2007年05月28日

週刊フランス情報 21 - 27 MAI 河瀬直美監督「殯の森」、カンヌ・グランプリ受賞!

河瀬直美監督「殯の森」、カンヌ国際映画祭グランプリ受賞!
汚れた血第60回カンヌ国際映画祭は27日夜(日本時間28日未明)、コンペティション部門の授賞式が行われ、候補22作の中から日本の河瀬直美監督(37)の日仏合作映画「殯(もがり)の森」が、最高賞パルムドールに次ぐ、グランプリに選ばれた。授賞式で河瀬監督は「映画を作り続けてきて良かった」と喜びを語った。グランプリ受賞は1990年の小栗康平監督「死の棘(とげ)」以来、17年ぶり。同映画祭ではこのほか、54年に衣笠貞之助監督「地獄門」が当時の最高賞であるグランプリを受賞。パルムドールは、黒沢明監督が「影武者」(80年)で、今村昌平監督が「楢山節考」(83年)と「うなぎ」(97年)で2度受賞している。
(5月28日、読売新聞)

リクルート、無料情報誌のフランス版を秋創刊へ
リクルートは24日、様々な店舗の割引券を掲載した無料情報誌「ホットペッパー」のフランス版を現地で今秋創刊すると発表した。誌名は今後決める。当初はレンヌ、グルノーブルの2都市で発刊し、将来的には30都市に広げる方針だ。インターネット版も手がける。フランスの2社と合弁会社を設立し発刊する。テレビ局「TF1」とパリに本拠を置く投資会社アルテミスが各45%、リクルートが10%を出資する予定だ。「ホットペッパー」は日本国内49都市で毎月計560万部を発行している。企業からの広告収入で運営し、一般企業の売上高にあたる営業収益は、2007年3月期にインターネット版を含め425億円に上る。
(5月24日、読売新聞)

仏新政権の閣僚ら、バカンス返上
「変革」を掲げるフランスのサルコジ新大統領が就任してから、26日で10日が過ぎる。右派与党・国民運動連合(UMP)を中心に、中道、左派からも閣僚を加えた新政権は25日までに、多くの公約実現のため、6月の下院選後の同月26日から8月10日ごろまで、1カ月半にわたって臨時国会を開く方針を固めた。同国には夏を中心に年間5週間の有給休暇を取れる制度があるが、閣僚と議員らは長期バカンスを返上することになる。
(5月25日、時事通信)
★先々週の「週刊情報」で、もっと働いて、もっと稼ごう、を選挙キャンペーンのスローガンにしたサルコジ大統領の勢いなら、「労働時間を見直すどころか、休日返上ということも言い出すかもしれない」、「5週間のバカンスに象徴されるフランスのゆとりがゆらぐことになるだろう」と書いたが、早速それが現実のものとなった。まずは政府がお手本を示そうというわけか。閣僚や議員は特殊な労働形態だが、一般の労働者にもたらす象徴的なインパクトは大きいだろう。
★この記事で思い出したのが、ある年の冬に大西洋でタンカーが座礁し、原油が大量に流出した大事故。その際のフランス政府の対応が遅れて批判を浴びたことがあった。たまたまそのときパリにいてテレビで見たのだが、シラク大統領が真剣な面持ちで政府が全力を尽くして事故に対処しているとテレビから語りかけていた。しかし、顔はスキーが原因と思われる雪焼けで真っ黒。そして目のまわりにはゴーグルのあとがくっきり残っていた。大統領が休暇を取って何も悪いことはないのだが、いくら真摯な面持ちで語っても、全く説得力がなかったのを覚えている。スキーをしていて対応に遅れたんだろうと、全国民がつっこみを入れていただろう。

新しい仏大統領夫人は再婚、駆け落ち、型破りファーストレディー
フランス大統領に就任したニコラ・サルコジ新大統領のセシリア夫人が注目を集めている。夫人は別の男性との駆け落ち経験もあり、かつて「ファーストレディーは退屈で、私の好みではない」と発言したこともある。大統領を影で支えるだけの存在には収まりそうにない、型破りの新ファーストレディーのようで。
(5月24日、毎日新聞)

シラク前仏大統領、日本の秘密口座で事情聴取へ
フランスの週刊紙カナール・アンシェネは23日、シラク前仏大統領が1992年に、旧東京相和銀行(現東京スター銀行)に秘密口座を開設し、数年間にわたり、文化財団から資金提供を受けていたとされる疑惑について、仏捜査当局が事情聴取に踏み切る見込みだと報じた。同紙によると、既に仏情報機関の元幹部、ロンド将軍の自宅から、シラク氏の秘密口座に関する書類が多数、押収されている。21日には、背任、収賄罪で立件できるかどうかが検討されたという。今月16日に退任したシラク前大統領は、1か月後に不訴追特権がなくなる。このため、6月17日以降にシラク氏への捜査が可能になる。訴追されれば、第5共和制で初めて大統領経験者が、刑事事件の責任を問われることになる。
★もしこれが本当だとすると、シラク氏の日本びいきの裏にはこんなことがあったのか。この話はだいぶ前にフランスで話題になり、シラク氏ははっきりそれを否定していたはずだが。
(5月24日、読売新聞)


■「汚れた血」「ボーイ・ミーツ・ガール」DVD再発!
Lise, ma petite Lise, je pars. D’abord à la mer, on verra…
(リーズ、僕のかわいいリーズ、僕は行く。まずは海へ。あとのことはわからない…)

ボーイ・ミーツ・ガール「汚れた血」を見たときの衝撃は忘れられない。すべてがかっこよかった。フランス映画のベストの位置はいまだ揺るがない。カラックスの映画に対する強すぎる、ひとりよがりな思い入れが良い形で出ている(「ポンヌフの恋人」「ポーラX」はそれが裏目に出ている)。STBO という愛のないセックスで感染するウィルスが蔓延し、ハレー彗星が接近し、気温が異常に高い近未来のパリ。シーンは原色のコントラストで彩られる…地下鉄の車両の赤と白、アレックスのジャケットの黒と黄、アレックスのあやつるカードの色、リーズの青に、アンナの赤。そしてバイクのスピードの恍惚と、夜の底にまどろむようなアンナの重さに対する、リーズの信じられない軽やかさ。髪をなびかせ、スカートの裾を翻して夜のパリを軽やかに駆け、アレックスに「バイクの天使」と呼ばれるリーズ。

この映画に関しては、exquise さんがすでにエントリーを書いてくれている。exquise さんも賛否両論があったと指摘している、デヴィッド・ボウイの「モダン・ラブ」をバックに、アレックスがシアトリカルに、アクロバティックに疾走するシーンを youtube で見つけた。確かに印象的なシーンだが、音楽がからむシーンとしては、むしろ1作目の「ボーイ・ミーツ・ガール」のミレイユ・ペリエがフライパンを振り回して踊るシーンが好きだ。彼女の狂気を象徴するかのように、その曲がインターホーンから流れてくる。使われているのはロサンゼルスのパンクバンド、デッド・ケネディーズの「ホリディー・イン・カンボジア」(youtube のライブ映像はかなりいっちゃってますが、笑)。このモノクロのシーンも忘れられない。

とにかくおススメの2本。5月27日発売。

未亡人と青年の繊細で激しい愛の物語「かげろう」
無料ブロードバンド放送のGyaOは21日、フランス映画「かげろう」の配信を開始。 「かげろう」(2003年95分)は、第二次大戦下のフランスを舞台に、子どもと戦火を逃れた未亡人が、謎に包まれた青年の導きで辿り着いた、誰もいない森の奥の屋敷で過ごす避難生活を描いた異色エロティックドラマ。戸惑いながらも歩み寄る孤独な男女を通して、人間の心と肉体の渇きを鮮烈に描いた話題作で、カンヌ映画祭コンペ部門正式出品作となっている。主演は「ミッション:インポッシブル」「8人の女たち」のエマニュエル・ベアールと、本作で圧倒的な存在感を放って一躍脚光を浴び「ハンニバル・ライジング」で主演まで務めた注目の大型新人ギャスパー・ウリエル。監督・脚本はアンドレ・テシネ。配信期間は6月21日(木)正午まで。黒カナリアさんのエントリー「かげろう」も参考に。
(5月21日、RBB TODAY)

フランスの脱力系美女に憧れる
(5月24日、cinemacafe.net)


週刊スポーツ情報(by superlight)
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posted by cyberbloom at 07:33 | パリ ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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