2006年11月11日

浪花の凱旋門

IMG_0698.JPG週末、義母とその姉が法事で京都にやってきた。さすがに京都は秋の観光シーズンでホテルはどこもいっぱい。仕方なくウェスティン大阪に宿を取った。このホテルは大阪の新しいランドマークとなって久しい梅田スカイビルの隣に建っている。朝食のあと庭を散歩しながらスカイビルを至近距離から撮ってみた。

梅田スカイビルといえば、タワーイーストとタワーウエストの2棟を最頂部で結んだ空中庭園展望台が有名だが、そのフューチュリスティックな姿はいやおうなしにパリ郊外のラ・デファンスにある新凱旋門を想起させる。恥ずかしながら、スカイビルが「浪花の凱旋門」と呼ばれていることを初めて知りました(知ってた?)

かつてシラク大統領が日仏友好のシンボルとして京都の鴨川に「ポン・デ・ザール=芸術橋 Pont des Arts」と同じものをかけたらどうだと提案し、それは良いアイデアだと計画が進められそうになったが、市民の反対にあって頓挫したことがある。反対の先頭に立ったのは京都在住の外国人たちだった。

IMG_0699.JPG梅田スカイビルを設計したのは東京の有名大学の先生らしいが、ビルの竣工式を取材した方が、パーティで「先生、なぜ北向きにしたのですか?西向きにして、アルシエ・ジャポネーズとされていたら、フランス人は吃驚し、日仏親善になったのでは?」と尋ねたエピソードがサイトに記されている。その設計者の先生は絶句し、「それは考えなかった」とおっしゃったそうだ。確かにセンセーショナルな日仏友好ネタになったかもしれないが、いつまでもフランス本家のコピーをいただくという発想も寂しい。

しかし、大阪にはすでに浪花のエッフェル党、通天閣が存在していた。通天閣の初期の姿は「エッフェル塔+凱旋門」であり、そのあまりの訳のわからなさはコピーという概念を凌駕している。さすが大阪である。北朝鮮の首都平壌にも金日成の帰還を記念して造られた「凱旋門」があり、これはエトワール凱旋門を意識して造られたといわれている。パリのものより高さが10m高く、世界一とされているが、これも何だか北朝鮮らしい発想だ。

フランスの新凱旋門(la Grande Arche または l'Arche de la Défense)はシャンゼリゼ通りとこのエトワール凱旋門の延長線上にあるが、その名称に関して、Wikipedia にコンパクトな解説があったので紹介する。

シャンゼリゼ通りとこのエトワール凱旋門の延長線上のラ・デファンスには「新凱旋門 グランダルシュ」があるが、これは戦勝記念碑ではないので、正式名称に "triomphe" が付いていない。すなわち「凱旋門」ではない。しかし、シャンゼリゼ通りの都市軸上にある、カルーゼル凱旋門・エトワール凱旋門に続く第3番目の「門(arc, arche)」であるとの認識があるため、フランスの国の標語である「Liberté, Égalité, Fraternité」(自由、平等、友愛)から、「La Grande Arche de la Fraternité 直訳:友愛の大アーチ」との正式名称を持つ。なお、戦争の勝利を記念して「凱旋門」を造る風習のない日本では、「凱旋門」が「エトワール凱旋門」を示す固有名詞と化してしまったため、実際は凱旋門ではないグランダルシュにまで「新凱旋門」と名づけてしまった。(Wikipediaより抜粋)


cyberbloom

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posted by cyberbloom at 00:00 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | ART+DESIGN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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