2007年02月14日

日本の「マリー・アントワネット現象」-APF通信

marieantoinette01.jpg1月20日に公開されて以来「マリー・アントワネット」は875000人の観客を動員し、1億800万円を売り上げている。今週末には観客は100万人を超え、最終的な売り上げは2億に達するでしょうと、東宝東和の広報。ビジュアルを強調した宣伝をともない、275の映画館で上映されている。

「この映画はあらゆる年齢の女性をターゲットにしています。この映画がソフィア・コッポラの映画だという事実を強調する代わりに、この映画の女性らしい側面を強調しています。ソフィア・コッポラを知らない若い女性たちも興味を抱くように」

映画のキャンペーン担当の渡辺さん。

「若い女性たちの心をつかむために、私たちはモード、お菓子、キャンディー、媚態、自堕落さに賭けました。成熟した女性には、マリー・アントワネットの強烈な性格を前面に出しました。女として、フランスの女王として、今も生き続けているフランスの心とエスプリの象徴として」

日本人女性にとって、マリー・アントワネットはポジティブなヒロインであり、ある意味、日本の女性の美徳と試練を体現している。彼女たちは自分たちとその姿を同一視するのである。

報われない愛を経験し、善良だが、退屈なフランス人の夫に悩まされ、知らない異国の人々のギロチンによって処刑された。しかし、オーストリアのプリンセスの運命にはフランス人たちを喜ばせるすべてが揃っている。

マリー・アントワネットの人気は、1970年代の少女たちにとってのカルト的なマンガ、「ベルサイユの薔薇」に多くを負っている。池田理代子のマンガは、1974年にミュージカルになるほどの成功をもたらした。宝塚歌劇団によるミュージカル作品はこの女性だけの歌劇団の最も大きな成功となった。宝塚歌劇団は「ベルサイユの薔薇」を2000回も上演し、これまでに400万人以上の日本女性たちが喝采を送った。

しかし、宝塚歌劇団だけではない。

ミハエル・クンツェとシルベスター・リーヴァイ(「エリザベート」「モーツアルト!」の作者)によって書かれた新しいミュージカル「マリー・アントワネット」がこの冬東京の帝国劇場を満員にした。

このブロードウェイにふさわしいミュージカルは日本のために特別に書かれたもので、11月に世界で封切られた。この自由に解釈された歴史ロマンは、遠藤周作の有名な小説「王妃マリー・アントワネット」にインスパイアされている。

「もちろんマリー・アントワネットは日本でとても有名で、多くの劇作品があります。しかし、私たちのマーケティング・アプローチが違うのは、歴史ロマンとしてソフィア・コッポラの映画を見せたくはなかったということです。映画「マリー・アントワネット」は甘ったるい愛の物語ではありません。マリー・アントワネットの劇作品は宝塚歌劇団やそれと同じスタイルの劇団の愛好家たち向けのものです。それに引き替え、この映画はマリー・アントワネットの市場を広げ、新しい方向性を開くことを可能にしています」

と先ほどの渡辺さん。

この新しいマリー・アントワネットは、東京のデパート(=伊勢丹)で最近行われた、フランスのプレタポルテの企画による12人のデザイナーの展示会のテーマでもあった(※)。モスリンと羽毛とリボンとレースの洪水に包まれた女王のコスチュームを再解釈するものだ。「マリー・アントワネットは歴史上の最初のファッションの犠牲者である」、とカタログの中でデザイナーのひとり、アノー(Hannoh)が賞賛している。


Vendre "Marie Antoinette" au Japon? Du gateau!
Lundi 5 FEV (AFP)

■関連リンク(※)
マリー・アントワネットに恋するファッション
パンク風に18世紀宮廷モードをアレンジ


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posted by cyberbloom at 22:47 | パリ ☔ | Comment(1) | TrackBack(2) | 時事+トレンド特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB&コメントありがとうございました!
オールアバウトでマリー・アントワネットのファッションに関係する記事を2本書いていますので、もしよかったらご覧になってみてください☆
また遊びにきます〜!

http://allabout.co.jp/fashion/nyfashion/closeup/CU20061216A/

http://allabout.co.jp/fashion/nyfashion/closeup/CU20070111B/index.htm
Posted by rie at 2007年02月15日 00:14
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マリー・アントワネット&伊勢丹フランス展
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Tracked: 2007-02-14 23:43

マリー・アントワネット
Excerpt: 彼女に憧れていました。
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