2007年01月15日

オランジュリー美術館

オランジュリー美術館、新装オープン!
といってもネタ的には少し古いです。

CIMG0913.JPG 1999年秋以来、改修工事が延期に次ぐ延期のため、なんど訪れても観ることのできなかった美術館。
 拡張のため、地下を掘っていたら16世紀の城壁の遺跡が出たり、工事が伸びて予算が苦しくなったり、なかなか再オープンにたどり着けなかったのですが、ようやく完成・公開されました。7年ぶりにモネの『睡蓮』、あるいはギョーム・コレクションと再開できるとあって、オランジュリー美術館は長蛇の列かと思いきや、ぼくが訪れた秋のある日はこんなもんでした。

 入場制限をしていて、それなりに待たされましたが、人の群れるところ音楽ありというわけで、奏でられる音楽を楽しんだり、周りの風景に目をやったりしているうちに入り口に。待つことも楽しめるのは、旅先だからか、フランスだからか? しかもその日は、たまたま入場無料の日でした。嬉しかったですね。

CIMG0907.JPG さて、改修でどう変わったかというと、写真をみていただければ一目瞭然。
 個人的好みを言わせてもらえば、昔のオランジュリーの展示空間の方が趣があったと断言します。
 この改修に関しては、絶対的に、だれがなんと言おうと、「昔のオランジュリーはよかった」と過去を懐かしむ爺になります。
巨匠たちの絵を模写する画家の卵、素人画家たちの幻影とともに、この新しいオランジュリーの空間になんとなく居心地の悪さを感じてしまいます。
 絵画展示・保管・鑑賞といった機能面では申し分ない造作になってはいるのでしょうけれども。

CIMG0900.JPG 最後に、モネ『睡蓮』の間はどんな感じになったかというと、こんな雰囲気。ここは以前とそれほど変わらない空気が漂っていました。うえの薄ぼんやり明るいのは照明ではなく、外光をやんわりと遮っている幕。そう、この自然光の下でモネの『睡蓮』を観れるようにしようというのが今回、あまりにも長期間に渡ってしまった改修の目的だったわけです。果たしてこれが成功したのか、どうか。なんにせよ、オランジュリー美術館をふたたび訪れることができるようになったことは嬉しいですね。

CIMG0902.JPG フランス語では「睡蓮」を nymphéa(学名)と nénuphar(通称)の二つの呼び方をするのですが、モネは自分の『睡蓮』をすべて Nymphéas と呼んでいました。Nymphéas の語源であるニンフ(水の妖精)たちが、自然の光のしたで、いっそう美しく咲き、戯れる姿を、あるいは光を避けて暗く蹲る姿をも、ぜひいちど観ていただきたいものです。


PST

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posted by cyberbloom at 23:54 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | フランスの美術館 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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