2007年08月12日

週刊フランス情報 6 - 12 AOUT

柏崎刈羽原発「時間かけ安全性検討」、IAEAの調査終了
国際原子力機関(IAEA)の調査チームは9日、新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所の調査を終了した。10日に経済産業省原子力安全・保安院を訪れ、意見交換を行う。調査団長のフィリップ・ジャメ原子力施設安全部長は「日本側は専門家が対応し、多くの情報を提供してくれた。原発の安全維持への努力も良い」と評価した。ただ、同原発の安全性については「結論を出すのは時期尚早。ウィーンの本部に持ち帰って、時間をかけて検討する」と述べた。保安院などによると、調査団は1〜7号機すべての外観や内部を調査。特に微量の放射性物質を含む水が外部へ漏出した6号機の水漏れの経路や、緊急時の要となる非常用ディーゼル発電機の機能維持に関して、詳細な説明を求めた。また、耐震設計専門家による詳細な聞き取りも行われた。
(8月9日、読売新聞)
★フィリップ・ジャメ氏、名前からしてフランスの方だと思うが、二度と事故を起こさないようにと来日(ジャメ ne...jamais=never、実際の綴りは Jamet)。ジャメ氏は「緊急時の要となる非常用ディーゼル発電機の機能維持」に強い関心を抱いているが、2006年7月にスウェーデンで起こった原発事故を念頭に置いていると思われる。その事故では、原子炉の冷却水のポンプが動かなくなり、非常用の発電機も動かないという事態に陥り、死ぬなら家族と死にたいと、作業員が家に逃げ帰ったという。そのときは何とか別の発電機を手動で作動させ、メルトダウンという大惨事にはならなかったようだが、下手をすればヨーロッパ全体に被害が及んでいたと言われる(この事故もほとんど日本で無視された)。ある雑誌が柏崎刈羽の事故でも最悪の場合200万人の死者が想定されたと書いていたが、世界中でかなり危ない綱渡りをしている。一方で、新興国の電力需要はさらに高まり、原発の建設ラッシュが起ころうとしている。原発は果たしてそういうリスクに見合ったものなのだろうか。

■サブプライムの新たな衝撃、フランスのBNPパリバも
今回の株安はフランス大手金融機関のBNPパリバがサブプライムローンの焦げ付き問題にからみ、傘下の3ファンドの凍結を発表したのがきっかけ。信用不安が米国内の一部のヘッジファンドにとどまらず、欧州の大手銀行にまで広がっていることが明らかに。
(8月11日、朝日新聞朝刊)
★落ち着きそうに見えたサブプライム問題が今度はフランスの大手銀行を火種に再燃。サブプライム問題が表面化してから、NYダウは今年何番目の下げ幅とか上げ幅とか言いながら数百ドルの値幅で乱高下を繰り返している。日本の株式市場もそれに振り回されっ放し。日経平均株価やTOPIXは下げる時はNY以上に下げて、戻すときはNYほど戻らないのが情けない。やはり日本も欧州も信用不安を映して銀行株の下げが目立つ。信用不安の解消を目指して、FRB(米連邦準備制度理事会)、ECB(ヨーロッパ中央銀行)、そして日銀が大規模な資金供給を実施した。最近話題にしているユーロ円も円高で推移。1ユーロ=160円を切りそうな趨勢(週末はちょっと戻して、1ユーロ=162・06円)。

■ハリポタ勝手に仏訳公開
英ベストセラー小説「ハリーポッター」シリーズの完結編となる第7巻を勝手に翻訳し、インターネットで公開したとして、南仏エクサンプロヴァンスの16歳の高校生がフランス捜査当局の事情聴取を受けた。高校生は同書の熱心なファンで営利目的ではなかったとみられる。訳文はプロ顔負けと捜査官が舌を巻くほどの出来栄えだっという。8日付けパリジャン紙(Parisien)によると高校生は英語が得意で7月21日付の英語版出版の数日後に独自の仏語全訳を完成させ、ダウンロードできるように公開した。仏語訳刊行を10月に予定している出版社が見つけ、当局に通報した。
(8月11日、朝日新聞朝刊)

■田中康夫の参議院ウォッチング
たまには日本の政治の話題。田中康夫が8月9日の日刊ゲンダイに寄稿していた「おかしな、おかしな参議院のこの光景」という参議院ウオッチングは笑えた。田中康夫は国会議員になったんだよね(オウム報道で有名な有田氏の方は落選)。9条ネットの天木直人氏がブログで紹介していたので、そのまま引用。

「…(副議長に誰を書くか考えあぐねている間に、)隣席の糸数慶子女子も、前席の川田龍平氏も、にやんと、山東昭子女子の名前を記し終えているではありませんか。ねえねえ、抵抗感を抱かないの、川田君にそう尋ねると、そう言われてますから、と事もなげに答えます…驚いたのは、常日頃から育児と国政活動の両立を声高に語る民主党の女性議員が、議員食堂の喫煙室で談笑している…更には川田君が議場で後ろを振り向いて、ゴルフを教えてください、と横峯パパに弟子入りを申し出たのにもビックリしました。プチブル政治家に堕落したかと茶々を入れると、彼は真顔で、政治の深い話はゴルフ場で行われるんですよ、と僕を諭してくれて、いやはや、仰け反りそうになりました…」

あの川田龍平氏までも。市民派を自負する議員も、議員になると別の論理の中に回収されてしまうのか。与党だろうが、民主党だろうが、市民派だろうが、党派を超えた議員という特権意識と仲間意識ができてしまうようだ。田中康夫の批判の切れ味は相変わらす鋭い。独特のユーモアと毒があり、議会内の象徴的な光景をうまくあぶりだしている。政治家としての資質はともかく(個人的には期待しているが)、政治の世界を内側から見せてくれそうで楽しみだ。

Vanessa paradis / Divine Idylle
ヴァネッサ・パラディのニュー・シングル、フランスのヤフーでも動画配信していた。手っ取り早くYoutubeで。

■週刊スポーツ情報(by superlight) http://frenchbloom.seesaa.net/
*ヨーロッパ各国リーグ開幕&日本人選手情報
ヨーロッパではすでにいくつかの国で2007〜08シーズンが開幕していますが、気になる日本人選手の動向はどうなっているのか? 今年度はほとんどの日本人選手たちがレギュラー格扱いとなっており、チームの中心として活躍してくれることが予想されます。きょうのエントリーではそんな彼らの情報をお届けしましょう(→続きを読む)



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posted by cyberbloom at 13:09 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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