2006年07月20日

シトロエン C6

Citroen-2CV.jpg少し前の話になりますが、今年の1月インテックス大阪で開かれた大阪モーターショーに行きました。クルマの性能のことなど皆目分からないので、そこらじゅうに並んでいる展示車をチェックするポイントは、やはり外見やインテリア。そういう観点だと、面白いのはやはりヨーロッパ車で、特にフランスやイタリアのようなラテン系の車のデザインや色使いには、遊び心が感じられて、素人目にも楽しい。

ところでフランスの三大車メーカーというと、ルノー Renault、プジョー Peugeot、そしてシトロエン Citroën。どのメーカーにも魅力はありますが、とりわけシトロエンの車作りには、昔から常にアヴァンギャルドな精神が表れています。

Citroen-Ds.jpgたとえば「人間4人と50キロのジャガイモもしくは小樽をのせて、最高時速60キロで、100キロをガソリン3リットルで」、また「一かごの卵をのせていても1つも割ることなく」走ることを条件に開発され、1948年に発表された2CV(写真上)はなんと1990年までほとんど大きな変更もなく生産され続けていました。また1955年に発表されたDS(写真中)は、かの思想家ロラン・バルトが著書『神話作用』で「別世界から落ちてきた物体」のようだ述べているように、神秘的ともいえるくらい美しい流線型をしていました。先日の週刊ニュースでも2054年モデルを映画に提供したという記事があったように、シトロエンの目は常に未来に向かって開かれているのです。

C6.jpg現在シトロエンの主なラインナップは「Cシリーズ」というもので、日本でもC2〜C5が販売されていますが、今回のモーターショーでは、今秋から日本にも登場すると言われているC6(写真下)が展示されていました。同じCシリーズとはいえ、この車種は抜きん出た流麗さを備えていました。DSの系譜を受け継いだそのスタイルには、ベンツとは違うしなやかさに加え、ポルシェにはない優雅さや落ち着きがある、とでも言いましょうか。バルトがかつて感じた「超自然的なもの」がこの車にも漂っている、というのは言い過ぎかもしれませんが、どこか神々しいイメージが発されているようで、何もわからぬ素人にも、フランス車ってカッコいいなあと素直に思えてしまう車でした。

なんでも昨年のベネチア映画祭で、北野武監督が会場に乗りつけたのが、このシトロエンC6だったそうで、実際には見ていないけれど、北野監督とC6はさぞかしお似合いだったことでしょう。たとえ今、買える資力が手元にあったとしても、自分がこの車に見合う人物になるにはまだまだ時間がかかりそうです。いつか色々な意味で、C6を乗りこなすべく人になることを思い描きつつ、目下私はこの年で教習所通い中です。

シトロエン・ジャポンのオフィシャル・サイト



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posted by cyberbloom at 22:22 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | おフランス商品学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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