2008年01月21日

週刊フランス情報 14 - 20 JANVIER 後編

サルコジ大統領UAE入り、原子力と軍事協定に調印
■ペルシャ湾岸諸国を歴訪中のフランスのニコラ・サルコジ大統領は15日、最終訪問国となるアラブ首長国連邦の首都アブダビを訪れ、原子力と軍事関連の協定に調印した。
■AFPが入手した情報によれば、今回の協定で UAE に400から500人規模のフランス陸海空軍要員が配備される恒久的な基地の設置が定められた。国営首長国通信はこの協定により軍事協力を通して両国の友好関係はさらに強化されるだろうと伝えた。現時点で協定調印について公式な発表はされていない。
■仏ルモンド紙 Le Monde によれば、湾岸諸国にこうした施設が建設されるのは初めてとなる。軍事協定は、UAEで両国軍が定期的に共同演習を行うことを定めた1995年の協定に沿った内容とみられる。同協定に基づいてフランスの部隊がアブダビ北部の Al-Dhafra 空軍基地に駐留しており、フランスはUAEへの軍用品供給大国となっている。
(1月15日、AFP)

【図解】世界各国の原子力発電の状況
■図は、世界各国で稼働中の原子炉の数と主要国における原子力発電の利用状況を示す。
(1月18日、AFP)

サルコジ大統領の支持率、不支持が初めて上回る
■フランスのサルコジ大統領の不支持率が就任後、初めて支持率を上回った。15日に発表された世論調査によると、大統領を支持するが45%で、不支持が48%だった。支持率は前月比で6ポイント減、この2カ月で10ポイント減少している。
■支持率の急下降の原因に関しては、国民の最も関心のある収入増などの「購買力の上昇」について、8日の年頭記者会見で明確な対応策に言及しなかったほか、大統領選の公約である「もっと働いてもっと稼ごう」などの政策実施の効果が目にみえてあがっておらず、失望感が広がりつつあるためとみられる。
(1月16日、産経新聞)

婚外子の割合、半数超える
■フランスで2006年に生まれた子供のうち、両親が正式な結婚をしていない婚外子の割合が初めて半数を超えたことが分かった。仏国立統計経済研究所が18日までに発表した。正式な結婚にとらわれないフランス人の考えが反映された形だ。
■同研究所によると、婚外子の割合は65年には5.9%に過ぎなかったが、次第に増え続け、06年には50.5%(05年は48.4%)と正式な結婚による子供の数を上回った。07年の結婚件数は26万6500件で前年より約1600件減った。
■フランスでは99年、事実婚や同性愛のカップルに対し、税控除や社会保障などについて、結婚に準じる権利を付与するパクス(連帯市民協約)法が制定され、結婚や家族の考えが大きく変わった。「パクス婚」と呼ばれ、「合意でなくとも片方の意思だけで解消できる」点で結婚より緩やかな形。カトリックの影響で離婚が難しかったことへの反動ともみられる。社会学者のイレーヌ・テリー氏は「家族を形作るのは結婚ではなく子供になりつつある」としている。
■一方、フランスの昨年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数)は1.98で、アイルランドの1.90を上回り、欧州連合(EU)で最高となった。EU平均は1.52だった。
■フランスの合計特殊出生率は93年に1.66まで落ち込んだ後、上昇に転じた。3歳児から公立保育園に入れるなど出産・育児への行政支援が手厚く、子供の数に応じた税の優遇措置も上昇に寄与したとされる。初産の平均年齢は29.8歳と、年々上昇している。
(1月19日、毎日新聞)
★政治家のオジさん(およびオジさん化した女性議員)たちは「男が外で働き、女が家庭を守る」という固定観念からいつまでも抜けられないようだ。それは単に自分の価値観を崩したくないという思考停止から来ていて、さらには「子供を産まないのは女性のわがままだ」と言う始末。それは高度成長期においてたまたまうまく機能していたに役割分担に過ぎない。フランスのデータは、男女の役割や関係性を自由にした方が子供ができやすいとことを証明している。体裁にこだわらず、内実を取ったフランスの勝ちと言えるだろう。少子化が進行する状況で、外国人労働者を入れないのならば、女性の労働力がますます重要になってくる。そうなると育児への行政支援を充実させることが求められるが、さらに重要なことは多様な関係性に慣れていくことだ。

落ち目の日本、さらに足を引っぱる官僚
★内閣府が26日発表した2006年度国民経済計算確報によると、日本の1人当たりの国内総生産(名目GDP)は2006年に3万4252ドルとなり、経済協力開発機構(OECD)加盟国中で18位に後退。今の基準で算出を開始した1980年以降最低となった。また、大田弘子経済財政担当相は18日の衆参両院の本会議の演説で、「もはや日本は『経済は一流』と呼ばれる状況ではなくなった」と、国際的な地盤沈下に危機感を表明。
★日経連が今年の元旦に「成長創造、躍動の10年へ」を発表しているが、その内容は10年以内に世界最高の所得水準を実現するためにあらゆる政策手段を結集すべきとする提言だった。どうみても実現不可能な目標だが、これも年々落ちていく日本の国際的な地位を踏まえてのことだった。グーグルの時価総額が去年の10月、日本最大のトヨタの時価総額を抜き、トヨタは2007年の株式時価総額の世界ランキングベスト10から姿を消したというニュースもあった。
★先週の株式市場はアメリカの景気後退懸念で大暴落。ダウ平均は12000ドル割れ目前で、日経平均はまさかの14000円割れ(今日、月曜も暴落中で13000円を目指している)。特に日本の株価の下落が著しい。それはいくつか理由があって、ひとつは日本の株式市場が6割を外国人投資家に依存していて、彼らが何らかの理由 (今回はサブプライムによる損失) で資金を引き上げたときに、暴落を免れないからだ。もちろん日本人が日本株を買って安定株主になればいいのだが、日本では相変わらず株はギャンブルの類とみなされている。
★アメリカは株価の暴落を受けて、ブッシュ大統領が早速減税などの景気対策を決めたが、日本の政治家は株価に言及することはイメージの悪いことだと思っているようだ。今のところ全く手を打つ気はないらしい。「今の株価はファンダメンタルズには関係はない」(町村官房長官)と言うが、株価の下落は企業の体力に影響しないわけがない。
★この政府の無策がジャパン・パッシング(素通り)に繋がっている。外国の資本が日本を素通りして中国やインドに向かうのだ。日本の対内直接投資のGDP比は2・2%と金融的には鎖国状態にある(例えば、金融立国に変貌したイギリスは36・6%に達する)。これは日本企業が外部からの企業買収を頑なに拒否しているからで、去年のスティール・パートナーズによる「ブルドックソース買収劇」、それに対する日本の裁判所の判決がそれを象徴している。このグローバリゼーションのご時勢においても外資は相変わらず「青い目のハゲタカ」なのだ。外資を利用してやろうというしたたかさはないのだろうか。もちろん国内企業の中にも外資とうまく手を組んでいる企業も少なくない。そういう部分で差がついてくるのだろう。
★それに加えて、建築基準法改正、貸金業法改正、金融商品取引法、フィルタリング規制などが、企業の足を引っ張っている。もちろん消費者保護の観点からは重要な法律なのだが、いかにも役人的な四角四面なやり方と手際の悪さが問題になっている。特に建築基準法改正は関連企業の倒産まで引き起こしている(友人の不動産会社の若社長もひどい状況だと言っていた)。それは「官製不況」どころか「役人テロ」とまで言われている。


★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 10:59 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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