2007年04月15日

週刊フランス情報 9‐15 AVRIL

■仏大統領選:極右政党・国民戦線のルペン党首の反撃
ルペン氏、「移民の子」とサルコジ氏攻撃
フランス大統領選で、排外的な極右・国民戦線のルペン党首が先週末「候補者の1人は移民出身で、私はフランス人」と述べ、ハンガリー移民の子であるサルコジ前内相を攻撃、移民問題を選挙の争点にしようと試み始めている。仏社会には移民への嫌悪感がくすぶっており、極右は排外主義をあおって票を掘り起こす戦術をとっている。これに対してサルコジ氏は先月「移民をより円滑に仏社会に統合させよう」と「移民・国家アイデンティティー省」の新設を提案した。一連の発言に対し、サルコジ氏は今週、中部での集会で「私に大統領の資格がないとしたルペン氏に言いたい。私はハンガリー人の子だが、私たち家族はフランスに感謝しているからこそフランスを愛しており、この国はそうした人々を受け入れてきた」と述べたうえ「フランスは単一民族国家ではなく(国を)愛する者が集まってできた国だ」と反論した。国民の大半は冷静で、フランスが民族国家ではなく共和国である点を理解しており、多数は極右でなく、サルコジ氏の主張を支持している。
(4月13日、毎日新聞)
サルコジ氏首位で最終盤へ、第1回投票まで1週間
(4月14日、時事通信)
仏大統領選挙戦が正式スタート、極右ルペン氏が支持率を拡大
(4月10日、ロイター)

利上げ観測背景にマネーはユーロへ
ユーロへの資金流入が続いている。欧州圏の金融引き締め観測が強まり、日欧の政策金利差が拡大するとの思惑が広がったのが背景。世界的な連鎖株安以降、いったん強まったリスク回避の動きは、再び沈静化の方向に動いているうえ、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で円安けん制が出にくいとの思惑を巻き込み、ユーロ/円は1999年の導入以来の史上最高値を更新した。だが、利上げ継続のエンジンとなっている欧州経済の強さが、米景気の減速によって陰るリスクを指摘する声もあり、マネーの逆流を懸念する見方がユーロ高の裏でくすぶっている。
★12日の東京市場では、ユーロ/円が160円後半に急上昇し、ユーロ導入来の最高値を更新。ユーロ圏の金利引き上げ期待が市場に広がり、ユーロ買い/円売りに。ユーロ高のトレンドに変化はなさそう。円キャリートレードの巻き戻しで一時的にユーロが150円まで下げたが、それが最後のチャンスだったのか。
(4月12日、ロイター)

■GRAND PRIX DE LA BAGUETTE 2007
ちょっと古い先月の話題だが、パリ市が主催する2007年度バゲット・グランプリの栄光に輝いたのは、アルノー・デルモンテルさん。パリ市から賞金4000ユーロ(=60万円)が送られた。見栄え、焼き具合、香りなどによって審査されるが、昔風のバゲット・トラディショネル(伝統的フランスパン)であることが条件。1年間エリゼ宮(フランス共和国大統領官邸)のお抱えパン屋になれる特典つき。パリ観光のついでに本物のフランスパンの味を確かめてみてはいかが。
受賞パン屋 Arnaud Delmontel のサイト

少子化対策、成功例の仏方式なら年10兆6000億円
出生率回復に成功したフランスの子育て支援施策(税控除を除く)を日本に取り入れた場合、年間10兆6000億円程度の財源が必要なことが、厚生労働省が11日に「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」に示した試算で分かった。日本の少子化対策関連費約3兆7000億円(2003年)の3倍近くにのぼる計算だ。
(4月12日、産経新聞)

■ベルギー王立美術館展(大阪展)、始まってます
これも紹介するのを忘れていた。個人的にもブリュッセルのベルギー王立美術館は思い出深い美術館のひとつ。できれば詳しく紹介したいのだが、私よりももっとふさわしい人が書いてくれるかもしれない(交渉中)。本邦初公開のブリューゲル(父)の「イカロスの墜落」が目玉のようだが、クノップフデルヴォー、マグリットらの、象徴派やシュルレアリスムも見逃せない。ベルギーの南部(ワロン)はフランス語圏。ベルギーはビールやワッフルやチョコだけではない。
*国立国際美術館(大阪・中之島):2007年4月7日(土)〜6月24日(日)
公式サイト(読売新聞)

バルザック愛飲のコーヒー、UCCが復活販売へ
ゴリオ爺さん (上)UCC上島珈琲(本社・神戸市)は11日、18世紀から19世紀のフランスで国王ルイ15世や文豪バルザックが愛飲したと語り継がれるコーヒーを復活させた「UCCブルボンポワントゥ」を発売すると発表した。価格はコーヒー豆100グラム入りで7350円と、国内最高水準となる。12日から予約を受け付ける。「ブルボンポワントゥ」という品種は、ブルボン島(現フランス・レユニオン島)で生産されていた。干ばつなどで1940年代に栽培が途絶え、「幻のコーヒー」と呼ばれる。フルーティーな甘い香りが特徴で、カフェインは他の品種の半分という。UCCは復活を目指し、1999年に現地調査を開始し、約30本の原木を発見した。フランス政府などの開発援助を受け、再生に取り組んできた。
(4月11日、読売新聞)
★バルザックはユゴーやデュマと並び称される19世紀を代表するフランスの小説家。夕方の6時に寝て、夜中の12時に起きるという変則的な生活サイクルで、1日平均12時間のペースで20年以上小説を書き続けたと言われている。バルザックは生涯を通して百篇に近い小説を書いたが、登場人物の数は実に2400人に上った。執筆の際に欠かせなかったのがコーヒーで、バルザックは1日数十杯のコーヒーをがぶ飲みして眠気を払いながら書き続けた。「人間喜劇 Comedie Humaine」と命名されたひとつの全体をなす小説群は、バルザックの頭の中で構築された社会そのものであった。登場人物たちは典型でありながら、ひとつの生身の人間として完璧に描きこまれ、個々の作品を有機的に結びつけるように複数の作品にまたがって登場した。代表作は「ゴリオ爺さん」「知られざる傑作」など。

フレンチキッチンウェアの「ル・クルーゼ」、「モネ展」会場でのみ記念限定カラーを発売!
(4月14日、ファッションサイト)
大回顧展モネ(国立新美術館)
「キッチンの中のフランス」

■リカちゃんが旅の模様をブログで報告。タカラトミーが40年目の展開発表
タカラトミーは10日、2007年で誕生から40周年を迎えた着せ替え人形「リカちゃん」の新シリーズとして、「リカちゃん ワールドツアーシリーズ」を立ち上げると発表した。同シリーズでは、リカちゃんが世界各国を旅していき、その模様をブログで更新していく。「私、旅に出ます」。リカちゃんが世界旅行の様子をブログで更新。父親・ピエールの出身地であるフランスを皮切りに世界各国を旅する「リカちゃん ワールドツアーシリーズ」を通じて、これまでの「親しみやすいかわいさ」から「洗練されたおしゃれ」へとリカちゃんのイメージを一新していく。
★リカちゃん人形が最初に発売されたのは、1967年のこと。40年も経つと忘れられているかもしれないが、リカちゃんのお父さんはフランス人。職業は指揮者じゃなかったかな。ブログの中で「パリに住むおじいちゃんとおばあちゃん」と言っているが、父方の祖父母なのだろう。
リカ旅ブログ

■アンシャントマン主催「ジャパン・エキスポ パリツアー」のご案内
日本のマンガやアニメーションを世界に発信するための活動を精力的に行っている(株)アンシャントマン(大阪市)が、「ジャパン・エキスポ パリツアー」を企画しています。詳しい情報をお知りになりたい方は、主催の(株)アンシャントマンまで直接お問い合わせください。

※ジャパン・エキスポ:日本まんがを中心とする欧州最大の展示会。詳細はコチラ。 
※(株)アンシャントマン:日本マンガ文化の研究者である松山秀俊氏が、経済産業省後援のドリームゲート大挑戦を経て起業。

【概要】
・ジャパン・エキスポ パリツアー5泊7日
・2007年7月4日〜7月10日
・ご旅行代金:208,000 円
・関空・成田両方のいずれかでの申し込み可
・主催:(株)アンシャントマン
 〒550-0014大阪府大阪市西区北堀江1-1-25ほりとみビル8F
 電話:06-6225-1091
・お問い合わせ:info@mangaculture.com 松山まで
 URL:マンガ文化サイト
 http://www.mangaculture.com/JAPAN/top.html


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posted by cyberbloom at 22:08 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(2) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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