2006年06月20日

W杯特集(2)−大会10日目を終えて

kawaguchi.jpgW杯も10日目を終え、いよいよグループリーグも佳境にさしかかってきています。今大会は強豪国が実力を発揮して順当に勝ち星をあげるなど波乱のすくない展開となっています。そしてそのぶんハイレヴェルな質の高い試合が多く、まさにサッカーの世界ナンバーワンの国を決めるのにふさわしい大会となっていますね。日本代表はといえば、12日のオーストラリア戦でまさかの逆転負け。きのう18日の試合ではクロアチアとスコアレスドローという結果に終わってしまい、現在グループF組で勝ち点1の最下位。グループリーグ突破のためにはブラジルとの最終戦に勝たなければならない状況になってしまいましたが、きょうはそういった情報も含めて、大会10日目までの流れを振り返ってみたいと思います。

■ブラジル戦に勝つことを目標に…
まずは日本代表について話題から。みなさんもご存知のとおりかなり厳しい状況になってきましたね…。グループリーグ初戦で、オーストラリア相手にまさかの逆転負け。ほとんどの時間帯でオーストラリアに試合の主導権を握られるなか、序盤で先制点を奪い試合終了寸前までリードを保っていたものの、最後の6分間に3点を奪われ勝ち点を手にすることができませんでした。そして、きのう行われた第二戦のクロアチア戦では、ピンチをGK川口選手の好セーブでしのぎ、初戦とはうってかわって数々のチャンスを作り出すもののフィニッシュまでにはいたらず、0-0の引き分けという結果。グループの力関係から考えて、最初の2戦ですくなくとも勝ち点を「4」獲得することを目標としていたのが、結局「1」しか獲得することができませんでした。これにより、得失点差の関係もあり、日本が決勝トーナメントに進出するためには最低2点差以上をつけてサッカー王国のブラジルに勝つことが必要ということになりました。

ただただ…。たしかに日本代表はかなり厳しい条件を叩きつけられたことになりました。けれども、考えようによっては目標が明確に定まり、試合をやる以上はたとえ相手が格上中の格上であろうとも勝利を目指さねばならないという、勝負の鉄則を再確認させてもらえたともいえますね(損点をかえてこれが「グループリーグ最終戦」でなく、たとえば「決勝トーナメント一回戦」と想像すれば、そうそう悲観視してばかりもいられないと思います…)。望んだ結果ではないものの、中途半端な勝ち点を獲得して「ブラジルに引き分ければ予選突破」とか「一点差負けなら…」といったような中途半端な気持ちで試合に臨むよりより、「勝たねばこれで終わり」と追いつめられるのも気合いが入って案外悪くないかも…。というより今大会では元日本代表選手or現役選手がTVで試合の解説をしていますが、クロアチア戦の結果を受けてみな一様に、たとえば元日本代表キャプテンの井原選手などが「評価できる勝ち点1」と、鋭い表情でこれまでの結果を安易に絶望視しないコメントを残しているのが印象的でした。可能性が残されたなかで厳しい状況に直面したことで、「選手=勝負師」としての顔をのぞかせたといったところかなぁ…。ともかく、ぼくとしてもこれまでの2戦でいいたいことは山ほどあるけれども、大会はまだ終わっていない。ここまできたら、対戦相手がどうのこうのというより、ぜひとも日本代表が全力を出し切っていい試合を演じ、そして最高の結果を残してくれることを期待しています。

■フランス代表…
zidane2006.jpgさて、「我らが」フランス代表はといえば、2戦連続引き分けで現在勝ち点「2」。決勝トーナメント進出に向けてそれほど悪い位置につけているわけでなく、最終戦はグループで一番力の落ちると考えられるトーゴとの対戦ですから、まずまず順調な滑りだしといえるでしょう。ただ…。2試合を観戦して心配なのがあいかわらずの得点力不足であり、チーム全体のキレのなさ。個々の選手の動きはけっして悪いわけでなく、前線のアンリやヴィルトールなどが単独で局面を打開し、ジダンがシンプルなプレーで攻撃にリズムを与えようとしているのですが、チーム全体としては、どこかチグハグした印象を受けます。個々の選手の能力は非常に高いものの、そうした個人技に頼り切っているように見受けられ、前線とディフェンスラインは間延びし、フランスサッカーの代名詞であり醍醐味でもある華麗なパス回しがほとんど見られない。せっかくクロスボールをあげても、ゴール前に飛びこむのはアンリひとりだけといったように、そもそも得点を予感させることさえほとんどありませんからね…。

う〜ん…。このままじゃ決勝トーナメントにあがっても勝ち抜くのはむつかしいような気がします。というよりは、きょうフランスの所属するグループGでスイスとトーゴが対戦しますが、これ、試合結果によっては、フランス代表は日本代表とおなじく最終戦で得失点差をつけて勝たないと予選突破できない状況に追いこまれます。というか、フランスがまさか今大会でも「サプライズ」を演じてしまい、そして次戦は累積警告で出場停止となったジダンの現役最後の試合は「もうすでに終わっている」ということにならんことを祈るのだけども…。

superlight
banner_02.gif
↑クリックお願いします!

→もっとサッカーの記事を読む
posted by cyberbloom at 21:35 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | 時事+トレンド特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

ブラジルに2点差以上でW杯決勝進出(ジーコジャパン)
Excerpt: 「ブラジルに2点差以上でW杯決勝進出(ジーコジャパン)」に関連するブログ記事から興味深いものを選んでみました。ぜひ、読み比べしてみてください。 =2...
Weblog: ブログで情報収集!Blog-Headline/sports
Tracked: 2006-06-21 18:45