2006年06月28日

アンリ=カルティエ・ブレッソン

bresson01.jpg■04年に他界したブレッソンというフランスの写真家が今年になって注目を集めている。ちょうど、今年の3月から4月にかけてサントリーミュージアム(天保山)で「アンリ=カルティエ・ブレッソン展」が開催され、そして最近、ハインツ・バトラー監督によるドキュメンタリー映画、「アンリ=カルティエ・ブレッソン−瞬間の記憶」が公開された(まだ上映中のところもあります)。

「決定的瞬間」などの作品で知られる巨匠の生涯が、本人や友人たちのコメントを通して、ひも解かれていく。人前に姿を出すことを徹底して避けていた写真家が、パリ近郊の自宅で、自らの生涯や彼の作品について語る貴重なフィルムだ。写真家でもある婦人のマルティーヌ・フランクによると「彼は目の中に測量器を持っていた。絵画を鑑賞することきでも、黄金分割を探していた。それが写真にも現れている。彼の場合は本能ですが」(5月18日、読売新聞)。流動する現実から完全な構図を写しとる能力は、精神をオープンな状態にしつつ集中力を保つところから発揮されるという。日本の弓道や禅に関する本も読んでいたとか。決定的瞬間を待ち、十分ひきつけて対象を射るという弓道との共通点はわかる気がする。

上の少女の写真は昔からのお気に入りなのだが、老舗のカフェ(おそらくフロールかドゥ・マゴ)にそぐわない若い女の子(何か今風)を常連のブルジョワおばさんが「何、この娘」って感じで見てる。その一瞥がまさに決定的で、それが少女の存在を瞬間的に際立たせている。

■サントリーミュージアム(天保山)での「アンリ=カルティエ・ブレッソン展」のレビューをtkさんが書いてくれています。

bresson02.jpg「決定的瞬間」−彼の写真集のタイトルです。今更で恐縮ですが、この展覧会で初めて知りました。なんやらインパクトのある言葉ですが、ブレッソンの写真の題材そのも のは、事件でも事故でもなく、人々の日常です。2年ほど前、小さな広告のカットに衝撃を受けて名前を覚え、気が向い た時に書店の洋書のコーナーで立ち見をしていただけだったの で…。ちょっと間抜けすぎるかも…。

町の風景、人の佇まいなど、何気ないのに、完璧に作り込まれたような感じがするのが不思議です。そして、この1秒後にこの風景はみんな動いてなくなってしまうんだろうなぁと。

展覧会の解説もうろ覚えなのですが、フランス語の原題は「決定的瞬間」ではなく、「逃げ去るイメージ」というニュアンスだったようです。でも、それに該当する英語がなかったため、アメリカで出版する際の英語版タイトルでは「決定的瞬間」になったようです。フランス語の原題のほうがやはりイメージがしっくりくるなぁと思いました。もっとも、この解説を読んだから、いまにも消えてしまいそうだと思ったのかもしれません。

以前、日本画を勉強したことがありますが、構図や配置の点でどこか似た部分があると思います。日本画は一点透視やらの遠近法もないし、陰影もあまりないのです。ですが、配置の妙というか、惹き付けられる絵は、主題と無地の背景というシンプルな構成なのに、広がりや奥行き、空気を感じるというものがあります。徹底的な引き算の美なんだろうなぁと思います。個人的にはブレッソンの写真にもそんなものを感じました。

reported by "tk"

□写真集「逃げ去るイメージ−アンリ・カルティエ=ブレッソン」(和書)

□写真集:City and landscapes(洋書)

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posted by cyberbloom at 10:34 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | ART+DESIGN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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