2007年05月17日

カンヌ映画祭(5) FESTIVAL DE CANNES 2007

カンヌ映画祭華やかに開幕
第60回カンヌ国際映画祭が16日夜(日本時間17日未明)、仏南部カンヌで開幕した。27日まで12日間の日程で、正式出品作品22本が最高賞のパルムドールを競う。日本からは河瀬直美監督の「殯(もがり)の森」(日仏合作)が出品されている。河瀬監督は1997年に「萌の朱雀」で新人監督に与えられるカメラドールを受賞している。映画祭の審査員は9人で審査委員長は英国のスティーブン・フリアーズ監督。映画祭と同時に見本市も開催されており、世界中から約1万本が市内の映画館などで上映され、配給会社が買い付けに駆け回る。
(5月17日、産経新聞)

第60回カンヌ国際映画祭:『マイ・ブルーベリー・ナイツ』の上映で幕開け
第60回カンヌ国際映画祭が仏時間16日、オープニング作品であるウォン・カーウァイ監督の映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(原題)(08年日本公開)の上映で幕を開けた。 同作品は、香港のカーウァイ監督の米国進出作品であり、グラミー賞受賞歌手のノラ・ジョーンズがスクリーンデビューを飾った話題作。ジョーンズ演じる、失恋で傷心の日々をニューヨークで過ごしていた女性が、メンフィス、ラスベガスと旅をし、新たな恋を見つけるまでの物語だ。
(5月17日、シネマトゥデイ)


Maggie_Cheung.jpgいよいよ第60回カンヌ映画祭が開幕しました。前のエントリーではコンペ作品について触れたので、今日は審査員をご紹介します。毎回さまざまな地域からさまざまなタイプの審査員が選ばれていますが、前回お伝えしたように、今年の審査委員長にはスティーヴン・フリアーズが選ばれ、その他映画関係者ら8人とともに審査をすることになっています。

今回の審査員は、監督ーマルコ・ベロッキオ(イタリア)、アブデラマン・シサコ(モーリタニア)、俳優ーマギー・チャン(香港)、トニ・コレット(オーストラリア)、監督兼俳優ーマリア・デ・メデイロス(ポルトガル)、サラ・ポーリー(カナダ)、ミシェル・ピコリ(フランス)です。

今年は、審査員に俳優の占める割合が高く、監督業も行う俳優が3人いるのが特徴的ですね。また、カンヌでは文学者が審査に加わることも多く、今回もトルコからノーベル賞受賞作家オルハン・パムクが招かれています。


s_polley.jpg今回の審査員は、日本でも知られている映画人が多いようです。マギー・チャン(写真上)はウォン・カーウァイの「花様年華」にも主演した、香港を代表する女優ですね。彼女は一時期フランス人監督オリヴィエ・アサイヤスと結婚しており、彼の監督した映画でカンヌの主演女優賞も獲得したということもあり、フランスでも馴染み深いアジア女優といえます。

トニ・コレットは、「リトル・ミス・サンシャイン」や「イン・ハー・シューズ」に出演した女優さん、といったらピンとくる人も多いのではないでしょうか。

また「死ぬまでにしたい10のこと」に主演したサラ・ポーリー(写真中)は、28歳の若さで出演作はテレビドラマを含めて50本を超え、自ら6作品を監督、脚本も手がけるという才能の持ち主です。



piccoli.jpgそして嬉しいのはフランス俳優の大御所ミシェル・ピコリ(写真下)の名前があること。彼は1940年代後半から映画界にたずさわり、ジャン・ルノワールやルネ・クレールといったフランス映画界の巨匠から、ヌーヴェル・ヴァーグの監督たち、近年の若手らと幅広く活動してきた俳優で、かつてご紹介した 「ロシュフォールの恋人たち」「汚れた血」にも出演しています。

フランス以外の監督たちとの仕事も多く、特にスペインのルイス・ブニュエル監督の作品に多く出演し、「小間使いの日記」「自由の幻想」「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」といった数々の問題作で独特の存在感を示しています。


このように個性的なメンツが揃った審査委員会が選ぶのはどんな作品か、とても楽しみですね。


このほか短編映画、「ある視点」部門、「カメラ・ドール」の審査委員会もあります。短編映画の審査委員長は、ヨーロッパでの評価が高く、以前 「青の稲妻」をご紹介した中国の監督ジャ・ジャンクー。審査員のなかには、フランスの作家で日本でも作品が多数翻訳されているル・クレジオの名前も見えます。

また「ある視点」部門はフランスの監督パスカル・フェラン、「カメラ・ドール」はロシアの監督パーヴェル・ルンギンが審査委員長をつとめます。「カメラ・ドール」は新人監督の作品に与えられる賞なので、先日 INFO BASE でお伝えした松本人志監督の「大日本人」 もこの賞の対象作品になります。内容がほとんどわからない( C'est un film sur les relations humaines 「人間関係についての映画である」という説明がされていましたが・・)のですが、彼の時にベタで時にシュールな感覚がフランスでどう受け取られるのか? もしかしたら閉会式に松ちゃんの姿が見られるかもしれませんね。


カンヌ映画祭公式サイト



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posted by cyberbloom at 20:49 | パリ 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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