2007年02月16日

仏蘭西のアメリカ人@−アメコミの巨人がフランスで繰り広げる凸凹夫婦漫才−

チープ・スリル60年代~80年代にかけてアメリカ・カウンターカルチャーの申し子として大活躍したロバート・クラム。コミックは読んだことがなくても、ジャニス・ジョプリンのアルバムのアートワーク(写真、右)と言えばでピンとくる方も多いことと思います。彼とその複雑な周辺を取材したドキュメンタリー映画が話題になるなど、近年かつてとは別の角度でスポットが当たっていますが、ご本人は十数年前に故国を離れ、南フランスの片田舎で奥方アリーンと平穏な日々を送っています。年代物の家に住み、花を飾り食を楽しむ静かな暮し…ショッキングな作風で知られるかの御大も『人生の楽園』調の隠居生活に落ちついたかと思いきや、心配ご無用。時折発信される夫婦合作の身辺雑記調コミックは、かつてとは一味違った「毒」を放っています。
 
のどかな田園へ移ってもヒトはヒト。クラム氏(寄る年波を強調した姿で登場)は戦前アメリカのルーツ・ミュージックのレコード収集に邁進。アリーン女史はフィットネス(!)に目覚め見事肉体改造に成功、ヒッピー時代よりハデなヨーロピアン・ファッションを楽しむマダムになり、キュートなお洋服が似合う私でいたいの、とついには最新シワ取り手術で実の娘より若く華やかに変身するありさま。妻の言動にたじろぎ慌てる気弱なクラム氏のぼやきに、年不相応なはしゃぎっぷりと俗っぽさで応えるアリーン。コマの隅々まで徹底的に描き込む独特のペンタッチでいじられ放題のキャラクターとして描かれた夫妻は、関西のベタな夫婦
漫才より遥かに笑える、リアルな無駄話を繰り広げます。
 
ロバート・クラムBEST―Robert Crumb’s troubles with womenマイペースな二人ですが、丸くなってしまったわけではありません。村が車とパラボラアンテナ、ラッパー風の若者(見かけだけで無害)とモダン・デザインに侵食され変貌するのをさみしく思う一方、フランス人が「懐かしのフランス文化」を省みないのは第2次大戦中の占領下の忌わしい記憶を思い起こさせるから、と喝破する一面も。異国で日常的にアメリカ食が楽しめる事実を複雑に受けとめつつ、コーラをオーダーすれば(アリーンは過去のトラブルからアルコールを絶っている)、ワインでなくそんな下品な物を飲むなんて、と皮肉る地元気質もムッとする。表現方法やトーンは変れどヒトコト言いたい気持ちは変わっていません。
 
最近はカンヌ映画祭やファッション・ウィーク中のニューヨークにも出没。ミーハー全開で動き回るアリーンのハッチャキぶりと、カンヌのセキュリティの悪相度からモデルの奇矯な歩き方まで何事も細かくチェックするクラム氏の観察眼(”網タイツとハイヒール着用で生ハンバーグと化した女房殿の足“)のコンビネーションはいよいよ冴え渡り、ヒトコトの鋭さも増しています。カウンターカルチャーのヒーローの座を自ら降り、片言程度のフランス語で異国での生活を始めて十数年。プレッシャーから解放され、未だ片言な異邦人で、若くもないが枯れてもいない中途ハンパな「私」をツッコミも入れつつのびやかに見据えた夫妻の共同作品は、思いがけない自由な精神に満ちています。
 
クラム氏が雑誌のために書き下ろした感謝祭をテーマにしたイラストは、遠く離れた故国の現実を冷徹に描き、厳かささえ漂わせています(サンドイッチマンの看板に多くを語らせているところも見事)。彼が達した独自の境地を見ることができます。


■凸凹コンビの最新作は今本屋に並んでいるThe New Yorker(2007年2月12日号)で読むことができます。興味のある方はどうぞ。

ロバート・クラムBEST―Robert Crumb’s troubles with women


by GOYAAKOD(Get Off Your Ass And Knock On Doors)


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2007年02月14日

日本の「マリー・アントワネット現象」-APF通信

marieantoinette01.jpg1月20日に公開されて以来「マリー・アントワネット」は875000人の観客を動員し、1億800万円を売り上げている。今週末には観客は100万人を超え、最終的な売り上げは2億に達するでしょうと、東宝東和の広報。ビジュアルを強調した宣伝をともない、275の映画館で上映されている。

「この映画はあらゆる年齢の女性をターゲットにしています。この映画がソフィア・コッポラの映画だという事実を強調する代わりに、この映画の女性らしい側面を強調しています。ソフィア・コッポラを知らない若い女性たちも興味を抱くように」

映画のキャンペーン担当の渡辺さん。

「若い女性たちの心をつかむために、私たちはモード、お菓子、キャンディー、媚態、自堕落さに賭けました。成熟した女性には、マリー・アントワネットの強烈な性格を前面に出しました。女として、フランスの女王として、今も生き続けているフランスの心とエスプリの象徴として」

日本人女性にとって、マリー・アントワネットはポジティブなヒロインであり、ある意味、日本の女性の美徳と試練を体現している。彼女たちは自分たちとその姿を同一視するのである。

報われない愛を経験し、善良だが、退屈なフランス人の夫に悩まされ、知らない異国の人々のギロチンによって処刑された。しかし、オーストリアのプリンセスの運命にはフランス人たちを喜ばせるすべてが揃っている。

マリー・アントワネットの人気は、1970年代の少女たちにとってのカルト的なマンガ、「ベルサイユの薔薇」に多くを負っている。池田理代子のマンガは、1974年にミュージカルになるほどの成功をもたらした。宝塚歌劇団によるミュージカル作品はこの女性だけの歌劇団の最も大きな成功となった。宝塚歌劇団は「ベルサイユの薔薇」を2000回も上演し、これまでに400万人以上の日本女性たちが喝采を送った。

しかし、宝塚歌劇団だけではない。

ミハエル・クンツェとシルベスター・リーヴァイ(「エリザベート」「モーツアルト!」の作者)によって書かれた新しいミュージカル「マリー・アントワネット」がこの冬東京の帝国劇場を満員にした。

このブロードウェイにふさわしいミュージカルは日本のために特別に書かれたもので、11月に世界で封切られた。この自由に解釈された歴史ロマンは、遠藤周作の有名な小説「王妃マリー・アントワネット」にインスパイアされている。

「もちろんマリー・アントワネットは日本でとても有名で、多くの劇作品があります。しかし、私たちのマーケティング・アプローチが違うのは、歴史ロマンとしてソフィア・コッポラの映画を見せたくはなかったということです。映画「マリー・アントワネット」は甘ったるい愛の物語ではありません。マリー・アントワネットの劇作品は宝塚歌劇団やそれと同じスタイルの劇団の愛好家たち向けのものです。それに引き替え、この映画はマリー・アントワネットの市場を広げ、新しい方向性を開くことを可能にしています」

と先ほどの渡辺さん。

この新しいマリー・アントワネットは、東京のデパート(=伊勢丹)で最近行われた、フランスのプレタポルテの企画による12人のデザイナーの展示会のテーマでもあった(※)。モスリンと羽毛とリボンとレースの洪水に包まれた女王のコスチュームを再解釈するものだ。「マリー・アントワネットは歴史上の最初のファッションの犠牲者である」、とカタログの中でデザイナーのひとり、アノー(Hannoh)が賞賛している。


Vendre "Marie Antoinette" au Japon? Du gateau!
Lundi 5 FEV (AFP)

■関連リンク(※)
マリー・アントワネットに恋するファッション
パンク風に18世紀宮廷モードをアレンジ


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2007年02月10日

ファッション業界御用達の謎のレストラン-Davé-

The New Yorker01.jpgパリ、コメディー・フランセ-ズのほど近くにその店はあります。赤い漆塗りのドアに常に“Complet”のサインが掲げられた中華レストランDavéは、ファッション業界人行き付けのお店として知られています。

食の都、中華レストランだけでも1500軒はくだらないと言われているパリで、Daveはどうやってその栄誉を勝ち得たのでしょうか?他店では味わえない究極の美味?スレた業界人を唸らせる粋なインテリア?王侯貴族の心地にさせてくれる完璧なサービス?答えはいずれもNo、です。

薄暗く、店の中央に鎮座する熱帯魚の水槽のライトが室内照明代わり、という高級レストランとは無縁の店内。お料理の味も値段もそこそこ(早朝の市場で選び抜かれた一流の食材、はここでは供されません)。では何が業界人を惹きつけるのでしょうか?
 
秘密は店主Davé Cheungのもてなしにあります。ファッション業界人は人並みはずれて高いプライドの持ち主ばかり。自分の「格」に相応しくない扱いをされることは何よりも避けたい侮辱です。また、いろんな意味で目立つのも仕事のうちという職業柄、四六時中好奇の視線に曝されるという不幸とも戦わなければなりません。そんなやっかいなお客様の気持ちに見事に答えたのがDavéさんでした。一見さんお断りの姿勢を徹底して貫き(例のドアのサインも一般人除けの方便)、押し寄せる業界人のお客様を見事にさばき、常に皆のプライドを満足させるテーブルを手配します。手強い難客(例えばサンローラン全盛期のミューズとして名高いルル・ド・ラ・ファレーズ)も機嫌を損ねずにもてなす客あしらいの手腕は、常連客にとってこの店ならではのスリリングな”趣向“にすらなっているほどです(店主はまた、長年の上得意ヘルムート・ラングのために、これまたお得意様であるディカプリオとジゼルのカップルに外でお待ち頂くようお願いできるほどの、“人徳”の持ち主でもあります)。

メニューはあってなきがごとし、というのもこの店の流儀です。常連達はオーダーに頭を悩ませることはありません。何も言わなくとも店で万事整えてくれます。また、口にするのは蒸し野菜に豆腐がせいぜい、まともな中華料理なぞトンでもないモデル達の食事もDaveさんは嫌な顔をせず引き受けます。

10代の頃両親と共に香港から移住して数十年。ショーが開催されるチュイルリー公園近くに店を開いたことからファッション業界と縁ができたDavéさんは、ファッション・ウィーク中こそコム・デ・ギャルソンなどに身を包んで接客するものの、普段はお洒落とは無縁の普通のオジサン。有名人との親交はあるものの、レストラン店主なら誰しも持つエゴや名声欲を手放し独自の道を歩んできました。「特別なお客様」達を敬愛し、彼らが気兼ねなく気持ち良く過ごせるようひたすら黒子に徹するその姿勢こそが、移転を経た後もずっと支持されてきた理由なのでしょう。彼の潔さに、客商売の原点を見るような気がします。

入店は業界人にコネでもない限り絶望的。何度電話してもDavéさんにきっぱりお断りされてしまうだけですが、運が良ければ店の外で席が用意されるのを待つ有名人を眺められるかもしれません。

★Dave, 12 Rue de Richelieu, Paris(1er)

The New Yorker(Sep. 27. 2004)”Fashion Cafeteria” 
By Michael Specter


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2007年01月27日

雑誌ナナメ読み MARIE CLAIRE 3月号

marie claire (マリ・クレール) 2007年 03月号 [雑誌]今月号のエコ特集は必読だ。表紙に「不都合な真実、を私たちだって知りたい!」という見出しがあるが、今月20日から映画「不都合な真実」が公開され、そのショッキングな内容が話題を呼んでいる。映画には、本ブログでも以前から活動を紹介しているアメリカのゴア元副大統領が出演していて、彼の講演を通して、温暖化問題をわかりやすく、説得力をもって伝えている。

かなり前から報道されていることだが、世界で二番目に小さい国、ツバルが海に沈もうとしている。地球温暖化の影響で海面が上昇している。そんなツバルの現状をモデルの大田莉菜がレポートしている。いつだったか、NHKの番組がツバルと、経済成長が著しい中国のある工業都市を同時中継していた。一方で祖国が沈んでいくのを見て、悲嘆にくれているツバルの人々を映し、他方で「もう貧しい生活には戻りたくない」と答える中国の人々を映していた。もちろん中国の人々だけを映すのは不当だ。私たちだって同じ側にいる(新興国に責任を転嫁するのは、明らかに既得権益者の視点だ)。

最近、マリ・クレールは「エコ・リュクス」というキーワードで攻めているが、オシャレにエコを取り込もうということらしい。ちょっとキレイゴトすぎる感じもするが、「チョイ悪おやじ」とか言って勘違い消費オヤジを増殖させている某雑誌よりははるかにいい。エコリュクスな有名人50人のエコ自慢も載っていて、筆頭はやはり坂本龍一。音楽家としては超有名だが、近年は平和や環境に対する発言や活動をいっそう強めている。また、「think global, act local」をスローガンに、エコロジカルな視点から社会・文化貢献を目指す新しい音楽コミュニティーとして、「commmons」という新しいレーベルを立ち上げている。マクロビオティックの実践者でもあるらしい。あと、大晦日に引退宣言した須藤元気とか載っていた。「野菜を皮まで食べる」という発言も見られ、やはりベジタリアン志向の人が多かった。

格差社会はこのようなエコな動きの阻害要因になるかもしれない。社会から何の恩恵も受けていない人間は社会に対して恨みが募るだけで、帰属意識など持てるはずがない。地球のことを考えるどころか、モラルはいっそう低下するだろう。しかし、一方で、エコロジーは格差社会が押し付けてくるネオリベ的な価値観から下りるための新しい価値やライフスタイルを提供してくれる可能性もある。ネオリベ=格差社会は勝ち組であれ、負け組みであれ、人間をバラバラにして孤立させる。エコロジーはゴミを分別するとか、安全な野菜を食べることだけではない。人を新たに結び直す思想なのだ。おそらくエコロジーは映画なんかを見て、啓蒙的に押し付けられるよりは、現状を自分で考え抜いた末に到達すべき価値観なのだろう。


marie claire (マリ・クレール) 2007年 03月号 [雑誌]


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2007年01月19日

映画「マリー・アントワネット」公開

marieantoinette01.jpgソフィア・コッポラ監督の「マリー・アントワネット」が1月20日から公開される。ロック・チューンときらびやかな衣装で演出された斬新な宮廷劇が話題になっている。公式サイトの予告編を見たが、ソフィア・コッポラ独特のリリシズムとポップセンスが生きた作品のようだ。

主演はキルステン・ダンスト。マリー・アントワネットについて「パンがなければケーキを食べればいいじゃん」って言ったことくらいしか知らなかっと言っていて、フランス史で習うことはアメリカも日本もそんなに変わらないのか。ソフィアはキルステンをマリーと同じく、無邪気でかつ品格があると評価。マリーに関しては、「私はこの映画で、政治的なものではなく、マリーの人物像を描きたかった。興味があったのは、14歳でベルサイユ宮殿に来て、そこでどう成長していくか、そういう人間的な部分」とのこと。

「マリー・アントワネット」は去年の5月のカンヌ国際映画祭で上映されていた。しかし、観客の反応は芳しいものばかりではなかった。ソフィアは映画祭の座談会で、マスコミ向けの上映会でブーイングが出たことに対し、「フランスでマリー・アントワネットの映画を見せているのよ。仕方ないわ」と反論した。また「万人向けの作品ではなく、好き嫌いがはっきりした方がいい」とも言っている。

巨匠の娘とは言え、アメリカ人の監督がヴェルサイユ宮殿に乗りこんできた撮った映画。フランス人は一言も二言も言いたかったに違いない。舞台は紛れもなく実物の宮殿であるが、登場人物たちは英語を話している。バックに流れるのは優雅な宮廷音楽ではなく、イギリス系のロック・チューン。フランス人が違和感を覚えないはずはない。それにしても、ギャング・オブ゙・フォー、ザ・キュアー、ニュー・オーダーを使うなんて耳を疑う。ルイ王朝の時代に流れる80年代ニューウェーブってどんな感じなんだろう。音、映像、ストーリーを含めた一種のコラージュやリミックスの発想なのかもしれない。

お父さんフランシス・コッポラの「地獄の黙示録」に使われていたドアーズの「ジ・エンド」も映画に決定的な色合いを与えていたが、ソフィア・コッポラの過去作品、「ヴァージン・スーサイズ」や、東京を舞台にした「ロスト・イン・トランスレーション」でも音楽の使い方が注目された。「ヴァージン」ではフランスのユニット、エール AIR が、「ロスト」では MY BLOODY VALENTINE のケヴィン・シールズ Kevin Shields が起用された。エールのサントラはアルバムとしても十分聴ける完成度。ノイズギターが凄かったマイブラはすっかりご無沙汰だが、90年代の最高のバンドだった(「Loveless」は必聴)。

cyberbloom

★サントラのラインナップを見ていたら、クラシック、2000年以降のロック、そして80年代ニューウェーヴもの、という構成になっているようです。TVのCMで流れているのはニュー・オーダーですね。彼らは今でも現役のバンドですが、ここで使われているのは81年のデビュー曲 "Ceremony"で、あ〜ソフィアってこういう音好きなんだなーと思いました。それから最近急に聴きたくなってヒット曲集を買ってしまったBow Wow Wow という、これも80年代のバンドの曲が多く使われていてびっくりです。ボーカルの女の子はモヒカン頭で話題を集めた、とか懐かしい記憶がよみがえってきます…ファッションも特筆すべき項目の一つですね。この当時を扱った作品ではあまり見たことのないような、キャンディーやマカロンを思わせる淡い色彩の軽やかなドレスや装身具が印象的です。靴は有名デザイナーのマノロ・ブラニクが担当。ファッションの仕事に携わってきたソフィアのセンスがあらゆる所で感じられます。

by exquise


「マリー・アントワネット」公式サイト

★関連エントリー
音楽で観る映画(5)−ヴァージン・スーサイズ
AIR-THE VIRGIN SUICIDES
カンヌ映画祭開幕!

★関連DVD
ヴァージン・スーサイズ
ロスト・イン・トランスレーション

★関連視聴コーナー
MY BLOODY VALENTINE/SOON
AIR/PLAYGROUND LOVE


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2007年01月05日

大晦日はK1を見て過ごした

■去年出版され、注目された本のひとつにロバート・パットナムの「孤独なボウリング」がある。アメリカでは孤独にひとりでボーリングをする人が増えているのだという。それはアメリカがどれだけ人間のつながりに乏しい社会になったかを象徴している。社会的な信頼や市民参加の衰退は、経済的停滞、不平等拡大、犯罪増加、健康不安、学力レベルの低下へと連動していく。
■言うまでもなく、日本でも同じことが起こっている。格差社会、ニート、愛国心、すべて社会関係資本の観点から説明できる。愛国教育はそういう崩壊した共同体から弾き出された個人を強引に再統合しようという戦略だ。パットナムはテレビなどの個人的な娯楽メディアが社会不信の要因のひとつと考える。個人の娯楽や個人の利便性の追求(つまりは個人消費主義ってことだが)は、まず社会の最小単位である家族を破壊する。例えば、コンビニは家族間の重要な行為である食を破壊するだろうし、テレビは家族が向き合う時間を確実に奪ってきたことは言うまでもない。
■今や日本はアメリカを越えるテレビ大国だ。そのテレビ大国の誕生にCIAが関わっていたというショッキングな事実を明らかにした「日本テレビとCIA 」も去年出版された。何やら謀略論めいたタイトルだが、CIAの新しい資料から、CIAが資金と技術を提供して、正力松太郎の日本テレビ放送網を支援していた経緯が明らかにされている。それはマッカーサーによるアメリカ占領期から反共政策の一環として始まった。アメリカの情報戦は戦後という断絶なしに継続していることをメディア史が物語っているし、今日の日本のメディアの性格も理解しやすい。

夢と魅惑の全体主義 日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」 孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生

■ところで、大晦日は「K1 premium 2006 dynamite」を見て過ごした。大晦日の9時ごろに実家にたどりつくと、テレビがついていたので、そのまま見てしまった。今は格闘技には興味はないが、小学生のころプロレスに夢中になった時期があった。当時と言えば、アントニオ猪木とストロング小林の名勝負(1974年)があったし、異種格闘技戦の流れで言えば、猪木が寝た状態でひたすらローキックで攻めたモハメド・アリ戦(1976年)があった。またプロレスにスピードをもたらした藤波辰巳の登場(1978年)も新鮮だった。今回に関して言えば、やはり山本KID(北京オリンピックを目指しているとは知らなかった)の研ぎ澄まされた肉体と動きから放たれるオーラは凄かった。
■多少熱が入りながらも、いくつか気になったこともあった。とりわけ試合前の大仕掛けなスペクタクルと、選手を戦いへと動機づけている物語に関して。番組の中で「子供たちに夢を与える」とかいうディスクールが連発され、実際に子供たちがスペクタクルに動員されていた。桜庭がボコボコにされたシーンなんて、子供にすればショッキングな残酷なシーンだろう。フェアなルールにのっとっているとはいえ、「暴力が肯定され、暴力が解放される場(K1は明らかに暴力の過剰が売りである)」がどうやって子供の夢になりうるのか。「リアルタイガーマスク」のエピソードも確かに感動的な話だ。しかし、オリジナルの「タイガーマスク」が傑作と言えるのは、子供の夢と暴力が結びつくことの不条理を問題にしていたからだ。「子供たちに夢を与える」というのは、究極のゴールデンタイム、つまりNHKの紅白の裏番組として、暴力を上演することの言い訳なのだろう。あれはどう見ても、18禁の大人限定のスペクタクルだ。おそらく欧米ではそう扱われるはずだ。余計な物語=言い訳(pré-texte)で、キレイな口当たりの良いものにする必要はない。そもそも格闘技にはいかがわしさと不条理さはつきものなんだから。
■格闘技にはまる若者が多いのはよくわかる。「殺れ!殺れ!」ってな具合で、ストレスのはけ口には格好のものだし、何よりも一体感を味わえる。社会的立場が弱ければ弱いほど、強いもの、マッチョなものに惹かれるというパラドックス。会場と視聴者の一体感を演出するスペクタクルは全体主義的なイメージに彩られていたが、共同体から疎外されれば疎外されるほど人間は一体感を希求する。番組の演出を見ていて、そういう心理が実感できた。小泉前首相はそういう部分にうまくつけこみ、若者を動員した。安倍首相も同じことを目論んでいるのか。北朝鮮情勢といえば、日本は蚊帳の外に置かれたまま、そこそこ落ち着き、安倍さんは威勢よくコブシを振り上げられない。結局政治家としての売りは北朝鮮でもめると勢いづく、あのワンパターンな身振りだけ。そのうちそれも通じなくなるだろう。
■テレビという媒体が登場する以前からの大衆動員型のイベントは存在していた。それはファシズムであり、共産主義であり、戦時中の総動員体制であったが、右左にかかわらず、一般大衆に向けた壮大で崇高なイメージの上演は不可欠だった。井上章一(「美人論」で有名)が去年著した「夢と魅惑の全体主義」は人々の社会参加が極限に達した1930年代の政治のスタイルとパフォーマンスを建築から読み解いている。イデオロギーは論理的に理解されるのではない。美意識(カッコよさ)や情緒的なものを通して刷り込まれる。全体主義は魅惑的なのだ。これがもっともやっかいな事実であり、これを踏まえないと批判もままならない。


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2007年01月04日

雑誌ナナメ読み COURRIER JAPON 2007年1/18号

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2007年 1/18号 [雑誌]■ブログでも何度か紹介している一押しの雑誌「クーリエ・ジャポン」。海外メディアの記事を編集して、「世界から見た日本」を多様な視点から提供している。この前(先月22日)、日本経済新聞が1面を使って紹介していた。
■多くの有名人が読んでいるらしく、この雑誌に賛辞を寄せている。「いかに自分が接してる情報が限定的か、思い知らされる」(福田和也)、「保守化、あるいは思考停止の時代にあってこそ、私たちは目を外に向ける必要がある」(藤原新也)、「まずは他の国に見えている日本の像が大事」(池澤夏樹)など。自己像は本質的に他者を通してしか結ばれない。いくら「美しい国」とか言っても、他者の視点をとりこめなければ、ひとりよがりな自己像を肥大させることにしかならないのは当然のこと。
■創刊当初は30代男性の読者を想定していたようだが、ふたを開けてみると20代前半と女性の支持が多かったという。

■ところで、今月号にはフランス、韓国、イランの東京特派員の対談が掲載されていた。テーマは「日本の2006年」。フランス代表は左派系のリベラシオン紙の特派員、ミシェル・テマン氏。彼の発言を拾ってみよう。
■まずはライブドア事件について。まずあの事件は基本的にバッシングで、「ホリエモンはヤクザまがいの経営者で、財界をクリーンにするには彼を追放しなくてはならない」というトーンで報道されていたと指摘。しかし、財界にはホリエモン以上にダーティーな人間はたくさんいる。結局、「ライブドア事件は政治家たちのホリエモンに対する復讐劇」で、「金持ちになりたければ、汗水たらして時間をかけてステップアップすべきだと多くの人が考えている」ことの表れだったのではないかとテマン氏は述べている。この論点は本ブログの「オジさんのくせにパブリック言うな」と重なる。
■さらに最近の日本のメディアの報道姿勢には「ここは日本なのか、北朝鮮なのか、つぶやいていしまうほどです」と。「報道の自由がしっかりと保障されているにもかかわらず、自己規制の仕組みがとてもメディア内に強く働いている。外国メディアから見ると、それはとっても不思議なこと」らしい。やはり記者クラブ制度が最大のガンのようだ。それだけメディアに守られているにもかかわらず、次から次へとボロを出す安倍政権って一体…。
■テマン氏の2007年の最大の関心は日本の核武装だそうだ。日本の政治家に取材するとみんなその話をしたがるらしい。核武装をしたくてしょうがない政治家がそんなに多いのか。
■日本にはドキュメンタリー番組が少ないという指摘もあった。フランスではよくドキュメンタリー番組がよく放送され、それが自国の歴史と記憶と向き合う機会になる。日本では歴史(特に現代史)はタブーで、それを考える情報や論点すら提示されない。フランス人はドキュメンタリー番組を通して、日本の歴史についてもよく知っていて驚かされる。

■今月号は「ロハス特集」。日本ではエコロジストはまだまだ少数派だし、ベジタリアンなんていうと「肉が食べれないかわいそうな人」とみなされる。欧米ではそんなに特異なことではなく、多くの有名人がベジタリアンとして名を連ねている。それにエコライフは実際にやってみるとそんなに大変なことでもなく、日常的に無理なく楽しめることのようだ。特集で紹介されていたロンドン郊外の「エコ分譲住宅」にはぜひ住んでみたい。既成のものを買うのではなく、自分の置かれている状況を考え、自分でアイデアを出したり、実際に作ってみる。これが重要な転換点になるのだろう。
■イギリスではラディカルな直接行動に訴える若者も増えているという。06年9月にノッティンガムのイースト・ミッドランズ空港の滑走路を4時間にわたって平和的に占拠し、航空機がもたらす環境破壊に関心を向けるように訴えた「プレーン・ステューピッド」(公式サイトはコチラ)という新手の環境保護団体がいる。彼らは「一刻の猶予も許されない。遅くとも15年後までに、一般のライフスタイルを大きく変える必要がある。そのためにも、政府側からの大々的な働きかけが早急に求められている」と主張する。これはFBNで紹介したフランスのANTI-PUB(反広告運動)ともパラレルなグローバリゼーションに反対する動きだ。イギリスではケータイに反対する運動家たちが基地局の打ち壊しをするという話も聞いたことがある。
■「ライフスタイルを根本から変える必要がある」という主張はおそらく正しいのだろう。地球温暖化の影響が身近に感じられるようになり、漠とした不安を感じながらも、「一刻の猶予もない」という切羽詰った感覚は多くの日本人にはない。政府の環境対策も企業に反対されていつも骨抜き(献金たくさんもらっているからね)。政府のエコロジーに関するスローガンときたらいつも「ひとりひとりの心がけ」。確かにそうにちがいないのだが、個人に責任転嫁しているとしか聞こえない。やはり政府主導で法整備をして、国民の行動を方向付けしなければ、誰もやるわけがない。何のための環境省だ。
■「運動の過激化は逆効果になりかねない」という批判もある。「いま必要なのは、国民全体が環境問題を直視することであり、そのためには全体の関心を引き寄せるような言葉を選ぶ必要がある」。「滑走路に座り込むのが現実的な解決策だと思うのは勘違いだ」と。消費至上主義を全く疑わない日本人にとって、全くリアリティーのない議論だが、まさに日本人のような人々をいかに環境問題に向き合わせるかなのだろう。

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2007年 1/18号 [雑誌]


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2006年12月11日

教育基本法の改悪反対の声をあげませんか

友人から「教育基本法の改悪反対の声をあげませんか」とのお誘いを受け、緊急署名しました。以下に転載させていただきますので、みなさんもぜひ。本人には本意ではないかもしれませんが、一応、友人の個人名は文中から削ってあります。

みなさんへ

こんばんは。教育基本法の大改悪反対の件で我慢ならず、長文メールを打っています。(転載自由。特に「緊急署名」の欄だけでも転載歓迎)

御存知の通り、愛国心の涵養を明記し、「民主的」の文言をすべて抹消し、国家による教育現場の統制をもたらす教育基本法の改悪が大詰めを迎えています。法案は衆議院を通過し、参議院で承認される手前にきています。

とはいえ、法案通過が本当に決定的になったわけではありません。「世論の声をしっかり聞いたから」という与党の理屈は、やらせの発覚によって吹き飛びました。「100時間以上も十分、審議した」と与党側はいいますが、実は、議事録を読むと、「なぜ、いま、教基法を変えるのか」に関してはまったく議論されていません。地方公聴会(神戸など)では、与党の推薦人までもが、「教基法を改正する理由がわからない」「審議時間が少ない」と言い出す始末です。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061205-00000065-mailo-l15
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061205-00000203-mailo-l28

また、教員・市民を中心とする運動も盛り上がっており、教基法改悪の大きな歯止めとなっています。先週、国会前には連日、全国から多くの人が詰めかけ、集会や座り込みしました。この寒空の下、ハンストや座り込みをむ人々には頭が下がる思いがします。また、毎週火曜日の国会前集会も10回を数えました。私は12/5の会に行きましたが、若い女子学生が拡声器で国会に「やらせなんてふざけるなー、このやろー!」と叫んでいたのが痛快でした。もちろん、国会前だけでなく、日本各地でさまざまな抗議行動がおこなわれており、反対の声明もさまざまな団体や有志グループから提出されています。

来週15日、今国会は閉会されますから、いよいよ山場を迎えています。与党は一気にかたをつけるつもりで望むでしょう。大手メディアは自民党の「願望」を伝える道具と化しているので、「教基法は成立する見込み」といった語りを垂れ流しています。しかし、実は、法案採決の日程はまだ与党から提出さえされていません。世論調査でも、教基法改正には慎重意見が多く、幾分――あくまでも、幾分――与党は押されているのが実状ではないでしょうか。愛国心教育へと国家がおおきく舵を切る前に、もっともっと押し返す必要があります。

賛同される方ができることはいくつもあります。簡単な順番に記しておきます。

1)誰でもすぐにできることとして、まずは、緊急署名にできるだけ多くの声を届けること。

「【アピール】公述人・参考人として教育基本法案の徹底審議を求めます」への市民緊急賛同署名
〆切12月13日(水)午前10時。
ネット署名としては、とんでもない勢いで署名者数が増えています。

 http://www.fleic.dyndns.org/cgi-bin/appeal1206.cgi

2)時間のある方は直接行動。

教基法改悪阻止の運動を、この3年間、日本全国で積み上げてきた運動に、「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」があります(呼びかけ人:大内裕和、小森陽一、高橋哲哉、三宅晶子)。組合や教師だけでなく、一般市民にも開かれた運動です。

 http://kyokiren.seesaa.net/
 http://www.kyokiren.net/

「全国連絡会」による直接行動としてはさしあたり以下のものがあります。
・12月12日 緊急院内集会 16時半〜17時半
 参議院議員会館第1会議室にて
 国会前集会 18時〜
・12月14日緊急国会前集会 18時〜
・14日、15日は9時から17時まで 廃案においこもう!すわりこみ

★「ヒューマン・チェーン」★(人間の鎖)
12月13日(水)午後5時集合〜
場所●参議院議員会館前(有楽町線永田町下車)
午後5:00〜6:00  
キャンドル・ ヒューマン・チェーン
コール&リレートーク<呼びかけ人&国会議員など>
「教育基本法「改正」反対市民連絡会」などが主催

政治不信をもたらすニュースが最近、続いています。タウン・ミーティングのやらせでは、一回2.000万円をかけて、人件費3万-90万/1人1日を無駄遣いして、この「政治ショー」をすべて電通などに丸投げしていました。防衛庁の省庁更新に関する法案もすんなりと可決されてしまいました。共謀罪法案も眠ったふりをしながら、つねに待ち構えています。

また、外資からの政治献金規制を解除する政治資金規正法改正案が衆議院を通過しました。今後は、外資が日本大企業を統御し、その献金を通じて、日本の政治に触手を伸ばすことが可能となりました。派遣労働法も、「3年雇用の後に正規雇用の義務」という条項が外されようとしており、非正規雇用者は「再チャレンジ」とは程遠い世界に追いやられようとしています。そして、「一般のサラリーマンに企業は時間計算で残業代を支払う必要がない」(ホワイトカラー・エクセプションの拡大適用)、という驚天動地の労働法改正はこれから審議されるところです。

最近では、「小泉劇場」以後の異常な予算が明らかになりつつあります。小泉以後、内閣府の広報費に年間7億円が支払われてきたというのです。つまり、「官邸ホームページ」「メールマガジン」「テレビ・新聞・雑誌など」の広報に 1日200万円 の費用をかけています、しかも、特定の業者との随意契約(丸投げ)で。(以上、詳しくは保坂展人のブログを参照。)

何らかの形で歯止めをかけないと、復党議員を吸収した大翼賛化与党のやりたい放題は止まらないのではないでしょうか。以上、長文を失礼しました。

PS とりあえず、国会前集会でのアベ首相のコントでもどうぞ。



PST

★FRENCH BLOOM NET に PST さんから緊急の書き込みがあったので、こちらにも転載しておきました。大学では何か他人事のような雰囲気ですが、教育基本法改悪に大学が影響を受けないはずがないと思います。


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2006年12月05日

滝川クリステル

フランス→クリステルと来れば、かつてはシルビア・クリステル(笑)が真っ先に想起されたが、今は満場一致で滝川クリステルだろう。

フジテレビの夜のニュース、「ニュース JAPAN」でキャスターを務めている。本名は、滝川ラルドゥ・クリステル(Lardux Christel)雅美、お父さんがフランス人なんだそうだ。パリ生まれで、3歳のとき日本へ。

もうひとりのキャスター、松本方哉氏はアメリカ通で知られている。ときどき外国人のゲストを相手にベラベラ英語をしゃべっているが、クリステル姉さまのフランス語を一度聞いてみたいものだ。

「クリステル姉さま」という呼称は「くりろぐ」というブログからのパクリだが、これは何と「毎日の滝川クリステル姉さまについて考察を重ね、熱き血潮を滾らせる」、「滝川クリステルに特化したブログ」で、彼女の服装や表情の移り変わりを毎日詳細にレポートしている。ちょうど去年の今頃、「くりろぐ」を紹介したが、まだ続いている。「特化」と「継続」は力なり。ブログをやる上での基本姿勢だ。

ところで先日新聞を読んでいたら、「週刊文春」の広告欄に「懸念される滝川クリステルの左傾化」と見出しがあり、思わずコンビニに駆け込んで記事を確認してしまった。この見出しを見れば、大本営発表化する既成メディアのニュースで、それに風穴を開けようと滝川クリステルが孤軍奮闘している、と誰もが想像したくなるだろう。さすが彼女には革命の伝統がいまだに息づくフランスの血が流れているんだと感動したかったが、何のことはない、左傾化とは「ニュース JAPAN」のあの変なカメラのアングルのことだった。

確かに左に傾いている(でも右に傾いているとも言えるよな)。文春のライターも書いていたが、クリステル姉さまの顔に見とれていたら、ニュースの内容なんて頭を素通りしてしまうし、松本キャスターの影もいっそう薄くなる。松本さんがアメリカ通だろうが、英語で気の利いた質問をしようが関係ない。あのアングルは少しタレ目なクリステル姉さまをいかに見(魅)せるかということから導き出されたのだろう(実際 Wikipedia に番組スタッフの証言があった。やっぱりそうなんだ)。それによって伝達される情報量はさらに減少させる。映像の左傾化による情報の右傾化作戦だ。「事実を多面的に切り取る」というメディア本来の役割を完全に捨ててしまったメジャー・メディアのニュースなんて、もはや情報としての価値は全くない。結果的に「くりろぐ」のような視点が「ニュース JAPAN」の最も正しい見方と言えてしまう。

一方で、個性的な男性キャスターをアシストする控えめな女性キャスターという構図は根強いが、思い起こせば逆にリベラル系のニュース番組の方が男性優位の絵を演出している。そんな中で小谷真生子がキャスターをしているテレビ東京の経済系のニュースなんかが見てていちばんリラックスした感じがする。


cyberbloom

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2006年11月17日

飲みました

henryfessy.jpg奇しくも今回の投稿日はボジョレー・ヌーヴォー解禁の翌日。最近のフランスではワイン離れが目立っているというし、先日の tk さんのエントリー を読んでも、解禁日をありがたがっているのは今では日本人だけなのかなあと思う。毎年踊らされているなと感じつつ、今年も我が家にはネット経由で解禁日当日に届いたボジョレーが3種類もある。私はふだん食後(というより寝る前)に、もっぱら白ワインかスパークリングものばかり飲んでいるし、赤を飲むとしたら軽いものが好みなので、ワイン飲みとしては邪道な部類に入るのかもしれない。だから逆に若い味のボジョレーは自分には飲みやすいし、先日日本酒の新酒を飲んで、作りたてのフレッシュな味というものにあらためて感心したところなので、早速到着したばかりのボジョレーを開けてみた。Pst さんを差し置いて恐れ多いのだけれど、しろうとの感想だと思って軽く聞き流して下さい。


さて、今回購入したのは

1. Beaujolais vin de primeur 2006 Philippe Pacalet
2. Beaujolais villages nouveau tradition 2006 Henry Fessy
3. Beaujolais villages primeur Château du Montceau "Les lapins monopole" 2006


の3種。今日は2のアンリ・フェッシー(写真)を飲みました。これは去年も飲んだのだが、一緒に飲んだ方に、「ボジョレーはあまり好きではないけれど、これはおいしいですね」と言われたので、今年も買ってみた。アンリ・フェッシーのボジョレーは「トラディション」という名前が象徴しているように、昔ながらの作り方を重要視して、樹齢50年以上の古樹のブドウを用い、補糖もなし、フィルターを軽めにして瓶詰めしているワインだそうです。


「ブーケが・・タンニンが・・」と表現できたら最高なのだろうけれど、年がら年中鼻があまりきかない味音痴なので繊細に言い表すこともできず、言うならば第一印象は「あっさり」(何てヒネリのない言い方・・トホホ)。去年のほうが濃くて深みがあったような気がする。けれども、たまたま家にあった合鴨のサラダをアテにすると、とても美味しくなったし、時間が経つと味わいが増してきたように感じる。何よりも鼻にぬける香りがフンワリ快い。今日は1本飲みきれなかったので、明日の夜残りを飲んでみようと思うのだが、それでまたひと味変わってきそうで、これも楽しみ。


明日はまた、1のフィリップ・パカレのボジョレーを大学の先生方と飲んでみる予定。フィリップ・パカレのワインはブドウの出来具合で、酸化防止剤である亜硫酸塩を入れたり入れなかったりするそうで、よりブドウの味そのものを味わえそうです。これからしばらくはボジョレー三昧の日々が続きそう・・でも Pst さんもおっしゃるようにお祭り気分で楽しみたいな〜。ところで Pst さんの飲まれたボジョレーは何でしょうか。感想を期待してます!



exquise@extra odrinary #2

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2006年11月15日

ボージョレ、解禁間近

ボージョレの真実今週木曜日(11月16日)はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日。

本ブログでも tk さんがすでに記事(11・04)を書いてくれています。
 
「買わない」と即答されたというフランス人の方とは違って、ぼくは毎年毎年、お祭だと思って、店頭で何種類か試飲し、べつの店にも行って試飲し、最後に2、3本買って家でも飲みます。もちろん一気にぜんぶ飲むわけではありません。

お祭の余韻は適度に長いほうがいい。

というわけで、当日は試飲と自分の買った一本を空けて、その半分ほどを飲みます。ビールを飲んだり、他のワインを楽しんだりするので、買ってきたボジョレーはだいたい1〜2週間のあいだに空瓶と化していくというのが、ここ数年、11月第3木曜日以降の「ワインの日々」です。
 
ですから、今度の木曜は楽しみでもあり、習慣になってしまったという一抹の寂しさもありという一日なのです。

ところで、今年の出来はどうなのでしょう?
 
毎年毎年「すばらしい」「最高の出来」などの美辞麗句が乱れ飛ぶボジョレー商戦ですが、あまり信用できない(当たり前ですね)。特に去年2005年が最上級の讃辞をべったり貼り付けて販売されていたわりには、じつは「そんなに美味しくないじゃん」と思った僕です。過剰に美味しさを煽るのは反ってボジョレー離れをひき起こすのではないでしょうか。「なんだ言うほど美味しくないね」=「来年はいいや」。ワイン飲みとしてはみんなが飲んでくれて、たくさん輸入される=値段が下がることを期待しております。

今年のブドウは平年並みということなので、いつもどおりのボージョレを期待しつつ、それでも「あっ、美味しい」という一本に出会えることを夢見て、店頭をうろうろ、懐には何本かを愛おしく抱えて帰宅することになるでしょう。

ボージョレ・ヌーヴォーを何本も買うの?と訝るあなた、生産者ごとに味が違うことをぜひとも強調させてください。いいわけともいいますが、これはまぎれもない真実です。

飲酒運転の取り締まりのあおりで(それともやっぱりまだ不況?)店頭試飲をしないところが多いようですし、どの輸入メーカーも値段を少々上げて販売するようなので、お祭としてみると、今年のボージョレ・ヌーヴォー解禁日はちと寂しい。世知辛いです。

今年のヌーヴォー商戦はずばり「希少性」のようです。

これってやっぱり「味」に期待できないってことですか?


ボージョレの真実
ボージョレの真実
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Pst

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2006年11月04日

ボージョレ・ヌーボー解禁前

フランス語の授業中。
近接未来形(aller+動詞不定形)の会話の練習の時のこと。
先生(フランス人男性)に、何気なく「ボジョレー・ヌーボー買います?」と、文法も活用も発音も間違いまくって、訊いてみた。
先生は即答で「買わない」

理由は、「新しすぎて、深みがない」というような事を仰っていました。どうやら、先生の好みではないようです。
「ワインは寝かせて、年月経たないとおいしくない」そうです。
ついでに「ワインも男も年をとると良いね〜」なんて事を仰ってましたが、誰かがすかさず「女は?」と聞いたら、「女の人は年取ると意地悪になる(笑)」そうな。痛い目でもみた(みてる?)のかしら??と勘ぐってみたり。

そのとき、酒酔い対策として、お酒を飲む前30分から1時間まえに、スプーン2杯のオリーブオイルを飲んでおくのがフランス流だとか。
お酒飲む前の牛乳みたいなものでしょうか。
ちなみにほぼ下戸のtkですが、牛乳嫌いなので、お酒飲む前にも牛乳は飲みません。かと言ってオリーブオイルもどうかな〜。


tk

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2006年10月04日

ノワゼットのおフランス便り(3) ビオ&ベジタリアン三昧

IMG_0638 (2).JPG「ベジタリアンのレストランよろしく」と電話で言ったのを、イタリアンと聞き違えられてイタリアンに連れて行かれそうになったところ、ベジタリアンに近いお店(実はサロン・ド・テ)が目の前にあった。待ち合わせのノートルダムドロレットの駅の近く。「ここもおいしいし、肉とか使うお料理じゃないから」と言われ、入ってみました。店内はシックでエレガント。ビオ(=オーガニック)ではないものの、大変おいしゅうございました。ワンプレートながら結構なボリュームで、大きめのほうれん草キッシュにお豆のサラダ(キッシュとサラダの種類はチョイスできる)などなどで、ドリンク付13ユーロ。昼からちょっと高い(私には)ですが、奢りということで。

■LES CAKES DE BERTRAND, 7 RUE BOURDALOUE

後日、「ビオのベジタリアン」と注文がうるさい私のために、同じくビオに関心のある彼女(ビオは買いたいんだけどフランスは高くてなかなか手が出ないとのこと)は、ムフタール街の、これまたおしゃれなビオ・レストランに連れて行ってくれたのでした。場所柄と夜のせいもありちょっとお高めですが、メイン料理が「てんぺ」だの「とふ」だの、あと名前を失念したのだけどグルテンで作ったもどき肉(食感はきのこっぽい)といった完全マクロビオティック食。にも関わらず洗練されていて、こちらもワンプレートでしたがボリュームはたっぷり。一番安いセットで14ユーロ弱。見た目も美しく写真を撮らなかった私はブロガー失格です。食後にティザンヌ(=ハーブティー)を飲むのがベジタリアン風だということで、ティユールとカモミーユをいただきました。よく寝れるとのこと。テーブルに「ゴマシオ」という調味料が置いてあったのですが、日本のと似ても似つかぬものですた。

■LES CINQ SAVEURS D'ANADA, 72, RUE DU CARDINAL LEMOINE

なんかムフタールは平日にも関わらず、(アメリカ人らしい)観光客で賑わってて、パリジェンヌの友人もちょっとびっくり。ヨーロッパ景気いいんだなあー。それにひきかえ日本人はあまり見かけなかったんだけど、1ユーロ=150円が大きな壁になっているのでしょうか。ぶらぶらセーヌのほうまでお散歩したんだけど、世界各国のレストランがある中おしゃれなベジタリアンの店が結構あちこちあるのに気付いた。最近のブームなのか?チベット料理屋も二件並んであった。チベットも結構ベジタリアンらしく今度はこれにトライしようということに。

そういえばビオ・コープ(=オーガニック生協)も行ったけど、平日なのにすごい賑わってた。中高年金持ち層(格好はヒッピーぽい人も、左翼インテリの証。でも日本と違って?お金持ちだったりする)、あと男性の独り者っぽい人もちらほら。働いてる男性がなんかホモっぽそうな人が多かった。でもとても親切ですた。「ノキア入りパスタ」ってのが何だかうまそうだったのでノキアって何?とか聞いたら少し慌てて、現物持ってきて見せてくれた店員のお兄さんとか。ちなみにこのノキアってメキシコの穀物の一種で見た目は稗・粟って感じ。スーパーにあるポリ袋のつもりで「袋ください」と言ったら実はエコバック(とうもろこし澱粉から作った、燃やしてもダイオキシンのでないもの)でしかも売り物だったのですが、無愛想ながら「ホントは売り物なんですけどあげますよ」ってくれたレジのお兄さんとか。ラッキー♪、いや、いつもはマイバッグなんですよ。今回もちゃんと買ったものを詰めるためのリュックを持ってったんだけど、思いのほか買いすぎて入らなくなってしまった。ちなみにホントは6サンチーム(=9円)なんだって。パリ13区、グラシエール通り55番地。平日午後2時からしか開店しませんのでご注意。

本文と関係ないけど、写真はマンガ・カフェ。フランス版、マンガ喫茶ですた。実はヨーロッパ初上陸の店らしい!インターネットしたり飲み物も飲み放題で時間制、ほぼ日本と同じシステム。

noisette

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2006年09月30日

ディープインパクト、凱旋門賞に挑戦、フランスの直前現地情報!

ロンシャン競馬場は今や5万5千人の観客を迎え、200カ国10億人がテレビで観戦すると言われているが、今年はディープインパクトの出走で日本の競馬ファンが盛り上がっている。発走時刻は10月1日午後5時35分(日本時間10月2日午前0時35分)。「イギリスのブックメーカーによると、日本時間30日午後6時現在で、3・75倍でシロッコと並び2番人気になっている。1番人気は3・5倍のハリケーンラン」とニュースにあったが、最新情報では1番人気?日本のファンが買っているのだろうか。

★イギリスのブックメーカーのオッズがまとめて載っています。コチラをクリック。

まずは30日付の仏「リベラシオン紙」に今年の凱旋門賞に対する日本の競馬ファンの熱狂ぶりが報じられている。

ディープインパクトの出走が決まってからフランス・ギャロップ(レースの主催団体)の電話が鳴りっぱなし。お祭りに参加したいという問い合わせが来ない日はなかった。200人近くの日本の報道陣が競馬場の国際プレスセンターの3分の1を占拠するだろう。去年、凱旋門賞は5万人の観衆を迎えたが、今年は「日出ずる国 pay du Soleil levant」から5000人から1万人の競馬ファンがやってくる。東京パリの往復便はどれも満員だ。
競馬は日本でもっとも人気のあるヨーロッパのスポーツのひとつだ。日本では年間240億ユーロ(1ユーロ=150円)のお金が賭けられる(フランスでは80億ユーロ)。ジャパンカップには14万人が参加し、賞金総額は360万ユーロ。国際的に活躍するジョッキーたちは東京の道端でサインを求められ、一緒にファンとポーズをとる。フランスのスターである、オリビエ・ペリエは2ヶ国語で自分のサイトを運営しているが、フランス語と英語ではない。フランス語と日本語なのだ!彼の友人でもある、日本の最大のジョッキー、武豊は日本のモード雑誌の表紙を定期的に飾っている。
何で日本人はこんなに競馬に熱狂するのだろうか。イギリスやアメリカでさえこれほどの絶頂には達してはいない。ひとつは賭け事の趣味がある。他の大半のアジア人と同じように、日本人は様々な種類の賭け事を楽しむ。ふたつ目は、日本と他のアジアの国の違いを際立たせているのだが、それはアメリカの影響である。香港やインドやシンガポールはイギリスの植民地として、イギリスの影響のもとに競馬を発展させてきたが、日本は1945年以来、パートナーのアメリカの影響下にあったのだ。日本では競馬は、時には屈辱的である過去の遺物ではなく、戦後の驚くべき飛躍のひとつの要素であった。3つ目は、日本人は同時代人の最良の人々を神格化するのが好きなのだ。騎手と馬のカップルは、とりわけ馬が美しく、華奢で、速いときには、簡単にヒーローに変わる役柄なのである。(中略)
今回の凱旋門賞ですべての日本人がディープインパクトが勝つことを夢見ている。ディープインパクトは色の濃い服を着た筋肉質の小さな馬だが、パリに運試しにきた最初の日本のチャンピオンではない。ジョッキーの言葉を信じるなら、1999年の凱旋門賞で2着に入ったエルコンドルパサーよりも良い馬だ。それならばディープインパクトは日曜、世界最大のレースで、非ヨーロッパの初めての勝者になれるだろう。また、パリジャンよりも凱旋門賞に詳しい日本人の情熱と競馬文化に報いることができるだろう。
Liberation, 30 septembre 2006

次もネットで見つけた記事であるが、どこで拾った記事かわからなくなってしまった。とりあえず紹介。

「第85回凱旋門賞の注目は日本のチャンピオン、ディープインパクトの存在であろう。日本ではひとつの現象にまでなっていると聞くが、パートナーの武豊は「日出づる国」を揺り動かすような挑戦に打って出る。ロンシャン競馬場では200人以上の日本の報道陣が日曜日が来るのを待ち構えている。もしハリケーンランがアレッジド(77年、78年と2回凱旋門賞を勝ったサラブレッド、それ以降同賞を連覇した馬はない)に追いつきたいなら、大試合を演じ、父であるモンジュー(1999年の凱旋門賞でエルコンドルパサーを破った)よりも良い結果を出す必要があるだろう」

つまり、ハリケーンランの凱旋門賞連覇に立ちはだかるのが、日本から来た馬、ディープインパクトというわけだ。ハリケーンランの父、モンジューは1999年に日本からの挑戦者エルコンドルパサー(2着)を下し、同賞を勝った。そういう因縁を言っているのだろう。
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2006年09月28日

ノワゼットのおフランス便り(1)

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 10/5号 [雑誌]安倍さんが自民党の総裁に選出される直前に用事でフランスに行って、選出された数日後にフランスから帰ってきました。

今回キャセ・パシフィックを使ったのでまず香港までの飛行機の中で国際版の英語新聞を読んだのですが、まあこれは中国よりの意見だからこんなもんだろという感じでした。しかしながらフランスのマスコミでも、日本の政治が批判的にかつ的確な分析とともに連日取り上げられていて、日本だとネットにアクセスしてないと知ることができないような内容が日常的に読めてしまうのでした。だから、フランスの友人たち(インテリに限らないフツーの人も)は日本人以上に日本のことを客観的に語れるし、何より冷静に分析を加えて語ってくれるので大変面白い(時々イヤミとしか聞こえなかったりすることもありますが)。この件以外でもいろいろ議論を吹っかけられますた。

「日本の子供のイジメに関するテレビ放送があって、日本の子供は子供のころから学校の成績が一番になるように親からプレッシャーを掛け続けられるって言ってたけど」と解説を求められたり(汗)。これにはこのように答えましたーっ(汗)。「つまり子供のころから競争が激しくて本当の人間関係が築けないんだよね、だからイジメはフランスの郊外の問題のように暴力的なのではないけれど、もっと陰湿でその子の居場所を奪っていくようなものになる、最悪なのは子供は忙しい親にも相談できず自殺する子供が後をたたない、言ってみれば周りが皆敵なんだよね」。「敵」という言葉に、放送内容に対する理解と一致したようで深く納得されました。皇室問題についてもあっさり「あれらの妊娠は人工的なものでしょう?男だってわかったうえでの帝王切開だったていうし」「日本ではお世継ぎが出来てうれしいんでしょうけど、女の人は子供を生む道具なんだねー」て言われて、Bien sur, c’est une histoire abominable! とあわてて付け加えるはめになったりして、なんか知らないのは当の本人たちだけなんじゃ…って気になってきました。冗談で「なんで革命しないの?」って言われて、「それはフランスの十八番でしょ」と返すのが精一杯。

結局日本て民主主義国家というよりは戦前の、さらには戦国時代の将軍に支配された軍事政権の伝統が支配し続ける国って感じのイメージで見られてるのだなーと。前にもはっきりそう言われたし、ますますアベシの言うこと聞いてると時代逆行してるとしか思えないし。「日本の人たちって、サムライの時代の農民みたいに、為政者にどれだけいじめられても黙って従うんでしょ?」と、革命の国の人たちに言われると返す言葉もありません。

アベシに関しては、「リベラシオン」(格調高い翻訳はこちらにおまかせ♪)はもちろん、「ル・モンド」も「ヌーベル・オプセルヴァトゥール」も「彼は日本の過去の罪を否定し、戦後の平和主義路線を捨てて自衛隊を軍隊にし、核装備も辞さず、軍事路線をまっしぐら、大変怖いヒト」みたいな記事ばっかり(「若くモダンな外見なのに」、という一文は意識的に削除すますた(^^;)。でも、これはひねったイヤミなのか?写真の顔がなんか怖いのね、明らかに日本のマスコミが使ってる写真と違う、ちゃんと反対派のデモの写真もつけてるし)。もちろんヒステリックな書き方じゃなくてきちんとソースを提示して、緻密に分析するのでちゃんと意見の違いがあっても議論(弁証法)になるんだけど(少なくとも表向きは)、日本のマスコミってこれが決定的に欠如してて、なんか圧力があるのかとしか思えない。それとも日本のマスコミがそこまでアホなのでしょうか。おじいさんの過去とか突っ込むのに最高の機会でしょうが。でもほにゃららが怖いのね…うう、ここは言論の自由なんて微塵もない軍事政権国家でしただよ。なんたって「古い政治王朝の子孫」ですもんね、ほにゃららもカルトもケーサツもマスコミも思いのままですた。

とどめは帰りの飛行機。香港の英字新聞(行きと同じようなの)と朝日新聞国際版を同時に見てへなへな。まあ立場の違いを考慮せず比較するのも悪いんだけど(あくまで良心的に言ってですが)、一面の真ん中に「世論調査の結果、安倍新総裁良かった57パーセント」という見出しと、「ほんとかよ」と突っ込みを入れたくなるような、しかもずさん極まりない「全国緊急世論調査(電話)」の、あまりにもバカバカしい「解説」になってない「解説」。一体、何が「良かった」んだか(日本式の丸く収まってよかったってこと?)。他の新聞では、「人柄が信頼できる」が半分を占めてる(テレビで見たことしかない人間の人柄が信頼できるって?)。おいおーい、何にも言ってませんよーっコレ。しかし裏を返せば、この死んでも多くは語るまいというこの堅固な姿勢、良心の残っているマスコミ側からのメッセージかも?とは単なる深読みでしょーかね。
(続く)

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 10/5号 [雑誌]
特集「世界が見た安倍晋三貴公子政権の弱点はここだ!」「日本のマスコミが語らない菊のカーテン」

NOISETTE

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2006年09月26日

ジョニー・デップ&ヴァネッサ・パラディ

paradepp01.jpgFRENCH BLOOM NET(メインブログ)の方に立て続けに2本、ヴァネッサ・パラディのエントリーを書いた。ヴァネッサ・パラディは「パイレーツ・オブ゙・カリビアン」で脚光を浴びているジョニー・デップの妻で、2人の子供まで儲けている。世界の女性たちの羨望の的であるが、そもそも何でジョニー・デップとヴァネッサ・パラディがくっついたの?という根本的かつミーハーな疑問がわいてきた。

で、調べてみたら、こういうのを見つけた。「ヴァネッサ、ジョニーを語る」というインタビュー。フランス語のインタビューだが、英語の字幕がついている。「Johnny on Vanessa」というジョニーがヴァネッサを語るインタビューもあった。

男は最初のうちはキレイだとか、好きだとか、いろいろ言ってくれるけど、恋愛は長くは続かない。だけどジョニーとは見つめ合うだけじゃなく、いろんなことを話したの。「ジョニーは2003年の最もセクシーな男に選ばれましたが、心配になりませんか」という質問には、全く心配ないわ、彼はわたしのものだから、だって。よくよく聴いたらノロケ全開だった。

Vanessa talking about Johnny

Johnny on Vanessa

ヴァネッサが歌うONEって曲(バックで歌っているのはジョニーだという噂はデマらしい)をバックに、二人のラブラブなツーショット写真のスライドショーが展開するビデオも見つけた。どこかのファンの方の手作りのようだ。このONEって曲、泣きの入ったなかなかいい曲。ジョニーのファンはあまり見たくないだろうけど、クールなお似合いのカップルだ。

Johnny and Vanessa“ONE”


cyberbloom


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2006年09月20日

レバノン侵攻、あるブロガー兵士の死

イスラエル軍の伍長(sergent)であるアンドレイ・ブラドナー(Andrei Brudner)、18歳がレバノンで死んだ。その2週間前、彼はブログの最後の記事で前線に送られることを読者に知らせていた。

「僕のことがメディアで語られるかもしれないが、それは長くは続かないだろう。しかし、僕たちはそれを長く続かせるための十分な弾薬を持っている。僕の幸運を祈ってください」

すでにイラクやアフガニスタンで、アメリカのブロガー兵士(ブログをやっている兵士)がすでに何人も死んでいるが、アンドレイは今回のレバノン侵攻の最初のブロガー兵士となった。爆撃の向こう側、インターネットの世界にも戦争が広がっている。

少し古い8月13日のル・モンド紙の記事。日本の終戦記念日の2日前の