2011年02月14日

黒カナリアのぶらり一人旅 ベトナム編

なんか最近一人旅が板につきすぎて二度とラブラブ二人旅とかできないんじゃないのという若干悲しい予感を抱きつつ、いまだ寒さ厳しい日本を後にして向かった先はベトナムーホーチミンシティ。しかし誰ひとりその名前で呼ぶ人もなく、スーツケースにつけられたタグでさえも昔のままのSGN(サイゴン)なのだった。なんだろう。これも長年の内戦の賜物かも。あくまでもここはアメリカの傀儡政権のあった南部戦線側の首都だったわけだし。そう思うと人々が新しい名を拒否している気さえしてくる。

サイゴン風物詩

やる気のなさそうな入国審査を通りぬけ、いきなり出たとこでchange moneyと叫ぶ声。すでに国内でドルに換金してきたのでタクシー代や食事代に備えて1万円だけ換えてみる。現在100円=21122ドンということで一気に財布が分厚くなる。しかしなんでこうもゼロが多いかね。だって2112200ドンですよ。ミリオンですよ。なんか逆上しそうなゼロの多さである。わたしゃ鳩山首相か!!

今回はホテルとエア&空港までの送迎付きというご気楽旅。ホテルも王道のサイゴンの銀座?ドンコイ通りに面した五つ星。

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ベトナムでプチパリを探してきてねー(確かにかつてのフランス領だけどさ)ーなどとcyberbloomさんに言われたものの、そうねえ。排ガスを浴びながら嬉しげにコーヒーなぞ飲んでいる暇人(わたしを含む)があふれたカフェ(写真@)などはまさにプチパリって感じかしら。パリのカフェだって値段の高いテラス席は一昔前までは乾燥した犬のフンを被ってるようなものと言われたくらいだし。でもさすがにテラス席で飲んでいるのは観光客ばかり。お金持ちのベトナム人たちは空調の効いた室内でお茶してました。

その排ガスというのが現在のベトナムを語る上でどうしても外せない側面のように思われる。ほとんどが道路に、否、時折歩道にまで進出する切れ目のないバイクの群れから吐き出された排気ガスなのだ。誰しも中国の自転車部隊を見たことおありでしょう。あれをすべてバイクに置き換えてください。しかも誰ひとり交通ルールを守らないーと。信号もほとんどないとーはい、現在のベトナムの出来上がり(写真A)。

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この無法地帯の道を横断するのに慣れるのにしばらくかかったが、おそらく大抵の関西人は大丈夫かも。要は渡れるか渡れないか自分で判断しなさいよーと「わたし渡ってんねんから」と目と全身で威嚇しなさいよーってことらしい。

最初にバイクにまたがったベトナム女性を見たときは「あんたら集団銀行強盗か!!」と度肝を抜かれた。

サングラスにヘルメット、鼻と口をすっぽり覆う布のマスク。そこはベトナムのお洒落ギャルたちはそのマスクもかわいらしくアップリケ付きとか花柄とか乙女心も忘れない。しかしなんでまたそこまでの重装備??

聞いてみると排ガスときつい日差しで顔が黒くなるのを避けているとのこと。色白がベトナム美人の条件らしく日焼けはご法度らしい。

確かに湿度は思ったより低く木陰に入ると意外に涼しい乾季のサイゴンではありますが日差しはうっかり日焼け止めなし、ノースリなどで歩いたものならたちまち真っ黒になりそうな強さではある。とはいえ相変わらず白人たちはまさにそんな格好で出歩いてたけど…

このベトナムの女の子たちがマスクとサングラスを外した姿はまあかなりのハイレベル!!小柄かつメリハリボディに情熱的な顔立ち。茶髪の横行する日本と違い、サラサラの長い黒髪。お好きな方にはたまらない感じです。なんか私も今回悲しいかなほとんどイケメンに出会う機会に恵まれずー途中から「オヤジ目線」を導入してみたところ(なんで?)大変幸せ地帯でした。行きあう子行きあう子がみんな可愛い!!

日本にいてもややデカめなわたしなんぞは大抵のベトナム人男性を優に上回り、女の子に至ってはかなり首を曲げて見下ろす感じでなんか女ガリバーになった気すらしてきた。平均身長は150センチないのではないか?

しかしこの小柄な体で彼らには巨人に見えたはずのアメリカ兵と、大量化学兵器を敵に回してベトナム戦争を戦い抜いた強靭さは恐るべし。小柄なのを逆手にとって長い長いトンネルを掘って身を潜め、ゲリラ攻撃を仕掛けーとまあ何ともタフでクレバーな戦術である。アメリカ人にあのトンネルに入れと言ったとこで窮屈さと圧迫感に10分ともたないでしょう。第一お腹がつかえて入れない人続出かも。


グルメ天国

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他にプチパリらしいところといえば、観光客は必ず写真を撮る聖マリア大聖堂(写真@)。おフランスからレンガを運ばせて建てたそうですが、まあ、普通に教会ですね。でも郵便局(写真A)の方が可愛くて好き。だってピンクですよ、郵便局が。このように街に並ぶ建物がカラフルで楽しい。南国の日差しにはよくマッチしている。ただ街全体が現在工事中みたいな感じであちこちほっくり返しているのが現状。まさに発展真っただ中の街なのだ。

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ついでプチパリらしいところ、これはやはり食でしょうねえ。まったく何を食べても美味しいこと!

もっと若くて無茶ならば道端のオバちゃんのやっている屋台フードにトライしたかったのだがなにせ寝付いたとて誰も面倒見てくれる人のない一人旅。食あたりで医者を呼んでもらうのもいい大人としてはかなりみっともない。そこはぐっとこらえて一応屋根&空調付きのお店限定で食べ歩き。

これがおいしーい!!のだ。

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もともとベトナム料理は好きだが、本当になんでも美味しい。ことにわたしのお気に入りはソフトシェルクラブのフライ(写真B)。殻ごとパリパリ食べられる。ガーリックとネギなどが絡み合ったソースがまたうまい!!

揚げものでも中華ほどしつこくなく胃にもたれない。ビールに氷を入れてくるのにはちょっと閉口するが、自分で薬味や野菜を調節できるフォーも日本人の口にはよく合います。

ご飯がそんなに恋しい人ではない私などは三度も米飯が続くと胃もたれしてくる。しかしここベトナムではがっつり米の飯を食べる人が多くてどーんとボウルに山盛り御飯にぶすりとしゃもじ代わりのスプーンを突き立てて持ってくる。

もしもしー、仏さんじゃないですよー。

三日も過ぎるとこれに飽きてパスタを食べたくなった。そこで出かけたカフェがポイント高かった。

ベトナムのサイトでも、カフェならここと人気だったHideaway café。確かに隠れ家的でちょっと奥まったところにあり、タクシーのおっちゃんはわからなかったのか(英語が読めない人が多い)適当に近くで下ろされてしまい、ちょっと歩く羽目になったのだが、それでも満足なくらいお素敵でした。

ボーイは小柄だけどジャニーズ系のイケメン揃いで英語も上手。こちらの気配を読んですっと必要時に現れるさり気なさはとっても優秀。

なんか空調が変にそこだけ暑かったけどトイレも清潔だ。

ここで食べたベジタリアン向けのパスタが思わず目を見開くくらい美味しかった。

シイタケに似たくせのないキノコがメインの具材なのだが味付けがイタリアンとアジアの見事な融合。普通イタリアンに生姜は使わないが、その生姜ともう一つ酸味の効いたハーブが使われていてそれが物凄くオリーブオイルとニョクマム(漁醤)とマッチしている。パスタのゆで具合も絶妙で思わず「お宅のシェフはイタリア人?それともイタリアで学んだベトナム人?」と聞きたくなるくらいの美味しさ。

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小さなテラス席で優雅に読書にいそしむ白人のマダムと、店内にはお金持ちらしきベトナム人の若者たちがまったりと流れていく時間を楽しんでおりました(写真C)。

いやあ素晴らしかった。オススメです。


一体どっちが正しいのよー裸? 水着

買い物にグルメに観光にとあっという間のベトナム滞在だったのだが、最後は絶対スパに行くんだもんねーと決めていた。大体日本に帰る便は夜中発。ホテルは延長しなきゃ12時には追い出される。それなら一泊分の半額払って延長するのと、出てしまってからスパで最長五時間プランでも大して額は変わらない。荷物も貴重品もホテルで預かってくれることだし。じゃあスパの方がいいじゃない。

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というわけでスパを予約していたのだが、戦争証跡博物館の昼休みを計算に入れるのを忘れて、ランチを食べた店で電話を借りて予約変更をするなどちょっとしたごたごたはあったものの、無事間に合った。

ところで戦争証跡博物館はみなさん行きましょう。直視できないような写真もたくさんあるがあれは行くべきだと思う。日本人ジャーナリストたちも取材中命を落としているだけに日本コーナーもありますし(写真@)。

で、スパなのだがのっけから謎なことが。裸or水着?

わたしも水着はいるのかどうか悩んだ。通常海外の場合、ジャグジーも、スペインのハマムも男女混浴なので、要水着。が、ここは女性限定だし、案内係のお姉ちゃんはにっこりしながら下着も脱いでねーというのだ。あら、そうーとバスローブだけ羽織ったものの、確かにジャグジーには当然のように素裸で入るベトナム人女性が一人。あ、じゃあ裸でいいのかーとわたしもスチームバスにサウナを経て一人ジャグジーを楽しんでいたのだが、白人女性が現れてなんだか困った様子でうろうろしている。バスローブを脱いだ下は赤いビキニ。そのままジャグジーに入ってこられた。

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うううーん。どうなんでしょうねえ。日本でこれをやられたらかなり嫌な感じかも。温泉の中に手ぬぐいはつけないよね。サウナで水着なんて着てたら追い出されるよね。しかしここはベトナム。一体どっちのルールが適応されるんだ。わからん。でも先ほどのベトナム女性は裸だったし。ええい、わたしの方が正しいということで堂々と裸で入っておくことにした。

ジャグジーの後は肩こりがひどくて普通のオイルマッサージでは効きそうにないので、ベトナムなのにタイマッサージの名手Qさんの手で揉みほぐされ、夢のような五時間は過ぎ、かくして帰路に就いたのだった。いや、楽しかった(写真A)。

まあ店やタクシーでぼられるという話はよく聞きますが、別段イヤな目には遭わなかった。みんな道を聞くときちんと教えてくれ、中にはわざわざ外まで出てきて見送ってくれる親切な人も。基本的に女性の方がちゃんとしてる感はあったけど。道端で寝てるおじさんを多数目撃。まあ暑いからね。

唯一「まあなにこのアジアの小娘。なんでこんなところに泊ってるの」とホテルのエレベーターで白人のバアさんにじろじろ見られたのにむかついたくらい。まあこちらも、「若く見えてもこちとらマダムなんだよ。口ひげ生やしてたるたるの体でノースリとか着てんじゃないよ、はた迷惑やっつーの」と負けないくらい見返しておいたからいいんだけど。

そのばあさまとは逆に、日本の女の子たちが超ミニのワンピや短パンにハイヒール姿で五つ星で記念撮影にいそしんでいたが、こちらは夜の商売の人にしか見えないのが残念でした。変に生白い日本人が妙な肌の見せ方をすると自分で思っている以上になんかイヤラしいんだよね。なんだろうー全身に漂う日本人特有の湿り気のせいか??

ほぼ日本人に遭遇しない普段の旅と違って、今回は初海外や二回目あたりの初々しい学生さんたちにもよく遭遇した。みなさん礼儀正しく好感のもてる若者でした。きっとベトナムって距離的に行きやすいし、時差も二時間と初海外にはもってこいなのかも。なかなか外に出たがらない現代っ子の中では、たとえ送迎付きにガイド付きのオプショナルツアーに参加しても外に出てみようという意やよし。できればそんなツアーに参加せずにたとえば男三人とかなら少しくらい無茶してほしいところですが・・・ま、そんなの余計なお世話よね。


黒カナリア

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posted by cyberbloom at 00:00 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | バーチャル・バカンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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