2008年03月14日

『微熱少年』 松本隆

A LONG VACATION 20th Anniversary Edition作詞家松本隆の唯一の長篇です。映画化もされました。微熱といっても闘病生活の話ではなく、ビートルズ来日の年に16歳だった少年の恋とロックンロールの自伝的小説です。大滝詠一の『 ア・ロング・ヴァケイション』に収められた情景がいくつも出てくるので、このアルバムを聴きながら読むと、一層楽しめます。

『微熱少年』とは、少年らしい熱い血潮を燃えたぎらせることなく、かといって覚めきっているわけでもなく、静かな情熱を保って生きる少年を意味します。早くに妹を亡くし、東京の変貌をまのあたりにした松本隆は、喪失の予感のなかで生きていました。その淋しさは、当然ながら、恋愛によって解消されるどころか、かえって増幅され、少年はさらに傷ついていきます。吉本隆明はこの小説を「著者の鎮魂の物語」と評しました。それはロックンロールの魂、つまり少年の魂を鎮めるということです。


微熱少年
微熱少年
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松本 隆
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5 本屋で偶然・・・見つけた。。
4 青春だね


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posted by cyberbloom at 07:54 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−その他の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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