2006年11月02日

スターバックスコーヒー(1) スタバの値上げ

Starbucks01.jpg伊藤園がタリーズを買収し、スタバに攻勢をかけている。一方スタバは最近、主力商品の大半を20〜40円値上げすると発表した。アルバイトなどの人件費や原材料高騰による影響で、96年に1号店を銀座に出店して以来、初めての値上げになる。いつも飲んでいるスターバックスラテは290円から310円になるみたい。その発表に反応してスタバの株価が上がり始めた。遊びで1株残しているが、58000円の高値掴みの分で、まだ含み損状態。ほんま、才能ないわ。

スタバは3月末が決算日で、6月ごろに株主優待の無料コーヒー券が送られてくる。サイズは自由に選べ、可能な限りのトッピングができる。やはりスーパーサイズのストロベリーフラペチーノを食べるしかない。みんな同じことを考えるらしいが、全部食べたら凍死しそうになった。

かつて「田舎とはスタバのないところ」と言われていたが、今はどんな田舎にもスタバは進出している。現在、全国41都道府県に649店。それでもスタバがない県がまだあるんだね。店舗を増やすだけでなく、別の展開も試みている。ここ1、2年でドライブスルー形式の郊外店を出したり、駅に売店を出したり、サントリーと共同でコンビニ用のカフェを出したり。

カフェラテというイタリア語を広めたスタバは、アメリカのシアトルに根付いたエスプレッソ文化がグローバルに展開したもので、そのスタイルは今や世界中の若者の人気を集めている。しかし、「カフェラテ」というメニュー自体は本場イタリアのカフェにはないようだ。カフェラテというと、イタリア人の友人はコーヒーとミルクを混ぜ、パンを浸して食べる子供の食事だと言ってたし、イタリアに留学していた友人は家で飲むようなミルクコーヒーだと言っていた。それゆえ、スタバは正統なエスプレッソ文化とは似て非なるものだと批判する人がいるが、むしろスタバはグローバル化した変種のカフェ文化と考えるべきだろう。

そこには新しい価値観も加わっている。
□禁煙…愛煙家はスタバ嫌い。
□フェアトレード…コーヒーといえば、プランテーション。昔は植民地的搾取の象徴だった。生産者から買い叩くのではなく、適正な値段で買い取ること。お店にもフェアトレードに関する詳しいパンフレットが置いてある。
□エコロジー…専用のタンブラーの持参。これを自然にやっている若い人たちは偉いなあと感心する。こういうモデルは他に見当たらない。
 
フランスはカフェ文化の長い伝統を持ち、また喫煙者が多いこともあり、スタバが受け入れられるか疑問視する声もあったが、それなりに定着している。特に若者たちは昔ながらのカフェを敬遠し、気軽なセルフサービスのカフェにシフトしつつあったので、スタバは歓迎されたのだろう。

フランスには「ANTI-PUB」という広告に反対する過激な運動家たちがいるのだが、彼らはスタバをマクドナルドと同じく、グローバリゼーションの手先として糾弾している。上の写真は彼らがスタバにゲリラ的に貼ったステッカー。スタバはいい迷惑だろうけど、何かユーモアも感じる。「ANTI-PUB」のサイトのフォーラムで、「長い間、カフェのタバコの煙に悩まされてきた私にとってスタバは救いだ」と「ANT-PUB」に反論している女性が印象的だった。伝統の名のもとに抑圧されてたものが(タバコって男権的な象徴だったりする)、グローバリゼーションによって解放されるケースもある。すべてが悪とはなかなか言えない。

ところで、フランスのスタバでコーヒーを注文すると、
Votre nom?(お名前は?)
と聞かれる。
カップにマジックで名前が書き込まれ、コーヒーが出来上がると、名前を呼んでくれる。これは本国アメリカ方式で、受け取りの際に間違えずに済む、合理的なやり方のようだ。確かに混んでるとき、あのシステムでは受け取りを間違えそうになる。でも日本で名前を呼ばれたら恥ずかしいかも。

17、18世紀の黎明期のカフェは、人々が情報を持ち寄り、議論し、世論が形成される民主主義の母体のような場所だった。パリには「フロール」や「ドゥ・マゴ」など、文学や哲学の議論が盛んに行われた老舗のカフェがいくつかあるが、今は単なる観光地と化している。飲み物が文化と言えるのは、それが人々をつなぎ、人々のあいだに何らかコミュニケーションの様式を生むからだ。

そう考えると、スタバは全く個人的な空間だ。もちろんおしゃべりしている客も多いが、むしろ文庫本、i-pod、ノートPC、ケータイなど、個人化されたメディアツールとシンクロする空間だ。


cyberbloom

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posted by cyberbloom at 22:05 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | グローバリゼーションを考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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