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POUPEE DE CIRE, POUPEE DE SON
by FRANCE GALL
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QUELQU'UN M'A DIT
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PERSONNE N'EST COMME TOI
by AUTOUR DE LUCIE
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by RHESUS
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CYBELE'S REVERIE
by STEREOLAB
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ONE MORE TIME
by DAFT PUNK
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UNE VERY STYLISCH FILLE
by DIMITRI FROM PARIS
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MAD BLUNTED JAZZ
by DJ CAM
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CHERRY BLOSSOM GIRL
by AIR
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PLAYGROUND LOVE
by AIR
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DANCE
by JUSTICE
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5:55
by CHARLOTTE GAINSBOURG
RECOMMENDED CD
■二人 いつか 憧れの♪ パリに 行くのを 夢見てる♪ 宮崎あおいとアヒルの熱演による損保会社アフラックのコマーシャル・ソング。ノートルダムにシャンゼリゼ、サンジェルマンに凱旋門、モンマルトルにカルチェラタン、エッフェル塔にクリニャンクール。実はパリが曲のテーマ。多くの働く女性たちにとってパリは今も特別な場所なのだ。
■マレーヴァ・ギャランテール。タヒチ生まれ。彼女の名前は「流れ星」を意味するらしい。1998年、ミス・タヒチ。1999年、ミス・フランス。1m78の長身とエキゾチックな美貌で、14歳からモデルとして仕事を始め、テレビのバラエティー番組の司会者なども努める。2006年に発表された彼女のデビュー・アルバム「ukuyéyé」はイエイエのリバイヴァル。フランス・ギャル「娘たちにかまわないで」、ジャクリーヌ・タイエブ「朝の7時」などをカバー。
■スーパーモデルにして女優が、2002年、本アルバムで歌手デビュー。ヨーロッパで100万枚を売り上げるヒットとなった。このアルバムはプロデューサーのお膳立によるものではない。自分で詞を書き、曲を作り、ギターまで弾く。さらにはハスキーで落ち着いた魅惑的な声の持ち主ときている。「ポンヌフの恋人」のカラックス監督のクリップ付。
■思い出したようにCMで使われ、プチブームが来る。最近では「シェリーに口づけ」がホンダのゼストのCMに使われていた。今の学生は「ウォーターボーイズ」を思い出すらしい。このベスト盤は「愛の願い」「愛の休日」「愛のシンフォニー」「渚の思い出」「哀しみの終わるとき」など、ポルナレフの名曲をほぼ網羅。私も買い直そうかな。
■アコースティックなフレンチ・ロック。女性ボーカル、ギター&ベースの構成。フランス語は淡々と囁くように歌うのがいい。90年代の前半によく聴いていたブリティッシュ系のギターバンドの音。系統としては80年代のネオアコにまでさかのぼる。最近はいろいろ試行錯誤してます。
■フレンチボサノバの名盤。かなりジャズも入ってます。ベルギー発。名曲「南の海の魚」のフランス語がとても心地良い。夏が近づくと聴きたくなる。
■ダフト・パンクのベスト・アルバム。今年のサマーソニックで来日していましたね。日本絡みで話題の多いダフト。2nd、Discovery では日本の伝説的なアニメーター、松本零士とコラボレーション。クリップ集は映画化されカンヌで上映。ダフトの2人は松本零士の「宇宙海賊キャプテンハーロック」を見て育ち、「日本は第2の故郷だ」とまで断言する。
■日本でも人気が出てきたフランスのバンド。日本のCMにも曲が使用。ヒップホップとロックのミクスチャーだが、この3rdアルバムはロック色が全面に。初回限定盤は秘蔵ライブ映像付(マーケットプレイスでget!)。メンバーはライブで客にナウシカを歌わせるほどの日本アニメおたく。
■2000年にアルバム「パズル」で衝撃的なデビューを飾ったフランスの男性4人組バンド、タヒチ・エイティの2nd。前作のポップセンスを維持したまま、ストリングス&ホーンを導入。懐かしい感じのするメロディが抜群にいい。英語で歌っています。
■exquiseさんもイチオシ。フレンチ・エレクトロの代表格、AIR(エール)による「ヴァージン・スーサイズ」のサウンド・トラック。レトロさと未来っぽさが同居しているるのがエールの味わい。独特のトリップ感覚に浸れるが、私にはどうしてもピンク・フロイドにしか聞えない。
■コートをまとったポール・ウェラーとミック・タルボット。カッコ良すぎる。二人のファッション、イギリス人が意識したフレンチ・カジュアルなのかもしれないが、パンツはくるぶしの上5センチでカットされており実にイギリス的。録音も当然ロンドン。写真をパリに、アルバム・タイトルをフランス語にしてもイギリス人がパリなんかでロックのレコードを録音できるはずがない。80年代の名盤。ジャケ買いOK。
■DJ CAM−フランスで最高のDJ。オシャレ&クールなジャズ・ヒップホップ。soulshine というだけあって、ソウルフルな女性ボーカルをフィーチャー。洗練されつつ、遊び心もふんだんに盛り込まれた1枚。大推薦!
■Mad Blunted Jazzなんて、タイトルがすでにカッコいい。内容は「Underground Vibes」と同時期のライブ(1995年レンヌ)のカップリング。タイトルの示す通り、地下室の闇を置く深くまで振るわせるようなヴァイブラフォンの響き。DJ CAMはMJQの現代版か。クール&タイトなインスト・ヒップホップ。10年経っても全く色あせず。
■フレンチロリータにしてコギャル系。今はJ・デップの奥さんだが、このアルバムは元カレのL・クラヴィッツのプロデュース。クラヴィッツのポップセンスがキラキラ輝く。BE MY BABYのクリップを改めて見たが、ファッションが著しくイマ風。ギャル系の学生も見入っていた。
■シャルロット・ゲーンズブールの久しぶりの新アルバム。映画とのタイアップではないオリジナルアルバム。バックにフランスの2人組エールが、さらにプロデュースにレディオヘッドも手がけるナイジェル・ゴドリッチ。
■ブランシェなパリを演出するコスト兄弟がプロデュースしたホテル・コスト。このホテルのラウンジ&レストランをイメージしたコンピレーションCD。今や9集目を数えるラウンジ系の人気シリーズだが、これは記念すべき第1弾。ベスト盤もあり。
■フランスで最も有名なラッパーの1st。フレンチラップの金字塔的な作品。音もジャズっぽく、スタイルもクール。MCソラーは移民の置かれた現実の告発よりも、純粋に言葉による表現を志向している。ことわざやクリシェで遊び、シラブルと韻を自在にあやつる。
■セーヌ河のジャズ。青い頃のバルネ・ウィラン。初っぱなの"SWING 39"がいい。口につけるリードがこなれず、青臭く乾いたところ、パーカッションの勢いにまかせて、伸びる伸びるテナーの音粒…
■ペトルチーアーニは繊細な演奏をするフランス生まれのピアニスト。なかでもオープニングチューン"THE PRAYER"と2曲目"OUR TUNE"は、たまに無性に聴きたくなるんよね。
■泣く子も黙る、モダン・ジャズ・カルテット。パリを舞台にしたジャズの名盤のひとつ。ヴァイブラフォンの響きが何ともクール。「Django」と併せて聴きたい。
■フランスといえばダバダバダバ。ダバダバ・スキャットの名盤。Swingle SingersがMJQと華麗なバロック・ジャズをやっている。「G線上のアリア」など。バロックもジャズもフランス発じゃないが、2つが組み合わされるとそれっぽく聞こえるのが不思議。MJQがコンコルド広場で、こちらはヴァンドーム広場。
■「枯葉」「マイ・ウエイ」(=コム・ダビチュード)、「男と女」など、誰もが知っているシャンソンの名曲をボサノバ・アレンジで歌う。ジュリエット・グレコはダメでも、このアレンジだったら今の学生も聴けるみたい。イントロに本場のボサノバのサビを忍びこませている。
■フランスのプログレといえば外せないのがこれ。不思議な響きを放つマグマの歌は、彼らが考案したコバイア語によって歌われている。彼らはコバイア星からやってきたコバイア星人で、このバンドによってコバイア神話を語り継ぐ。これも70年代のサイケカルチャーの産物だが、ここまで変さを徹底できるのはフランスならではか。リーダーのドラマー、クリスチャン・ヴァンデールはコルトレーンの影響下にあると言っているが、プッチーニのオリエンタル・オペラ(「トゥーラン・ドット」とか)にも似ている。
■フランス語圏のベルギーのグループ。室内楽風の構成なのでチェンバー・ロックと呼ばれる。バスーン(ファゴット)のこもった低音や、地の底から響いてくるようなハーモニュームの音が特徴的。夏の肝試しにも使えそうな、呪術的でフリーキーな音作りだが、リーダー、ダニエル・ドゥニのドラムに導かれるアンサンブルも凄い。このLP盤を手に入れるのにどんなに苦労したことか。今やアマゾンで簡単に買える。
■ライ(アルジェリア起源のポピュラー音楽)で注目すべき傾向のひとつは、フランスにおけるライとr'n'b の融合。2004年に Kore & Skalp というコンビが多くのアーチストを集めて製作したRai'n'b Fever 。このコンピレーションは大セールスを記録し、フランス全体のチャートでも2位に。なかでも収録曲のひとつで 113, Magic System, Mohamed LamineによるGaou a Oranはその年の「フランスのクラブで最も頻繁にかけられた曲」となった。
■パトリシア・プティボンは、近年、ヨーロッパ各地の大劇場のオペラ公演に重要な役どころで出演し、高い評価を得ているフランス人ソプラノ歌手。このプティボン、たんに歌や演技がうまいオペラ歌手というのとはわけが違い、チャーミングなキャラを生かした、かなり規格外のパフォーマー。最大の魅力は、天上の聖性と地上の下世話さのあいだを一瞬にして往還する表現の自在さであろう。
■エレーヌ・グリモーはいまや飛ぶ鳥を落とす勢いのピアニスト。エクサン・プロヴァンス生まれのフランス人であるが、ドイツ音楽を好み、ベートーヴェンやブラームスの協奏曲をプログラムに選ぶことが多い。グリモーは幼い頃から周囲と溶け込めず、自閉症に近い性格を持っていた。彼女を変えたのが狼との出会い。20歳からアメリカに移り住んで動物生態学を学び始めた彼女は、狼との交流を通して世界に向かって心を開き始める。と同時に、彼女の音楽家としての魂は目覚しく成長を遂げた。
RECOMMENDED BOOKS
■モノが氾濫するなかで育った日本の少女たちは世界の消費文化の中でも特異な存在である。彼女たちは階層的なアイテムだったヴィトンやエルメスを日常的に使いまわす。ブランド世代の母親たちが「上がり」として手に入れたブランドと、その過程で獲得した鑑識眼は彼女たちにとっては出発点に過ぎない。もはや憧れではなく、彼女たちはモノとしての機能性やデザイン、イメージに徹底的にこだわる。そういう新しいコンテクストにエルメスも捉えなおされる。
■ユベール・マンガレリ『おわりの雪』:フランスの「今」を感じる現代小説のひとつ。原文はフランス語文法を一通り終えた人ならじゅうぶん読める平易なことばで書かれている。オリジナルの文章を味わってみるのも楽しい。
■2002年,東京でミュージシャンとして活躍していた著者はパリに移住する.そして,このお洒落の代名詞ともいえるフランスの首都にて予期せぬ事態に次々と遭遇することになる.念願のプジョー・ヴォーグ(ペダルのついたスクーター)に乗ればガス欠となり,ガソリンスタンドを求め街を彷徨う.アパートでは何の予兆なく唐突に天井が落下する.当たり前といえば当たり前だが,花の都での生活は,バラ色ばかりというわけではない.著者の記述が数ある著名人/芸能人のパリ滞在記と異なるのは,そのユーモラスな筆致にある.
■祐天寺りえ『フランスだったら産めると思った』:日本の少子化が問題になっているが、フランスは積極的な政策で少子化に歯止めをかけている。本書はフランスに住むことになった日本人の女性の視点から、フランスの子育て事情について書いている。これからはどんな家族のあり方が望ましいのか、具体的にイメージできる本。
■これまでの「西洋音楽史」と銘打った本の多くは例外なく、各時代の専門家による分担執筆だった。これらは専門家に対して正しい専門的な知識を万遍なく提供するだろう。しかし、様々な関心やつながりからクラシックについて知りたいと思っている普通の人、例えば、「のだめカンタービレ」を読んでクラシックに興味を持った人が、それを理解できるだろうか。理解できる、できない以前の問題として、そういう「使えない」音楽史に意味があるのだろうか。ある種の正しさはあるかもしれないが、ナンセンスな専門知識ではないのか。そういう問いが著者をしてこの本を書かせたようだ。
■本書はコロンブスのアメリカ大陸発見から現在に至るフランスとアメリカの関係を綿密に検証している労作だが、とりわけ第2次世界大戦後の米仏関係を描いた箇所が興味深い。フランスの知識人たちのあいだで「フランス精神はアメリカに占領され、植民地化されつつある」という危機意識が生まれたのは、フランスが経済的に衰退し、外交の舞台でも脇役に追いやられ、自らのアイデンティティーの最後の砦を自国の文化に求めるしかなかったからである。そして、津波のように押し寄せたアメリカの大衆文化をフランスの知識人の理解を超えていた。ブルジョワ的な教養という枠組みしか知らなかった彼らは、それが俗悪なサーカスか、あるいは帝国主義的なプロパガンダにしか見えなかったのである。
■『中村屋のボース』:インド独立運動家にしてアジア主義者、ボースの波乱万丈の生涯。急進的な反英抵抗運動の過程で、日本に逃亡し、そのまま日本に帰化する。潜伏先の相馬家の人々に本場インドのカレーを伝授し、それがレトルト化までされている「中村屋のカリー」に結実する。
2007年09月01日
7月にパリで行われた「JAPAN EXPO(ジャパンエキスポ)2007」で、ラフォーレ原宿が大規模なファッションショーを行い、「HARAJUKU」発の東京ファッションを披露した。ラフォーレ原宿が打ち出したのは、フリルやレース、リボンで飾った「ロリータ」や、黒ずくめの「ゴシック」スタイルなど、「原宿発祥」とされる独特なファッション。これが今、日本が世界に向けて売り出しているスタイルだ。とりわけ、ゴシックとロリータの組み合わせは「ゴスロリ」と呼ばれている。
黒ずくめのゴシック専門のブティックはパリにもあるらしいが、今年の2月に、日本発のロリータ専門店、Baby, the stars shine bright がバスチーユにお目見えした。こちらはゴスロリというよりは、「甘ロリ」。「カミカゼ・ガール」(=深キョン&土屋アンナの「下妻物語」、映画の中でこのブランドが紹介された)のような格好をしたくない?と、アニメ・マンガ、J-POPやビジュアル系に夢中のパリジェンヌたちを誘惑している。思い起こせば、パリはロリータが初めて様式化されたフレンチ・ロリータ発祥の地だ。しかし、日本のロリータはナボコフの「ロリータ」のイメージはなく、むしろルイス・キャロルだ。
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Baby, the stars shine bright□
バスチーユの直営店を動画で紹介また、8月29日から8日間の日程で東京ミッドタウンをメイン会場に第5回「東京発 日本ファッション・ウィーク」(経済産業省後援)が行われていたが、31日のショーで廣岡直人が手掛けるエイチナオト(h.NAOTO)が、完成度の高いゴシックロリータスタイルを披露し、国内外のジャーナリストや熱心なファンたちが見守った。
というふうに、好き嫌いがはっきり分かれる領域とはいえ、「ゴシック」という言葉を最近頻繁に耳にするようになった。
ところで、「ゴシック」(gothic 英 gothique 仏)っていうと、真っ先に思い出すのがパリのシテ島にある大聖堂。観光地として絶対外せないノートルダム・ド・パリだが、こちらはゴシック建築だ。その建築様式誕生の記念碑的なサンドゥニ修道院付属聖堂もパリ近郊にある。モネの題材にもなったアミアンの大聖堂や、青いステンドグラスが美しいシャルトルの大聖堂もゴシック建築として有名だ。
宙を突き刺す高い尖塔、ガーゴイルなどの過剰な突起状装飾、濃密なステンドグラスなど、派手かつグロテスクなデザインを特徴としている。古典ギリシアの美的基準としてプロポーション(均整さ)が挙げられるが、ゴシック建築に関して言えば、「光と高さ」に美と崇高を求める点にあるだろう。
「ゴシック」の原意は、ルネサンス期の15-16世紀に、イタリアの美術家たちが中世時代の美術を粗野で野蛮なものとみなして、「ドイツ風の」あるいは「ゴート風の」と呼んだことに由来する蔑称で、ゴート人が創出した美術様式ではない。
そして18世紀半ばから19世紀にかけ、イギリスでゴシック・リバイバルとして再びゴシック建築は人気が高まる。これはロマン主義の一形態(中世回帰)と位置づけられるが、鬱蒼とした樹木に囲まれたゴシック的庭園や廃墟散策趣味が再評価される。それは文学の世界にも大きな影響を及ぼし、中世風の建物を舞台にした幻想的な時代小説(=ゴシック小説)が出版され、人々の間に中世趣味が広がることになる。
「ストローベリ・ヒル」と呼ばれる別荘を中世ゴシック風に改築して、ゴシック・リバイバルの立役者となったホレス・ウォルポール(1717-1797)は自ら『オトラント城奇譚』というゴシック小説の先駆となる作品を書いた。さらにはゴシック小説の象徴的な主人公を登場させたブラム・ストーカーの『ドラキュラ』。すでにSF的なテーマと心理的葛藤を描いているメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』。アメリカのエドガー・アラン・ポーの『
アッシャー家の崩壊』もゴシック色の強い小説である。これらの作品が物語るように、ゴシック小説定番のモチーフと言えば、怪奇現象、宿命、古い館、廃墟、幽霊などがまず挙げられ、今日のSF小説や、ホラー小説にも活用されている。

ゴシックは小説の中だけではなく、あらゆるジャンルやスタイルの中に浸透しつつある。フランスでは、黒装束に身を包み、十字架をつけて墓地にピクニックにいく若者たちが密かに増えているようだ。彼らは、ポーや
ロートレアモンなどの、19世紀の異端文学者の末裔を自認している。そこまで行かないとすれば、少しとんがった「ハリー・ポッター」シリーズの愛読者あたりだろうか。しかし、この動向は多くの場合、日本のサブカルチャー経由であり、ゴシックは日本を通して再発見されたのだ。
普段から本物のゴシック様式を目の当たりにしている彼らが、新しい形で様式化されたゴシック・スタイルに憧れるのも奇妙な現象だ。自分たちの価値ある文化遺産であるだけに、それをあるがままに尊重し、現在の自分に結びつけようなんて思いつかいないのかもしれない。逆に西洋をモノやイメージとして輸入し、何の抵抗もなく素材としてそれらを加工できるのが日本の強みなのだろうか。それが日本のポップカルチャーの力であり、一時は世界を席巻した資本力がめくるめく商品化と消費のスパイラルを支えてきた。
フランスの若者たちが、ゴスロリやVISUAL KEI(ビジュアル系)に驚き、憧れるのは、西洋的な倫理から自由な「何でもあり」の原理と、途方もないポップ化、商品化の力なのだろう。フランスでは文学的な裏づけを取ることで外見のイメージとバランスをとったり、ゴシックを保守的な社会に反旗を翻す象徴的なスタイルとして再発見するのだろうが、それらはあまりにも古典的な振舞いだ。ゴシックはこれまで欧米のサブカルチャーの中にも取り入れられてきたが、それらは趣味性が高く、一部のファンに止まるものだった。日常的に使え、気軽に消費できるものではなかった。日本のゴシック・スタイルは、最初のうちは過剰な自意識の産物だったとしても、思想的な背景は薄められ、単に服装や音楽の趣味にすぎないと言えるレベルまでパッケージ化され、まさに日常仕様(使用)なのだ。これが爛熟した消費社会のラディカルさと言えるだろう。さらには政府までもバックについて重要な輸出品として売り出そうとしている。
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新しいゴシック(2)マリリン・マンソンとバウハウス」
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新しいゴシック(3)ゴシック必読文献」
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