2014年01月14日

週刊フランス情報 6 - 12 JANVIER

88歳元ナチス親衛隊員を起訴、フランスでの村民虐殺に関与
■第2次世界大戦中に仏西部オラドゥール・シュル・グラヌ(Oradour-sur-Glane)村で起きた住民虐殺をめぐり、ドイツ・ドルトムントの検察当局は8日、元ナチス親衛隊(SS)の男(88)を起訴した。ケルン地裁が声明で発表した。男はケルン在住の年金生活者で、名前は公表されていない。1944年6月10日にSSの部隊がオラドゥール・シュル・グラヌ村で村民のほぼ全てに当たる642人を殺害した虐殺事件で、村民25人の殺害に関与したほか、数百人の殺害を手助けしたとされる。検察によると、男は当時19歳だった。村を襲撃したSS部隊に所属していたことは認めているが、虐殺には関わっていないと主張しているという。
■SSによるオラドゥール・シュル・グラヌ村の虐殺は、ナチス司令官の誘拐計画に対する報復として行われた。検察によると、爆発物や自動小銃、手投げ弾などで武装したSS部隊は村の男性たちを納屋に押し込め、無差別機銃掃射で殺害。逃げ出した村民を拳銃で撃ち殺した。さらに、人質として集めた女性や 子どもを閉じ込めた教会に火を放ち、焼き殺したとされる。虐殺された642人の村民のうち、254人は女性、207人は子供だった。廃墟と化した村は、第2次世界大戦中の惨劇を後世に伝え村民を追悼する負の歴史遺産として、当時のまま保存されている。
(1月9日、AFP)
★戦後、シャルル・ド・ゴールはナチス占領の残忍さ後世に伝えるためにオラドゥールを再建しなかった。1999年には、ジャック・シラクがオラドゥールを訪問する人々にこの村が経験した惨劇を伝えるためのメモリアル・センターを開設した。『追想』(1975年)はこの事件を題材としている。そして『追想』はタランティーノの『イングロリアス・バスターズ』の元ネタのひとつでもあるようだ。

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仏大統領、女優と密会か 芸能誌報道に法的措置検討(共同) 仏では政治家のプライバシーを詮索しないメディアの伝統があったが、最近は週刊誌などが報じるようになっている。★…プライバシーを詮索しない例として、よく引き合いに出されるのが故ミッテラン元大統領の隠し子が発覚したとき、その問題に突っ込んだ記者が元大統領に「それがどうかしたのか」と返された経緯。世論調査によると有権者の8割近くは「大統領本人の問題」と見ているようだが、メディアの伝統が失われたと、これまでの不文律が破られたことを強調する記事も。
日仏2プラス2:初の開催、武器問題の協議委設置で合意(毎日):次回は東京で開催予定。日仏が対中国で連携を深めれば中国に責任ある行動を促すために有益。日本にとっての最大の成果は軍事転用できる汎用品などの輸出管理策を話し合う委員会を設置したこと。
東京五輪も影響?海外メディアの問題提起とは(newsphere) :福島の除染にヤクザがホームレスを送り込んでいる問題とか、五輪開催によって福島の現状が世界の目にさらされていく。自民党政権はそのことを考慮していたのだろうか。

EUROPE
日中大使、英BBCトーク番組で舌戦(newsphere):日中の駐英大使が出演したのは、BBCの「ニュースナイト」という生番組。通常は、プレゼンターのパックスマン氏が、ゲストたちを同じスタジオに一緒に迎え入れ、インタビューする番組だ。しかし、香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙によれば、両大使は別々のスタジオでインタビューを受けた。BBCと日中の大使館が、安倍首相の靖国参拝と尖閣問題に対する大使らの議論がヒートアップすることを恐れたためだという。★…別々のスタジオで良かったが、議論するときには語学力と同時にタフさが必要なのだろう。議論のスピードにも乗らなきゃいけない。ちょうど本田選手のミラン加入会見があったら、あれはタフさの見本だろう。また、靖国と「分霊箱」が結びつくとは意外だが、靖国の分祀の議論から真っ先にハリーポッターが想起されるとは。
「日本人客にノーは禁物」英観光庁が外国人対応の手引き(CNN) :「日本人の要望には、たとえ具体的に言われなくても、すべて先回りして対応すること」「日本人客にははっきりノーと言わず、もっと感じの良い言い方を考えなければならない」。フランス人に対しては「面識のないフランス人にはほほ笑みかけたり、目を合わせたりしてはいけない」と手厳しい(笑)。
ベルギー最高齢アスリートが安楽死、シャンパンで乾杯して旅立つ(AFP) :友人全員に囲まれて、シャンパンと共に消えていくのが嫌だなんて人がいるかい?」「注射薬を持って医師が来たとき私は満たされた人生を送ったと思いながら、この世を去る」

ART
2014年に新しくスラージュ美術館、ルイ・ヴィトン現代美術館がオープン(culturebox) :ルイ・ヴィトン現代美術館(la Fondation LV)はフランク・ゲーリー設計でブーローニュの森に。ピカソ美術館は全面改装で再オープン。

BOOKS
あなたの読書が、ビッグデータで激変する 読書データを分析するスタートアップが誕生(東洋経済):嘗てミシェル・ド・セルトーが作者と読者の権力関係を問題にしていたが、読書の痕跡をトレースし、データ化することで読者優位な状況が生まれるのか。
がんでも女を諦めない女性とそのパートナーを支える雑誌『Rose magazine』(PUNTA)

MODE
ランジュリー・フランセーズ対 Victoria’s Secret(PUNTA) :欧州各国のなかでも、フランス人女性が下着購入についやす費用は第一位。経済状況は悪い一方だが、仏製高級下着の売れ行きは上々。培われた技術は文化遺産でもある。

CINEMA
ミカ・カウリスマキ監督が新作『旅人は夢を奏でる』で描く「男が旅する理由を発見するまで」(web dice):フィンランドのミカ・カウリスマキ監督の映画『旅人は夢を奏でる』が1月11日(土)より公開される。一流のコンサート・ピアニストとして成功を収めたものの、ストイックなあまり娘との別居を余儀なくされてしまった男・ティモと、その彼の前に35年ぶりに突然現れた奔放な父・レオ。ふたりの旅の行方を、独特のリズム感とユーモアそしてペーソスをもって描く。
イヴ・サンローランの伝記映画がフランスで上映開始(fashionsnap):デザイナー イヴ・サンローランの新たな伝記映画「Yves Saint Laurent」が1月8日、フランスで上映を開始した。「パリ、ただよう花」などで俳優としても活躍する、映画監督ジャリル・レスペールがメガホンを取った意欲作。50年来の恋人でビジネスパートナーでもある実業家ピエール・ベルジェとイヴ・サンローランの、メゾン創世記を中心とする恋愛模様が描かれている。

MUSIC
ダフト・パンクがスティーヴィー・ワンダーとグラミー賞で共演か(bmr.jp):“Get Lucky”に参加したファレルとナイル・ロジャースとのライブ初共演などが期待される中、なんと大御所中の大御所、スティーヴィー・ワンダーとの共演ステージが用意されているという。これはダフト・パンクの出演を独占で報じていた米 Rolling Stone 誌が伝えているもので、ファレル、ナイル・ロジャースらの参加に加えて、スティーヴィー・ワンダーがダフト・パンクのライブ・パフォーマンスに参加するとのこと。

MULTILINGUAL
言葉ができなきゃ「話にならない」グローバル もう待ったなしのマルチリンガル化(東洋経済):英語しか話せない人の多いアメリカ人を揶揄するこのジョークは、母国語に加えて複数の外国語を話せるのがグローバルスタンダードであることを意味する。


★commented by cyberbloom

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posted by cyberbloom at 11:41 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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