週刊フランス情報 3 - 9 juillet

□いよいよW杯も大詰め。ジダンの最後の活躍に期待したい。ジダンに次いで、中田選手も現役引退を発表。ひとつの時代の終焉を感じる。中田選手の輝かしい経歴は誰もが知っていることなので、個人的な思い入れと勝手な解釈を語るしかないのだが、「世界の中田」という言い方がよくされた。もちろん、中田だけではない。「世界の荒川」や「世界のイチロー」でもいいのだが、世界と日本を分ける二分法は根強い。世界に行く人は自分とは違う人。世界と区別することで、日本という庇護された場所が確認される。中田が伝えようとしたのは、もう日本と世界という区別なんてない、世界と日本は違うという内輪の論理に甘えていられないんだということ。まずはハーバードにMBAを取りに行くんだってね。情緒的共同体にどっぷり浸かり、ひとの揚げ足ばかり取ってる人は、彼を見習いましょう。川渕キャプテンも、日本代表を引っ張ってきた中田に日本サッカーの将来を託したいと発言したらしい。海外での人脈は広いし、語学も堪能で、フランスのプラティニやドイツのベッケンバウアーのように、引退後も国際舞台で活躍できる素養があると評価。

□今週は「フランスのオタク」で盛り上がった一週間だった。日本のサブカルチャーを紹介する第7回「ジャパンエキスポ」が7日、パリ郊外の展示場で3日間の日程で開幕。その数日前には、パリ郊外に住む2人の少女、ロリーとジェニフェールが憧れのサブカル大国、日本に向けて家出。先週、書き忘れたのだが、30日から東京日仏学院で「ポール･グリモー展」が開催されている。彼の代表的なアニメーション映画「王と鳥」のデジタルリマスター版公開を記念してのもの。

■「王と鳥」公開記念　ポール･グリモー展開催
（読売新聞6月13日）

■オタク文化が仏で大人気＝ジャパンエキスポ始まる
（時事通信7月8日）

■フランスの少女、あこがれの日本に向け家出、警察に保護
(asahi.com 7月4日)
　
■「Google Earth」で「ツール・ド・フランス」のコース地図を表示
世界最高峰の自転車ロードレースのツール・ド・フランスが１日、開幕したが、今年のツール・ド・フランスでは、自転車ロードレースへの関心が持続するよう、「Google Earth」が新たなツールを提供 。また下関市のインターネットラジオ局「くりらじ」が、スカイプを活用した｢ツール･ド･フランス｣のポッドキャスト番組を提供。ITはスポーツ観戦の仕方も大きく変えてしまうかもしれない。
（CNET Japan7月7日）

■仏版CNN「フランス24」、12月に放送開始
シラク仏大統領の肝いりで設立されていた、米CNNテレビのフランス版ともいうべきニュース専門テレビ局「仏国際情報チャンネル（CFII）」が、「フランス24（F24）」と名を改められ、いよいよ12月1日から放送を開始することになった。CNNや英BBCワールドに対抗して、フランス24はフランスの視点からニュースを伝える。衛星を使って欧州、アフリカ、中東に向けフランス語と英語で放送する予定。ニュース専門テレビ局の世界では、ロシアの英語放送「ベスチ24」が今月放送を開始したほか、アラブの衛星テレビ局アルジャジーラも英語放送「アルジャジーラ･インターナショナル」を近くスタートさせることになっている。ニュースのソースが増えていくことは良いことだ。ニュースや新聞の見比べはメディアリテラシーを鍛える重要な方法。最近の例を挙げると、橋本首相の死去は中国で大きなニュースになっていた。また、小泉首相のLove Me Tenderはアメリカ人にはRub Me Tenderに聞こえ、大ウケだったらしい(日本人はr/l,b/vを区別して発音するのが苦手なため)。
（時事通信7月6日）


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