2008年01月27日

週刊フランス情報 21 - 27 JANVIER

「仏語話さぬTV打ち切れ」と大統領号令、関係者は困惑
Pen (ペン) 2008年 1/1・15号 [雑誌]■「納税者の金を使うのだから、フランス語を話さないテレビのチャンネルには賛成できない」。そんな理由で、サルコジ仏大統領が海外向け英語放送を打ち切る方針を発表し、関係者が困惑している。標的にされたのは2006年末の放送開始からまだ1年のニュース専門テレビ局「フランス24」で、英語、仏語、アラビア語のチャンネルを持つ。シラク前大統領はフランスの声を世界に発信する「仏版CNN」にしたいと力説したが、知名度が上がらず、経営も苦しい。
■サルコジ大統領は8日の年頭演説で、同局を廃止し、海外向け新局「フランス・モンド」を早急に立ち上げると表明。仏語だけで放送し、「英語やアラビア語の字幕を付ける」と語った。しかし、労組側は「それではわずかな外国のエリートしか見ない」と反発。クシュネル外相も「CNNやBBCと競争にならない」と批判した。サルコジ大統領は英語が苦手といわれている。 
(1月21日、時事通信)
フランス、サルコジ大統領の暴言
(1月24日、オーマイニュース)
FRANCE 24

各国の株式市場、乱高下、FRBの緊急利下げも効果薄
■23日の各国主要株式市場は、22日に行われた米連邦準備制度理事会 FRB による0.75%の緊急利下げを受けて、米国市場やアジア市場が急反発するなか、欧州市場が世界経済の減速懸念を背景に再び急落するなど、前日に引き続き乱高下した。
■米国市場も前日に引き続き乱高下を繰り返したが、急反発して取引を終えた。優良株で構成されるダウ工業株30種平均は前日比298ドル98セント(2.5%)高の1万2270ドル17セントで引けた。
■欧州市場は、取引開始こそ反発したものの、欧州中央銀行ECB が利下げに慎重な姿勢を示したことから急落した。英ロンドン株式相場のFTSE 100種総合株価指数は、前日比2.28%安で引けた。パリ市場のCAC40指数は同4.25安、フランクフルト市場のドイツ株式指数(DAX)も同4.88%安で引けた。
★「Au lendemain d'une dégringolade historique, le CAC fait le yo-yo. 歴史的暴落の翌日、株価指数は乱高下」(Yahoo Franceのニュース)。乱高下を「ヨーヨーをする」と表現している。日本の日経平均(Nikkei 225)に当たるフランスの株価指数は CAC 40。日経平均は金曜に600円近く上昇し、世界市場もとりあえず落ち着きを取り戻したかのように見えたが、金曜のダウ平均は再び急落。117ドル下げている。
★テレビで見たフランスの個人投資家 petit porteur もパニック状態。今までヨーロッパの株は好調だったし、ありえないような下落幅だったので、動揺も大きかったのだろう。
★CAC 40 はパリ市場に上場されている銘柄の中から、時価総額や出来高が大きく、代表的業種に属する40銘柄を選出し、指数を算出している。CAC という名称は、かつて証券取引の管理、監督、指導全般を担当していた旧証券取引所公認仲介業者組合 Compagnie des Agents de Change からきている。CAC 40 の代表的な銘柄には、BNPパリバ(金融)、ソシエテ・ジェネラル(金融)、トタル(エネルギー)、ルノー(自動車)、カールフール(小売)、LVMH(ルイ・ヴィトン・グループ)、ロレアル(化粧品)、エール・フランス-KLM(空運)などがある。
★そう言えば、ソシエテ・ジェネラルのトレーダーが不正取引で巨額の損失を出した。損失は49億ユーロ(71億6000万ドル)に上るという。なぜひとりのトレーダーが権限を越えた資金を動かせたのか、企業自体の信用問題になっている。BNPパリバはサブプライ問題で最初に名前が挙がったヨーロッパの銀行だが、今回のソシエテ・ジェネラルの件で合併もあったりしてと思ったが、実際そういう噂があるようだ。詳細は来週。

FRBは大幅利下げ、ECBは利上げ?
■欧州中央銀行ECBは17日、月報を発表し、そのなかでユーロ圏のインフレに対し強い懸念をあらためて示し、物価と賃金の上昇を抑制するため、必要に応じ金利を引き上げる可能性を示唆した。ECBは、長期的なインフレ抑制は「絶対的に不可欠」だとし、インフレによる2次的影響が顕在化することのないよう、ECBは先制的な措置を取る用意があるとしている。
(1月18日、AFP)
★先週のニュースで言ってたが(TF1)、フランスでは、去年の12月で0・4%、去年の12月と比較して2・6%物価が上昇した。ここ16年なかった著しい物価上昇だ。食料品全般では去年の12月で0・9%、1年間で3%上昇した。特に乳製品が最も大きい。石油やガソリンも高騰し、それが家賃に跳ね返っている。物価の上昇はとりわけ低所得者層の家計を圧迫している。昔は物価があがれば、給料も上がったが、今は給料は上がらない。つまり給料を上げようとすれば、企業は国外に出て行ってしまうからだ。これはグローバル化の影響だ。特に低賃金の労働者は国外の安い労働力との競争に常にさらされている。

仏・インド両首脳、民生用原子力協力や軍事提携拡大で合意
■フランスのニコラ・サルコジ大統領は25日、インドを公式訪問し、ニューデリーで同国のマンモハン・シン首相と会談した。両首脳は、民生用原子力協力協定の締結で一致、また武器取引を越えた両国間の軍事連携強化に合意したと明らかにした。
■仏当局によると、両首脳は原子力発電の研究などに関する2国間協定に枠組み合意した。原発はフランスの主要産業であると同時に、年間成長率9%で拡大を続けるインド経済の強化にも欠かせないとみられている。
■会談後の共同会見でシン首相は、両国は「買い手と売り手」の関係を越え、共同研究や開発計画、技術移転、より広範な軍事交流に重点を置いていくと述べた。
■インド政府は同日、戦闘機の改修契約についてダッソーやタレスを含む仏企業連合と独占交渉を開始することを正式に発表した。
■インド空軍は、タレス製の電子機器を搭載したダッソー社のミラージュ2000を51機保有しているが、すべて大規模な改修が必要な状態だ。仏企業連合は、改修契約をめぐりイスラエルと厳しい競争を繰り広げていた。
(1月26日、AFP)
★最近のサルコジ大統領は原発と武器のセールスに忙しい。まさに死の商人だ。インドでの会見で「これがフランスの通商政策 politique commerciale だ」とはっきり言っていた。今回、フランスは核拡散防止条約(NPT)に加盟していないインドとの間で、民生用原子力協定の交渉で妥結。フランスの企業は中国との間でも原発の契約交渉を進めており、フランスにとって新興国は大きな市場となっている。
★サルコジ大統領は先に訪印したブラウン英首相同様、インドの国連安保理常任理事国入りに支持を表明、主要8カ国首脳会議(G8サミット)を拡大してインドなどを加えるべきだと主張。新興国の台頭とそれらに対する主要国の関係の変化によって、国連やサミットにおける日本の地位の相対的な低下は免れないだろう。
(1月26日、毎日新聞)

フランスで国際マンガ祭、開幕
■今年で35回目を迎えるアングレーム国際漫画祭Angouleme International Comics Festival)が24日から27日まで開催される。今年はアルゼンチン人の漫画家Jose Munoz氏が進行役を務めている。
(1月24日、AFP)
http://www.bdangouleme.com/

フランスとイギリスの労働開国事情
■ヨーロッパでは移民に対して選別を厳格にする方向に動いている。去年の9月、イギリスのブラウン首相はイギリス組合会議で「イギリスの仕事をイギリス人に」という演説を行い、喝采を浴びた。イギリスはアイルランドや東欧からの移民労働者の受け入れを制限しなかった数少ない国で、ヨーロッパでは移民への労働市場開放に積極的だった。すでにイギリス政府は05年に「選択的受け入れ」というタイトルの移民政策に関する5ヵ年計画を出している。その計画は国益に沿うような高度技能移民は受け入れるが、低熟練労働者は最小限にとどめるとされている。つまりイギリスに都合の良い移民政策であるが、自由と平等を重んじ、移民にも寛容というイメージの強かったイギリスだが、ブラウン首相の演説はイギリス人の本音を刺激した。
■フランスでは1974年以降、すでに就労を目的とした移民を原則的に受け入れていない。暴動や失業問題でクローズアップされる郊外の移民は2世や3世である。サルコジ大統領自身がハンガリーからの移民の子であるが、移民管理政策に関しては一貫して厳格政策を取っている。サルコジ大統領の移民政策の基本は選択的移民への転換と社会統合の促進である。特に後者に関して、新規移民全員に「受け入れ統合契約」(CAI)が義務化された。これは移民とフランス共和国の間で交わされる契約である。移民はフランス語や市民教育講座に出席することを義務付けられ、それに対して国は就職や生活や教育などに関する情報や支援を保障するというもの。フランスの移民問題は人種差別、失業、貧困、教育、宗教などが絡んだ重層的な問題で、それを解消するにはいかに彼らを社会に統合するかにかかっている。
(週刊エコノミスト1月15日号「労働開国」特集)

Pen (ペン) 2008年 1/1・15号 [雑誌]
■先週紹介するのを忘れた Pen の「パリ美術館特集」。完全保存版。先週号なのでご注文はアマゾンで。卒業旅行のパリ人気は依然高く、その最大の理由はやはり美術館が充実していること。

【動画】ジャンポール・ゴルチエ、08年春夏オートクチュール・コレクションを語る
■1月21日から4日間、フランス・パリ市内で08年春夏パリ・オートクチュールコレクションが開かれた。23日には、ジャンポール・ゴルチエ Jean Paul Gaultier が新作を発表した。今回のテーマは「人魚」。



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posted by cyberbloom at 00:43 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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