2007年08月01日

プジョー製電動ペッパーミル

poivrepeugeot02.jpgプジョーといえば、ライオン・エンブレムの自動車をまず思い浮かべる。日本でもずいぶん見かけるようになった。しかし、プジョーはそれだけではない。シェフや料理好きのあいだでプジョーはペッパーミルの会社でもある。プジョー製のペッパーミルは一種の芸術品として160年ものあいだ愛用されてきた。1882年に第一号が生産された自動車よりもペッパーミルのほうがはるかに歴史が古い。

プジョー社はジャン・ピエール&ジャン・フレデリック・プジョー兄弟によって1810年に設立されたが、最初は鋼を加工して、ノコギリの刃、園芸用のハサミ、アイススケートの刃などの工具を作っていた。そこから多様な工業製品を生み出す世界企業に展開していくことになる。

プジョーのペッパーミルの本質は、二重螺旋臼方式構造にある。ペッパーが入る上部に大きな刃が、ペッパーが出る下部に小さな刃がついていて(それぞれが外刃と内刃を持つ二重構造になっている)、上の刃はペッパーの粒を確実にとらえ、小片に砕いてから下に送る。小片になったペッパー粒は小さな刃で挽かれ、ペッパーの粉になる。しかも、ペッパーの粒は必要以上に壊れることがなく、香りを最大限に引き出すことができる。この構造はどのメーカーも決して真似ができない高度な技術に裏打ちされているのだ。

プジョーのペッパーミルは、ブナやトネリコなどの天然木を使った伝統的なタイプから、アクリル製、ステンレス製など豊富な種類を取り揃えているが、数年前に電動式のミルが登場した。電動式はスイッチひとつで挽くことができ、料理をしながら片手で使えるのが魅力だ。ペッパーの粗さの調節が簡単にできるだけでなく、小さな電球がついていて、手元が暗くても振りかけた量が確認できるという優れもの。

プジョーは1840年にペッパーミルに先駆け、コーヒーミルを開発し、レストランやカフェの定番になっていた。ペッパーミルはコーヒーミルからの応用された製品だった。自動車やペッパーミルに匹敵するヒット商品としては、1867年に発売された縫製ミシンがフランスでブームを巻き起こした。これも19世紀のことだ。

□写真はエリスという型の電動ペッパーミル(Moulin à poivre électrique-Elis)。アマゾンではゼフィールという型(Moulin à poivre électrique-zephyr)が買える。

□関連エントリー「PEUGEOT プジョー


cyberbloom

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posted by cyberbloom at 22:22 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | おフランス商品学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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