■日本の人気ロックグループ「ラルクアンシエル l'arc-en-ciel 」が9日夜、パリ北東部のゼニット・アリーナで公演した。フランスでは数年来、日本ブームが続いており、会場はパリでの日本人の公演として過去最多の5500人で満員。開演直後から全員総立ちでJロックに酔いしれた。
■「ブー・ゼット・ショー Vous êtes chaud(燃えてるか)!」…ボーカルのハイドがフランス語で満員の観衆に問いかけると、「オー!」と地響きのような大反響が起きる。公演では開演直後から激しい音響と光と映像がシャワーのように放たれ、言葉の違いなど飛び越えて会場全体が揺れ続けた。
■パリ公演の模様は東京、大阪、福岡、広島、新潟の映画館5カ所でも世界初の同時中継が行われ、ハイドは日本の観衆にも「一緒に暴れようぜ!」とメッセージを送った。
■友人3人と来場し、声援を送っていたパリの会社員、ヌーリア・ブダーヌさん(27)は「ラルクは3年前から聴いていたが、今日、本物の公演が聴けてサイコー!フランスのロックより緩急や強弱がはっきりあって大好き」と話していた。 フランスでは子ども向けのアニメから始まった日本ブームが日本食、伝統文化、音楽、ファッションにまで広がっており、観衆はずっとラルクを聴いてきた音楽ファンと、日本ブームに誘われて来た人たちが半々くらい。日本人グループの公演に5500人が詰め掛けた事実が、日本ブームのすそ野の広さを証明する形となった。
■公演後のネットの書き込みと、動画投稿サイト「ユーチューブ」の閲覧回数の多さからも公演への反響の大きさがうかがえる。7年来のファンという仏南部のローゼさん(24)は「私は父の影響で70~80年代のジェネシスやピンクフロイドなどプログレッシブロックを聴いて育ち、その流れでラルクの想像性と音の確かさにはまった。パリの公演の記憶はずっと残る」と記している。
■ネットではまた、公演後、地元のテレビ局フランス2がドイツのビジュアル系バンド「トキオ・ホテル」と比較して報じたことに、多くのファンが反発している。パリのバレンティーヌさんは「ラルクとファンへの冒とくだ。ああした報道でフランスのファンが誤解されないことを願うばかり」としている。
(5月14日、毎日新聞)
★新聞がロックコンサートの報道をするときの言葉遣いって独特ですね。「燃えているかー」って、確かにそうなんだけど(笑)。FRANCE2のニュースを紹介したエントリーが、アクセスの最大瞬間風速を記録しました。リンクを張ってくださった方々、どうもありがとうございました。
★ラルクとジェネシスやピンクフロイドのあいだに連続性はないこともないけど、ラルクが明らかに影響を受けているのは80年代のニューウェーブ(ゴシック系)でしょう。Hyde がどこかでマリリン・マンソンが好きだと言ってたような憶えがある。FRANCE2 のニュースの最初の方で「彼ら(=ラルク)は TOKYO HOTEL の名声を夢見ている」とキャスターが言ってたことも紹介したが、ラルクが TOKIO HOTEL を意識しているなんてありえないわけで、単に「東京つながり」で名前を出しただけなんでしょう。それに TOKIO HOTEL はヴィジュアル系じゃありません(こんな感じ)。
★ニュースのナレーションで気になったのが、「彼ら(=ラルク)は40歳で、青春期(adolescent)の顔つきをしている」という部分。そこには戸惑いと多少の批判がこめられているのだろう。大人になったら大人の文化を楽しむべきで、一方、子供には独自の文化など必要なく、大人が与えるもので満足するべきだという考え方がフランスには根強くある。フランスは大人と子供の境界がはっきりした社会で、子供に対しては「早く大人になれ」というプレッシャーが強くかかっていた。しかし、日本からやってきた、マンガやアニメ、そしてヴィジュアル系はその境界をなし崩しにし、子供や若者の精神的な居場所を作ってしまった。そこでは「永遠の青春」が可能なのだ。私はラルクのメンバーと同世代だが、10代や20代の頃と文化的な断絶感は全然ない(だからこんな記事を書いているのだが)。私たちには全く自然なことだが、「良識的な」フランス人にとっては理解に苦しむ現象なのだろう。
★フランスのテレビM6のパリの日本マニア少女のリポートを見てもわかるが、日本マニアには裕福な家庭の子供が多い。日本マニアになるにはそれなりにお金がかかるからだ。それというのも、日本のサブカルチャーは爛熟した消費社会が生んだスノビズムだから。ビジュアル系なんて形式と洗練の追求以外の何ものでもない。そういうものが共有され始めたということは、フランス社会も新しい世代によって変わりつつあるのだろう。
★それと、flower さんがコメント欄に現地リポートを寄せてくださいました。一部を紹介します。
□「SNSで出会ったグループの前にはイタリア人の方々(7人くらい)が並んでいたのですが、日本語を話せる方も2、3人いて、私たち日本人に興味深深で、ビデオインタビューさせてくれって頼まれたので応えている人もいました。ウェブで公開しているみたいだったのですが、URLとか聞くのを忘れてしまったのできいておけばよかったです。なんでラルクが好きなのかとか聞かれたそうです」
□「欧州の方たちの服装は、自分でラルクの写真をつかってTシャツ作ったのを着ている方、過去のライブTシャツ(中には海外公演のなかったライブのを着ている方もいました!!)を着ている方、ゴシックロリータファッションの方、普段着の方など…日本のライブと変わらなかったです。あと日本のアニメグッズを持っている方もいました。(デスノートの手帳にメンバーのサインを貰っていました!!メンバーの滞在ホテルとかどこから情報仕入れるんでしょうか)」
□「また、並びながらラルクの曲を近くの人たちみんなで歌っている光景はいつも見られました。多分意味まで分かっている方は少なかったと思います。それでも笑顔で歌っているので見ていて楽しかったし嬉しかったです。あとこれは独特ですが、“ラル・カン・シエル”コールがすごかったです。開場前・開演前、いつでも、どこからともなく始まっていました。日本では3節に分けて発音しないと思いますので。一番しゃべっていたフランスの女の子(日本語も少し話せる)は、ハガレン(鋼の錬金術師)でラルクを知ったって言っていました。やっぱりアニメの主題歌(GTO “Driver’s High”、ハガレン“READY STEADY GO”他映画版でも主題歌2曲、などなど)で知ったという人が多いみたいです。あとFFとかゲーム主題歌も何曲かタイアップしていますし、新曲もそうです。ライブでもアニメ系の曲は盛り上がって、みんな一緒に歌ったりしていました」
フランスの第4世代新幹線「AGV」、走行試験へ
■仏輸送機器・重電大手アルストムが開発した第4世代高速鉄道「AGV」の試作列車が13日、走行試験を行うチェコのベリムに向けてフランス西部エトレを出発した。べリムでは、全長13キロメートルの環状線路を用い、数か月間かけて走行試験を行う。
■「AGV」には、フランス国鉄(SNCF)の「TGV」を継ぐ高速列車としての期待がかけられており、アルストムのパトリック・クロン(Patrick Kron)最高経営責任者(CEO)は、AGVの開発を「技術的な大躍進だ」と絶賛している。
(5月16日、AFP)
★Main Blogの方で、TGVについて書いたのだが、次はAGVですか。デザインもいいですね(画像はタイトルをクリック)。
<環境意識>東京は「高いが行動せず」
■博報堂生活総合研究所は、世界8都市の市民を対象に実施した環境意識アンケートの結果を発表した。東京は、環境破壊への危機感は強いものの「便利な生活は手放せない」と答えた割合が最も高く、環境意識は高いが具体的な行動に踏み出せない姿が浮き彫りになった。
■調査は今年3月、インターネット上で20〜59歳の男女を対象に実施。東京と米ニューヨーク、加トロント、英ロンドン、独フランクフルト、仏パリ、伊ミラノ、露モスクワの計2600人(男女半数)から回答を得た。それによると「地球温暖化対策は自分自身がやりたい」との回答は8都市平均で72%、「温暖化対策は自国が主導すべきだ」は同69%に達し、世界的な環境意識の高まりがうかがえる。
■「温暖化への危機感」を感じている割合は東京が88%で8都市中最高で、最低はモスクワの60%だった。ただ、東京では「温暖化防止のために現在の便利な生活を犠牲にしたくない」と答えた割合も42%と最高で、最低のミラノの16%を大きく上回った。環境保護の具体的な行動を「している」と答えた割合が最も高かったのはパリの96%で、東京は78%と8都市平均の82%を下回った。
(5月15日、毎日新聞)
フランス人と働く〜ワーキングホリデー生活
■さて、今回はタイトルのとおり少しまじめに、“フランスで働く”ということについて書きたいと思います。ワーキングホリデーとは、1年という期限の中で、働いても、学生に戻っても、もしくは1年中フリーでもなんでもいいわけですが、ある程度の語学力があれば、フランス人と働いてみるのもおススメです。
(ワーキングホリデー通信、5月13日)
日本企業経営のグルノーブル、リーグ・アン昇格の快挙
■フランス2部リーグの第37節が12日に行われ、3位のグルノーブルがシャトールーと引き分け(0―0)、シーズン最終戦を待たずしてホームで来季のリーグ・アン昇格を決めた。昇格の最後の1枠を争ったトロワはスダンに0―1で敗れた。
■グルノーブルは、日本企業のインデックス社が2004年に買収したクラブ。会長は同社専務の渡辺和俊氏が務め、元ジェフユナイテッド市原・千葉の祖母井秀隆氏がGMとして采配をふるう。大黒将志(現トリノ)や梅崎司(現浦和レッズ)がかつて在籍し、中京大附属中京高校出身の伊藤翔が現在も所属する。伊藤翔はこの日ベンチ入りはしなかったが、試合後チームメイトとともにピッチに登場し、場内を一周してサポーターと昇格の喜びを共有した。
■レキップ紙は、45年ぶりの1部返り咲きという快挙を報じる記事で、「渡辺和俊は言行一致の男である。2004年11月にグルノーブル会長に就任するや、2つの目標を掲げた。ひとつは、5年後のリーグ・アン昇格、もうひとつは8年後のチャンオピオンズ・リーグ出場である。就任4年後にして、ひとつめの公約は実現させた」と功績を称えている。
(livedoorスポーツ・欧州通信、5月13日)
★日本からわざわざやってきた渡辺氏がいきなりチームの選手に担ぎ上げられ、お風呂に投げ込まれています(動画は下のフランス語のタイトルをクリック)。
Grenoble assuré de ''renaître''
Après une absence de 45 ans, Grenoble retrouve l'élite du football français. Avec son match nul mardi face à Châteauroux (0-0), le club est assuré de grimper en L1.
★commented by cyberbloom

↑ライターたちの励みになりますので、ぜひ1票=クリックお願いします!
