2006年09月04日

「聖人事典」


聖人事典
聖人事典
posted with amazlet on 06.09.04
ドナルド・アットウォーター
キャサリン・レイチェル・ジョン
三交社(1998/06)
売り上げランキング: 314,588

オウェンザセインー♪、ゴーマチイン♪、オウェンザセインー、ゴッ、マッチ、インー♪
(When the saints go marchin'in)

なんの予見前触れ虫の知らせもなく聖者が街にやってきたのは訳があるわけではそんなにないですが、これ書きはじめてんのは6月25日でちょうどクリスマスの半年前、ちゅうことはイエス様の先輩格にあたる洗礼者ヨハネはん(サロメお嬢さんがその首ほしいてしゃあなかったな、ヨカナーン)のお誕生日やったんちゃうかな?どやったっけ?他のライターさんがこのこと書いてた気がするんやけど、記憶がひどく朦朧体、真実は薮の中に置き去りしとこっていうくらいの訳やからわけないに等しい。

キリスト教は神様ひとりぽっきり。やおよろずの倭国と勝手が違う。そん代わり天使はそこそこ、聖者はどっさりてんこもり。ちなみに1300人以上の聖者がオックスフォード版の事典に載ってる。フランスの守護聖者はトゥールのサン・マルタンが有名で、4000を超える教会関係施設と500を超える村がこの偉人さんの名を拝んでるちゅうくらいやから、そらあんた、どえらいことですよ。大阪の通天閣付近は恵比須町や大黒町、ちょっと離れて弁天町と七福神にあやかっているあたり、気持は似たりよったりかもしれません。

聖者になるんは殉教と奇跡が必要という。さてはともかく、フランス語で聖者の名前を冠した有名な魚貝が2つほどある。この子らが奇跡を起こしたかわからんけど、人様のお口のために殉死はしてる。

まんず、coquille Saint-Jacques。ホタテ貝ね。その昔、スペインのサンティアーゴ・デ・コンポステーラという聖堂へお参りする巡礼者がホタテの殻を食器代わりにしてたから、この名があるねんて。使徒ヤコブのスペイン名がサンティアーゴ、フランスに変換するとサン・ジャックというわけ。この聖堂にヤコブの遺骸がある。ひと目見ようと貝殻持ってみんなピレネー山脈越えてたんやな。

ヤコブの次はペテロ、Saint Pierreです。ペテロってもと漁師さんで、いろいろあって皇帝ネロにゆうたら殺された。ほやからカトリックの初代司教に祀られた。そのペテロさんが触った魚がマトウダイ。漢字で書けば「的鯛」、体のちょうど真ん中あたりにマトのような黒マルがあるんが目を引きますが、あっちはマトをペテロさんが付けた指の跡とも触った時に出てきた銀貨ともゆわはって、ようは和仏問わず目出「鯛」わけですわ。学名がZeus faberでこれまたギリシャの主神ゼウスやから、恐れ入りやの鬼子母神、その手は桑名の焼ハマグリ。

鯛といっても鯛と無縁のマトウダイ、それでもフランス料理では高級魚とされるから「腐ってもタイ」やね。


木魚


BOOK INFO:「聖人事典」ドナルド・アットウォーター& キャサリン・レイチェル・ジョン(三交社)

★聖書とならぶキリスト教文化のもう一つの顔、聖人崇拝。生活と信仰のなかに今も息づく聖人たち950余名の生涯と死を可能なかぎり歴史・客観的な態度で紹介する本格的な聖人事典。聖母マリア、使徒、天使、教父、神学者、宣教師、教皇、修道院長から、世俗にあって真摯な信仰の生活を送った様々な階層の老若男女まで、950余名の宗教的人間の栄光と受難の伝記集成。守護聖人一覧、聖人の表象一覧;聖人の祝祭日一覧付き。 (Amazon.co.jpより)

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posted by cyberbloom at 22:56 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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