2007年01月19日

映画「マリー・アントワネット」公開

marieantoinette01.jpgソフィア・コッポラ監督の「マリー・アントワネット」が1月20日から公開される。ロック・チューンときらびやかな衣装で演出された斬新な宮廷劇が話題になっている。公式サイトの予告編を見たが、ソフィア・コッポラ独特のリリシズムとポップセンスが生きた作品のようだ。

主演はキルステン・ダンスト。マリー・アントワネットについて「パンがなければケーキを食べればいいじゃん」って言ったことくらいしか知らなかっと言っていて、フランス史で習うことはアメリカも日本もそんなに変わらないのか。ソフィアはキルステンをマリーと同じく、無邪気でかつ品格があると評価。マリーに関しては、「私はこの映画で、政治的なものではなく、マリーの人物像を描きたかった。興味があったのは、14歳でベルサイユ宮殿に来て、そこでどう成長していくか、そういう人間的な部分」とのこと。

「マリー・アントワネット」は去年の5月のカンヌ国際映画祭で上映されていた。しかし、観客の反応は芳しいものばかりではなかった。ソフィアは映画祭の座談会で、マスコミ向けの上映会でブーイングが出たことに対し、「フランスでマリー・アントワネットの映画を見せているのよ。仕方ないわ」と反論した。また「万人向けの作品ではなく、好き嫌いがはっきりした方がいい」とも言っている。

巨匠の娘とは言え、アメリカ人の監督がヴェルサイユ宮殿に乗りこんできた撮った映画。フランス人は一言も二言も言いたかったに違いない。舞台は紛れもなく実物の宮殿であるが、登場人物たちは英語を話している。バックに流れるのは優雅な宮廷音楽ではなく、イギリス系のロック・チューン。フランス人が違和感を覚えないはずはない。それにしても、ギャング・オブ゙・フォー、ザ・キュアー、ニュー・オーダーを使うなんて耳を疑う。ルイ王朝の時代に流れる80年代ニューウェーブってどんな感じなんだろう。音、映像、ストーリーを含めた一種のコラージュやリミックスの発想なのかもしれない。

お父さんフランシス・コッポラの「地獄の黙示録」に使われていたドアーズの「ジ・エンド」も映画に決定的な色合いを与えていたが、ソフィア・コッポラの過去作品、「ヴァージン・スーサイズ」や、東京を舞台にした「ロスト・イン・トランスレーション」でも音楽の使い方が注目された。「ヴァージン」ではフランスのユニット、エール AIR が、「ロスト」では MY BLOODY VALENTINE のケヴィン・シールズ Kevin Shields が起用された。エールのサントラはアルバムとしても十分聴ける完成度。ノイズギターが凄かったマイブラはすっかりご無沙汰だが、90年代の最高のバンドだった(「Loveless」は必聴)。

cyberbloom

★サントラのラインナップを見ていたら、クラシック、2000年以降のロック、そして80年代ニューウェーヴもの、という構成になっているようです。TVのCMで流れているのはニュー・オーダーですね。彼らは今でも現役のバンドですが、ここで使われているのは81年のデビュー曲 "Ceremony"で、あ〜ソフィアってこういう音好きなんだなーと思いました。それから最近急に聴きたくなってヒット曲集を買ってしまったBow Wow Wow という、これも80年代のバンドの曲が多く使われていてびっくりです。ボーカルの女の子はモヒカン頭で話題を集めた、とか懐かしい記憶がよみがえってきます…ファッションも特筆すべき項目の一つですね。この当時を扱った作品ではあまり見たことのないような、キャンディーやマカロンを思わせる淡い色彩の軽やかなドレスや装身具が印象的です。靴は有名デザイナーのマノロ・ブラニクが担当。ファッションの仕事に携わってきたソフィアのセンスがあらゆる所で感じられます。

by exquise


「マリー・アントワネット」公式サイト

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posted by cyberbloom at 09:06 | パリ ☁ | Comment(1) | TrackBack(3) | 時事+トレンド特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
サントラのラインナップを見ていたら、クラシック、2000年以降のロック、そして80年代ニューウェーヴもの、という構成になっているようです。TVのCMで流れているのはニュー・オーダーですね。彼らは今でも現役のバンドですが、ここで使われているのは81年のデビュー曲 "Ceremony"で、あ〜ソフィアってこういう音好きなんだなーと思いました。それから最近急に聴きたくなってヒット曲集を買ってしまったBow Wow Wow という、これも80年代のバンドの曲が多く使われていてびっくりです。ボーカルの女の子はモヒカン頭で話題を集めた、とか懐かしい記憶がよみがえってきます・・

ファッションも特筆すべき項目の一つですね。この当時を扱った作品ではあまり見たことのないような、キャンディーやマカロンを思わせる淡い色彩の軽やかなドレスや装身具が印象的です。靴は有名デザイナーのマノロ・ブラニクが担当。ファッションの仕事に携わってきたソフィアのセンスがあらゆる所で感じられます。
Posted by exquise at 2007年01月19日 22:32
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