2009年11月24日

世界的な農地独占の動き

国内生産だけでは自国民の食料をまかなえない国々が、国外で農耕地の確保に乗りだしている。

2007年以来、第一次農産物が急激な値上がりし、食料をめぐる暴動がいくつも勃発した。そのため多くの国々にとって、食料自給率を確保するために農耕地の獲得が最優先事項になっている。中国などはその代表格で、「中国は10%の農耕可能地でもって、世界人口の22%を占める人々に食料を供給せねばならない」と農業コンサルタントのアクセル・ドゥ・マルテーヌは解説する。

こういったわけで中国人たちは土地探しに乗りだし、結果として、中国の約40社の農業関連企業が5大陸30カ国に居を定めることとなった。2007年以来、土地獲得のために中国当局は15億ユーロを支出している。これら農園ではおもにコメ、大豆、トウモロコシといった中国で不足している食料品を生産している。こうしてカザフスタンの土地のおよそ400平方kmが中国に譲られることになったのだ。一見すると、こうした構図は(たいていは貧しい)国々にとって、投資の恩恵を受けるのだから、おいしい話に思われる。けれどもこのやり方はそれ自身の限界を抱えもつ。「中国は自国から労働力と種をもちこみ、また生物多様性の現地事情をほとんど考慮に入れていない」とスペインのNGO組織であるグランは指摘している。

加速する取引

中国と国境を接する国々もまた、大々的にこうしたプロジェクトに乗りだしている。韓国は肉をまかなうためにアルゼンチンで土地を手に入れた。日本は植物油と砂糖を求めてエジプトに、インドはパーム油を求めてマレーシアに興味をもつといった具合だ。忘れてはならないのがロシア、そしてサウジアラビア、カタール、クウェートといった湾岸諸国で、これらの国々もまた農地独占に乗りだしている。当然、こうした動きが世界中の同意を得ているわけではない。マダガスカルの世論は、2008年秋にラバロマナナ大統領が130万ヘクタールもの土地を、なけなしの金で韓国の大宇に売り渡すのに同意したことを支持しなかった。そして暴動によって政権が転覆させられ、そのあとを引き継いだ政府は取引を中止した。

ともかく、世界のNGOや国際組織を結集した国際土地連合(ILA)によると、2009年上半期において、取引交渉の対象となった土地は3000万ヘクタールにのぼるとみられ、これはフランス国内で開拓された土地(2750万ヘクタール)をわずかに上回る。あるひとつの動きが加速している。2008年には、1000万ヘクタールの土地が持主を替えた。そしてヨーロッパ人とりわけフランス人たちもこの買い付け騒ぎに手を出しているのであるが、これは驚くにあたらない。というのも、この耕作可能な土地にからむ金のやりとりを理解していたからである。1957年にPAC(共通農業政策)(註:EUの農業保護政策)が調印されたのは、資源を相互扶助し食糧不足を避けるためであった。しかしずっと以前から時代は変化してしまっている。今日、ヨーロッパ農業は生産過剰で農産物を大量に輸出している。2013年、PACの再交渉がおこなわれるときにはこのことを忘れてはならないだろう。とりわけ、2050年までに世界人口が現在より3分の1増大するという観点からだ(註:現時点の世界人口は68億人。2050年には92億人になると予測されています)。






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タグ:農地独占
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2009年11月21日

フランスがW杯出場を決めるも、アンリのハンドでヨーロッパは大騒ぎ!

ティエリー・アンリがウェブの至るところに出没している。ネタになっているのは彼の「神の手」だ。アイルランド人たちはハメを外して楽しんでいるが、フランス人たちも同様だ。アンリの事件は、至るところで、みんなが意見を述べるようなテーマになった。ちょうど同じときにEUの大統領が選ばれたが、それには誰も興味を持っていない。ティエリー・アンリはフランスの恥ではない。優れたサッカー選手だ。もちろんW杯に出場できるのも嬉しい。それでも、ネット上に現れたパロディーには思わず笑ってしまう。(Yahoo!Franceより)

henri01.jpg

□こんなゲームも↓↓↓(JOUEZ=PLAYをクリック!)
Qualifiez la France avec les mains !―アンリのハンドでフランスをW杯へ!

その他パロディいろいろ

□関連ニュース

FIFAが再戦却下、ハンド論争の仏、アイルランドW杯予選
■サッカーのワールドカップ(W杯)2010年南アフリカ大会に向けた欧州予選のプレーオフ、フランス対アイルランド戦で仏側にハンドの不正があったとして、アイルランド・サッカー協会が国際サッカー連盟(FIFA)に再試合を要請した問題で、FIFAは20日、これを却下する立場を明らかにした。FIFAは公式ウェブサイトで、ゲーム実施規定により、試合での裁定は審判が行うものであり、判定は最終的なものであると表明、試合結果は覆らないし、再戦も有り得ないと主張した。
■フランスとアイルランドはプレーオフの2試合合計が1─1となり、18日の第2戦で延長に突入。前半13分、FKからのボールを「手」で止めた仏FWアンリがゴール前のDFギャラスにアシストして得点を上げていた。しかし、アシスト前の「ハンド」行為がテレビカメラでもしっかりと映り、アイルランドの選手のみならず、観客もが「いかさまだ!」と叫んでいた。主審はハンドに気付かなかったとみられ、ホイッスルを鳴らさずに試合を続行し、前回W杯準優勝のフランスがW杯への切符を手にしていた。アンリは試合後、あっさりと「ハンド」を認めたが、「自分は審判じゃない」とも話していた。
(11月20日、CNN.co.jp)

サッカー・渦中のアンリが声明
■W杯欧州予選プレーオフ・フランス−アイルランド戦(18日)の判定をめぐる問題の渦中にあるフランスのアンリは20日、「最も公正な解決策は試合のやり直しだが、自分ではコントロールできない」と声明を発表した
(11月21日、時事通信)



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2009年11月16日

フライング気味の2010年ワールドカップ出場国紹介

2010 FIFA World Cup South Africa Official Book来年のワールドカップ(in南アフリカ)予選は11月18日にすべての日程が終了し、出場国が出揃います。先日紹介したフランス代表についてですが、きのう14日、敵地でアイルランド代表に1-0で勝利(詳細はこちら)。プレーオフ突破の可能性が飛躍的に高まり、まずは一安心といったところです。

また現時点で、出場国の顔ぶれがほぼ出揃っており、どのような大会になるのか想像が膨らみます。そこで、ややフライング気味ですが、これらを紹介し簡単にコメントしていきたいと思います。

アジア
日本、韓国、オーストラリア、北朝鮮

ヨーロッパ
オランダ、イングランド、スペイン、ドイツ、デンマーク、セルビア、イタリア、スイス、スロバキア

南米
ブラジル、パラグアイ、チリ、アルゼンチン

北中米カリブ
メキシコ、アメリカ、ホンジュラス

アフリカ
南アフリカ、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、カメルーン

オセアニア
ニュージーランド

の26ヵ国。残りの6枠が「フランスVSアイルランド」「ポルトガルVSボスニア・ヘルツェゴビナ」「ギリシャVSウクライナ」「ロシアVSスロベニア」「コスタリカVSウルグアイ」「アルジェリアVSエジプト」の中から選ばれることになっています。

さらに以上を受けてコメントを残していきますと、まずアジア代表の顔ぶれに注目。まさに「東アジア代表」といってもいいくらいです。もともと実力のあるオーストラリアが今予選からアジア枠に入り勢力地図がやや東側に傾くかと思っていたら、これまた古豪の北朝鮮が滑り込んで(ワールドカップでのアジア勢の初勝利は1966年大会の北朝鮮によってもたらされました)、アジア代表から常連の中東勢が出場権をこぞって失いました。唯一バーレーンがプレーオフに進出し望みをつないでいましたが、先日大陸間プレーオフでニュージーランドに敗退してしまいました。

また4大会連続出場となった日本ですが、「グループリーグ突破」が最低限の仕事になるといってもいいと思います(岡田監督は「ベスト4」を目標に掲げていますが)。自国開催時にホームの利を生かしてグループリーグを突破していますが、それ以外の2大会の戦跡は計6試合で1分5敗とかなり苦戦しています。これはほかのアジア勢にも当てはまることで、アジア勢はワールドカップにおいて圧倒的に分が悪く、これではお目こぼしでアジアに出場枠があてがわれているといわれても仕方ありません。政治的にも話題になってる「東アジア共同体」じゃありませんが、4チームそろってアジアのプレゼンスを世界に示してほしいものです。

ついでヨーロッパ勢について。まず優勝候補としてドイツ、イタリア、イングランド、スペイン、オランダなどがあげられます。…っていつもとおなじじゃんと思うかもしれませんが、近年では例をみないほど、これらの国の力が他国を圧倒しています。たとえば、今回のワールドカップ予選でこれら5国は合計48試合を行い、42勝5分1敗という成績。この5カ国はヨーロッパのほかの国と試合をしても50回に1回しか負けない計算になりますから、実力が1歩も2歩も飛びぬけている感があります。本大会ではこの5チームはおそらくシードされて直接対決することはないと思いますので、まずその予選リーグでどれほどの力を他国にみせつけることができるか、また決勝トーナメントに進んでからの激突がどれほどハイレベルなものになるか、期待がふくらみますね(なお、スペイン、オランダに限っていえば下馬評が高いときにかぎって、チームに内紛が起ったり、中心選手をケガで欠いてしまいそのままずっこけてしまうといった悪いジンクスがあります…)。

最後に南米代表。あいかわらずブラジルの優位は揺るぎませんが、それ以外の南米のチームはこのところ元気がありません。マラドーナ率いる強豪アルゼンチンの勢いに翳りがみられ、今回の予選も薄氷を踏む思いでギリギリ突破しました。しかも、毎大会それなりの好チームを本大会に送り込んでくるのですが、90年大会で準優勝して以来、ベスト8の壁を突破できずにいます。それにたいして、地味ですがパラグアイという国にぼくは最近興味をもっています。今回の南米予選を2位で突破しこれで4大会連続8回目の出場、ここ最近の本大会ではベスト16の常連であり、さらに弟分のオリンピック代表はアテネ五輪で準優勝。人口600万人の南米の小国ですが、サッカー界における最高の「コストパフォーマンス」を発揮しているといってもいいでしょう。この強さの秘密はいったいなんだろうか、本大会では地味に注目しておきたいところです…




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2009年10月31日

GyaO!無料動画で「アメリ」を無料配信中!

すぐに「アメリ Amelie 」を見たい人は↓をクリック!
http://player.gyao.yahoo.co.jp/wmp/?cp_id=00265&program_id=v03363&video_id=v0336300000000526149

deuxmoulins01.JPG「アメリ」が公開されてもう7年以上が経ったが、それ以来「アメリ」を超える人気のフランス映画は出ていない。当時どのくらい人気があったかというと、とんねるずがコントのネタにしていたくらい人気があった。舞台になったモンマルトルに実在するカフェ「ドゥ・ムーラン」(写真)にも日本人の女の子たちが押し寄せていた。オドレ・トトゥはその後「ダ・ヴィンチ・コード」に出演し、最も有名なフランス女優になり、現在も「ココ・アヴァン・シャネル」で主演を務め、シャネル・サンクのCMにも抜擢された。

もちろんフランス映画の新しい古典として、これから「アメリ」に触れる人たちもいるわけだ。現在、複数の大学で「アメリ」のシナリオを使い回していて、ほとんど毎日のように「アメリ」を見ている。何度見ても味わい深いシーンが多く、またこんな言い回しもあるのかと再発見することも。八百屋のコリニョンさんのオヤジギャグ Amélie-mélo や éléphant de mère(mer)、ブルトドーさんが好きな地鶏の丸焼きの腰骨の肉 sot-l'y-laisse など。後者の意味は「バカはそれを残す」、つまりそれを残すバカはいないほど美味しい部分ということ。確かにあの部分は美味しい。そのうち youtube を使ったフランス語講座で「アメリ」を扱う予定だ。
 
アコーデオンが奏でるミュゼット風のテーマ曲や、アメリがサンマルタン運河での水切りや「ガラス男」の部屋のシーンのバックに流れているピアノの曲など、「アメリ」には印象的な音楽が多い。特に水切りのシーンでは緑の背景と赤いアメリのワンピースのコントラストと、運河の水の流れに重なるような軽やかに響くピアノが美しい。「アメリ」ほど映画のシーンを思い出すとき、一緒に音楽が聞えてくる映画はないだろう。ヤン・ティエルセン Yann Tiersen の音楽はもちろん独立した音楽としても十分楽しめる。


AMELIE FROM MONTMARTRE 「アメリ」オリジナル・サウンドトラック
サントラ
EMIミュージック・ジャパン (2001-10-24)
おすすめ度の平均: 5.0
5 やっぱりアメリはいい
5 素敵な音楽だね、パリって感じ
4 コーヒーをもう一杯飲みたくなるようなアルバム
4 ヨーロッパでは人気のサントラです
5 シアワセになる法則




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2009年10月26日

ヨーロッパとアメリカとオバマのノーベル平和賞

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2009年 10/21号 [雑誌]今年度のノーベル平和賞を米大統領バラク・オバマが受賞しました。その評価については賛否両論入り乱れ、アメリカの最新の世論調査では米国民の56%が受賞を支持しないという結果が出ています。世界の注目を集める「希望の星」としてオバマ大統領に期待する人々はたしかに多くいますが、その一方で就任して1年も経っておらず目立った成果をなにも残していない政治家に賞を与えていいものか。考えれば考えるほど、むつかしいところです。

ところで、こうしたオバマの平和賞受賞について賛成か反対かという議論とはべつに、では「なぜノーベル委員会がオバマに賞を与えたのか?」、このへんの事情も気になるところです。結論からいうと、「オバマを牽制するため」、もっといえば「ヨーロッパがアメリカの暴走を押さえるため」ではないかという意見が大勢です。つまり、オバマに「ノーベル平和賞」という権威ある称号を与えることによって、今後のアメリカの行動に心理的な縛りをかけること。軍事介入主義に予防線を張り、さらに一極体制的行動に歯止めをかけることです。

下に訳出したのは10月10日のルモンド紙の記事ですが、上記した「ヨーロッパがアメリカの暴走を押さえるため」というキーワードを踏まえて読めば、違った観点、具体的には両者の間に潜在的に横たわっている問題も見えてくるのではないかと思います。ヨーロッパでの圧政や貧困から逃れ、自由の地で自分たちの新しい国を作ることを目指してできたのがアメリカ。歴史的な経緯からいっても、アメリカ人たちは自分たちを「自由の象徴」と感じていることでしょう。

ところが、そのアメリカは時を経て世界第一の超大国となり、本家のヨーロッパを軽く凌駕する国に生まれ変わりました。そしてその間、ヨーロッパの国々はつぎつぎに民主化し、いまやEUという超国家的組織を実現するまでに変貌をとげました。こうしたおなじルーツをもつ者同士が大西洋を挟んで「平和」についての駆け引きを繰り広げているというわけですね。


歴史の皮肉だろうか、現職アメリカ大統領としては3人目となるノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマは、受賞した数時間後にアフガニスタンについての軍事会議の会合が控えていた。さらに皮肉なことに、これにより政界に意見の対立が生じた。共和党員はオバマはなにも達成していないし、受賞に値しないと異議をとなえた。そんな彼らに対し、民主党員は「まるでタリバンやハマス」のような反応だと非難した。

かりに、ノルウェーの委員会が善意でもって就任後一年も満たないオバマに賞を与えていたところで、ホワイトハウスは大喜びしてシャンペンを開けたわけではない。明け方にニュースを知った関係者たちはからかわれているんじゃないかと思った。なによりも、前の週、シカゴがオリンピック開催権をかけた投票で最初に落選してしまった直後のことである。

オバマの『スピーチライター』たちが、政治的障害を避けられるような原稿を数時間かけて作成しているときに、すでに医療制度改革や大統領の「社会主義」に論の矛先を向けている共和党マシーン(註:マシーン=利権団体や集票組織に対するアメリカでの呼称)は、民主党員や「彼らの国際左派同盟者たち」につぎつぎと非難を浴びせつづけていた。オバマは6分間のスピーチをおこない、彼やアメリカ、アメリカの偉大な建国者たちを通じて得られた名誉に敬意を表したが、感情はこもっていなかった。

事を説明するにあたって、彼は、受賞を聞かされたのは娘たちからだったと述べ、その日はちょうど飼犬の誕生日だったとつけくわえた。自らには「値しない」賞を謙虚に受けとめているとも述べた。そして以下の表現を上手に滑りこませた。自分は「終結すべき戦争を遂行している国の最高司令官」だと。別言すれば、平和に身を捧げるといっても、ひとつの賞のためにじっと身を潜めるわけではないということだ。

またおなじく巧妙に、彼は受賞を「棒や銃弾の矢面に立ちながら、通りを沈黙のうちに行進した」若い女性と分かちあった。あきらかにイランでのデモ行進とテヘランで殺害された学生、ネダのことをほのめかしている。また「民主化運動への加担をあきらめようとしないという理由で自宅軟禁されている反政府運動の指導者」、アウンサンスーチーとも賞を分かちあったが、イランやミャンマーを直接名指しすることはなかった。そして、その日の終わりには、オバマは2週間にわたる安全保障会議の5回目の会合を開いた。前日水曜日はパキスタンが問題になったが、この日はアフガニスタンの番だった。これが最後の会合とはならないだろうと、ロバート・ギブス米大統領報道官は述べ、対策決定にはまだ「数週間」かかるという。左派は偶然の一致を大きく取りあげている。「イスラム世界のまっただなかで、2つの戦争を指揮しているような大統領など受賞に値しない。増派を検討しているのならなおさらだ」と進歩主義のコメンテーター、デヴィッド・シロタはいう。

「平和」外交を応援する部分についてはタカ派は見逃さない。ノーベル委員会をほとんど取るに足らないものだとみなしている彼らタカ派は、国連は大喜びをし、そして大衆主義右翼の先兵、ラッシュ・リンボーの言葉でいえばアメリカの「去勢」を目論むヨーロッパ人に対して、伝統的な不信感がふたたび生じてきたとみなしている。「オバマははじめての脱人種的な大統領であるばかりでなく、はじめての脱成果的な大統領でもある」そして「彼の頭は大きくなって、彼の耳がよく似合うよ(註:オバマのことをロバだと揶揄する人々がいるので、そのことと関係した表現だと思います)」と皮肉る。このような名誉に対しすべてのアメリカ人は誇りに思っていいと述べたオバマの元ライヴァル、ジョン・マケインをのぞけば、共和党員たちは賞とおなじくノーベル委員会を批判している。ロナルド・レーガンはノーベル賞をとっていない、とユタ州オリン・リッチ上院議員は告発する。「彼は冷戦に終止符を打ったのにもかかわらずだ」。「ヨーロッパ人たちはなにかしたいのなら、どうしてアフガニスタンに派兵しないのか?」と中東の専門家、アーロン・デヴィッド・ミラーは問いかけた。

賞の授与はまた、オバマがどんな案件にも目覚しい成果を残していないと考えている人々と、根本的な変化だとみている人々の間に溝があることも示した。ジミー・カーターの元外交顧問のズビグネフ・ブレジンスキーは、1年も経たないうちにオバマは「アメリカとほかのすべての国々との関係を見直し」「あきらかにアメリカのイメージを改善し」「一極体制的でないやり方でいくつかの衝突の解決を図る約束をした」と評価した。アメリカをして、核兵器削減といったような「高い」諸目標を追求するように仕向けたともいう。ブレジンスキーはPBSチャンネルに対し「これは大いなる成果だ」と述べ、ノーベル委員会はオバマの政治に「国際的正当性」を付与し、イランやパレスチナ問題にも有益になるだろうと評価した。

米外交問題評議会のウォルター・ラッセル・ミードは、アメリカが国際的な検討課題の明確化にあたって、つねに「傑出した役割」を担ってきたことをノーベル委員会が示したとして評価する。「オリンピックの落選のあと、オバマは躍動感を失ったかのようだった。彼はふたたび、政治という天空においてもっとも輝いている星であるかのようにみえる」


Barack Obama, Prix Nobel de la paix : les raisons d'un choix
Article publié le 11 Octobre 2009
Par Corine Lesnes
LE MONDE

translated by superlight



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2009年10月19日

東京にクリスマス市がやってくる! Marché de Noël à Tokyo !

colmar001.jpgストラスブール Strasbourg のクリスマス市が東京にやってくることが決まったようだ。フランス語でマルシェ・ド・ノエル marché de Noël という。それはフランスで最も美しい風物詩のひとつである。今年の12月に東京に行けば(会場は東京国際フォーラム)、クリスマス用品が並べられた屋台のあいだを歩くことができる。30人の職人さんたちもアルザス地方の特産品を紹介するために来日する。

ストラスブール側の関心は「ブルデル bredele 」(特産品のクリスマスの焼き菓子)を売ることだけではなく、ストラスブールに実際に来てもらうことである。マルシェ・ド・ノエルは12月12日から25日まで開かれるが、開催の費用、56万ユーロは東京とアルザスが折半する。

Zigonet : Mercredi 14 octobre, 12h24

何年か前のクリスマスにストラスブールとコルマールを回ったが、アルザス地方はクリスマスの発祥の地とも言われる。もみの木の飾り付けを最初に始めたとか(街の中心にそびえる巨大なクリスマス・ツリーも有名である)。この地方は歴史的にドイツとも結びつきが強いが、19世紀のドイツには青や緑の服を着たサンタクロースがいた。今のサンタの衣装が赤いのは、コカコーラのトレードカラーの赤い服を着たサンタが1930年代にコカコーラのポスターに登場したのが始まり。何か歴史的に意味のある色かと思えば、実はあからさまなコマーシャリズムの産物なのだ、と以前、bird dog さんが「コカコーラレッスン」で書いてくれた。

隣町コルマールのクリスマス市(スライドショーが美しい)

ストラスブールの名物料理といえば、シュークルート choucroute だ。ベーコンの塊に、ジャガイモ、酢漬けのキャベツ…。アルザスの白ワインも美味しいが、どう見てもビールに合わないわけはない。しかし、季節柄ビールをガンガン飲むにはちょっと寒すぎる。

食事のあとクリスマス市へ足を運ぶ。屋台が何軒も軒を連ね、クリスマスに色を添える品々が所狭しと並んでいる。オレンジを浮かべたホットワイン、GROG(もとはラム酒がベース)を飲みながらブラブラ見て回る。木組みの家が建ち並ぶ町自体が箱庭のようにかわいらしい。確かにクリスマスの町って感じがする。この木組みの家は16世紀から17世紀のアルザス地方の典型的な建築だ。

夜中の12時を目指してストラスブールの大聖堂へ。クリスマスのミサの見学。このゴシック建築の大聖堂の尖塔は142メートルもある。からくり時計が動く天文時計も有名。雪もうっすらと積もり、雰囲気満点だったが、夜中の大聖堂の寒さときたら尋常ではなかった。

ストラスブールから電車で数十分で同じアルザス地方のコルマール Colmar (写真上)に着く。旧市街の中心には「プチット・ヴニーズ」(Petite Venise 小さなベニス)と呼ばれる地区がある。かつて農産物の運搬に利用された狭い運河沿いや、粉雪の舞う中世の石畳の通りは、暖かい光に包まれて、まるで御伽噺の世界。コルマールでは Hôtel Les Têtes という由緒あるホテルに泊まってみた。




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2009年10月11日

予選突破なるか?―苦戦するサッカーフランス代表

ワールドカップ in 南アフリカ大会開幕までもうすでに1年を切っています。日本代表はすでに予選突破をし、そのほか、

[アジア]
日本、韓国、オーストラリア、北朝鮮
[ヨーロッパ]
オランダ、イングランド、スペイン
[南米]
ブラジル、パラグアイ
[アフリカ]
南アフリカ、ガーナ

などが出場権を獲得し、本大会への準備に余念がありません。

ところへ、我ら(?)がフランス代表はといえば…、悪戦苦闘を続けています。無条件で出場権を獲得できる1位通過の可能性はかなり低く、2位でプレーオフ(11月14日&18日)に回ることが予想されます。フランス代表の所属するグループ7の星取表を整理しておきますと、各チームあと2試合を残すのみとなった現時点で

1位:セルビア   6勝1敗1分(勝点19)得点16失点6(得失点差10)
2位:フランス   4勝1敗3分(勝点15)得点10失点8(得失点差2)
3位:オーストリア 3勝3敗2分(勝点11)得点11失点11(得失点差0)

となっています。フランス代表が1位通過するためには、数字的には残り2試合を「1勝1分」以上の成績、現実的には「2勝」したうえでセルビアが2試合とも勝利を挙げられないことが条件となります。

そんなフランス代表の今後の日程ですが、

*10/10(土)21 :00~
フランス代表vsフェロー諸島 atギャンガン
*10/14(水)20 :00~
フランス代表vsオーストリア atサンドゥニ

と、日本時間でいえばあす日曜日の朝にはフェロー諸島戦の結果が判明し(5−0でフランス勝利!)、木曜日あさにはフランス代表の命運が決定することになります。ここ数日はフランス代表の動向に目が離せませんね。なお、「フランス代表はワールドカップに出場できるか?」という現地アンケートを見つけましたが、それによると「oui」が45%、「non」が55%となっていました(ぼくの予想では60%くらいです。現地の人たちは少し神経質になっているのかな ?) 。

ジダンという大黒柱が抜け、チーム再建に悪戦苦闘中のフランス代表。弱冠20歳で1998年フランス大会に出場し初優勝に貢献したアンリがいまやキャプテンとしてチームを引っぱり、ほかにもリベリ、グルキュフ、アネルカといった才能あるタレントが揃っているものの、いまのフランス代表はいまいちまとまりに欠けています(とくに、上記のように攻撃陣のスタッフはそろっているはずなのに、日本代表以上?といっていいほど得点力不足が深刻)。ドメネク監督と選手の確執はしょっちゅうですし(98年優勝メンバーのトレゼゲは、ドメネク体制での代表チーム参加を拒否)、フランスのサッカーファンのフラストレーションはたまる一方。

と、もがきつつあるフランス代表ですが、現地情報によるとそれぞれ不満を抱えつつも、「ワールドカップに出る」という共通の思いのもとに、監督、スタッフ、選手は一丸となって残り2試合に臨むという意気込みをみせています。

果たして、レ・ブルーは南アフリカで華麗なシャンパンサッカーを披露することができるか?




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2009年10月10日

凱旋門賞2009 於ロンシャン競馬場

いまさらですが、10月4日(日)にロンシャン競馬場で今年の凱旋門賞のレースが行われました。19頭が参加し、距離は2400メートル(芝)、賞金総額400万ユーロ。勝ったのは、SEA THE STARS(アイルランド、キーネン騎乗、18番)。2着は YOUMZAIN (アイルランド、ファロン、1番)、3着は CAVALRYMAN(イギリス、デットーリ、16番)。好位置につけ、残り200メートルあたりから抜け出し、押し切ったって感じですね。勝時計は2分26秒3。



シーザスターズは今年、1989年のナシュワン以来となる英クラシック2冠(2000ギニー、ダービー)を達成していて、史上初めて、同一年で凱旋門賞を合わせた3つのレースを制したようです。母アーバンシーも93年の凱旋門賞優勝馬で、母子2代制覇も。当然、1番人気で、見たところ単勝オッズは2倍弱だったようです。

10月4日は子供の運動会があって、凱旋門賞のことはすっかり忘れていました。札幌記念で2着に敗れたブエナビスタが凱旋門賞挑戦を断念し、今年は日本からの参加がなかったせいもあるでしょう。

レースの結果はフランス語で書くとこんな感じ(↓)。quinté +って5連単のことかな。

dimanche 4 Octobre 2009 à Longchamp, "
Qatar Prix de l'Arc de Triomphe 2009 " 19 partants,
Groupe 1, allocation 4.000.000€,
sur 2.400 mètres,
grande piste.

1er) SEA THE STARS (IRE) M.J.Kinane / J.M.Oxx / C.Tsui.
2e) YOUMZAIN (IRE) K.F.Fallon, M.R.Channon, J.Abdullah,
3e) CAVALRYMAN (GB) L.Dettori, A.Fabre, Godolphin S.N.C.,
4e) CONDUIT (IRE) Ryan.L.Moore, M.R.Stoute, Ballymacoll stud Farm Ltd,
5e) Dar Re Mi (GB) Jim.Fortune, J.H.M.Gosden, Lord A.Lloyd-Webber.
quinté +, 18-1-16-2-10.




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2009年10月08日

フランスの小中学校でケータイの使用を全面禁止!

まずこの動画ニュースを。最初に15秒CMが入ります。

Les jeunes accros au portable.(ケータイにハマる子供たち)

4分の3の小中学生がケータイを持っている。そのうちの47%は教室の中でも使っている。この事態を文部省は憂いている。中学校ではケータイを使うことは禁止されている。電源を切っておかなくてはいけない。英語の時間にケータイを使うと機材が反応して、探知機の役目を果たす。原則禁止だが、その適用は学校によってバラバラだ。この学校では毅然として対処しようとしている。

子供にとっては texto =メールを使えない一日なんてありえないが、授業中に鳴ったり、震えたりしたら、容赦なく取り上げられる。下手をすると来年のバカンスまで戻ってこない。子供たちは、中毒になっているからケータイがないと辛い。問題は子供たちだけにあるのではない。彼らの親たちもまたケータイに依存しているのだ。子供とケータイで連絡を取れないことはありえないと思っている。子供からケータイを取り上げると、怒り出す親もいる。取り上げた教師の住所を教えろとしつこく言ってくるケースもある。こういう現象を文科省は憂慮しているが、現状では慎重に対処しており、学校の内規と教師の良識に任されている。

同じ話題をFrance 2も扱っていた。France 2 は最初に、上院の投票によって、中学校と小学校で完全に使用が禁止されたことが伝えられていた。これは重要なニュースと思われるが、TF1では一言も触れられていない。上院の決定は、国民の健康を守るという理由だけでなく、予防原則を適応した結果である。フランスでは、小学生がケータイでしゃべりながら通りを歩いている姿は普通に見られる。学校の中でさえもだ。

まだどんな研究もケータイの使用と脳の病気の因果関係を明らかにしていない。しかし、子供の脳は大人の脳よりも電磁波に影響されやすいことはわかっている。上院は予防原則を適応することで一歩踏み込んだ決定を下した。ケータイの広告も制限されるようだ。さらに健康の問題を越えた別の問題がある。29%の中学生が教室でケータイを使っていることを告白し、カンニングにも使っているというのだ。注意力が散漫になり、授業に集中できなくなる。学校によってはケータイをバッグに入れている場合でも没収している。

TF1では全く電磁波の問題については触れていない。もしかして日本のようにスポンサータブーでもあるんだろうか?しかし、テレビ局によって報道内容が違うというのは健全なことなのかもしれない。日本だったらメモ合わせをしてしまうところだ。

関連エントリー「予防原則 principe de precaution 」





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2009年10月07日

あなたのクローゼットにダメ出しします ―禁断の聖域をターゲットにした新ビジネス

practical01.jpgクローゼットの中はお洋服でいっぱい、なのに着ていきたい服がない!そんな贅沢なぼやきを体験したことがある方、けっこういるんじゃありません?ある調査によると、女性のクローゼットにある衣類のうち実際に着ているものは5分の1に過ぎないとか。また、イギリスの女性のクローゼットには、平均6着、一度も袖を通したことがない「タンスのこやし」があるそうです。普通のひとでもこんなありさまなんですから、予算に悩まずお買い物ができるセレブリティの方々は、想像を絶する状態に直面している?
 
そんな悩める女性達に救いの手を差し伸べるのが、エリカ・ギブス。彼女の会社Practical Princessでは、どうしようもない状態にあるクローゼットを「再建」してくれます。顧客リストにはジミー・チュウのオーナー、タマラ・メロンや大富豪モハメド・アルファイドの娘カミラ嬢と、イギリスのリッチな女達がたくさん名を連ねています。クローゼットはもちろん、長期の旅行のためのパッキングまでお願いしているタマラ・メロン曰く、「エリカは我が家の主婦なの!」
 
エリカ・ギブスのやり方は、容赦ないことで有名。女性にとって最も人に見せたくない場所であるクローゼットの中身をあばき、クライアントに対しても厳しい態度で臨みます。「家に9人メイドがいる家でも、クローゼットは手つかずのまま放置されています。豪華なお料理には、それに相応しいテーブルセッティングを用意するのに、豪勢なお洋服はごみための中に放り込まれていることが多いんです。」まず、クローゼットの中のアイテムをひとつひとつチェック、捨てるか取っておくか、クライアントに決断を迫ります。衝動買いした大胆な一着から、バーゲンで手に入れてから値札も切っていない服、昔は大好きだったけどここ数年ご無沙汰の服・・・取捨選択の作業だけで、クローゼットは随分すっきりするとか。生き延びた服は、衣類に優しい特製ハンガー(No wire hangers, ever!)や服をきれいにたためる道具を駆使して、用途・色別に麗しく整理されます。リクエストがあれば、すっきりさっぱりしたクローゼットを正しく埋めるショッピングにもつきあってもらえます。
 
自分が持っている服をきちんと把握すれば、服の好みや傾向を知ることができるし、本当に必要なアイテムがわかる。整理整頓を心がければ、毎朝の洋服選びも素早くできて、手持ちの服を効果的に最大限活用できる。同じ物を何度も買う等の無駄買いもなくなり、お財布にも優しい!クローゼットと真摯に向き合えば、いいことずくめだとか。しかし、わかっていてもなかなかできないのが、女心でしょうか。「リッチなクライアントでも、物を捨てられないんです。しかも、取っておくと言い張るアイテムが、よれよれのTシャツやヴァージンアトランティク航空でただでもらったパジャマにだったりするんですから。素敵な服がクローゼットに詰まっているのに、不思議ですね。」

エリカ・ギブスの会社のウェブサイトはこちらです。

http://www.practicalprincess.com/





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2009年10月06日

アイドルを探せ! フランスの人気テレビ番組“Nouvelle Star”

人気番組のアイデアはあちこちで使い回されるようで、アメリカの番組『アメリカン・アイドル』を「いただいちゃった」番組が、フランスで人気を博しています。スタートから6年目を迎え、最新シーズンが最近終了したところです。
 
soan-nouvelle-star-2009-20090510-508901-b3672.jpgフランスとベルギーから応募した2万人を超える参加者がふるいにかけられ、アカペラや即席のトリオで歌う事が求められるなど歌唱力を重視した審査の後、絞り込まれた十数名が生中継のオーディションに臨みます。それまでの判定がプロフェッショナルの審査員によって行われていたのに対し、番組中のオーディションの審査員はテレビの前のあなた。メールや電話での投票により、栄えある新しいスターが誕生する仕組みです。
 
おもしろいのは、応募者が選ぶ曲目。意外と渋いんです。フランス語でちゃんと歌えることが要求されているからかもしれませんが、フランソワーズ・アルディやゲンズブールのようないわゆるフレンチポップスの曲にとどまらず、ピアフ、ジャック・ブレルにジョルジュ・ブラッサンズと古典・懐メロなシャンソンがチョイスされています。古い歌をいかに説得力をもって歌いこなせるか、ということなのでしょうか。また、自国の歌だけでなくアメリカ・イギリスのポップス、ロックが必ず選曲されているのも日本では絶対あり得ないところです。しかも、新しい曲より60年代〜80年代のクラシックロック、ポップスが積極的に歌われているのには驚きました。日本のミュージックシーンをになう現役の多くより、音楽的視野が随分と広いんじゃございません!
 
この現象には、日本人のいわゆる「洋楽」に対するコンプレックスとフランス人の英米ポップスにたいする捉え方の違いが垣間見えるようです。日本人にとって洋楽があくまで「外の音楽」で自国メイドの音楽と明確に線引きがされているのに対し、フランス人にとっての英米の音楽は、もう少し敷居が低い、近しいものなのではないでしょうか。近年リリースされたフランス映画で、カップルの思い出の曲が U2 の曲だったというエピソードがありましたが、日本人の U2 へのスタンスと違い、詞もメロディーもひっくるめて大好き、という描かれ方だったのが印象的でした。
 
さて、最新シーズンを勝ち抜いたのが、パリからのエントリーとなった Soan Faya(写真↑)。見た目も雰囲気もフランス風味のジョニー・デップという感じです。The Cure に White Stripes、The Doors にブレル、ピアフ、『夢見るシャンソン人形』までバラエティに富んだ曲目で栄光に輝きました。French Invasion としてアメリカに乗り込んでくることはできるでしょうか?

Soan のパフォーマンスはここで見れます。

□古典レベルのシャンソン
http://www.youtube.com/watch?v=NR0_ynnEyIo
□懐かしUKロックも
http://www.youtube.com/watch?v=OfQY09XCf94





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2009年09月25日

フランス・テレコムの自殺騒動 La vague de suicides endeuille France Telecom

フランス・テレコムではこの1年半で23人が自殺した。最近の自殺者は23歳の女性だった。フランス・テレコムと言ってもピンとこないかもしれなが(↓にCMを貼り付けた)、Orange というブランドを世界中で展開しているフランスの電気通信会社だ。これはミステリーではなく、会社のリストラが大きな影響を及ぼしているようだ。もちろん日本のようにリストラは解雇を意味するのではなく、文字通り、企業のリストラクチャリング=再構築である。



ストレスのしわよせはもっぱら若い社員に向いているのかと思いきや、幹部候補の技術者までもが同じストレスにさらされている。社員の専門分野に関係なく、みんなが「自分は取り替え可能なパーツだ」と思いんこんでしまうような状況にある。組合もリストラのせいで、個人へのストレスが大きくなっていると言うが、リストラが原因ということは、どの会社でも、どの業種でも起こりうることである。

ある女性社員が告白するには、自分は仕事の内容に追いついていけなかった。今はどのチームからも排除されている状態。これまでは満足した状態で仕事ができたけど、今は新しい部長がやってきて状況がすべて変わってしまう。日本のように辞めさせるために嫌がらせするわけではないが、結局仕事から外されたりして一種のいじめにつながっていく。

この不満な不適応の状態をどうするか。フランス・テレコムにしてもリストラをやめるのは問題外だ。リストラはやらざるをえないのだ。

フランスでは正社員は法律によって手厚く守られていて、簡単には解雇できない。守られているがゆえに問題が深刻になっている側面もある。会社に残り続けると、たらいまわしにされざるを得ない。

技術系社員は安定しているイメージがあるが、意外に彼らこそ辛い状況に置かれている。技術刷新のペースが早くて、自分が研究してきた対象がすぐに使い物にならなくなるからだ。会社側にしてもすぐに役に立たなくなる人間を雇っておけない。技術者の雇用の仕方も見直されつつある。

情報通信技術が時代の主役に躍り出て以来、企業において研究開発やイノベーションが重要になった。イノベーションは事前に計画できるものではない。創造的なビジネスにおいてはマーケッティングすら役には立たない。製造業では最初から目的が決まっているが、情報通信産業では目的を試行錯誤によって探すしかない。この変化は産業構造だけでなく、その中に編成される人間のあり方まで変えてしまった。ひとつは組織の流動性と各部門の互換性を高めて、いつでも当ての外れた不採算部門を切り捨てられるようにしなければならない。いみじくも、↑のCMの最後で、Notre raison d'innover, c'est vous!(私たちがイノベーションする理由は、あなたがたです)と言っている。この「あなたがた」は気まぐれで、昨日の理屈が今日は通らない人たちなのだ。

国からの圧力を受けて、フランス・テレコムは9月18日から従業員たちが何に不満を持っているのか把握するために話し合いを始めた。







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2009年07月16日

LE QUATORZE JUILLET 革命記念日か巴里祭か

フランスの 7月14日の記念日 le quatorze juillet を日本では主にパリ祭と呼んでいるが、フランスではパリ祭では通じない。「革命記念日」と呼ぶ。「パリ祭」は1933年に le quatorze juillet という映画が日本で封切られる際、「革命記念日」では日本人にはピンと来ないとして輸入元の東宝東和が『巴里祭』と名づけたことに由来している。一方英語では「Bastille Day」ともいう。英語やフランス語ではフランス革命を想起させる言葉なのに、何故か日本語では革命というよりお洒落なフランスのお祭りというような印象を与えている。とりわけ日本では7月14日にシャンソンのコンサートを開くのが恒例となってきた。
 
実際に革命記念日がどのようなものなのかをYoutubeで見てみると、どの映像を見てみても軍事パレードの印象が強い。朝はフランスが誇る mirage 戦闘機の飛行から始まり、フランス国旗トリコロールを戦闘機の煙で表現する。そしてシャンゼリゼ大通りで軍隊行進のパレード。参加していない軍隊では一般人が戦車に乗れるイベントまであるらしい。そして大統領のテレビでの恒例インタビューに続き、夜は各地で花火が上がる。

今年の革命記念日の軍事パレード1(動画 from TF1-20h 14 juillet)
今年の革命記念日の軍事パレード2(動画 from TF1-13h 15 juillet)
★隊員は4時起床で、準備に取り掛かる。今年はインドのシン首相とインド軍の部隊が招かれたが、武器の売り込みという意図もあるようだ。今年軍事パレードの警備全体の指揮をとったのは女性だった(動画1)。

日本人が抱くイメージに関して私が思うに、当然のことながらこれは日本人が「フランス=パリ=芸術の都」というイメージを広く持っているからだと思う。世界史を選択していた私にとっても、産業革命を起こしたイギリスに比べて、フランスはどうしても芸術の盛んな国であるという印象は拭えない。フランス革命があったものの、やはり平和ムードの漂う文化国、というイメージを安易に抱いてしまう。私自身、フランス語を選択した理由の一つに、フランス語を喋れたらおしゃれかもしれない、という不純な動機があったが、2月法に対する暴動やサルコジ大統領の話題を聞くと、急に「おフランス」ではないリアルなフランスに引き戻される気がする。
 
1994年の国防白書序文には、レオタール国防相の言葉として次のように記されている。「フランスの歴史は、軍の歴史と往々にして重なるものであった。こうした歴史によってわれわれの領土、我々の共通の記憶、我々の文化は形作られているのである」。一方、フランス軍に対する国民の負の記憶(第二次世界大戦におけるドイツへの降伏、アルジェリア問題の際の軍の策動や関与など)が消えないうちは、国民軍に対する評価にも厳しいものがあった。しかしその後「フランスの国益と国際社会の安定への貢献という実績を積み重ねる中で、徐々に国民の理解と評価を得られるようになってきた」のである。
 
また、ミッテラン元大統領やシラク前大統領の過去の発言から読み取れることは、「軍事力を外交の手段とみなしている」ことである。クラウゼヴィッツ流の「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」という考え方は、左右を問わずフランス人の国際感覚の中に定着していると言えるのである。このように、私たち日本人のイメージと違って、実はフランス軍は国民に大きな期待をかけられているのである。
 
しかし、忘れてならないのは、地方によって革命記念日の意味合いが大きく違うということである。これはブルターニュ地方が典型的である。そこではセレモニーは一切なく、夜に線香花火のような貧弱な花火が、人気のない海岸に音もなく上がるだけである。何故か。「革命と共和国」は、レジョナリズム(「分離独立主義」と訳しては少々大ゲサかもしれないが単なる「地域主義」では軽すぎる)の運動が活発なブルターニュでは禁句にも等しい。

この地方の住民にとって革命とは「恐怖政治」以外の何物でもなかった。大革命時代、パリの独裁に反抗して蜂起したブルターニュの農民たちを「共和国」の軍隊は情容赦なく殺戮した。そして彼らのブルトン語を奪い、フランス語を押し付けた。大革命がブルターニュにもたらしたのは、連帯ではなく、「聖職者と教師、親と子供、日常の言葉(ブルトン語)と学校の言葉(フランス語)との分裂だった」のである。このような地方にとって7月14日は夏のヴァカンスの始まりを意味する日として以外は、ポジティブな意味合いを持たない。
 
このように、日本人の単純なパリ祭のイメージとは大きくかけ離れた現実が、フランス当地には存在する。これはいうまでもなく、無知な日本人がいかにフランスについて虚構を積み重ねているかを表しているのではないかと思う。日本人として、日本が「ゲイシャやサムライなどエキゾティックなイメージ」から「経済大国、長寿国、先進国のイメージ」(最近ではマンガ&アニメとヴィジュアル系バンド…)への転換を望むのと同様に、フランスに対しても単に「おフランスとパリ」ではなく、「軍隊が存在し、パリ以外にもたくさんの地方都市が独自の文化を形成し存在している」という多様な側面に目を向けていかなければならないと思う。






なぽリ

☆PROFILE☆4月からフランス語を勉強しだしました。いつかおフランスではないパリに行ってみたい!!

★3年前に学生さんが書いてくれた記事の再アップです。「革命記念日」は日本での呼称だが、フランスでは La fête nationale française (フランスの国民的祝日)あるいはそのまま Quatorze Juillet(7月14日)と呼ばれている。いずれにせよ、バスチーユの占拠と絶対王政の終焉を記念している日なので、革命記念日と呼ぶのが妥当だろう。
★現在のフランス軍は絶対王政から人民を解放した力の延長線上にあるということなのだろう。それは記事にもあるように、地方に対する抑圧としても働いた。もちろん現在の軍事力も国内にとどまるものではなく、こうした武器外交の舞台にもなるわけだし、動画ニュースの中で取材されている兵士は去年コソボで負傷したと言っている。



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2009年06月12日

村上春樹の7年ぶりの長編小説『1Q84』

1Q84 BOOK 1■村上春樹の7年ぶりの長編小説『1Q84』が、5月29日に発売された。6月5日現在で96万部を発行、早くも100万部に迫る勢いだ。なぜにこんなにも読者を引きつけるのか。新しい春樹ワールドの一端をいち早くお届けしよう──。
■「アイ キュー」と読んではいけない。「イチ キュウハチ ヨン」。1984年。ロス五輪で山下泰裕が金メダルを取り、「かい人21面相」がグリコ・森永に脅迫状を送り付け、テレビではエリマキトカゲが走り回っていた。そんなバブル直前の日本が、今回の物語の舞台だ──。
■発売日まで内容に関する情報はいっさい聞こえてこなかった。出版元の新潮社・広報宣伝部の佐々木憲二氏は言う。「前回の長編小説『海辺のカフカ』を出したときに、読者から『何の先入観もなく作品を読みたい』という声があったんです。そんな声を聞いた村上さんご自身の提案もあって、今回は発売までタイトル以外の情報をいっさい流しませんでした。これはわが社でも初めての試みです」
■発売までに原稿を読んだのは担当編集者、校閲者などの現場担当者数人と社長だけだったという。作家の古川日出男氏も、「僕もファンの一人ですが、春樹さんの本は、事前に情報を集めて読むような本ではありません。静かに小説と向き合いたい人が多いはずです」と読者の声を代弁する。発売された新作は、BOOK1とBOOK2の2冊組。合計千ページを超える超大作だ…(続きはタイトルをクリック)。
(『週刊朝日』、6月19日号)

さらに『1Q84』ブームは小説に引用されている文学作品や音楽にまで波及している。

バルトーク : 管弦楽のための協奏曲 / ヤナーチェク : シンフォニエッタチェコの作曲家ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が作品の冒頭から頻繁に流れる。主人公が聴くジョージ・セル指揮、クリーブランド管弦楽団の演奏を収録したCDは、注文が殺到し、ほぼ品切れの状態が続いているらしい。同作品はCD化した90年以降、20年間で6000枚を出荷したが、「1Q84」発売後のわずか1週間で、同数の注文を受けたという。小説に取り上げられて、ここまでCDが売れるケースは初めてのようだ。

「1Q84」で引用された作品のひとつがチェーホフの「サハリン島」。岩波書店は、品切れになっていた岩波文庫を1500部増刷すると決めた。1953年発行、04年に6刷が出て売り切れていた。緊急増刷でもあり、旧仮名遣いで漢字も初版の表記のままだ。今週末から週明けにかけ店頭に並ぶ予定だという。実際の引用は「チェーホフ全集」(原卓也訳、中央公論社)からだが、岩波文庫で読むしかないようだ。

関連エントリー『海辺のカフカ』の音楽
関連エントリー『ノルウェイの森』の映画化、主演は松山ケンイチ

1984年なんて私の青春ど真ん中って感じで、柔道の山下も、グリコ事件も、エリマキトカゲも昨日のことのように覚えている。『ノルウェイの森』(1987年)のイメージもこの年の記憶とほぼ重なり合っている。その『ノルウェイの森』だが、トラン・アン・ユン監督による映画化が決まり、松山ケンイチと菊池凛子が主役に抜擢された。ニュースによると6月からクランクインということで、日本のどこかで映画のロケが始まっているわけだが、ある筋からロケ地の情報を得た。えっ、あのシーンをこんなところで撮ってるの?情報をくれた知り合いは監督と前日に握手をしたと言っていた。口外無用と言われたのでまだ詳しいことは書けない。FBNでトラン・アン・ユン監督に突撃インタビューでもやりたいところだ。



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2009年05月14日

「ノルウェイの森」の映画化、主演は松山ケンイチ

まずはニュースから。

映画「ノルウェイの森」、松山ケンイチが主人公の大学生役
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)■村上春樹さんのベストセラー小説を原作に、来年の公開を目指して製作が進められている映画「ノルウェイの森」の主要キャストが決まり、トラン・アン・ユン監督から発表された。主人公の大学生、ワタナベ役は松山ケンイチさん、その友人の恋人、直子役は菊地凛子(りんこ)さん、ワタナベの恋人の緑役は水原希子(きこ)さんが演じる。
■ベトナム出身でフランス国籍のトラン監督は、面接やオーディションなどで100人以上の俳優らに会い、3人が選ばれた。「松山さんには会った瞬間に純粋さを感じた。菊地さんはビデオオーディションの映像を見て、直子になれると直感した。新人の水原さんは今まで見たことのない新鮮な女優としてお披露目できるでしょう」と話す。
■昭和62年に出版された小説「ノルウェイの森」は、4月までの国内総発行部数が920万部を突破、世界36言語に翻訳されている。原作の熱烈なファンというトラン監督が映画化を申し入れ、原作者の村上さんが承諾した。
■撮影は6月から8月末まで日本で行い、来年3月までにフランスと日本で編集作業を終え、来年秋の公開を予定している。
(5月14日、産経新聞)

去年の7月に「ノルウェイの森」の映画化のニュースを紹介したが、配役が決まり、本格的に動き出したようだ。6月6日から公開されるトラン・アン・ユン監督の「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」には木村拓哉が出演しているが、それに松山ケンイチが続くことになる。監督自身のルーツであるアジアへのアプローチの中で日本人の俳優が注目されている。

「ノルウェイの森」は、37歳になった主人公が、飛行機の中でビートルズの「ノルウェイの森」のオーケストラ版を耳にしたことをきっかけに、18年前に自殺した親友の恋人との思い出を回想する青春小説。ちょうど私が大学生のころ、爆発的にヒットして、「恋愛ブーム」などという訳のわからないブームまで巻き起こした。「みんなで恋愛をしよう」(笑)がキャッチフレーズだったような。

norwegian01.jpgところで映画化する監督、トラン・アン・ユンはベトナムで生まれ、その後フランスに亡命したベトナム系フランス人。フランスは1887年から1954年までインドシナ半島東部(ベトナム、ラオス、カンボジア)を支配下においていたので、ベトナムとの結びつきが強く、今もベトナム系の人々が多く住んでいる。トラン・アン・ユン監督は、カンヌ国際映画祭カメラドール賞を受賞した「青いパパイヤの香り」(92)や「シクロ」(95)や「夏至」(00)などで知られるが、パリで「ノルウェイの森」フランス語版(写真)を読み、日本人俳優による映画化を思い立ったという。

そして04年に村上春樹氏との面会が実現。村上氏は「自分にとっても特別な作品であり、映像化は無条件でOKというわけにはいかない。でもトラン監督の作品は好きで、とにかく会ってみようと思った」とコメントしている。監督自身は本作の魅力について「力強く繊細で、激しさと優雅さが混沌としていて、官能的かつ詩情にあふれている。映画化するための幅広い題材を内包しており、映画化したいと直感したことが、原作の素晴らしさと豊かさの正当な評価につながるだろうと信じています」とコメントを寄せている。

青いパパイヤの香り ニューマスター版 [DVD]夏至 特別版 [DVD]シクロ [DVD]

FRENCH BLOOM NET では exquiseさんが作品をいくつか紹介してくれている。

音楽で見る映画「夏至」
音楽で見る映画「番外編」(「シクロ」に触れています)

個人的には「夏至」がいちばん好きである。インテリアの色使いといい、葉っぱの鮮やかな緑といい、白い蚊帳といい、ベトナムの人って、あんなシュールな日常を送っているのかと思えるほど。タニシを食べたり、マンゴーを食べたり。現代的な生活(ベトナムは現在高度成長期!)と両立しているのが信じられない。この手の映画を見たことのない人はぜひ見て欲しい。映画観が変わるかもしれない。パリの13区の、ベトナム系ギャルが集うフルーツ・パーラーが懐かしくなる。

最初にも書いたが、来月の6月6日からは「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」が公開される。トラン・アン・ユン監督の作品で、木村拓哉が、韓国の大スター、イ・ビョンホンとハリウッドスターのジョシュ・ハートネットと共演を果たす。イ・ビョンホンは、テレビドラマ「美しき日々」やキムタクと共演した映画「HERO」でもおなじみで日本のファンも多い。監督は「拓哉は役柄に心身共にコミットしてくれ、素晴らしかった。観客の皆様に、彼の演じる役柄と演技を楽しんでもらえるとうれしい。彼は大変ハンサムであるが、この映画では彼の新たなる美しさを表現している。間違いなく、いまだかつてない拓哉を観ることができるよ」とコメント。

ちょっと長めの予告編(↓)を見ると、かなりサイコな作品のようだ。シタオという男を演じるキムタクも後半に出てくる。音楽は RADIOHEAD が担当しているようだが、予告編のシーンではマッシブ・アタックの曲が使われ、はまり過ぎている。

□I Come With The Rain -Trailer(youtube)





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2009年03月11日

「パラダイス・ナウ」GYAOにて無料公開 3月14日まで

パレスチナの若者ふたりが、殉教という名のもとに自爆テロに向かう姿をリアルな台詞と臨場感溢れる映像で描いた問題作。家族との別れ、死へ葛藤を通して、48時間後に彼らはどのような行動にでるのか―? イスラエル占領地の危険な地域で撮影され、パレスチナ人ハニ・アブ・アサドが監督を務めた本作は、ゴールデン・グローブ賞最優秀外国語作品賞を受賞しています。

イスラエル占領地のヨルダン川西海岸地区で、自動車修理工として働く幼なじみのサイード(カイ・ナシェフ)とハーレド(アリ・サリマン)。彼らは、パレスチナ人組織の交渉代表者ジャマルから仲間を殺された報復のために自爆テロを行うメンバーに選ばれた事を告げられる。だが、サイードには心惹かれる女性がいて・・・。

★その女性はフランス生まれのモロッコ育ちという設定。この映画は前から見たかったのだが、何てGYAOは太っ腹(USENは苦戦しているようだが)。2005年の映画だが、今再びリアリティーを増している(そういえば最近めっきりガザの情報が減った)。タイトルは、フランシス・コッポラの「地獄の黙示録 APOCALYPSE NOW」をもじっている。下は予告編(from youtube)。



監督・脚本:ハニ・アブ・アサド/脚本:ベロ・ベイアー
出演:カイス・ネシフ、アリ・スリマン、ルブナ・アザバル、アメル・フレヘル 他
2005年 / フランス・ドイツ・オランダ・パレスチナ

★無料動画(GYAO)はこちら。簡単な登録が必要です。
http://www.gyao.jp/sityou/catedetail/contents_id/cnt0080385/



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2009年03月10日

大学でフランス語を履修しよう!

このブログはフランス語を学んでいる人たちにフランス関連情報を提供しようという目的で運営していますが、もちろん、大学でフランス語を履修したり、フランスに興味を持っている学生さんたちも重要なターゲットです。現在、この FRENCH BLOOM NET-INFOBASEとFRENCH BLOOM NET-main blog の二本立てで運営しています。

ディコ仏和辞典プチ・ロワイヤル仏和辞典

大学入試も終わりつつあり、大学がすでに決まった学生さんの中には、第二外国語を何にしようかと悩んでいる人も多いかと思います。大学によってはあまり考える時間もなく(トライヤル期間のある良心的な大学もありますが)、適当に選んでしまう学生さんも多いようです。また選ぶ時点であまり情報がないというのも現実のようです。少なくとも大学で1年以上付き合わなければならない科目ですので、フランス語を通して何が学べるか、どんな情報を得られるのかを、このブログを読んで参考にしてみてください。

読者の皆さん、もし、後輩や親類やお知り合いに新しく大学生になる方がいらっしゃったら、こういうブログがあると口コミで伝えていただければ幸いです。

ときどき学生さんにブログのアンケートを取るのですが、中でも多いのが「大学の先生がやっているブログなんてどうせつまらないのだろうと思ったが、意外に面白かった」(もちろんこのブログは大学教師だけでなく、いろんな人が参加しています)という意見で、それなりに好評のようです。このブログはフランスのブログと言いつつ、日本のことを書いたり、アメリカのことを書いたり、よくフランスとは別の方向にも脱線します。ときどき混乱する学生さんもいるようですが、フランスに限定しない方が良いという意見が多いです。昔と違って、今は何がフランス発なのか、明確ではないですし、文化もハイブリッド化、雑居状態なので、その方がリアリティーがあるのかもしれません。

かつての文化大国の威光は色あせ、EUの中に埋もれつつありますが、メディア露出度の高い新大統領のおかげで(去年は元モデル&シンガーと結婚!)良くも悪くも以前よりは話題に上ることも多くなりました。また日本人にとってフランスは相変わらずオシャレな憧れの国であり続けているようですが、一方で、マンガやアニメ、J-ROCKなんかが、逆にフランスの若者の憧れの対象になっています。去年はラルク・アン・シエルのパリ公演の記事がアクセスの最大瞬間風速を記録しました。

またグローバル化が進んだ状況では、フランスと日本は同じ現実や問題を共有することになります。フランスのことを書いていたとしても、それは日本のことや、世界全体のことに何らかの形で通じているのです。逆もまたしかりです。

「4月からフランス語をやってみよう」という人たちへのささやかなアドバイスになるような記事やアンケートで学生さんたちに人気のあった記事やサイトなどをピックアップしておきました。

★言葉を学ぶとはどういうことか
□「フランス語を話せれば」(bird dog)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/27923622.html
□「メトロの中の日本語」(bird dog)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/23335530.html
□「パリのカフェ的コミュニケーション」(cyberbloom)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/29258434.html
□「アウェイで戦うために」(cyberbloom)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/19644800.html

★フランスは今どんな感じ?
□「フランスの日本ブーム」(動画 from youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=vbjBYQXjBZE
□「コカコーラ・レッスン」(bird dog)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/23405871.html
□「自転車でパリは美しくなる」(cyberbloom)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/46632579.html
□「フランスのオタク文化-子供の発見」
http://cyberbloom.seesaa.net/article/20389300.html
□「フランス文化の死」(cyberbloom)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/73039018.html

★2008年度人気エントリー
□「ヒップホップと手を組むルイ・ヴィトン」
http://cyberbloom.seesaa.net/article/101533978.html
□「フランス語版『神の雫』Les Gouttes De Dieu」
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□「パトリシア・プティボン」
http://cyberbloom.seesaa.net/article/103285263.html
□「WiiにOui - フランス老人ホームのレクリエーション」
http://frenchbloom.seesaa.net/article/110983393.html
□「俺たちフィギュアスケーター - フランス編」
http://frenchbloom.seesaa.net/article/110764221.html
□「フランス語の野球用語 - Je suis 'troisieme-but' ?」
http://frenchbloom.seesaa.net/article/63304121.html
□「アメリカ大統領選挙とフランス」
http://frenchbloom.seesaa.net/article/109274615.html

★フランス語検定試験(文科省後援、5級から)
http://www.apefdapf.org/

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2009年02月04日

雪のパリ PARIS SOUS LA NEIGE

neigeparis01.jpg

写真はパリに留学中のMUさんからいただきました。パリ14区の大学都市にある日本館からの眺めですが、いかにも寒々としていますね。

下記のニュースによると、雪のせいでイル・ド・フランスの交通は陸も空も混乱。ロワシーもオルリーも数時間の遅れ。しかし、ニュースに出てくる人たちは嬉しそう。エッフェル塔も雪化粧。

L'Ile-de-France sous la neige(2 janvier, TF1)
■Lundi matin, la neige a fortement perturbé le trafic routier et aérien sur toute l'Ile-de-France. Plusieurs heures de retard ont été enregistrées à Roissy et Orly.

ロンドンも18年ぶりの大雪。2日はバスが全面的に運休し、地下鉄も一部しか動かなかったようだ。ヒースロー空港でも欠航が相次いでいた。

雪のセント・ジェームス公園(2月2日、AFP)




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2008年12月04日

ジェーン・バーキン、「ビルマのアウンサンスーチー女史へ捧ぐ」

冬の子供たちフランスの永遠のポップ・アイコン、ジェーン・バーキンが、2年半振りの新作『冬の子供たち』を11月26日にリリースする。

今回、ジェーンは全曲作詞を手掛け、彼女の深い想いを作品に込めている。中でも注目すべきはビルマ(ミャンマー)の良心の囚人、国民民主連盟書記長アウンサンスーチー女史に捧げた曲「アウンサンスーチー」だ。

1991年にノーベル平和賞を受賞したスーチー女史は、民主化勢力を恐れた軍事政権によって12年の間自宅軟禁の状態に置かれ、現在も3度目の軟禁状態にある。ビルマには、平和的な民主化運動や反政府的な表現活動によって逮捕された人々が1100人も拘留されており、軍事政権による弾圧と人権侵害は悪化をするばかり。国軍による強制移住、過酷な強制労働、家屋の焼き討ち、強姦、殺害が続いているという。

最近では、大手石油会社トタル(フランス)とユノカル(アメリカ)が、ビルマを通過する石油パイプラインを建設し、軍が妨げになる小さな村々を焼き討ちにした。また、2008年5月、当局はサイクロンの警告を国民に出さず、結果30万人に及ぶ人々が犠牲となって亡くなった。

人権活動に熱心なジェーンは、2007年9月のデモ弾圧直後には亡命政府のセイン・ウィン首相と共にフランス大統領と会談し軍事政権への圧力を高めるように訴え、その後ビルマ大使館前で行われたアムネスティの抗議行動にも参加した。ジェーンは「2007年、日本人ジャーナリスト(長井健司氏)が殺害されました。これを機に世界が立ち上がると期待されましたが、中国とロシアの交渉拒否により、国連の仲介ができなくなりました」「この曲はスーチーさん、ビルマの皆さんへの祈りです」と語る。

(12月1日9時4分配信 BARKS)


国際人権団体アムネスティ・インターナショナルとジェーンが合同制作したビデオ「アウンサンスーチー」の日本語字幕版がYouTubeで公開されている。



□ビルマ情報ネットワーク http://www.burmainfo.org/
□ビルマ市民フォーラム http://www.burmainfo.org/



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2008年10月06日

【動画】凱旋門賞、ザルカヴァ優勝、メイショウサムソンは10着




★勝ったのは、C.スミヨン騎手騎乗の1番人気ザルカヴァ Zarkava(牝3歳、仏・A.ロワイユデュプレ厩舎)。デビュー以来6戦負けなしとはいえ、初めての牡馬とのレース。しかし、中団追走から直線で鋭い伸び脚を見せ、ユームザイン Youmzain に2馬身差をつけ快勝。歴史を振り返ると、82年のアキーダ以来の3歳牝馬の優勝。
★勝ちタイムは2分28秒80。さらに1/2馬身差の3着はイッツジーノ It's Gino とソルジャーオブフォーチュン Soldier of Fortuneが同着。G1・5連勝中だったデュークオブマーマレード Duke of Marmaladeは7着に敗れた。日本から参加した武豊騎乗のメイショウサムソンはいいところなく、10着に敗れた。



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2008年08月14日

キラズが描くキュートなパリジェンヌ

【動画】イラストレーター、キラズが描くキュートなパリジェンヌ展
The Fantastic Plastic Machine■フランス・パリ市内にあるカルナバレ博物館(Musee Carnavalet)で、イラストレーター、キラズ(Kiraz)の展覧会「キラズのパリジェンヌ(Les Parisiennes de Kiraz)」が開催されている。雑誌「Jours de France」「マリ・クレール(Marie Claire)」「プレイボーイ(Playboy)」などに作品を提供し、60〜70年代に絶大な人気を誇ったアーティストだ。独特の色づかいと流麗なタッチ、そしてファッショナブルな感覚の作品は「キラズ・カラー」として知られ、時代を超えて新たなファンを獲得し続けている。⇒動画はタイトルをクリック!
(8月11日、AFP)

Les Parisiennes de Kiraz entrent au musée Carnavalet!
■Piquantes, délurées et sensuelles, elles ont fait la réputation du dessinateur Kiraz et reviennent sur le devant de la scène ; cette fois-ci, les célèbres Parisiennes se sont donné rendez-vous au musée Carnavalet pour la toute première rétrospective de cet artiste. Du 14 mai au 21 septembre.

★キラズってイラストレーター、知ってますか?フランス語としての響きがあまりよくない名前ですが(Kiraz = Qui rase = 退屈なやつ)、彼の描くパリジェンヌはキュートでカラフル。日本のアーティストにもイラストを提供している。上のジャケは渋谷系の Fantastic Plastic Machine のもの(音の方もお薦め。フランス語で歌っている曲もあり)。パリのカルナヴァレ美術館で開催中のキラズ回顧展は9月21日まで。




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2008年08月04日

ソフトバンクのCMにフランス語

□白戸家「フランス人と遭遇」篇(30秒)
http://mb.softbank.jp/mb/campaign/3G/cm/index.html
(↑URLをクリック)

★ちょっとフランス語を拾ってみると、
*Oh la la! :オーララー!フランス語の驚きの表現。ちょっと大袈裟瀬で、バカっぽくて、ときどき揶揄の対象になります。映画「スパニッシュ・アパートメント」にもそういうシーンがありました。
*Mademoiselle, très très sympa, votre portable! :sympa はステキ。portable がケータイ。
*Il parle, superbe!:superbe はすごい。
*Tadatomo, c'est gratuit. :gratuit は無料。

★フランス人が登場してフランス語をしゃべるソフトバンクのCM。ヤフーの広告で知りました。テレビでは頻繁に流れているんでしょうね。バックの音楽はミュゼット風で、フランス人はさりげなくボーダーシャツ。このCMは日本でのフランス語の位置づけをよく表しています。話せたらカッコいいみたいな、ちょっと付加価値のある言語。こういう場面はフランス語しかありえないでしょう。英語は普通すぎるし、ドイツ語のイメージはそぐわない。イタリア語だったら多少ありえるかも。そういえば、フランスかぶれキャラ、「おフランスざんす」のイヤミを造形した赤塚不二夫さんが亡くなられました。
イヤミのいえ



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2008年07月31日

「ノルウェイの森」の映画化

トラン・アン・ユン監督が村上春樹の「ノルウェイの森」を映画化!
norwegian01.jpg■1987年に出版されて以来、国内総発行部数870万部、世界36の言語に翻訳されている、作家・村上春樹の大ベストセラー「ノルウェイの森」(講談社刊)がとうとう映画化されることになった。本作は、37歳になった主人公が、飛行機の中でビートルズの「ノルウェイの森」のオーケストラ版を耳にしたことをきっかけに、18年前に自殺した親友の恋人との思い出を回想する青春小説。村上春樹の名を広く一般に知らしめた大出世作である。
■今回の映画化でメガホンを握るのは、カンヌ国際映画祭カメラドール賞を受賞した「青いパパイヤの香り」(92)や「シクロ」(95)などで知られるトラン・アン・ユン監督。ベトナムで生まれ、その後フランスに亡命したトラン監督が、パリで「ノルウェイの森」フランス語版(写真上)を読み、日本人俳優による映画化を思い立ったという。
■「自分にとっても特別な作品であり、映像化は無条件でOKというわけにはいかない。でもトラン監督の作品は好きで、とにかく会ってみようと思った」という村上氏と04年に面会が実現し、丁寧に企画が進められた。トラン監督は、本作の魅力について「力強く繊細で、激しさと優雅さが混沌としていて、官能的かつ詩情にあふれている。映画化するための幅広い題材を内包しており、映画化したいと直感したことが、原作の素晴らしさと豊かさの正当な評価につながるだろうと信じています」とコメントを寄せている。
■08年にフランスで公開される新作スリラー「I Come with Rain」でSMAPの木村拓哉を起用したトラン監督だけに、今後発表される日本人キャストに注目が集まる。映画「ノルウェイの森」は来年2月から撮影開始し、2010年公開の予定。
(7月31日、eiga.com)
夏至 特別版★ヴィム・ヴェンダースが村上龍の「イン・ザ・ミソスープ」を映画化するというニュース(週刊フランス情報 19 - 25 MAI)にも驚いたが、村上春樹の方はトラン・アン・ユン監督が担当。同監督の作品は「パパイヤ」と「夏至」しか見ていないが、「夏至」は素晴らしかった。今の季節にもぴったりな映画だ。インテリアの色使いといい、葉っぱの鮮やかな緑といい、白い蚊帳といい、タニシを食べたり、マンゴーを食べたり。ベトナムの人って、あんなシュールな日常を送っているのか(フランス化したベトナム人の視点と言われればそれまでだが)。時間の流れ方が全然違って見える。テンションの低いベトナム語の独特の響きのせいもあるかもしれない。高度成長期にある現代的な生活と両立しているのが信じられないほど。パリの13区の、ベトナム系ギャルが集うフルーツ・パーラー (ココナッツミルク系のデザートが美味しい) が懐かしくなる。トラン・アン・ユン監督については exquise さんがいくつか記事を書いてくれています。
★ところで村上春樹の「ノルウェイの森」の方だが、私が学生のときに発表され、大流行した。それが「小説を読んで、みんな恋をしよう」みたいな煽り方で、「恋愛ブーム」などとも言われた。私も当時友だちに借りて読んだが、「ノルウェイの森」って、心を病んだ女の子に関わる素振りをみせつつ、結局は放り出してしまう最低な男の話じゃなかったっけ?ご存知のように、「ノルウェイの森」はビートルズの曲で、「ラバー・ソウル」に収録。小説の中では、冒頭の飛行機の中でのオーケストラ版を耳にするシーンに加え、この曲をギターで弾くシーンがある。

音楽で観る映画(3)−「夏至」
音楽で観る映画 − 番外編「シクロ」
NORWEGIAN WOOD - THE BEATLES


ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
売り上げランキング: 87
おすすめ度の平均: 4.0
5 フランス人監督が日本で映画化
1 どこがいいのかわかりません
5 軽薄な世相につきつけるホンモノのラブストーリー
4 描写が好き
4 精練。





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2008年07月10日

洞爺湖サミット終了 一体、何が決まり、何が問題だったのか?

G8とMEM、宣言すれ違い
■地球温暖化問題をめぐり、主要国(G8)首脳と、これに中国、インドなど新興8カ国が加わった主要経済国会合(MEM)という2つの首脳宣言が出来上がった。福田康夫首相は9日の議長総括会見で成果を自負したが、温暖化問題の前進を目指したこの2つの「洞爺湖宣言」には、G8の論理と新興国の主張が混在している。
■両宣言の一番大きな違いは、温室効果ガス削減の長期目標に関し、MEMには数値目標がないことだ。8日に採択したG8宣言は「2050年までに少なくとも50%削減」と明記し、新興国との長期目標の「共有」を呼び掛けた。しかし、MEMが宣言で支持したのは「長期目標を含むビジョンの共有」にとどまり、2050年という目標設定もなかった。
■福田首相が提唱する、産業分野ごとに二酸化炭素(CO2)削減量を積み上げる「セクター別アプローチ」は、G8宣言で削減の「有用な手法となり得る」と一定の評価を得た。 だが、MEM宣言では「役割を検討」とされただけ。削減義務の受け入れにつながることを警戒する中印両国の存在をうかがわせた。
■ただ、20−30年ころまでの中期目標をめぐっては、G8が「自らの指導的役割を認識し、野心的な中期の国別総量目標を実施する」ことを明記。先進国の先行削減を求めてきた中印両国に異論があるはずはなく、MEMにも「先進国間で中期の国別総量目標を実施する」ことが盛り込まれた。一方で、新興国の中期目標は「国ごとの適切な緩和の行動を遂行する」と、削減の義務付けにつながる表現は使われなかった。
■G8宣言は冒頭で「すべての主要経済国による約束、または行動の強化」を掲げた。一方で、MEM宣言は冒頭「共通だが差異ある責任と能力」との文言で、主要国と新興国の差別化も強調した。あらためて浮き彫りになった双方の溝は洞爺湖では埋められず、今後の国連気候変動枠組み条約締約国会議での交渉に委ねられることになった。
(7月10日、中日新聞)

洞爺湖サミット、食糧高騰問題は視界不良、自身の改革には乗り出さず
■食糧高騰問題について福田康夫首相は9日、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の議長総括で「あらゆる対策をとるとのコミットメントを新たにした」と支援に万全を期す姿勢を強調した。しかし、途上国側が強く求めているのは、投機規制など先進国側が二の足を踏んでいる対策であり、主要8カ国(G8)主導の支援策が緊急の危機を脱するメッセージとして機能するのは困難な状況だ。
■G8にブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカの5カ国を加えた9日午前の拡大会合で、新興国首脳は食糧問題の対応の重要性を訴えた。この中で新興国側がとくに強調したのが「投機」「原油価格上昇」「食料を原料に使うバイオ燃料」の3つの高騰要因で、皮肉なことに「あらゆる対策」を約束する先進国が対応に二の足を踏むものばかりだった。 G8は8日に発表した食糧問題に関する特別声明で当面の緊急支援に加え、中長期対策として輸出規制撤廃や生産倍増などを次々と打ち出していた。
■もちろん、アフリカ側にも「種子や肥料、物流整備などの支援はありがたい」とG8の対応を評価する声はある。だが、詳細に支援策の中身を検討すると、輸出規制を行っている国は途上国が多いことでも分かるように、危機の原因を途上国側に帰し、対応を促すものが多い。
■一方、現在の異常な価格高騰の最大要因とされる投機資金の規制には、特別声明でも踏み込んでいない。投機資金は食物相場の高騰の直接原因とされるだけでなく、「投機資金で異常価格となった原油」(政府筋)のために肥料価格や輸送コストが上昇し、食糧価格に跳ね返る間接的高騰要因にもなっている。G8は6月のG8財務相会合で、原油や食糧など一次産品の高騰に関し実需・金融両面からの分析を国際通貨基金(IMF)に要請したが、緊急の事態に分析で応じているようでは、価格抑制へのインパクトは弱い。
■G8は首脳宣言で「世界のインフレ圧力を高める原油・食糧の価格上昇に強い懸念」を表明はした。しかし、その原因が先進国の金融市場で動く投機資金であることに強い表現で言及することはなく、需要抑制に向けた自国内の対応にも着手していない。
■懸念を表明しながらG8自身の改革には及び腰なことが途上国側の不満を招いている。 たとえば、サミットの拡大会合に招かれたインドネシア政府関係者は「食糧は先進国が輸入し途上国が輸出する貿易構造になっている」と述べ、資金力のある先進国側の多消費や自給率不足を食糧価格高騰の原因として強調した。
■途上国支援を実施する世界食糧計画(WFP)の2008年当初予算は31億ドル。食糧価格の高騰などで現在の必要額は50億ドルに跳ね上がった。小麦仕入れ価格は昨年に比べ2倍近く、同じ資金では飢餓に苦しむ人たちに去年の半分しか食料を供給できない。価格高騰で食糧難民も生まれている。負の連鎖は深刻だ。
■G8議長の福田首相は9日の記者会見で、支援で原油と食糧価格が沈静化するのかとの質問に対し、「そうなるかどうか、そうなってほしいと思う」と淡々と答えた。
(7月9日、産経新聞)

洞爺湖サミット、外国人記者の3つのオドロキ
■洞爺湖サミットについて、日本では早くから報道されてきたので大体のことはわかっているつもりだが、外国メディアではどのように報道されているのか、インターネットの英米の新聞で G8 Hokkaido Toyako Summit でサーチをかけて記事を調べてみた。そこで出てきたのは、彼らが共通して感じている3つのオドロキであった。
■まず第1はこのサミットの費用である。ワシントン・ポスト紙は「約2億8300万ドル(=300億円)」、BBCは「約2億8000万ドル(=1億4000万ポンド)」と報じている。2007  年ドイツで開催されたサミットの費用1億8600万ドルを大きく抜いて、これまでのどのサミットよりも高額になったとか。この莫大(ばくだい)な費用について、日本の政府や報道機関が何か言及したのを私はまだ一度も聞いていない。
■次は警備である。北海道からもっとも遠い沖縄を含む日本中の警察官が集められて、洞爺湖の会議場近辺に2万1000人、東京に2万人と、完ぺきな警備が施されたことに驚いている。海にはミサイル防衛のためにイージス艦を配置し、会場のホテル上空には偵察機が舞い、バイオケミカル攻撃に備えて特別機動隊も出動している。各首脳が通過する道路には、カメラと探知機が木の中に隠されて設置され、24時間ヘリコプターが上空を飛んでいる。警官が見回っているのは当然。
■第3は、いわゆるNGOなど、非政府団体や独立系のジャーナリストにはビザ発行の際にものすごく詳細な日程表などを提出させて入国が困難な点。空港で入国する際にも厳重な身体検査を受け、どこに行くにも常に検問を受け、まったく自由がない。これが民主主義の国か、と驚いたとか。つまり、要人警護・テロ対策として取られた数々の警備が、逆に訪問者の自由を束縛し、彼らを疑いの目で見ているような印象を与えた、ということである。
■そもそも何のためにサミットを開催するのか。日本の国際的地位を高め、国際社会での発言権を強くするのが目的であろう。そのために福田首相に、強いリーダーシップを、とあらゆるメディアが叫んでいる。サミットは最後の議長声明だけではない。その始まりから終わりまで、各国首脳からNGOの活動家にいたるまで、開催国としてふさわしいもてなしをし、さすがりっぱな民主国家で世界の指導者たる資格がある、と見なされなくてはならない。その観点から、今回のサミットは、世界からどのような評価を受けるだろうか?
(7月8日、オーマイニュース)

何故、サミットに反対する人たちがいるのか
(yahoo知恵袋より、ベストアンサー)
■会議をする国について
・ 世界の問題を8ヵ国だけで決めるのはおかしい(G8は国際法上の手続きを経た会合ではない)
・ 会議内容はほとんど極秘で各国首脳、閣僚、官僚、大企業などごく一部のお金持ちや権力者にしか知らされないのはおかしい(⇒世界には200カ国近く国があるのに、8カ国だけ集まるのは民主主義じゃないよね)
■貧困問題編
・ 経済のグローバル化反対
・ ネオリベラリズム(新自由主義)反対(⇒石油や食糧などの資源を大企業が独占するのはダメだよね。途上国は先進国の食糧生産するためにあるわけじゃないでしょ)
■環境問題編
・ CO2排出権の売買はおかしい
・ 原子力発電の積極的推進反対(⇒どこらへんがエコなのかとw)
■戦争編
・ G8は「テロとの戦争」を名目として軍事力を拡大し、無用な殺戮や、人権侵害を行っている。これ以上先進国の安全保障を優先し、核兵器所有、軍隊・軍事基地の拡大・拡張等を推し進めることは許さない。(⇒戦争は最大の環境破壊・人権侵害でしょ。イラク戦争に至った理由もウソだらけでしたよね、アメリカさん♪「テロとの戦い」といいつつ、目障りな市民運動家を弾圧してるだけでしょ)
■表現・言論・集会の自由編
・ G8サミットに関する市民団体・NGO関係者のビザ発給・入国の拒否をするのはおかしい
・ 不当な逮捕・家宅捜索反対(⇒反対運動の準備をしてたり、来日しようとした日本人・外国人の方が捕まったり、入国拒否されたらしーです)
■まとめ
・洞爺湖サミットで決めることは、世界の戦争・紛争の増加、貧困拡大、環境破壊を推し進めるためのもの。お金持ちの国の、お金持ちの人の利権が拡大するだけで、民主主義では決してない。それはG8以外の国だけでなく、日本(G8諸国)のわたしたちの生活にも直結する問題だ。だから反対するという感じかな。いろんな反対団体の主張を見てまとめました。説明不十分な点が多すぎて「?」がいっぱいあると思いますが、「ネオリベラリズム」辺りをキーワードに書籍を探して読んでみて下さい。
ネオリベラリズム-新自由主義(wikipedia)

洞爺湖サミット 海外メディア“辛口”の批判
■世界の首脳22カ国が参加し過去最大となった主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)。気候変動など重要課題が討議された3日間だったが、海外メディア、地元の洞爺湖町はどう思ったか(…続きはタイトルをクリック)。
(7月10日、産経新聞)

G8洞爺湖サミット・オルタナティブ、期待は失望へ
■「途上国の参加なしに温室効果ガスの削減はできないとする先進国の主張は言い訳にすぎない」。G8とともに主要経済国会合(MEM)が終わり、2008年G8サミットNGOフォーラムは、副代表と環境ユニットリーダー共同の総括声明文で批判した。全文を紹介する。途上国との合意形成の障害となったのは、日本、アメリカ、カナダの3か国である(…続きはタイトルをクリック)
(7月10日、JANJAN)

洞爺湖サミットの温暖化問題、アフリカの関心薄く、日本の取り込み戦略失敗?
■アフリカ7カ国の首脳が加わった7日の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)拡大会合で、日本政府は当初、地球温暖化問題を中心に議論しようとしていた。主要8カ国(G8)でアフリカ支援の重要性を再確認する見返りに、日本の温暖化対策へのアフリカ諸国の支持を取り付け、温暖化対策に消極的な米国などへの圧力とする狙いだった。しかし、アフリカ側の関心は食糧・原油の価格高騰に集中。アフリカの支持を背に温暖化問題を有利に運ぼうという日本の戦略は、肩すかしにあいそうだ(・・・続きはタイトルをクリック)。
(7月7日、毎日新聞)



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2008年05月09日

松井大輔情報 年棒3億円とファイン・ゴールがノミネート

松井来季移籍サンテティエンヌ年俸3億円
■ルマンMF松井大輔が、来季からサンテティエンヌに移籍することが7日、決定的となった。現在、契約の細部を詰めている段階だが、年俸は94万ユーロ(約1億5000万円、推定)で2〜3年の複数年契約を結ぶ見込み。さらに出場給や勝利給のほか、優勝した場合はタイトル獲得料が加算され、それらすべてを合わせると総額188万ユーロ(約3億100万円)に上る、超破格の契約となる。
■これまで欧州リーグで活躍した日本人の年俸は、引退した中田英寿氏がローマ時代に手にした2億4000万円と、06年6月にセルティックと契約を更新したMF中村俊輔の2億円が群を抜いていた。松井は2人に肩を並べる格好だ。04年9月にルマンに移籍した当初は、2部ということもあり日が当たらなかったが、卓越した個人技で昇格に導くと、1部でも実力を存分に発揮。フランス国内でも注目される存在となった。
■今季で契約が切れることを受け、サンテティエンヌのほかリール、シュツットガルトなど各国のクラブから関心を寄せられた。松井は今週に入り、その中から正式オファーのあったサンテティエンヌを選び、他クラブには断りを入れたという。フランスで4季プレーし、言葉を含めた生活習慣に慣れたこと、そしてサンテティエンヌが同国内でも上位を狙える、名門だったことが決め手となった。
■さらなる飛躍へ一歩進んだ松井。今度は6月のW杯アジア3次予選で、日本代表を救うキーマンとなる。
(5月8日、日刊スポーツ)

松井「最も美しいゴール」ノミネート、昨年8月の超絶ヒールボレー!
□まずはそのゴールシーンから。こちらをクリック。
■来季、サンテティエンヌへの移籍が決定的となっているルマンのMF松井大輔が3日、フランスリーグの年間最優秀ゴールにノミネートされた。モナコ戦(2007年8月25日)での右かかとで決めたジャンピングヒールボレー弾で候補者5人の中に入ったもの。3日のロリアン戦(アウェー)では左MFで先発出場。積極的にゴールを狙ったが、0-0で引き分けた。
■松井の右ヒールが「美しさ」で評価された。今季のリーグ戦総ゴール数は36節終了時点で797本。その中で最も美しい5本に選ばれた。ノミネートされたのはモナコ戦前半31分の先制点。右からの低いクロスを正面で待ち、ボールをまたの下から通し、右かかとで蹴ったものだった。
■年間最優秀ゴール賞はUNPF(フランスプロ選手連盟)とテレビ局「CANAL+」が主催する年間表彰の一つ。最も権威ある表彰で、そのほか最優秀選手賞、最優秀監督賞などがある。年間最優秀ゴールは「今年最も美しいゴールを決めた選手」に贈られるもの。視聴者の投票によって選ばれる。最終発表・表彰式は11日に行われる。
(5月5日、スポーツ報知)

□関連エントリー「松井大輔のインタビュー
フランスにいる日本人は旅行者たちだけじゃない!(フランスにきてから)二年以上経ち、まだ流暢に言葉を話すわけではないけれど、松井大輔はすっかりフランスの生活と彼にとって貴重な習慣に溶けこんでいる。前途有望なルマンの攻撃的MFとの風変わりな会見のおかげで、FOOT-INTERVIEWは日本人のことが好きになった。(続きはタイトルをクリック)



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posted by cyberbloom at 21:18 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事+トレンド特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする