2008年04月01日

週刊フランス情報 24 - 30 MARS 後編

「英仏は兄弟だ」サルコジ大統領、英議会で演説
carlabruni01.jpg■国賓として英国を訪れているフランスのサルコジ大統領は26日、英議会で上下両院議員を前に演説し、英仏関係について「これほど2国間が緊密だったことはない」と述べて、経済や安全保障、気候変動、移民対策での連携強化を強調した。同大統領とブラウン英首相は27日に会談し、アフガニスタン復興支援や原子力政策での協力を協議する。
■同大統領が、第二次世界大戦で英国がフランスを解放するため戦ったことについて「フランスは決して忘れない」と演説し、英仏両国は新しい「兄弟」「同志だ」と表現すると、ブラウン首相や最大野党、保守党のキャメロン党首は立ち上がって拍手で応じた。
■一方、英メディアの関心は今年2月に同大統領と結婚した元モデルで歌手のカーラ・ブルーニ夫人に集まった。ブッシュ米大統領一家との昼食会をドタキャンするなど奔放に振る舞ったセシリア前夫人とは異なり、ブルーニ夫人は落ち着いたグレーのスーツにベレー帽を合わせた服装で同大統領に寄り添った。
(3月27日、産経新聞)
★上の写真はイギリスの「インデペンデント」の一面に掲載されたカーラ・ブルーニの脚の写真。タイトルは「1対0でフランスの勝ち」(サッカーだけではない)。「リベラシオン」(LIBERATION.FR:jeudi 27 mars 2008)が皮肉交じりに、今回の公式訪問では、サルコジ大統領のイギリス贔屓な演説よりも、フランスのファースト・レディーの方が注目を集めたと書いている。それにしても、サルコジはアメリカに行ったときも、「アメリカを愛している」とか言ってなかったか。
★サルコジ大統領のメディア戦略が功を奏しているのか知らないが、下世話なニュースが飛び交っている。元スーパーモデルのファッションに注目が集まるのは当然のことながら、サルコジの身長に配慮して、カーラ夫人が平たい靴を履いているとか(写真を見ると確かにそうだ。サルコジはシークレット・ブーツ?)、急激な人気の高まりに、「ダイアナ妃の再来」と言うメディアも。サルコジが本人の目の前で臆面もなくカーラ夫人をベタ褒めして、カーラ夫人が目を白黒させる極めつけの場面も。いくら海外メディアが大騒ぎしても、当のフランス国民はしらけるばかりだろう。フランスの友人たちはサルコジの話をすると、露骨にイヤな顔をして「あいつは××だから」と吐き捨てるように言う。
カーラ夫人のファッションが高評価(AFP)
カーラ夫人のヌー○写真騒動も(AFP)
話題のヌー○写真をフランス版VOGUEで発見

五輪開会式ボイコットも=仏大統領、英首相と会談
■訪英中のサルコジ仏大統領は27日、ブラウン英首相と会談後の共同記者会見でチベット問題に関し、「状況を深く憂慮する」と述べるとともに、北京五輪の開会式をボイコットする可能性について改めて言及した。サルコジ大統領は「フランスは五輪開催時、欧州連合(EU)の議長国。他の加盟国と相談し、(開会式を)ボイコットするかどうかを検討したい」と表明。ブラウン首相は「英国が開会式をボイコットすることはない」と明言する一方で、暴力停止に向けて関与を強めていく姿勢を示した。 
(3月28日、時事通信)

サルコジ仏大統領、北京五輪開会式ボイコットの可能性も示唆
■フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は25日、チベット(Tibet)自治区に対する中国政府の姿勢をめぐり、今年8月に行われる北京五輪開会式のボイコットもありえるとの姿勢を示した。他の主要国は開会式出席を明言している。サルコジ大統領は同日、ボイコットに関し「あらゆる選択肢がある」と語り、チベット問題に関する中国政府指導部の「責任」を訴えた。また、同大統領の側近は、仏政府が依然として北京五輪開会式のボイコットを検討中だとしているが、五輪自体のボイコットの可能性については否定している。
(3月26日、AFP)

仏大統領、アフガン増派を言明
■英国訪問中のサルコジ・フランス大統領は26日、英議会で演説し、アフガニスタン駐留の国際治安支援部隊(ISAF)に仏軍を増派すると言明した。サルコジ大統領は、ISAFを率いる北大西洋条約機構(NATO)にアフガン和平構築戦略を提案したことを明らかにしたうえで、これが受け入れられることを条件に「来週開くNATO首脳会議で合意すれば、仏部隊強化を提案する」と述べた。
■大統領は演説で「国際テロ組織アルカイダと旧政権タリバン勢力が再び首都カブールに戻る事態があってはならない」と強調した。しかし提案した和平構築戦略の内容や、駐留部隊増派の規模、派遣先などには言及しなかった。AFP通信は仏消息筋の話として、増派は1000人強の規模となると報じた。同通信によると、米国のハドリー大統領補佐官(国家安全保障担当)は「非常に前向きなものだ」とサルコジ大統領の増派方針を評価した。
(3月27日、毎日新聞)

米政府、住宅ローンの借り手救済に公的資金投入検討・米紙報道
■29日付の米紙ワシントン・ポストは、ブッシュ政権が信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付きを踏まえ、借り手の救済策に公的な支援策を検討していると報じた。同紙によると、住宅の差し押さえの恐れがある数千の住宅保有者に対して借り換えを促す内容で、調整は最終段階にある。同様の救済策を求める声は議会でも強まっていた。
■ブッシュ大統領が決断すれば、サブプライム問題で政府が初めて決める公的資金の活用策になる見通しだ。米政府は米連邦住宅局(FHA)を使った借り手の支援策を検討してきた。公的資金を裏付けに低利で借り換えに応じることができれば、住宅保有者が住宅を手放さなくても済むと期待している。
(3月30日、NIKKEI NET)
★すでに、JPモルガンがベア・スターンズ証券の買収価格を2ドルから10ドルへ引き上げたが、この背景にFRBの関与があったと言われている。さらにベア・スターンズの抱えるRMBS(住宅担保証券)を買い取るという。JPモルガンは10億ドルを、NY連銀が290億ドルを出資しするようだ。実質的な公的資金の投入。加えて、政府機関は市場の下支えの為に、ファニーメイ、フレディマックが2000億ドル、FHFB(連邦住宅金融委員会)が1000億ドルを持ってRMBSを買い取るという。
★サブプライム問題を引き起こしたのは自業自得だが、アメリカ政府もFRBも「金融システムを支えるために、リセッションに陥らないために最大限の努力をしていますよ」というメッセージを明確に出している。それゆえ、NYダウは12000ドル台をキープしている。日本の場合は「相場動向を注視する」。つまり、何もやらない、何もできない、無能なのだと言っている(それどころか、官製不況とか、官製テロと言われているように、官僚が経済の脚を引っ張る始末)。19日から日銀総裁が空席になってしまったが、その日あたりから日本の株価はきれいにリバウンドしている。アルファ・ブロガー、カナダ de 日本語さんが次のように書いているが、そういう例は他にもたくさんある。
★「まあ、日銀内からは「空席になって困るのは、総裁が空席でもなんら日銀の業務に支障がないことがバレてしまうこと」(関係者)と、ジョークのようなマジな話まで出ているようで、もう、この際、日銀総裁は、副総裁の一人が副総裁の報酬のまま勤める事にして、日銀総裁の年間4000万円近い報酬を任期5年間分と3億円の退職金の計5億円分を、これまでさんざん国民から搾り取った税金の代わりに国民に還元したらいいんじゃない?」(カナダ de 日本語)

リーグ1最下位メス、人種差別騒動で勝ち点剥奪
■LFP(フランス・プロサッカーリーグ)は現地時間27日(以下現地時間)、リーグ1最下位のメスに対し、ホームでの1試合を無観客試合にすることと、勝ち点1を剥奪すると発表した。前月にホームで行なわれた試合でサポーターに人種差別的言動が見られたため。ロイター通信が報じている。
■2月16日に行なわれたヴァレンシエンヌ戦では、モロッコ人DFアブデスラム・ウアドゥがメスのサポーターから人種差別的野次を飛ばされていたという。メス側は公式HP上で「処分の厳しさに驚いている。今回の決定について数日中にも弁護士と相談し、最善の形で対応する所存だ」との声明を発表し、何らかの行動を起こしたいとしている。
(3月28日、ISM)
★メスのサポーターが試合中に「ニグロ negre 」と叫んだことで紛糾。ウアドゥは怒り狂っていた。連行されるサポーターは「ごめんなさい Je regrette… 」と繰り返している。試合の興奮した状況で思わず言ってしまったと弁護士が弁護しているが、人種差別的な発言に対する取り締まりの厳しさに注目。
□動画はコチラ(TF1)。



★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 00:17 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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