2007年05月05日

週刊フランス情報 30 AVRIL - 6 MAI 前編 フランス大統領選挙決戦投票直前

<仏大統領選>サルコジ氏リード広げる、海外投票始まる
フランス大統領選決選投票は5日、インド洋やカリブ海にある仏海外県などで投票が始まった。仏本国では6日投票される。調査機関BVAとIPSOSは4日深夜、支持率調査結果を発表。両社ともサルコジ前内相支持が55%。ロワイヤル元家庭担当相支持が45%で、サルコジ氏が10ポイント差を付けた。
(5月5日、毎日新聞)


2候補が最後の訴え=仏大統領選決選投票
フランス大統領選は6日、決選投票を行い、現行憲法下での第6代大統領を選出する。選挙戦最終盤では、右派・国民運動連合(UMP)のサルコジ総裁(52)が左派・社会党のロワイヤル元環境相(53)に対する優位を拡大。両者は地方都市で「最後の訴え」を行った。

世論調査でロワイヤル氏に最大9ポイントの差をつけたサルコジ氏は3日夜、モンペリエで1万5000人規模の集会を開催。会場にはシラク大統領夫人、主要閣僚ら与党の要人が顔をそろえ、サルコジ氏は「あと数日ですべてが可能になる」と訴えた。4日は東部のオートサボワ県を訪問、第2次大戦中に命を落としたレジスタンス運動の闘士を追悼する式典に参加した。

一方、ロワイヤル氏は3日に北部のリール、4日には西部のブレストで集会を開いた。同氏はサルコジ氏を「フランスの結束にとって危険な人物」と非難。「世論調査が最終結果ではない」「日曜日(6日)の勝利は皆さん次第だ」と述べ、支持を求めた。 
(5月5日、時事通信)


仏大統領選TV討論、サルコジ氏優位のまま決選投票へ
6日のフランス大統領選決選投票で対決する保守与党・民衆運動連合(UMP)のニコラ・サルコジ総裁と、最大野党・社会党の女性候補、セゴレーヌ・ロワイヤル元環境相が2日夜、初のテレビ討論に臨み、内政、外交問題で激論を交わした。

ロワイヤル氏にとっては劣勢を覆す最後の機会となったが、識者は「互角」、視聴者はサルコジ氏の方が説得力があると判定し、同氏優位のまま決選投票を迎えることになった。

2時間40分に及ぶテレビ討論は、仏国営フランス2と民放TF1が生中継。有権者(約4400万人)の関心は高く、約2000万人が視聴した。

討論は、ロワイヤル氏が、内相、財務相を務めたサルコジ氏の諸政策を攻撃したのに対して、サルコジ氏が冷静に対応、時にロワイヤル氏の大統領としての資質を問う展開となった。
(5月3日、読売新聞)

サルコジ氏とロワイヤル氏のテレビ討論:Youtubeで雰囲気だけでも。16分割でほぼ全部見れます。日本で行われたネット世論調査ではサルコジ氏がロワイヤル氏を大差で破っている。これだけ論点をきちんと出して数時間の議論を展開し、多くの有権者がそれを見守るということがあれば、どんな結果になってもそれなりに納得できるが、こういう光景を日本でも見てみたいものだ。



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posted by cyberbloom at 22:58| パリ ????| Comment(4) | TrackBack(1) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。

>どんな結果になってもそれなりに納得できる
いや〜、納得できないでしょうね、落選した方の支持者は。かなり考え方が違いますよ。
結局、こんな感じではないですか?(笑)
http://fr.search.news.yahoo.com/bin/search/photos_gallery_fr/gpnews/?p=eventnames:presidentielle_carto&b=2

私はフランスのためにはバイルが良いと思っていたのですが、彼はすでに消えてしまい残念です。バイルだったら皆「それなりに納得」できるんじゃないかなぁと思っていたのですが。サルコジなら寛容なフランスの終わり、ロワイヤルならフランス経済の終わりです。

ところで、ここのブログをお書きの皆さんはどういうお考えなのでしょうか? そのあたりのご意見を伺いたいと思って訪れたのですが、お書きになっていないようで。
Posted by NOAM at 2007年05月07日 00:23
NOAMさん、お返事遅れてしまい申し訳ありません。大統領選は重要なネタと考えていたのですが、4月はあまりに忙しく、さらにGW後半に体調を崩し、未だ頭痛と吐き気が抜けません。向こうでの議論も細かくチェックできず、記事ももっぱら貼り付けに終始してしまいました。お恥ずかしい限りです。それにしてもNOAMさんの風刺画の引用はあまりにタイムリーでしたね。流石です。行き先はカリブ海のアンチーユ諸島ではなく地中海のマルタ島でしたが。

サルコジはセイフティーリードで逃げ切った感があります。数々の問題発言も石原都知事みたいに適当に放言しているわけでなく、ある層の人たちの心を確実にヒットしていたんでしょうね。やり方が確信犯的、かつ計算されているだけに敵の反感も大きく、早速若者たちが暴れています。法と秩序と言ってますが、さすがにプーチンみたいなことはできないだろうし。

フランスが両極端に割れてしまった印象がありますが、実はむしろ割れ目は無数にあるのでしょう。これは日本も同じ。昔みたいに労働者と資本家とか言う単純なカテゴリーではなく、もっと細分化された利害対立(労働者が置かれている条件だって一様ではない)があって、互いの状況に全く想像力が働かなくて不信感を抱いている。政党もそれを代弁したり、調停することはできない。調停できなくても、よりフェアな社会条件を整えればいいんですが、それだったらやはりバイルあたりがよかったのかなと。振り返ってみるとサルコとロワイヤルの極端なナショナリスト発言を批判したり、まともなことを言い続けてたのがバイルですね。今回は知名度を上げたということで、次を狙って始動しているようです。

「もっと働いて、もっと稼ごう」なんて一体誰に向かって言っているのでしょう。すでに十分儲けている人のことなんでしょうか。それに失業者にとっても右と左のどちらがどちらが安定した長期の雇用をもたらすかなんて、分からない。労働者の権利を手厚く守ることなのか、雇用を流動化させることなのか。今のままだとうまく仕事が回ってこれば一生働けるかもしれないが、下手をすれば一生仕事が回ってこないかもしれない。流動化すれば仕事は回って来やすくなるが、すぐにクビを切られるかもしれない(雇用の流動化は個人を競争にさらして連帯させないというとてもイヤらしい効果もある)。投票の際のあれか、これかという選択に比べ、自分の置かれているあまりに複雑で偶然に激しく左右されてしまう状況。日本にいてもそういう乖離は年を追うごとに強くなりますね。

今必要なのは、より公平なシステムが持続しうるかということを考える一種の合理主義なんでしょう。いくら平等をうたっても赤字じゃ持たないし。最近は地方の若い議員さん(日本の話)が古い体質の議会に情報公開を求めたり、予算の無駄遣いを厳しく指摘したり、そういう人に投票するのがいちばん投票行動としてしっくりきますね。

「経済が停滞してもいいのか、国際競争に負けてもいいのか」というネオリベの脅し文句はどこの国でも効果的なようで、結局は大企業が余すところなく吸い上げ、おこぼれが回ってくる余地はないのに、負け組みの不安を煽り、勝ち馬に乗らせるという効果は絶大なようです。

なんだかまとまりがないですが、また機会があれば記事にします。
Posted by cyberbloom at 2007年05月10日 23:04
お返事ありがとうございます。ご体調が良くない中、無理にご意見を求めてしまったようで、申し訳ないです。時々拝見させていただいているのですが、大統領選について意見がないのは「らしくないな」と思い、つい催促するようなことを書いてしまいました。

サルコジ氏の公約には、これまでのフランスを大きく変える要素が強くあります。経済政策にせよ、移民政策にせよ、この20年、30年とはかなり違う国にしようとしているようです。それが妥当だとしても、果たしてフランス国民は全体としてついていけるのだろうか、ここに疑念を感じているところです。私はフランスについてcyberbloomさんより少し懐疑的・悲観的なのでしょうね。

近年、メディアの発達した民主主義国での選挙に勝つには、メディアの利用が上手であることが極端なほど重要となってきたようです。アメリカの選挙はもちろんですし、日本でも小泉内閣の誕生あたりからそうでしたが、今回のフランスの大統領選挙もその印象が強いです。何か敵と戦っているというポーズが絵になるかどうか、それが選挙で最も大事なことになってしまった感があります。安倍政権にとっての演出上の敵は何か、韓国政府にとっての演出上の敵は何か、と考えてみても同様の構図を感じます。言うまでもなく、その演出で選挙に強いことと、本当に必要な政策というのは別のことなのですがね。

演出にただ流されるだけではない個人になるには、もっと異なる個人同士がたくさん議論するべきなのだろうと思います。異論をぶつけて噛み合った議論をしている間に、漠然としていた本当の問題が見えてくるというのは良くあることですよね。実際のところ、日頃、日本のブログを覗いてみて感じるのは、議論が少ないということです。安易な同意と罵倒はよく見かけますけどね(笑)。そう言う私も、議論するのは時間とエネルギーが必要なので、議論してみたいものがあっても読むだけということがほとんどです。せめて頭の刺激だけでも受けようと、こちらのブログも含めて時々あちこちを覗かせていただいているわけです。

御身体の早い回復をお祈り申し上げます。

P.S.
すみません、私が前回貼ったリンク先は、時が経つと内容が新しいものに変わるようになっていました。(だから常にタイムリーなのです(笑))私が貼った時の風刺画は下のものでした。
http://eur.news1.yimg.com/eur.yimg.com/xp/delize/20070503/20/1104519478-ils-en-ont-parle.jpg

おわびに、興味深かった情報を一つ。日本在住フランス人も大統領選に投票しましたが、投票行動はフランス本国とほぼ同じで、サルコジ54.5%、ロワイヤル45.5%でした。他の国ではかなり偏っている所も少なくなく、中国では71%がサルコジ、アルジェリアでは80.5%がロワイヤルでした。下のリンクで全世界のがわかります。
http://vivrealetranger.studyrama.com/article.php3?id_article=596
Posted by NOAM at 2007年05月12日 22:06
NOAMさん、お気遣いいただき本当にありがとうございます。だいぶよくなりました。
ところで、メディアの利用がうまいというご指摘がありましたが、新しい組閣人事で半数を女性に、そして外相は社会党から起用しました。左翼なんて結局はイメージの問題なんだよ、とサルコジはウソぶいているように見えます。サルコジのやり方は左派の言説をうまく骨抜きにしていますね。
戦うイメージといえば、ナショナリズムとネオリベが最初に共犯関係を結んだ、イギリスのサッチャー政権の時代にさかのぼります。あのときはフォークランド紛争がありました。何でこの二つが結託するのか関心があります。ネオリベの結果はそのときに出た、何でそれを今さら真似るのかと言われますが、結局それが蔓延する形になっています。この問題に関しては議論がたくさんありそうですが。
またよろしくお願いします。
Posted by cyberbloom at 2007年05月19日 14:07
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フランス大統領選は、サルコジがロワイヤルを制す
Excerpt: 6日投票のフランス大統領選挙・決選投票は即日開票さ
Weblog: ネット社会、その光と闇を追うー
Tracked: 2007-05-07 07:43