、老舗のカフェ、街角のカフェがひとつひとつ姿を消し、「ギャルソンに微笑み、何か一声かける」という習慣が失われつつある、と書いた。また、カフェは政治、文学、芸術の議論の場を提供するという、文化創出と公共性の場としても機能していたわけだが、シャンゼリゼで最後の砦となっているのはカフェではなく、むしろ映画館のようだ。

行政サイドの財政的な支援に加えて、地元の人々によって市民を映画館に呼び戻すための工夫が凝らされている。老舗の映画館「ル・バルザック」では、毎週土曜日の上映前に音楽学校の学生によるミニコンサートが開かれる。入り口にはバーが設けられ、映画館の支配人が自ら観客と映画談義を交わす。「シャンゼリゼというブランドに頼らなくても、生身の触れ合いをすれば人々は戻ってくるという手応えを感じる」(上記朝日新聞)と支配人がいみじくも言うように、グローバルなカジュアル衣料チェーンが象徴する匿名的で流動的なシステムの拡大に抗するには、人のつながりを取り戻すような枠組みを自発的に、意識的に設計し、埋め込んでいく必要がある。これはスローフード運動などとも軌を一にする生活世界の実質を再帰的に取り戻そうという動きであり、古き良きブルジョワ文化をそのまま復興しようというノスタルジーでは全くない。

もうひとつ映画でなければならない理由がある。

「生活世界の再帰的構成に必要な価値合意は、ハーバーマスの考えるような理性的な討議によってあたえられるのではなく、芸術やサブカルチャーなどの表現を通じて滋養されるコモンセンス=共通感覚に基づく。そのことは未だに古典的主題を反復するフランスやイタリアの小説や映画を見ているとよくわかる」(宮台真司、「トーク・オン・デマンド3」より)

宮台はここで古典的主題を反復する映画監督としてフランソワ・オゾンを賞賛する。彼の作品は「表層的な見せかけに右往左往せずに、真の心を見極めろという伝統的なモチーフ」の変奏だと言うが、それ以上に「映画館の支配人が自ら観客と映画談義を交わす」という試みが非常に的を得ていることがわかる。観客が映画館という場に居合わせるだけでなく、映画作品を通して得られた共通感覚を確認して帰ることができる。

人と人がつながるには価値観や現実を共有しなければならない。以前は現実世界の常識に準拠した手法をリアリズムと言ったが、今は逆で、現実には常識や共有するものがないので、映画の中にこそ共有すべき現実を求めなくてはならない。バーチャルな映画の世界が再帰的に人をつなぐことを期待されている。だからこそ映画には以前よりもまして普遍的で古典的なテーマが必要になるのだ。


□写真はシャンゼリゼ通りを背景にした「勝手にしやがれ」の有名なシーン。
このシーンの中に次のようなやりとりがある。

Michel :Tu montes ou descends les Champs?
Patricia :Qu'est-ce que c'est, les Champs?
Michel :Les Champs-Elysées.

ミシェルが当世風に「シャン」と言っても、おのぼりさんのアメリカ娘、パトリシアには何のことかわからず、聞き返すシーンだ。


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2007年10月24日

シャンゼリゼ通りの現在(1)

「世界で最も美しい大通り」として知られるパリのシャンゼリゼ通りが悩んでいる。老舗の店やレストランが次々に消え、ファーストフード店や衣料品チェーンが席巻している。地元は「ありふれた商店街になってしまう」と焦っている。フランスのシンボルであり続け、「オー・シャンゼリゼ」と歌われるように「心軽く、誰にでもこんにちはといいたくなる」優雅な散策路として再生するために、人々が知恵を絞り始めている。

シャンゼリゼは現在ちょっとした開店ラッシュで、9月29日に多面体の総ガラス張りのシトロエンのショールームがお目見えした。コーヒーメーカー大手のネスプレッソも近くカフェバーを併設した店を出す。年間8千万人がそぞろ歩くシャンゼリゼは、観光客だけでなく、企業が世界に向けて看板を掲げる場所としても重要だ。

そんな中、パリ市とパリ8区などでつくる出店審査委員会は昨年末、スウェーデン系の衣料品チェーン「H&M」の出店申請を却下した。「H&M」は手ごろな価格の若年層向けのファッションで世界中に展開している。こういう種類の店の進出を放置すれば、シャンゼリゼはどこにでもある商店街になってしまうという危機感を抱く。

欧州主要都市の不動産の高騰も著しい。パリもこの10年で相場が倍になったと言われている。シャンゼリゼでは年間テナント料が1uあたり1万ユーロ(約165万円)に達するところも。個人資本の老舗店やレストランが追いやられたあとに、アパレルやファーストフードの大資本チェーンがまさに資本力に物を言わせて進出した。

結局、「H&M」は有名なフランスの建築家、ジャン・ヌーベル(アラブ世界研究所、ケ・ブランリー美術館などを設計)に高級路線の店舗の設計を依頼し、出店が許可された。特定の企業を標的にしているわけではないが、ありふれた街並みにならないように出店を管理するという。

大統領の就任式パレードや7月14日の革命記念日など、シャンゼリゼが国のシンボルになるのは特別な日だけだ。最近では、サルコジ氏が大統領選に勝った日の夜に99番地の「フーケッツ」で歴代の大統領としては初めて当選の日にシャンゼリゼで夕食を取るという演出をしてみせた。

特に地元が憂えるのは映画館の不振だ。テナント料の高騰に入場券収入が追いつかないのだ。郊外のシネマコンプレックスに客を奪われ、92年から04年のあいだに入場客数は27%も落ち込んだ。映画館にかかる大きな看板はフランスが誇る映画文化の広告塔だった。パリ市やパリ8区、シャンゼリゼ委員会などは、今年、業種を多様化するための出店ルール作りや、古い映画館を歴史的建造物に指定して財政支援するなど、再生計画の策定作業を始めている。地道な活動が功を奏してか、05年まで減る一方だった入場者数が2年続けて増えた。

(10月13日、朝日新聞朝刊「ああ、シャンゼリゼ」より)



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2007年10月12日

絵画をめぐる犯罪

モネの名画、若者が破損・仏オルセー美術館に侵入
pontargent01.jpgフランスのアルバネル文化・通信相は7日、パリのオルセー美術館に同日未明、若者のグループが侵入し、フランス印象派の代表的画家、クロード・モネ(1840-1926年)の絵画「アルジャントゥイユの橋」に傷を付けた後、逃走したことを明らかにした。地元メディアが伝えた。 アルバネル氏によると、傷付けられた絵は評価額の算定が「困難」とされる名画。絵画に描かれた橋脚部分の下が約10センチにわたって裂けており、こぶしで殴りつけた跡とみられるという。 監視カメラの映像から犯行グループは少年4人と少女1人の計5人組とみられ、酒に酔っていたもよう。美術館の扉の一つから侵入、警報が作動して警備員が駆け付けたが、グループは逃走した。 絵画は縦60.5センチ、横80センチの油絵。モネが1870年代に居を構えたパリ郊外アルジャントゥイユで、セーヌ川に浮かぶヨットと橋を描いた1874年の作品。同じ年に第1回印象派展が開かれたこともあり、美術史の上でも重要な作品とされる。
(10月8日、共同通信)
モネ作品損傷の若者5人逮捕、「閉館後の侵入方法知っていた」
印象派の代表的画家、クロード・モネ(1840~1926年)の傑作「アルジャントゥイユの橋」(1874年)が、パリのオルセー美術館で傷つけられた事件で、女性1人を含む若者5人が仏警察に逮捕された。当局筋が9日夕(日本時間10日未明)、明らかにした。詳しい人定は不明だが、5人のうち女性は同夜、犯行にかかわっていないことが分かり、釈放された。残る4人は犯行の事実関係を認めており、起訴される見通し。グループの1人と称する空調会社勤務の少年(19)が8日、警察に出頭。警察は9日朝、パリ近郊のイブリーヌ県で5人を逮捕したという。アルバネル文化・通信相は、グループの1人が「職業上の理由」で閉館後の美術館に入る方法を知っていた、と述べた。
(10月11日、産経新聞)
破損したモネの「アルジャントゥイユの橋」(画像)

3億円の芸術作品にキス、罰金と公民課程の履修を求刑
仏検察当局は9日、アビニョンで開催されていた米国画家サイ・トンブリの作品展で3億円超の真っ白な作品にキスをし、器物損壊の罪に問われていた女性に対し罰金と公民課程の履修を求刑した。自身も芸術家だというカンボジア生まれのフランス人、サム・リンディ被告(30)は、今年7月に同作品展を訪れた際、作品にキスをし真っ赤な口紅の跡をつけてしまった。リンディ被告は問題の行為について「わたしはただそれにキスしただけだった。これは愛から出たもので、キスをしたとき何も考えていなかった。芸術家ならこれを理解してくれると思う」と法廷で訴えた。今月6日深夜には、酔っぱらった男らがパリのオルセー美術館に侵入し、印象派画家クロード・モネの作品を殴打して傷つける事件が起きており、リンディ被告はこの事件と自身のケースとの違いを主張する声明を出した。 声明には、「一方には極めて不快で野蛮な行為があるが、もう一方には純粋な強い愛の行為がある。わたしの行為は、芸術の力に触発された芸術的行為だった」と書かれている。一方の検察側は、リンディ被告は「自身の犯した罪の重大性に気づいていない」とし、その行為を「野蛮」なものとして罰金4500ユーロ(約74万円)と公民課程の履修を求めた。 原告側の弁護士は、リンディさんがキスしたことは「殴打と同様に攻撃的」とし、修復困難な損害を与えたと非難。また「わたしは愛について別の見解を持っている。わたしにとって愛とは両者の同意を必要とするものだ」と述べ、リンディさんの訴えを一蹴した。
(10月10日、AFP)


これがもし日本で起こったら、絵画を破損したふとどき者たちは名前と顔写真をさらされ、ワイドショーのレポーターに家まで押しかけられ、マスコミが煽りに煽ってバッシングの嵐が吹き荒れることだろうが、フランスでは彼らの名前もあかされていない。確かにあきれ果てた事件ではあるが、当然のことながら、彼らの罪はもうひとつの女性の事件と同様に法律によって裁判で裁かれる。裁判とは別に、マスコミが「正義」の鉄拳をかざして、大衆の感情を煽るようなことはしない。それにしても「公民過程の履修」というのが面白い。

「美術館で名画を盗むより、ヴァージンメガストアでDVDを盗む方が難しい」と「美術館のアルセーヌ・ルパン」はそう言った。90年代の後半にヨーロッパ各地で200点を越す美術館を盗んだステファーヌというフランスの男だ。彼は転売目的で絵画を盗んだのではない。純粋に自分の部屋で鑑賞するために盗んだのだった。彼は絵画コレクターの金持ちの家に強盗に入ったのではない。もっぱら美術館で盗みを働いた。誰にも気づかれずに、全く絵画を傷めることなく。彼はレストランのウエイターだったが、父親が美術商で、小さい頃から絵画や骨董に親しんでいた。彼は結局スイスで逮捕されたが、逮捕されるまでの7年間で230の絵画や美術品を盗んだのだった。

ステファーヌはこうも言っている。自分は絵が好きなのだが、高くて買えないから盗んだ。むしろ美術商こそが泥棒だ。買い取った絵画を10倍で転売するのだから。それは父親へのアンビバレントな感情だったのかもしれないが、そもそも、絵画になぜそんなに法外な値段がつくのだろうか。

素晴らしい絵画は私たちに親密な感情を生じさせる。確かにそれは愛と言えるのかもしれない。しかし、いくら愛しても、それは絶対に触れてはいけないものなのだ。名画の法外な値段はその絶対性を担保している(破損させようものなら莫大な損害賠償を請求される)。こういう事件は私たちと芸術作品との関係についても改めて考えさせてくれる。

ステファーヌは美術館で盗むのは簡単だったと言っている。警備がスキだらけで、数日経っても盗まれたことに気がつかない警備員もいたようだ。オルセーに進入したメンバーの中に出入りの業者がいたようだが、それにしてもオルセーのような大美術館に酔っ払いが簡単に侵入できてしまうのも驚きだ。


cyberbloom

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2007年10月08日

黒カナリア in NY 続編(3) グランド・フィナーレならず?!

104_0414.JPGOyster Bar を出てタクシーでガーシュイン・シアターまで乗りつけ (近場なのだが、もうじきショーなのというときっちり真ん前までつけてくれた) 、牡蠣とワインで気分も上々。パンフレットを購入し、劇場の内部(写真)なんぞを撮っていたら、チケットを引き換えに行ったはずのMがなかなか帰ってこない。

どうしたのー?

行って見ると呆然としたMが「シカゴのチケットだった」と言うではないか。

はああ?

この夜我々が予約したのはここブロードウェイの Wicked のはず。それがシカゴの Wicked???

日本からチケットマスターでネット予約した時に「一分以内に必要事項を入力せよ」のこの一分以内で思いのほか焦ったのが原因か、シカゴの席を予約してしまったらしいのだ。

嘘・・・preshow dinner も食べて、バナリパで買ったワンピでばっちりキメて見る気満々で来たのに見れないのー?

これが日本なら一応形だけ席をチェックして至極慇懃に「無理ですねえ、やはり」とかなんとか追い返されるはず。しかしここNYCでは可憐なMが行ったのが良かったのか、「これ、シカゴのだよ」と告げたときから向こうはすでに本気で席を探しはじめていていた。で、言い訳すらする前にあっという間に席が用意され、しかも膝が痛くてとても座れないというご婦人のチケットを譲ってもらえることになり、ジャンケンで私がその席に。またその席が、オーケストラピットから三列目のど真ん中。おまけになぜか前の二列は誰も現れないーという正にシアター中ベストシートなのだった。
 
Wicked はオズの魔法使いに至る、その前の世界を描いたもので、緑の肌の魔女エルファバと、後に東の善の魔女になるグリンダの友情・裏切り・差別・愛・嫉妬などを盛り込んだ、いわば考えさせられる娯楽作品で、ベストシートで見るそれは、常にクラスの人気者でいたいグリンダの「みんなから好かれる方法」におなかを抱えて笑い、緑の肌ゆえに親にも受け入れられないエルファバの叫びにも似た素晴らしい歌声に胸を揺さぶられる、正に夢心地の幸せなひと時だった。日本にも来るだろうし、劇団四季でもやってるらしいがーうーん、なにせ「王様か?!」と言いたくなるほどの直訳だからなぁ・・・四季・・・

思えば地下鉄でもすごく混んでいて降りられないと「この子達(本当はもうgirlsなんて歳では全然ないんだけど)を下ろしてあげて!」とおばちゃんが叫んでくれたり、ショップの試着室で一人で悩んでると「あなたには大きすぎるわよ」とアドバイスしてくれたり、このNYCラストナイトにしても然り。

ショックなことも起きたりしたけど、とりあえず、困った人がいたら手を差し伸べてくれるアメリカの良心的な部分も垣間見ることのできた滞在であった。

また行きたいぞ、NY―なのでした。



黒カナリア

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2007年10月06日

ノワゼットのおフランス便り(1) パリはインフレ!

ちょっと用事でパリに行って来ました。1年ぶりの「おフランス便り」です。滞在中は最初の2泊だけアレジアにあるホテルに泊まったのですが、ホテルの値段の高いこと。シャワーの部屋で62ユーロ。現在円安なので日本人にとってはもちろん割高なのですが、ヨーロッパの旅行者たちにとっても高いようです。

ホテルのマダムと「ホテルの値段あがりましたねー」、「何でも上がっているわよ Du tout !」って話をしていたら、新聞(パリジャン)にちょうど Le prix des chambres d’hotel s’envlole(=ホテルの値段が跳ね上がる)!という記事がありました。ザーッと紹介してみると、今年は平均でホテルの値段が4.4%上昇。パリには観光客が大挙して押し寄せ、需給が逼迫。ホテル経営者はホクホク。特に外国人観光客が増えていて、とりわけアメリカとアジアの観光客が戻ってきている。去年、フランスは世界で最も旅行したい国に選ばれ、観光大国の健在ぶりを示した。これまで911のテロがあり、イラク戦争があり、SARSの流行があり、海外旅行にはしばしば致命的な逆風が吹いたが、ようやく去年はそれ以前のレベルに戻った。今年はラグビーの世界選手権が追い風になって、さらなる躍進の年になった…

アジアの観光客は戻ったようですが、ユーロ高円安という逆風が吹いている日本の観光客はどうなのでしょう。それにしても2つ星のシャワーの部屋で1万円は高すぎ。

今回は、ユーロが安い時に買って(運良く152円の底値で買えた)、短期の定期に入れておいたのを、TC に変えて持っていきました。某外資銀行なんだけど、ユーロの外貨預金をそのまま TC にできて、とても便利。カードを使ったら手数料高いですからね。最初、日本の郵便局から向こうの郵便局に送金しようとしたんだけど、手数料が400円だったのが2500円に跳ね上がっていた。これも民営化の影響なんだろう。アホ言うなって。

パリ市役所に勤めている友人は給料が上がらないのに、モノの値段ばかり上がるとぼやいていましたが、テレビでは連日、生鮮食料品の値段の上昇のニュース。テレビの統計によると、若い人たちが野菜や果物を買わなくなっているとか。電化製品などは値下がりしているようですが、庶民の財布を直撃するのはやはり食料品や日用品です。ECBのトリシェ総裁がインフレ抑制のために利上げに躍起になる気持ちはよくわかります。利上げに反対するサルコジはやはり庶民の敵か。


noisette

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2007年10月03日

黒カナリア in NY 続編(2) 生牡蠣でロシアンルーレット?

そこにはどうしても行ってみたかった。たとえ生牡蠣が食べれなかったしても・・・

グランド・セントラル・ステーションの構内、地下一階の Oyster Bar−ここも数々の小説や映画の舞台になっている。生牡蠣の大好きな私の長年の憧れの場所なのだ。思えばフランスでも、ボルドーで、牡蠣が全滅して実は日本から持ち込んで今の牡蠣市場と相成ったという生牡蠣を美味しく食べた。アメリカ産の牡蠣も食べたいなぁ・・・

心優しい M&S の「折角だから行っとかないと」という言葉に甘え、NY最後の夜、ここで preshow dinner と洒落込んだ。

ただ、私には今年の冬、大阪はハー○○エントの某オイスターバーで生牡蠣にあたった苦い思い出が・・・一度あたると繰り返すというしなあ・・・帰国便であんな苦しい目に遭うことを考えると、最初はオイスターシチューだけにしとくーと言っていたのだが・・・

食べたーい!!

だって30種を超えるカナダや、近くはロングアイランド直送の新鮮な生牡蠣がずらりとメニューに書かれているのだ。もうこれはあたったらあたったときのこと、食べるしかない!!   

100_0052.JPG

それでも控えめに最初は二つだけ(写真)、ついで最後にもう一つ、眠そうな目が優しげなウェイターに「NY 最後の夜だから思い出になるようなのを選んでね」と頼むとウインクとともにロングアイランド(NY)の SINNE COCK を運んできてくれた。

新鮮な生牡蠣がするりと喉を滑っていく感触ときたら!海そのものを食べているような感覚がたまらない。

用心にと牡蠣と合うのを選んでもらった白ワインを飲んだのが良かったか、または西洋わさびを使った毒消しを大量に食べたのが良かったか、翌日無事あたることもなく、アメリカの生牡蠣に至極満足して帰国の途に着いたのだった。



黒カナリア

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2007年10月01日

黒カナリア in NY 続編(1) 巨大なフランス女

何それーってあれですよ、NYといえば、もう数え切れないほど何度も映画やテレビに登場したあの女性、そうStatue of Liberty―自由の女神(写真)です。

103_0358.JPG
 
フランスから友好の証に送られた女神だが、私は先にパリでミニサイズの彼女にお目にかかっていた。セーヌ川に心なしかちょっと退屈そうに、いかにもおフランス女の彼女がたたずんでいる。
 
なので正直アメリカに送られた彼女とは、サイズと場所が違うとこんなに違うものかと驚いた。ここNYCの海上、その名もLiberty島に立つ彼女はあくまで力強く、彼方から幾つもの苦難を超えてきた移民達に高らかに呼びかけるように、正に自由と成功の国の象徴として立っている。ドラクロワの描いた「民衆を導く自由の女神」そのもののように。
 
ただ彼女をじっくり見られて感動するのは徐々に島に近づいていくフェリーの中であって、いざ島に降り立ってしまうとあまりに巨大な像のため、全体を目にすることができない。そして911以来、王冠まで以前は登れたのが今は土台部分までとなっている。まあ王冠までは戻ることの出来ないひたすら苦行に近い階段登りらしいので、なしでもいいかもしれない。
 
ここでもセキュリティは厳しい。そのために本来は20分もあれば終わってしまう女神登りが最低一時間くらいはかかるようになってしまっている。そのセキュリティの人たちも実に様々で・・・
 
「君のその素敵な帽子をここにいれてくれるかいー」ベイビー、と続けそうな勢いのデレデレお兄さん。「何か他に入れないといけないものは?」と聞くと「それでOKだよ。君と一緒に行ければなぁ」なんて・・・彼はきっとタイプの女性が来る度に必要ないコメントを述べて仕事しながら「擬似口説き」を楽しんでいるんでしょう。
 
―かと思えば全身からやる気モードの漂うもう一人のアニキは「その時計もはずせ」「カメラも見せろ」だの「俺がこの自由の女神を守ってんだ」とキリキリムード満点である。
 
ここで私とSの前のスペイン系らしい若者二人連れの片割れが、待ちきれずにゲートを出てしまったので、「Again!!」とキリリアニキに怒鳴られてナゾの気体をぷしゅぷしゅと二回も浴びせられる羽目になり、彼の友達と私たちはそれを見てげらげら笑ったのだが、あれって一体なんなんでしょうねえ?
 
なんか危険物を身に帯びていると気体が青くなるとか?

でもそれぞれ自分の解釈で仕事にいそしんでいる人々を見ると、なんだか「いいんじゃないーそれで」と思えるのだった。



黒カナリア

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2007年09月30日

新しいゴシック世代(4) ゴスロリとギロチン

<京都父殺害>逮捕の次女「ギロチンにしようと…」
京都府京田辺市で府警南署交通課の巡査部長(45)が自宅で殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された専門学校生の次女(16)は「父親の女性関係に数年前から疑念を抱いていた。(フランスで発明された処刑道具の)ギロチンにしようと思った」と、府警の調べに対し供述していることが、24日、分かった。父親への不信を募らせた末に殺害したとみられる。一方で、手おので首を切りつけるという残虐さとの隔たりもある。25日で事件から1週間。動機解明にまだ時間がかかりそうだ。府警は次女の部屋から、ゴシック・ロリータ(ゴスロリ)と呼ばれる、黒を基調に中世ヨーロッパの美術様式をイメージしたファッションを描いたデザイン帳を押収した。こうしたことや、次女が「ギロチンにしようと思った」と供述しているしていることについて、野田正彰・関西学院大学教授(精神病理学)は、「父に対する憎しみが高まっていったのが基本にあり、ゴスロリのイメージが殺害の形態を修飾した。だが(凶器におのを選んだのは)弱い者が強い者に対抗するには包丁や首を絞めるのではだめで、決定的なものでないといけないという合理的判断だ」と分析する。
(9月25日、毎日新聞)


少し前に、「新しいゴシック世代」と題したゴシックの特集記事を書いたが、こうした事件が起こると必ずサブカルチャーが槍玉にあがる。関連するアニメが放送中止になったり、連鎖反応のような事件も起こった。大学の先生が専門の権威でもって実にわかりやすい解説をしているが、この事件で注目されているのは、ゴシックの重要なアイテムであるギロチン、そして現代のゴシックの進化形、ゴスロリである。 

ギロチンはフランス革命期に考案された処刑道具で、ルイ16世やマリー・アントワネットがギロチンにそれによって処刑されたことは歴史の有名なエピソードである。当時はフランス革命後の恐怖政治により、毎日何百人もの人が処刑されていた。貴族は断首、平民は絞首刑と区別されていて、断首の場合、首切り役人が熟練していないと、何度も切り付けて受刑者に多大な苦痛を与えることが多かった。そこで、国民議会議員(内科医でもあった)のジョゼフ・ギヨタン(Joseph-Ignace Guillotin)が、受刑者に無駄な苦痛を与えず、しかも身分に関係せず同じ方法が適用できる機械装置によって「人道的な」処刑を行うよう議会で提案した(現在、日本は絞首刑を採用しているが、執行の際の刑務官の精神的負担が問題になっている)。そのギヨタンから名前をとった「ギヨティーヌ(Guillotine)」という呼び名が定着し、ギロチンはその英語読みである。正式には「Bois de Justice(正義の柱)」と呼ばれる。

ギロチンが考案されたフランス革命後の混沌は、当時の文学にも大きな影響を与えている。まずは演劇だが、当時はメロドラマ(メロディー+ドラマ)が主流だった。メロドラマはオペラのように台詞を歌うのではなく、場面の展開や登場人物の動きを音楽で表現する演劇を指していたが、フランス革命期に既成のジャンルに収まらない演劇を総称してメロドラマと呼ばれるようになった。それは陰謀と殺人を筋立てにして、暗い欲望を全面に出し、ナポレオンの時代、王政復古の時代を通して、恐怖演劇の代名詞となった。恐怖政治時代には4万人がギロチンの露と消えたと言われ、ギロチンによる公開処刑に民衆はお祭り騒ぎで見物に押しかけた。そのような革命の時代の影響から、虚構と現実が入り乱れるように血なまぐさいシーンがそのまま演劇化され、恐怖が演劇の中心テーマとなっていたのだった。

一方でこの時代にはメロドラマの小説版とも言える暗黒小説が書かれる。アン・ラドクリフ以降のイギリス・ゴシック小説はフランス革命がヨーロッパの精神世界に引き起こした激しい動揺を色濃く反映している。ゴシック小説の先駆的な作品と言えば、ゴシック・リバイバルの立役者となったホレス・ウォルポール(1717-1797)の『オトラント城奇譚』だが、中世からの遺産に加え、こうしたフランス革命の生々しい現実がゴシック文化にさらなる暗闇を供給したのだった。フランスの暗黒小説はアン・ラドクリフ以降のイギリス・ゴシック小説を真似ることから(アレクサンドル・デュマがパリで最初に見たメロドラマのタイトルはまさに『吸血鬼』だった)、つまりはフランス革命の波動を逆輸入する形で出発した。1800年以降、多くの小説家が暗黒小説を、多くの劇作家がメロドラマを量産し、互いに物語のスジやネタを蓄え、共有しながら発展する。そして1830年以降のロマン派の文学運動に合流していく。

暗黒ジャンルはフランス革命後の人間存在を端的に表現している。ひとつは人間の内部には暗く激しい情熱があり、それに突き動かされた人間はどんな常軌を逸した行為もなしうるということだ。自由と平等による人間の解放を謳ったフランス革命が血みどろの死体を累々と積み上げる結果になったことがそれを物語っている。さらにはフランス革命によって人間は身分や共同体から切り離され、何もない場所に放り出されてしまった。自分を何かに同定できないという、近代がもたらした人間のアイデンティティーの喪失である。それは今も、「自分探し」を延々と続けている私たちの問題として引き継がれている。暗黒ジャンルやゴシック文化もギロチンの時代でその役割を終えたわけではない。今日の映画やドラマも人間の同じ暗部に焦点を当て続け、大衆文化の重要なテーマになっている。


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2007年09月26日

黒カナリアin NY (三人旅編) 後編


 NYの洗礼?
 
NY滞在も1週間になると疲れがたまってくる。元々痛めていた腰とあまりの暑さとそれに反比例して低い建物内の冷房に体調がおかしくなる。そこへきて湿度30%の世界である。元々水気のないところが苦手な私は鼻の粘膜がやられて鼻血まで出る始末である。弱り目に祟り目というか、そういう時にこそ良くないことは起こるもので・・・
 
100_0039.JPG

アメリカ自然史博物館を出たところ(写真)。忘れもしない77丁目側の出口、ドッグランが設けられたその前のベンチでリュックの中身を入れなおし、いざ歩き出そうとしたときである。
 
隣のベンチに座っていた5、60代のオバと目が合った。目が合ったのでこちら風に礼儀正しくHi!というと、なんと○○ck you!と浴びせられた。

あまりのことに唖然としている間に、たるんだ身体のオバはゾッとするような冷笑を浮かべて立ち去っていった。残ったのは理不尽に貶められたことへの怒りと言いようのない不快感と、直接向けられた悪意に対するショックだけである。
 
もしブロンドにブルーアイズならば、またはアジア系でも私が男ならば、オバはあんな言葉を吐かないはずである。

く・や・し・い〜!!!

とっさに言い返せなかったことも悔しさの一因である。
 
疲れも相まってホテルでへこんでいるところへSがメイシーズから帰還。彼女からの思いがけない愛のチョコレートで蘇った黒カナリアであった。
 

 ここでとっさの一言―サバイバル編

悲しいことですがどこの社会にも一定の割合で他人に不快な言葉を吐く不幸な人や差別主義者は存在するものです。そこでそんな相手に返す表現をいくつかご紹介。

お洒落にさらりと返したい場合
 You’re certainly not the nicest person in the world! 「あなたが良い人じゃないことだけは間違いないね」
 
嫌味を効かしたい場合
 How lady-like (またはgentleman-like) you are! 「なんて礼儀正しいの!」

そのまま返す場合
 ○○ck you!(youを強調しましょう)または You ○○cking racist! 「この差別主義者が!」

そんなときにとっさに英語なんて出てこないという人の場合
思い切り各自の方言交じりで
「何言うとんねん、この二の腕たるたるの腐れバ○アが!」
*フランス語の場合はどういうのか、みなさんのアイディアを募集中です。

相手は差別主義者なのでこのくらい言ったところで同じレベルに落ちるということはないでしょう。但し暴力的態度に出られたときは一目散に逃げましょう!そんな相手に関わって怪我などしても馬鹿馬鹿しい限りです。

もちろんNYで出会ったほとんどの人は良い人でしたし、目が合えばにっこり笑顔や、素敵な一言をくれる人達だったことをここに記しておきます。



黒カナリア

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2007年09月25日

黒カナリア in NY (三人旅編) 前編


これがあのJFKですか??

なんでまたNYと聞かれると困るのだが今年はなんとなくNYと決めていた。先月の韓国旅行で痛めた腰には辛い13時間近い空の旅から解放されて降り立った其処はあの John. F. Kennedy 国際空港―のはずなのだが・・・しょぼい。すっきり快適な関空や、パリはシャルル・ド・ゴール空港の威容を勝手に想像していた身にとっては「これってほんまに国際空港???」と言いたくなるような確実なしょぼさである。トイレにいたっては荷物用のフックはもちろんのこと、鍵まで壊れているものまで。
 
しかも私が到着した九月某日から、10年ほど行われていなかったタクシーのストが始まるというツキ具合である。
 
幸いタクシーは全車ストというわけでなく、動いている車を行き先の近いもの同士でシェアするということで、私は後ろに並んだ初老のタイ系アメリカ人カップルと行き先が一致し、一路マンハッタンへ。
 
その車中ときたらー「それにしてもなんでこんなに暑いの、NY?」−と思わずそのめちゃくちゃなまった英語を操るタイ系カップルに尋ねたくらいの暑さである。13時間機内で冷やされた体が急に暑い外気にさらされ、しかもかなりなスピードで飛ばされては、からっぽの胃がおかしくなってくる。ホテルに着く頃にはもうへろへろで、超高層ビルの立ち並ぶ景色を楽しむ余裕などない有様。「このホテルモー娘も泊まったんだよ」などと言うやけにフレンドリーなフロントマンの相手も早々に部屋になだれ込んだのだった。

メトロポリタンってどこーってアナタ・・・
 
無事にワシントンから到着した友人M&Sと合流。(別にあのSMとは違うので変な誤解のないように)メトロポリタン美術館のカフェで11:30にランチの約束をし、セントラルパークを散歩してから行くとしいう元気なSを尻目に、腰を労わりたい私はタクシー(いわゆるイエローキャブですね)を拾うことにしたのだが、「メットまでね」−と意気揚々と告げた身に予期せぬ返事が。「はあ?メットってどこ?」
 
いや、これはきっと短縮したのがいけないんだろうと「メトロポリタン美術館までお願いね」と至極Clearlyに言って見たのだがやはり「それどこ?住所を言ってくれ、住所を」ってあんた、NYでタクシー運転手やっててメトロポリタン知らんのかい!!

これが大阪やったら「信じられへんわ。あんたどこの田舎から出てきたん?」って言われても仕方ないわっ!!
 
103_0307.JPG

念のため持参したガイドを広げても開館時間は書いていても正確な住所なぞ見つからない。なんとか地図を広げてとりあえず「82丁目まで」といっては見たものの、セントラルパーク(写真、上)にたどり着いたのでここから自分で歩いた方が早いかもーと田舎から出てきて三日目の運転手(勝手にそういうことにしておいた)に別れを告げ、セントラル・パークを横断することに。ここで息子が日本に留学していたという親切なご婦人に出会い、半ばまで案内してもらい無事にメット(写真、中)にたどり着いた。だがご婦人の前に聞いた jogger のお姉ちゃんも「正確なことはわからないわぁ。ごめんねぇ」と思い切り反対方向の道を教えてくれたので、ジモピーほど行かないのでメットがどこか知らないとか・・・いや、本当にそうなのか? 

103_0309.JPG

まあ日本でもみんながみんな国会議事堂の行き方とか知らないしねーってそれとこれとは話が違うか・・・


無料入館??

残念ながら印象派のブロックは工事中。レンブラントも特別展に備えて見られずで少しがっかりしながらカフェ(写真、下)に向かうと、中国語に堪能な友人Sがすでに待っていた。今入ったところという彼女にどのチケットにしたのか聞くと、きょとんとした顔で「何も買ってないけど・・・」という答えが。「いやいや、シティパスとかここだけのチケットとか色々あったでしょ。どれにしたの」「だから何も買ってない・・・」
ぇえ?!

103_0319.JPG

ここでSがチケットを買わずに無料入館した事実が判明。セキュリティチェックをくぐると正面階段にもこわもてのお兄さんたちが居並んでいる。それをそんな簡単にかいくぐるとは!
 
ここではチケット代わりに黄色のバッヂをくれ、それを身につけるシステムなのだがあまりにもSが堂々としていたので気付かなかったとか。またはバッヂをよく落とす人もいるらしいので、落としたと思われたのかも。
 
むろんSは他の美術館やエンパイアにも登れるお得なシティパスをランチ後速やかに買って再入館したので悪しからず。良い子の日本人の皆さんは決してただで入ろうなどとしないように。



黒カナリア

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2007年08月30日

黒カナリアの韓国でプチフランス?を探す旅(3) −カフェはお高い?

リッツの朝食はもちろんお素敵だったのだが、二日目の朝は地元のカフェで取ってみた。

休憩で入った韓国スタバは大体日本と変わらなかったがリサイクルがさらに徹底していた。プラスチックのスプーンや、水のカップもなし。水が欲しい人は薄い紙のカップを手で持ったまま立ちのみって感じだ。

変わってこの江南地区のちょっとお洒落なカフェは、クリームデニッシュとミルクとオレンジジュースで千円超えるという強気なお値段。パンの味はごく普通にうまいが前夜のプデチゲがご飯に漬物などついて都合700円くらいだったことを考えるとかなり高い。あまりカフェがまだ定着していないからこその高値なのか? ちなみに店は空いていた。それよりは道端に出現する屋台で「トッポギ」(写真、上)とか豚足(写真、下)とかのほうがメジャーだし、てっとりばやくおなかも膨れるということか。

102_0290.JPG

102_0281.JPG

ここでフランス人の女の子と流暢なフランス語で談笑する韓国人のカップルを発見。そこだけ切り取ると正にパリのカフェな状態。

ソウルにおける韓国の語学事情は日本とあまり変わらない感じがした。日本語はかなりうまい人が多いが、英語はホテルの人くらいしか話さない。ただ、道を尋ねた若いカップルの場合は背の高いメガネ男子の彼氏が英語で教えてくれた。MJいわく、「今ので絶対株を上げましたよ、彼は。英語も話せて素敵ってなってますよー」

韓国では初めて付き合った相手と結婚することが多いので付き合う相手を選ぶのにかなり慎重らしい(これもMJ情報)、その辺りは日本とずいぶん事情が異なってますね。ま、どんな風に異なるかはみなさんの判断にお任せします。
 


黒カナリア

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2007年08月29日

黒カナリアの韓国でプチフランス?を探す旅(2) −何故に黒ビキニ?

102_0264.JPG韓国エステはなかなかにユニークなものを取り揃えている。なんといっても蓬蒸し&垢すりはその代表。ロッテでの買い物の後、壁のモザイクがなんとも昭和な感じのキッチュなホテルに連れて行かれ、ピンクの帽子と浴衣に着替える。もちろん下はすっぽんぽん。さらにその上から首にタオルがかけられ、テルテル坊主の下のスカート部のようなものを頭からかぶされる。これもまたしてもどピンク。

その姿でまずは岩盤浴。気持ちいいーもっと入っていたいーというのに赤シャツに短パンの迫力ある韓国オバが、「もう出ろ」それから「これ飲め」と漢方茶をさす。実際はもう少し丁寧なんだけど、なんかそういってるように聞こえて仕方ない。

においに敏感なMJが鼻をつまんでお茶を飲んでいてなんかその姿も妙におかしい。

今度はさっきのオバが椅子に座れと招く。真ん中に穴の開いた椅子にこわごわ腰を下ろすと、オバにいきなり膝頭をガッ!と開かれて驚く。その股の間にたった今まで簡易コンロでグツグツに熱されていた蓋つきのつぼが置かれる。

「熱い!」

と叫ぶとオバがテルテル坊主のスカート部を「暑けりゃ自分でまくれ!」と指示。ほんとに熱いって!

しばらくするとオバがつぼの蓋を少しずらす。すると本当に熱さが直撃!!男性の皆さんは絶対やらないようにーというか出来ないし、やっても意味がないでしょう。

冷え性のわたしは体幹からだらだら流れるように汗が出た。最後に蓋が全開されるがすでに熱さに慣れた身には結構平気になっている。

次に蒸し風呂に入り、我慢できずに出ると浴衣を脱いで今度はにんじん風呂にお茶風呂。ついでめちゃ熱のサウナ。

これを過ぎるといよいよ垢すりなのだが、現れたオバの姿に唖然。

なんで黒のレースのブラとパンツなの? 一人は迫力のおばちゃん体系。もう一人はやや細身ながらもゆるい身体に確かさっき「ぱちゃぱちゃ」おなか叩いてたし…

MJいわく「着る方にも見る方にもきっつい」…確かに。

別に濡れるから暑いからというのなら普通の水着でいいではないか。わからん。

しかしオバたちの技術に恥ずかしいのなんの言ってる間なくもうそれこそまな板の上の鯉みたく、全身くまなくこすられオイルでマッサージされ、寝たまま全く耳に水も入らないという奇跡的な技で髪も洗ってもらう。
 
身体を返す時滑らないようにタオルをこちらの腰にかけ、くるりと巧みにひっくり返す。

乾燥肌のMJは「垢、でないね」とオバに不満そうに言われたらしい。やりがいなかったのね、きっと。わたしはちなみになかなかやりがいがあったようです…それもなんかですね…



黒カナリア

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2007年08月28日

黒カナリアの韓国でプチフランス?を探す旅(1) −ロクシタン・ブーム?

―というわけで今回の旅はエステにグルメにショッピングとまるでお洒落OL仕様の韓国である。えせOLになりきって「韓国でフランス探し…無理―」という感じなのだが意外に簡単でもあった??
 
関空と双子のごとき仁川空港に降り立つと、冗談のような大雨。嘘…あんなに晴れてたやん、大阪…
 
102_0295-c.JPG

見事な日本語を操るIさんのガイドに導かれ、後輩のMJ(別にキルスティン似というわけではない)とまずはお約束のロッテ免税店に。「ビザカード持ってますか?」の嵐。なんでもビザカードだとキャンペーン中でさらにお買い得らしい。(仁川空港では「マスターカード」だった)
 
ここで早速プチフランス、ロクシタンを発見。実は宿泊するリッツ・カールトンのアメニティもロクシタン(素敵!!)で、MJと二セットずつお持ち帰りしてしまった。韓国の迎賓館といわれる新羅ホテルのアメニティもロクシタンとか。どうも高級なイメージがあるらしい。

街中で発見したSkin Food なる化粧品メーカーも「野菜を使ってー」という辺りがどうもロクシタンのパクリ?でも天使のパッケージがなかなか可愛く(写真)、値段は口紅でW5,500(約770円)と本家よりもずっと控えめ。価格の点では韓国版メイベリンか。



黒カナリア

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2007年08月23日

パリのヴァカンス

まだ8月なのに、パリは「もう冬?」というくらい寒いです。夏なのにセーターや薄手のコート着ています。
 
parcflo01.JPG

とはいえ、報告を怠っている間に夏らしい熱い日々もありました。写真は、7月にヴァンセンヌの森にあるパーク・フローラルで行われたパリ・ジャズフェスティバルの様子です。ステージではなく、芝生で日光浴する人々を撮りました。かなり広い公園ですが、この日は特に人が多くて、ステージ周辺の芝生は寝転がる人たちでぎっしり埋まっていました。このジャズフェスは毎年、6,7月に行われ、公園内の野外ステージで毎週末コンサートがあります。一流ミュージシャンたちの演奏が公園の入園料だけで聴けて、芝生でピクニックや日光浴が楽しめて、パリでヴァカンス気分を味わえるすばらしいイベントです。パーク・フローラルは温室があったり、池にたくさん蓮が咲いていたり、とても綺麗な公園。今年は日本人ミュージシャンの参加もあって日本語の歌を披露されていましたが、お客さんたちはコトバがわからないながらも聴き入っていて、割れんばかりの拍手を送っていました(日本から参加したTOKUさんの頁 http://www.toku-jazz.com/)。

tuilerie01.JPG

二枚目の写真はチュイルリー公園の移動遊園地ですが、最近のパリの空模様はこんな感じ。灰色の雲が出ていて、雨が降る日も多いです。それでもヴァカンスでパリに来ている旅行者も多く、チュイルリー公園はたくさんの人でにぎわっています。


ubucoucou

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2007年08月22日

パリの貸し自転車〜ヴェリブ

以前の投稿でも紹介されていたヴェリブというパリの貸し自転車のシステム、すごく人気です。街のあちこちに写真のような自転車置き場があるのですが、利用している人がとても多く、通りを見渡せばヴェリブに乗った人が。このシステムが始まって一ヶ月、まだ新鮮なので、つい利用者を目で追ってしまいます。私自身は、家の近所に大通りが多くて、パリでは自転車は車道を走らないといけないので、まだ怖くて試していないのですが・・・。

velib-paris01.JPG

20区に住む友人のフランス人カップルによると、「朝出勤のときに、ヴェリブで坂を下って行こうとしたら、みんなおんなじようなことを考えていて一台も自転車がなかった!」そうですが、二人ともヴェリブに年間登録したそう。

とにかく、年間29ユーロ、一日1ユーロという料金は魅力です。パリではせっかくかわいい自転車を持っていても盗まれる可能性大で、サドルやタイヤがなくなっている自転車もよく見るうえ、置き場所のことを考えても貸し自転車のほうがよさそうです。夕方、家に帰ろうとなかなか来ないバスを待っているとき、ヴェリブに乗った人たちが数珠繋ぎに目の前を通り過ぎるとうらめしいです。また、セーヌ川沿いのパリ・プラージュで夜にヴェリブでサイクリングしている人たちを見ましたが、それもすごく気持ちよさそうでした。

velib-orleans01.JPG

ちなみに、二枚目は先日訪れた街オルレアンの貸し自転車の写真です。パリと同時期にサービスが始まったそうですが、こちらは年間使用料金15ユーロでした。パリの自転車とはデザインが違いますが、どちらがお好みですか?グレーで丸っこいパリの自転車、最初は電動自転車は大きいし、グレーの色も地味だなあと思っていたのですが、見慣れてくると街にも合っていて、なかなかかわいく思えてきました。



ubucoucou

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