2007年08月11日

週刊フランス情報 6 - 12 AOUT アート編

■ピエール&ジル、ピアジェの「夢」のイベントで来日
時計・宝飾メーカー、ピアジェの依頼で製作した「夢」のお披露目イベントのために、フランスのポップアート・コンビのピエール&ジルが来日。彼らの作品はピエールが写真を撮り、ジルが絵の具を重ね塗りするという手順で作られる。今回の作品の主役は渡辺謙の長女で、パリコレで活躍するモデルの杏。衣装は東京コレクションの人気ブランドとして知られるドレスキャンプの岩谷俊和がデザイン。
(8月11日、朝日新聞朝刊)
Heavenly Bodies: Photographs by Pierre & Gilles★ピエール&ジルはすでにピアジェの広告を4作担当している。ゴルチエの広告も有名だ。彼らは自分たちの作品には二面性があり、それは「おだやかさの中の毒」だという。確かにあざやかな色であふれているが、キッチュな不気味さがある。それは「宝飾品というきらびやかな夢の世界だが、高度な職人芸の集積でもある」というピアジェの二面性にも通じるのだとか。ふたりはパリのケンゾーブティックのオープニングで出会い、70年代の後半からコンビを組んだ。80年代にはコートジャケットも多く手掛けた。マーク・アーモンド、ミカド(フランスのエレポップ)、セント・エチエンヌ&ダホ、サンディーなどが思い出される。既刊の写真集、Pierre & Gilles: Double Je 1976-2007はピエール&ジルの30年間の集大成で、イギー・ポップ、マドンナ、マリリン・マンソン、レティシア・カスタなど、多くのセレブを題材に万華鏡のように華やかでめくるめく世界が展開されている。

ENCHANTED MERCY

「夢」pour PIAGET

□写真集
Heavenly Bodies: Photographs by Pierre & Gilles(写真上、近日発売)
Pierre & Gilles: Double Je 1976-2007


モネなど4作品が盗難被害、仏ニースの美術館
フランス南部ニースにあるジュール・シェレ美術館で5日、武装した男4人が開館中に押し入り、印象派画家クロード・モネやアルフレッド・シスレー、フランドル画家ヤン・ブリューゲル(父)の作品、計4点を盗んだ。警察が6日発表した。4人の男は覆面とヘルメットをかぶり、美術館スタッフに床に伏せるよう強要した上で作品を盗み、午後1時(日本時間午後8時)ごろに逃走したという。被害に遭った作品は、モネの「ディエップの断崖」、シスレーの「ポプラの小道」、ブリューゲルの「水の寓話」と「地の寓話」。警察では、いずれも有名な作品で売却が困難なことから、何者かの依頼を受けて犯行に及んだとの見方を強めている。
(8月7日、ロイター)
盗難ピカソ3点、無事戻る、パリで3人組を逮捕
フランスの警察当局は7日、パブロ・ピカソの絵画2点(計5000万ユーロ=約80億円=相当)とデッサン1枚をパリ市内で持ち歩いていた3人組の男を現行犯逮捕した。3作品は今年2月、パリ市内にあるピカソの孫娘宅から盗まれたもので、警察は、逮捕した男の1人を主犯、残る2人を共犯と見て調べている。いずれの作品も良好な状態でピカソ家に無事戻ったという。盗まれていたのは、人形を両腕に抱える自分の娘マヤを描いた作品で、世界的に有名な「人形を抱くマヤ」(1938年)とピカソの2人目の妻、ジャクリーヌさんの肖像「ジャクリーヌ」(61年)、それに「21歳のマリー・テレーズ」と題されたデッサン。
(8月8日、読売新聞)
★今週2件の絵画をめぐる事件があった。いずれも転売目的なのだろう。「美術館で名画を盗むより、ヴァージンの店でDVDを盗むほうが難しい」と、90年代の後半にヨーロッパ各地で200点を越す美術品を盗んだ、「美術館のアルセーヌ・ルパン」はそう言った。彼はステファーヌという名前で、彼は金銭的な価値に全く興味がなく、純粋に鑑賞目的で絵を盗んだのだった。単独犯で、絵を決して転売することはなかった。自宅の鎧戸を閉め切って、盗んだクラナッハをうっとりと眺めていた。ステファーヌは絵を買えないから盗んだのだ。彼は美術商こそが盗人だと考えていた。何せ、1万ユーロの絵を10万ユーロで売るのだから。彼は強奪するのではなく、こっそり美術館から絵を盗んだ。彼は何も破壊することなく、白昼堂々と、警備員がいる前で絵を盗んだ。「美術館のアルセーヌ・ルパン」と呼ばれたのそういうわけだ。彼は7年のあいだにヨーロッパ全土で計230点の絵画や美術品を盗んだ。絵を盗むのは簡単だった、美術館の警備はひどく、数日たっても絵が消えたことに気がつかない警備員もいくらいだ、と告白した。捕まる前、ステファーヌはレストランのウェイターだった。自由になった今美術業界で職を探している。今や彼は美術とセキュリティー、両方のエキスパートなのだから。ピッキング泥棒と鍵屋、ハッカーとコンピューター犯罪を取り締まる警官の関係に似ている。


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posted by cyberbloom at 15:19 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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