2007年11月19日

週刊フランス情報 11 - 18 NOVEMBRE パリはスト一色 

公共交通機関スト6日目に突入、19日ヤマに
年金制度改革に反対するフランス国鉄など公共交通機関のストは18日、大半の労組が政府・会社側の提案を受け入れず6日目に突入した。20日からは学校や病院などの公務員労組が別のストを準備しており、突入した場合、国民生活の混乱はさらに大きくなる。スト回避に向けた交渉は19日がヤマ場となりそうだ。年金制度改革は「勤続37.5年」で年金受給資格を得る公共企業職員の現行制度を、一般企業並みの「勤続40年」に繰り延べるもの。政府・会社側はその代わりに、退職前の給与を引き上げる妥協案を示したが、労組側は17日「会社側の提案は不十分だ」として、穏健派の一部労組を除き大半がスト続行を支持した。サルコジ大統領は「ストを実施しながらの交渉には応じられない」と、ストの中止を交渉の前提条件としている。国民の間では今回のストに批判的な見方が強く、労組側は20日からの公務員労組のスト合流を前に、妥協点を探っている。
(11月18日、毎日新聞)
スト、地下鉄にも拡大=通勤・通学まひ状態に−仏
フランス政府の特別年金制度改革に反対する労働者の無期限ストライキは14日、仏国鉄のほかパリ市交通公団の地下鉄、バス、路面電車などにも拡大し、各地で交通が混乱した。サルコジ大統領は譲歩拒否の姿勢を示す一方で13日夜、「経営側と労組との早期の交渉を望む」と呼び掛けた。パリの地下鉄は朝の通勤・通学時間帯に大半の路線がまひ状態となり、徒歩や自転車で職場や学校へ向かう市民の姿が目立った。道路は車であふれ、ピーク時には渋滞が郊外まで続いた。
(11月14日、時事通信)
★今回のストは、一部の公務員を優遇する年金特別制度の廃止を訴えるサルコジ政権に反対を突きつけるもの。さらに、サルコジ政権の大学改革構想に反対する学生組織もストに加勢する形で、全国13の大学や鉄道網を封鎖し、機動隊と対峙している。20日以降は、教職員ら他の公務員や、政権の司法改革に反対する法曹関係者らもデモやストを計画し、「サルコジ改革反対」で諸勢力が結集しつつある。一方で、現行の年金制度をフランス国民の多くが公務員の既得権益として批判的になっている。ストに訴えるのは正当ではないと考える人が6、7割に達しているようだ。しかし、砦をひとつ崩されると次々と制度の切り崩しが行われる可能性もあるわけで、いかにリーズナブルな位置に落ち着かせるかが問題だ。年金制度の改革は歴代政権が着手しては頓挫してきた課題。
★パリで公務員をしている友達によると、パリは気温が0度に達しそうな寒さで、仕事へはダウンコートを着て、マフラーをして、ウールの手袋をして、温かいブーツを履いて、歩いて行っているとのこと。彼女の仕事場は隣の区なので15分の遅刻ですんでいるが、パリ郊外に住んでいる彼女の同僚たちはストのために仕事場にたどり着けないようだ。

ベルギー、政治空白150日、南北の対立先鋭化
北部オランダ語圏と南部フランス語圏との対立が先鋭化するベルギーで、6月10日の総選挙後、新政権が成立しない政治空白期間が150日を超え、過去最長を更新した。ベルギー王室は改めてオランダ語圏とフランス語圏の「対話」を要請しているが、事態は膠着(こうちゃく)化しそうな雲行きだ。ベルギー王室はこのほど発表した声明で、オランダ語圏とフランス語圏の「対話」を要請すると同時に、上下両院議長に「制度の均衡的発展と両語圏の団結の強化を遂行するためにイニシアチブをとるように」求めた。ベルギーは6月10日の総選挙で中道右派政党・キリスト教民主フランドル党(CD&V)が勝利し、ルテルム党首が国王から組閣を命じられた。党首は南部フランス語圏地域の政党との連立政権を目指したが調整に失敗し、一時は組閣を断念。しかし、国王は9月末に再度、党首に組閣を命じ、党首もCD&Vとフランス語圏のリベラル派を結集した中道右派政府の誕生を目指したが、調整は難航している。しびれを切らせた多数派のオランダ語圏議員は7日に初めて、唯一の両語圏地域の首都ブリュッセル周辺の選挙区をオランダ語圏とフランス語圏に分割する法案を委員会に提出し、フランス語圏議員に揺さぶりをかけた。この法案が採択されると、フランス語圏の選挙民がフランス語を話す議員に投票できなくなる恐れが出てくる。ベルギーのメディアは政治空白の長期化について、チェコとスロバキアの分裂国家を例に、ベルギーも両語圏に分裂する恐れを指摘している。
(11月13日、産経新聞)

フランスの準結婚制度「パクス」って何?
8年前、1999年の11月15日、フランスでパクス法(連帯民事契約法)が成立した。日本には馴染みのない概念だが、パクスとは結婚を緩くした「準結婚制度」と考えればさしつかえない。パクスと結婚を比較すれば、その違いが分かる。

・結婚は「男女カップルのみ」に限定されるが、パクスは同性カップルも締結できる。
・結婚は原則として「両者の合意」があって解消されるが、パクスは片方の意志だけでパクスを解消できる。
・結婚には貞操義務があるが、パクスにはない。

パクスでは財産を一方から他方へ贈与するなどして共有の形にすることができる。別れるときは財産を分けることになり、一方が亡くなった場合は、残った者が財産を譲り受けることも可能だ。「同性カップルの権利を保障する制度の確立」をマニフェスト(政権公約)に銘記した社会党が1997年6月の下院選に大勝すると、同党リーダーのリオネル=ジョスパン氏を首相とする左派連立内閣が発足した。そして、1998年に同性愛者の人権問題に精通している社会党のパトリック=ブローシュ下院議員にジョスパン首相はパクス法の創案を指示する。できあがった同法案は右派の猛烈な抵抗があり、下院議会で一端は否決されたものの、120時間も審議した末に、1999年10月13日に下院で、賛成315票、反対249票で成立した。パトリック=ブローシュ下院議員によると、

「パクスによって民法で初めて同性カップルの権利を認められました。『同性愛』がタブーでなくなったのも、パクスのお陰です。パクス以前は、同性愛という言葉を発するのさえ嫌がるような人々もいました。パクスが国民的な議論になり、同性愛の問題が自由に議論されるようになりました。『私たちはパクスする』という単語が日常用語として定着し、テレビの番組や映画のセリフで当たり前のように使われています。

(11月15日、オーマイニュース)
★そういえば、飛行機の中で出会った若いフランス人のカップルが、PACSER(パクスする)と言っていたっけ。結婚するのは se marier、パクセするのは se pacser。

■クリスマスのイリュミネーションはデパートの重要な演出のひとつ。デパートは人々に幸福感を与える場所のひとつだが、パリでデパートが誕生したのは、いまから150年くらい前のこと。デパートという新しい劇場の出現に当時の人々は驚愕した。その驚きをエミール・ゾラが小説「ボヌール・デ・ダム百貨店―デパートの誕生」で描いている。ゾラがモデルにしたのはギャルリー・ラファイエットではなく、ボン・マルシェの方(ルーブル百貨店というのも当時あったようだ)。デパートはナポレオン3世(第2帝政)の拡大経済政策と消費奨励の波にうまく乗り、発展を遂げたのだった。デパートは目的を持って何かを買う場所というよりは、欲望を発生させる場所だ。その魔力もなかなか効かなくなってきている。今年のクリスマス商戦はどうなのだろう。19日に発表された、全国百貨店売上高(こちらは日本の話)は前年同月比1.4%減の6260億円余で、2カ月連続のマイナスだったが、東京地区の百貨店では0.6%増の1582億円余で2カ月ぶりのプラスだった。これも地方格差の現れか。





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posted by cyberbloom at 16:15| パリ ????| Comment(1) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報
この記事へのコメント
こんにちわ。Tamamaです。
おひさしぶりです。
PACSのこと、日本人にはいまいちよく理解できないというか、やはり馴染みがないのでパックスする必要性がピンとこなかったりですが、ある意味フランス的な合理主義に叶っているのでしょうか?
実は、偶然ですがつい先日当サイトでもフランスからPACSについての投稿があって、私も初めて知りました。翻訳するのに手間取ったけど、おかげで新しい単語を覚えました。

ところで、

相互リンクしていただいているサイト
France 24hがリニューアルして
Franponais 24h
http://france24h.free.fr/
に変わりました。
お手数ですがアドレスとサイト名を変更していただけますでしょうか?
(ついでにこの場をお借りして新サイトの説明をさせていただきます)
新サイトでもフランス情報をフランス人が投稿する、というスタイルは変わっていませんが、記事を投稿してくれたフランスの方達とおしゃべりが楽しめるよう、掲示板(フォーラム)を設置いたしました。翻訳スタッフもいるので、仏語初心者でも日仏のコアな情報交換が可能となっております。
すでにフランスからの参加者は続々集まってきています。フランス語を勉強中の方やフランス人のお友達が欲しい方などに利用していただければと思います。

では、失礼します。
Tamama
Posted by Tamama at 2007年11月20日 15:19
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