2011年07月11日

週刊フランス情報 4 - 10 JUIILET 前編

ミシュラン、お気軽フランス料理店ガイド「ボンヌ・プティット・ターブル東京」発売
■日本ミシュランタイヤはフランス料理店のガイドブック「ミシュランガイド ボンヌ・プティット・ターブル・東京」を7月13日に発売する。掲載されたのは295軒。店のピックアップは、ミシュランガイド同様に匿名調査員が厳選した。「ボンヌ・プティット・ターブル」はフランス語で「美味しい、小さなレストラン」を意味する。同社のベルナール・デルマス社長は「手軽な価格で気軽に楽しめる美味しいフランス料理店を紹介するガイドブック」「“フレンチは敷居が高い!”というイメージが変わるきっかけとなり、さらに多くの方にフランス料理を楽しんでいただけるようになることを願っています」と刊行の意図を説明する。また同社社長室長の森田哲史氏は「東京ではフランスでフランスの味を覚えてきた若いシェフが増え、気軽に楽しめる美味しいフレンチレストランが続々とオープンしている」ことを刊行の理由にあげた。
■フレンチの敷居を下げるため、ボンヌ・プティット・ターブルではまず、コストパフォーマンスの高いレストランを表す「ビブグルマン」マークを採用。日本では初登場だが、フランスのミシュランガイドでは1954年から掲載されている評価基準だ(登場当初はRマークだったが、1997年からビ ブグルマンマークになった)。このマークが付いていると「5500円以下で前菜、メイン、デザートを食べられるレストランで、おすすめできる店」ということになる。フランスでは3つ星を始めとする「星」のマークと同様、あるいはそれ以上に親しまれている評価基準だと言う。また、1050円以下でランチを提供しているレストランを表す「コイン」マークも設けられている。掲載された295軒のうち、ビブグルマンは103軒、コインマークは39軒に付いている。さらに、グラスワインが4種類以上あることを表すワイングラスマークなど、ワイン愛好家向けのマークも新設された。一方で、「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」や「オーグー ドゥ ジュール ヌーヴェルエール」のような2つ星、1つ星の店も掲載されており、幅広いレストランから選べるようになっている。 各レストランの紹介は「シェフ」「料理」「ワイン」「調査員のコメント」の4項目で構成されている。「シェフ」の項は、シェフの人となりを紹介することで、より店に親しみやすい効果をもたらしていると言えるだろう。
■ボンヌ・プティット・ターブルは、目的に応じたレストランを選びやすいよう、レストランのジャンルを「ビストロ」「ブラッスリー」「ブラッスリーモダン」「ワインバー」「カウンター」「クレープリー」「レストランクラシック」「街のレストラン」「レストランモダン」の9つに分けている。森田氏は、使い分け方の例として「仲間と和気あいあいと楽しみたいときはビストロ、ブラッスリー、ブラッスリーモダン。ワインを楽しみた いときはワインバー、クレープリー、カウンター。記念日や特別な日、しっかりした料理を食べたいときはレストランクラシック、レストランモダン、街のレス トラン」をあげた。掲載軒数が最も多いのは街のレストラン(130軒)、次いでビストロ(72軒)、ワインバー(22軒)となっている。
(7月 8日、Car Watch)

抹茶=matcha、フランス語になった日本語
Le Petit Robert 2011: Dictionnaire Alphabetique Et Analogique De La Langue Francaise / Alphabetical and Analogical Dictionary of the French Language (2011 - Grand Format) (Dictionnaires Generalistes)■フランスにロベールという辞書の出版社があります。大小様々な辞典を出していますが、中でも有名なのはプチ・ロベール(Le Petit Robert)という辞書です。プチ(petit)は「小さな」という意味ですが、この辞書は小さいどころか、日本の広辞苑と同じくらいの分厚さです。現代フランス語の規範を示す、国民的な辞書と言ってもいいと思います。
■ロベール社は毎年、辞書に採用する新しい言葉を発表しています。その多くは外来語です。こうした言葉はバズワード(はやり言葉)の段階はすぎ、社会で広く認知されるようになったものですが、今年も興味深い新語がたくさん選ばれました。特に目立ったのは、IT関連の英語のフランス語化ですが、新語として採用されたのはIT関連の言葉だけではありません。その中にmatchaという単語もありました。発音は「マッチャ」、そう、日本の抹茶のことです。
■ネット上でフランスのメディアを見てみると、今年の新語採用を伝える記事で、このmatchaを見出しに取っているところもいくつかありました。matcha への注目度は高かったようです。抹茶はmacchaと表記することもありましたが、ロベールが matcha を採用したことで、スペルも事実上、確定したことになります。この抹茶に限らず、フランス語になった日本語は少なくありません。古いものでは obi(帯)があります。プチ・ロベールを引いてみると、初めてフランスの文献に現れたのは戦国時代の1551年だそうです。
■このほかにも以下のような日本語がフランス語になっています(カッコ内の年号はフランスの文献やメディアに最初に登場した年です)。古いところでは、samourai(侍、1852年)、harakiri(腹切り、1863年)、geisha(芸者、1887年)などがありま す。100年近く前には、tsunami(津波、1915年)がフランス語の仲間入りしました。近年の例では manga(マンガ、1991年)がありま す。抹茶のように、食べ物や飲み物に関する日本語がロベールの辞書に次々と採用されるようになったのは1970年以降のことです。日本が高度成長を成し遂げ、経済大国としての存在感が増してきた頃ですね。具体的には、以下のような言葉がフランス語になりました―sashimi(刺し身、1970年)、tempura(天ぷら、1970年)、yakitori(焼き鳥、1970年)、fugu(ふぐ、1973年)、sushi(すし、1979年)、tofu(豆腐、1985年)、maki(巻きずし、1998年)などです。
■こうした単語はほとんどが英語にもなっていて、アメリカやイギリスの辞書にも載っています。ただ、matcha という言葉については、米英の主要 辞書をのぞいてみましたが、採用している所はあまりないようです。日本の食べ物や飲み物に対する関心は、アメリカ人やイギリス人よりもフランス人の方が高 い、ということかもしれません。元気のない日本ですが、伝統的な食べ物や飲み物、それにまつわる文化の魅力は依然として健在なようです。今後もフランス語や英語になる言葉が出てくるかもしれません。
(7月5日、読売新聞)

アルマーニさん「日本へ敬意」 和のファッションに喝采
■フランスで開催中の2011年秋冬パリ・オートクチュールコレクションで5日、大震災に見舞われた「日本へのオマージュ(敬意)」として、和風の美 を取り込んだ華麗なファッションが発表され、喝采を浴びた。世界的なイタリア人デザイナー、ジョルジオ・アルマーニさんの作品で、大輪の花をプリントした キモノ風コートや、帯ベルト、梅の花の刺繍(ししゅう)をちりばめたジャケットなど、洗練された都会的なデザインが並んだ。
■オートクチュールのショーは、世界で最高峰の高級注文服を披露する場。そこで発表した理由について、アルマーニさんは「日本の芸術や人々の精神性、女性 たちのたたずまいが自分の創作の源になっていた。それを世界に知って欲しい」と話した。また、被災地で就学が困難になった小中学生を支援する「ジョルジオ・アルマーニ奨学生」制度を、日本ユネスコ協会連盟と協力して設立するという。
(7月5日、asahi.com)

グルノーブル、4部に降格 日本代表松井らが所属
■サッカーの日本代表MF松井大輔が所属し、昨季のフランス2部リーグで最下位となったグルノーブルは4日、財政問題により今季は本来の3部ではなく4部 への降格が決まったと公式ホームページ上で発表した。規定により4部のクラブはプロ選手を保有できないため、松井は自由な移籍が可能になった。2004年に日本企業のインデックスが買収したグルノーブルは経営面などについてリーグの調査を受け、2段階の降格となった。フランスのスポーツ紙レキップは4日、今季1部に昇格するディジョンと松井が2年契約で合意間近だと報じた。
(7月4日、共同)



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posted by cyberbloom at 21:09 | パリ | Comment(1) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、エコールサンパ銀座校のセドリックと申します!

「matcha」ってフランスの辞典に入ったなんてうれしいです!抹茶チョコが特に大好きです!

抹茶チョコって最近なかなか見つからないですね。

次に辞典に入る単語は「きな粉」かな?
きな粉も大好きです! ;)
Posted by Cedric at 2011年07月12日 15:43
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