2007年12月09日

週刊フランス情報 3 - 9 DECEMBRE

アラブの暴れん坊「リビア」が優良投資国へ変貌、フランスとの関係も
テロ支援国家の劇的大変身「砂漠の狂犬」「アラブの暴れん坊」「北アフリカの狂信者」…こんな呼び名が数年前まで一般的だったリビアの最高指導者、カダフィ大佐は2003年、一方的に核放棄宣言をして、米国をはじめとする先進国から、テロ支援国家の指定を解除された。それまでリビアは、1988年に起きたパンナム機爆破事件など多発する過激派によるテロを支援しているとして、国際的な非難と制裁を受けていたが、核廃棄宣言以降、先進諸国との関係が劇的に改善される。不倶戴天の敵だった米国とも国交を開き、ライス国務長官のリビア訪問も近いとされている。そうなれば、石油資源はいうまでもなく、多くの鉱物潜在国であり、ある程度のインフラも整備され、生活水準もアフリカ有数のこの国が、投資開発ラッシュになることは間違いない。フランスのサルコジ大統領は、2007年7月25日、カダフィ大佐と会談し、軍事・保健・教育・テロ対策・民生原子力利用などに関する協力協定に調印した。この協力協定の中で注目されるのは、民生用とはいえ、フランスが原子力分野での協力に合意した点である。
(12月6日、MONEYzine)
仏大統領、アルジェリアと原子力協定 植民地時代の謝罪せず
フランスのサルコジ大統領は5日、3日間にわたる旧植民地のアルジェリア公式訪問を終えた。両国は核エネルギーの平和利用協力を含む総額73億ドル(約8000億円)以上の投資・協力協定を締結した。サルコジ大統領は滞在中、一般的な植民地制度を「不正だ」と非難したが、アルジェリアが要請していた仏植民地時代(1830~1962年)に関する直接の謝罪はしなかった。協定には研究や技術移転、発電やウラン採掘などが含まれ、6月に米国がアルジェリアと結んだ議定書よりも踏み込んだ内容。ただ、実際の協力に際しては欧州原子力共同体(EURATOM)の承認が必要とされる。フランスは今年7月にリビア、10月にモロッコと核協力で合意している。 
(12月6日、産経新聞)
★サルコジ大統領は今週も原子力外交を精力的に継続。フランス24ではサルコジとカダフィが仲良く映っていて、リビアに関しては武器の商売の方が実があったようだ。サルコジの勢いに刺激されてか、日本でもいろいろ問題を起こして封印されていた原子力の計画が動き出している(↓)。先週、オーストラリアの新政権が温暖化対策に熱心だという話をしたが、原子力政策はどうなのだろう。考えてみれば、オーストラリアは重要なウラン産出国で、このような温暖化が原発の見直しを加速させている現状では、ウランが将来的に高騰することは確実なのだから。

原子力の協力関係PR、駐日仏大使がもんじゅ視察
ジルダ・ル=リデック駐日フランス大使が4日、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市白木)などを視察した。フランス大使による視察は初めて。原子力機構は、平成3年からフランス原子力庁と研究協力協定を締結しており、人材交流や情報交換、共同開発などを行っている。今回の来県についてリデック大使は、「来年は日仏の国交樹立150周年。両国は古く、密接で多種多様な関係を築いている。特に原子力分野での協力関係について広く知っていただきたいと思い訪問した」と語った。視察では、大使夫人と駐日原子力参事官ら4人で、原子炉や中央制御室、研修施設などを訪問。もんじゅの構造やナトリウム燃焼実験などを見学した。途中、ナトリウム漏れの対策などを熱心に質問していた。リデック大使は「高速増殖炉を見るのは初めてで、強い印象を受けた。組織にしっかりとした規約やルールがあることに驚いた。これからも両国で手を携えていきたい。もんじゅの運転再開に期待している」と感想を語った。また、フランスで稼働している高速増殖炉「フェニックス」を例に挙げ、「(高速増殖炉は)原発の第4世代の方向性として、これからますます多くの国で採用されるだろう。エネルギー政策の観点から重要なシステムだ」と語った。
(12月5日、産経新聞)

フランス人「日本熱」、来日者数10年で倍増、漫画で関心
日本の漫画やアニメが根強い人気を持つフランスから、日本にやってくる人が増えている。「漫画を原文で読みたい」と日本語を学ぶ留学生、アニメゆかりの場所を巡るフランス人向けツアー。漫画を入り口に、日本文化に関心をもつ若者も少なくない。「大きな森に神木、鳥居。景色が漫画の背景と一緒で感動した」。駒沢大学に留学しているガエル・ブラサクさん(22)は、「日本の原風景」を求めて訪れた長野でそう感じたという。「漫画を原文で読みたい」と、大学入学と同時に日本語を学び始めた。やがて芥川龍之介や太宰治と、興味は文学にも広がった。東京でインターンをする大学院生、ジュリアン・エチエンヌさん(24)が一番好きな作品は、侍文化を描く「るろうに剣心」。「もう刀は持っていないだろうが、その精神は日本にまだ残っているのでは」と考えた。京都外国語大留学生のカリーン・パルマさん(21)は漫画の翻訳家を目指す。「語学上達はもちろん、漫画でみた日本の生活を感じたかった」。フランス人の日本の大学などへの留学生は、06年で417人(文部科学省調べ)にとどまるが、「予備軍」は急増中だ。フランスでの日本語学習者は、06年には1万5534人(国際交流基金調べ)と84~85年の約5倍。ヨーロッパ諸国では最も多い。近藤安月子・東大教授らが日本語を学ぶ動機などを尋ねた05年の調査では、「漫画・アニメ」が最多の30%で、専攻学生の8割が留学を希望していた。漫画は旅行者数にも影響しているようだ。06年のフランス人の来日者数はここ10年でほぼ倍増の12万1310人。フランス人向けに、秋葉原や宮崎駿監督が館主を務める「三鷹の森ジブリ美術館」、コスプレイベントなどを巡るツアーを企画する会社も登場した。フランスで日本アニメの放映が本格的に始まったのは80年代後半。91年には「ドラゴンボール」が出版された。これらで育った世代が成人になりつつあることが背景にある。京都精華大マンガ学部の牧野圭一学部長は「日本の漫画は政治から歴史、囲碁など幅広い対象を扱い、日本文化のカタログの役割を果たしている。19世紀、浮世絵を通じて日本に関心を持ったことに似ている。新しいジャポニスムですね」と話している。
(12月05日、asahi.com)
★それに引き換え日本の大学のフランス語学習者は減るばかり。昔はフランスの文学作品を原書で読みたいという願望が大きな駆動力になったのだが。こういう動きを見ていると、フランス文化を紹介する側も、お高くとまっていないで(すでにフランスの文化的な権威なんてないのだから)、徹底的にサブカル化する必要があるのだろう。それはハイカルチャーと言われてきたすべてのものに当てはまる。それは単に低俗化させるということではない。市場原理が支配し、一方ではグローバル化、フラット化した社会の中で文化を鍛えていく必要があるってことだ。その中に文化と受容者が折り合うリーズナブルな地点が見つかるはずだし、受容者を高めていくことだって可能なのだ。最初から権威を付与したり、制度で守ったりしてもろくなことはない。

「持たざる者」の国際連帯行動、フランス活動家の講演会
今月の家賃は払えましたか? 来月の家賃は払えそうですか? 土地開発のためにアパートを追い出されようとしていませんか?今夜寝るところは我が家と言えますか?…誰もが家がなくては生きていけない。住宅は医療や教育と同じように、基本的人権である。ところが、家賃は高いし、貧乏な学生にアパートを貸してくれる大家も少ない。外国人である、高齢者の一人暮らし、保証人がいないなど、貸さない理由は聞き飽きた。フランスはパリでも同じこと。しかし、パリには意外と空家が多い。パリ市内だけでも一万二千戸の空家がある。賃貸に出されていない本当の空家である。そういうわけでパリには空家を占拠して生活している人が意外と多い。ただし、空家住まいはパラダイスではない。大家が気がつけば裁判沙汰となる。しかし、基本的人権を尊重しない現行の法律のほうが間違っている。そこで「住宅への権利運動(DAL)」が呼びかけるのが、市民的不服従としての「占拠」である。市民的不服従とは、異議申し立てのあらゆる制度的方法が尽きた場合にとられる抵抗の集合行為である。法律に従わないことは、「違法だが正統」な選択肢を示すことであり、正統性がどちらにあるかを市民社会に問うことができる。
□この記事の解説と関連情報はコチラを参照

2008フランス、ワーキングホリデー募集開始
(Working Holiday Network)


■今週の iPod & Youtube
"Toutes les nouvelles parlent d'hier"
Orwell
in Des Lendemains (2001)

orwell01.jpg
UK音楽の影響を受けたフランスのバンドが2000年前後から増えてきたように思うが、たとえ英語で歌っていても、フランスの音にはどこかノスタルジックな空気が漂っているように思う。この Orwell の音楽は、エレクトロニカのフレーバーをかぶせたネオアコっぽいのだけれど、やはり一方で懐かしいポップスをイメージさせるところがある(ギルバート・オサリバンのカヴァー曲が入っているのも、そう感じさせる一因だろう)。いかにも日本人好みの音だなあと思っていたら、彼らは本国ではなかなか日の目を見られないようで、このアルバムは日本から発売されていた。ロックとフランス語がマッチする例はなかなかお目にかからないのだが、Orwell の場合は意外なほどにしっくりくる。秋めいてきたこの季節にぴったりの音だ。
(by exquise)

□Orwell "toutes les nouvelles parlent d'hier"(from Youtube)
□Orwell "in your playground"(from Youtube)
□Orwell "Elémentaire"(from Youtube)



★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 23:01 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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