2008年05月07日

カンヌ映画祭(1) FESTIVAL DE CANNES 2008

cannes08.jpg今年もまたカンヌ映画祭の季節になってきました。5月14日からの開催を前に、先月末プレス向けの発表が行われ、審査員や参加作品の全貌が明らかになってきました。ちなみに今年のポスターはデヴィッド・リンチの撮影した写真を使っているそうで、彼の映画作品と同じく怪しげな空気が漂っています。


今回長編作品のコンペティション部門で審査委員長を務めるのはアメリカの男優ショーン・ペンになりました。「ミスティック・リバー」や「アイ・アム・サム」などでの演技が高く評価されている彼は、映画監督としてもすでに数本を制作し、プロデューサーとしての経験も持っており、豊かな視点からの選考が期待されます。とはいうものの、彼の性格からしてまた今回も硬派で堅実な路線の作品が選ばれそうな予感が今からしています。そのほか俳優ではナタリー・ポートマン、フランスのジャンヌ・バリバール、また監督ではアルフォンソ・キュアロンや、昨年「ペルセポリス」で審査員賞を受賞したマルジャン・サトラピなどが名を連ねています。


sean-penn.jpgシネフォンダシオンおよび短編映画部門では、台湾のホウ・シャオシェン、「ある視点」部門ではドイツのファティ・アキン、カメラ・ドール部門ではフランスのブリュノ・デュモンといった監督たちがそれぞれ審査委員長に選ばれました。


さて、今年のコンペ部門参加作品はカンヌ常連組や個性的な監督が多いようです。ラインナップには、ダルデンヌ兄弟、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、スティーヴン・ソダーバーグ、ヴィム・ヴェンダースといった歴代の受賞者、アルノー・デプレシャンやフィリップ・ガレルらフランスの気鋭、アトム・エゴヤンやウォルター・サレスといった実力派、そして発表する作品が世界の映画祭で高く評価されている中国のジャ・ジャンクーの名前などが見られます。


また今回の「大物」はクリント・イーストウッドでしょう。誘拐されて戻った息子が自分の子供ではないと疑う母親を描いた、アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチも出演するミステリーだそうで、非常にそそられます。さらに個人的には、チャーリー・カウフマンの初監督作品 Synecdoche, New York が気になります。「マルコヴィッチの穴」や「アダプテーション」など奇想天外な物語を送り出してきたこの脚本家がついに監督デビューを果たし、おまけに出演がフィリップ・シーモア・ホフマンだということですから、とても面白そう! カメラ・ドールの有力候補となることでしょう。


オープニング作品にはブラジルのフェルナンド・メイレレス監督の Blindness が選ばれました。ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナルといった有名どころに加え、日本の木村佳乃や伊勢谷友介も出演しています。この作品はコンペ部門にもノミネートされていますから、今年のコンペは注目作品が目白押しですね。


このほか日本関係の作品はといえば、「ある視点」部門に黒沢清監督の「東京ソナタ」が選ばれています。またこの部門ではポン・ジュノ、レオス・カラックス、そしてミシェル・ゴンドリーの Tokyo! も選ばれていて、文字通りこの3人の監督が東京を舞台にしたオムニバス映画だそうで、日本でも話題を呼びそうです。


次回のエントリーでは開会式の模様や、参加作品自体についてもっと詳しくお伝えできればと思います。




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posted by cyberbloom at 16:18 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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