2006年08月04日

BARBAPAPA バーバパパ

子供のために「バーバパパ」のDVDを借りた。フランス発のアニメだが、一緒に見てみるとけっこう面白い。どこかの銀行のキャラクターにも採用されていた気がする(調べてみたら114銀行だった)。子供は最初気味悪がっていたが、今はお気に入り。主題歌も楽しく歌っている。

Voici venir les Barbapapas♪
Ils se transforment à volonté courts longs carrés♪



バーバーパパは barbe à papa というフランス語がもとになっているのだが、スライムみたいに自分の形を自在に変える謎の生き物。地中から生まれ、伴侶を見つけ、子供を儲け、家族を作る。バルビビュール(Barbibule)だの、バルビデュール(Barbidur)だの、バルビドゥ(Barbidou)だの、バルブーユ(Barbouille)だの、7人の子供たちの名前が紛らわしい。今列挙したのは原作のオリジナルな名前。日本語訳の名前とは異なっている。

話としては、自分のやりたいことがうまくできなくて、困ったり、悲しんだりしているが、そのうち自分の身体の形を変えればいいことに気がつくという展開。そんなこと最初から気づけよとつっこみを入れたくなる。なりたいものになんにでもなれる。自分の姿を変えるときの掛け声は Barbatruc!で、吹き替えでは「バーバ変身」と訳されている。ウルトラマンや仮面ライダーではないが、「変身」は70年代のキーワードなのかもしれない。どうみても70年代のサイケ文化の影響が色濃い。「私が世界で、世界は私」というアシッドな世界観だ。

作者は、アネット・チゾンとタラス・テイラー。ふたりは偶然パリのカフェで隣の席になり、紙製のテーブルクロスで落書きを交換した。そのやりとりの中で生まれたキャラクターらしい。タラスの方がアメリカからの旅行者で、フランス語があまり話せなかったので、絵でコミュニケーションを取ることになったという。旅行者だったということだが、世界を旅するヒッピーだったのでは。



まずは1970年に絵本が出版され、74年にテレビシリーズが放映される。日本でも77年にすでに放映されてたというが、当時は全然知らなかった。特に「バーバパパたびにでる」というエピソードが素晴らしい。バーバパパが仲間を求めて旅に出るのだが、フランスから、ロンドン、そしてインド経由でニューヨークへ。最後は宇宙に飛ぶ。まさにサイケでヒッピーな旅だ。バックに流れる音楽も、エレピをフィーチャーした70年代風のジャズ・ロックだ。

セリフもナレーションも簡潔なフランス語で、フランス語を始めたばかりの人にも聴き取りやすい。日本版は、音声も字幕も、日本語、英語、フランス語がそろっていて、組み合わせは6通り。お子さんのトリリンガル化計画にもいかがでしょう。


BARBAPAPA - Dessin animé - Episode 1 "La naissance de Barbapapa"(youtube)

cyberbloom


posted by cyberbloom at 23:46 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(3) | マンガ+アニメ+BD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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