2006年06月07日

フランスのお魚料理

meuniere01.jpgフランスのお魚料理といえば、白身が多いと考えてます。

干す、漬ける、熟らす、練るといった加工もんはさておき、鮮魚をいただくんなら、焼く、煮る、揚げる、蒸すといったところやろか。ゆうてもここんとこ世界的に寿司が認知されてるから生んままも八面六臂の活躍やけど、フレンチで青魚を結びつけるってことはあんまない。

マグロやカタクチイワシ(ヒシコ)は食べるやろうけど、これはツナやオイルサーディンやアンチョビなどと、加工もんでいただきマストドンが相場やと思います。ソースに凝りはるかの地では青もんは味が濃いんやろうと思ってるところ。

青魚は赤身ともいう。だいたい回遊魚やね。ほんで血合い(ハマチのお造りでいうと、赤黒いところ)が育ってるやつたち。そやからシャケはピンクがかってるけど、血合いが未発達なんでじつんとこ赤身じゃない。青もん嫌う人多いんは、時間経つと血合いから生臭みが出てくるとこもあるんやろね。

体内の水分量が多いんでお魚はお肉より足が早く、ことに青もんは「サバの生き腐れ」ちゅう言葉があるぐらいやし、ピチピチわんさかの回遊期とガチンコすると、需要と供給のつろく(バランスのこと)が取れんようになって、ゲス扱いされたりする。ほんにもっちきない。輸送の向上で各地に散らばるからそうでもなくなったけど。

反対に、養殖技術が進んでるから目方換算で養殖タイの方がイワシより安価という珍現象もとり沙汰されてたなぁ。イワシ減ってるんやてなぁ、イカナゴの新子も捕りすぎやなぁ。名物にうまいもんなしっていうと言いすぎやけど、わーわー言うほど釘煮って、もぎゅもぎゅ食べれるんかなー。特産とうたって全国展開するとしっぺ返しくらうんちゃうかな。

フランスの魚もんっていうと、木魚なんかはブイヤベースを思い出す。ブイヤベースは要するに鍋やから、ホウボウやコチやガシラなんかのコロッと身離れのいい白身が合う。こっちでもウオちりやウオすきに、サンマやアジは入れへんのとおんなじかな。でもヒラゴイワシのつみれは得難いうまさがある。

だしは青もんやろね。その証拠にカツ節やアジ節や煮干し(ヒシコ)やアゴ(トビウオ)はあっても、タイ節やヒラメ節ってのは聞いたことない。でもだしガラは捨てるからな。わざわざだしとるためにタイやヒラメをカチカチにするよりそんままがええ、お口にもふところにもね。

白身にこの手のだしは喧嘩する気がする。しょうゆやみりんで煮付けるんでなければ昆布だしやろな。ブイヤベースは何からだしとってんねやろ、Fench Bloom Data Baseで「かんたんフレンチレシピ」を紹介してくれてはるmandolineさん、よろしければ教えてくれろ。

ソテーとムニエルってフランス語やったっけ。雰囲気で言わしてもらうとソテーはお肉でムニエルはお魚かな。ムニエルはフィレ(切り身)に小麦粉まぶして、バターで焼くというか、揚げる。身のやわさを小麦粉で固め旨味を外にのがさない。やっぱり白身が合う。ま、フィレオフィッシュっていうのも白身がおおかたやし。

バターはオイルより頃合の温度がうんとこさ低いんで焦げにくい分、バターのブクブクをさじですくって身にかけてさじですくって身にかけてと「これでも言うこと聞かんのか」「堪忍して」ってぐらいまで何度も何度もいじめるとうまくいく、ってのが個人的体験やけど、ま、咳をしても独りで食うだけやから、適当適当、てめえでてめえを始末するだけやからええかげん。

ムニエルの代表がシタビラメでやっぱり白身(☞写真、上)。こっちでは大衆的なお魚やけど、むこうはセレブな響きかあるな。「左ヒラメに右カレイ」、左の「ひ」とヒラメの「ひ」で頭韻ふんでるから覚えやすい。シタビラメもヒラメ型でふつうは目のある方を左にむけると口が下にくる。

そのシタビラメ、ソールと現地で呼ばれてるけど、ゴム底靴をラバーソールっていうぐらいやから足の形にたとえてんやろう。ドーバーソールはそん名のとおりドーバー海峡産の肉厚で、フランスでは「ドーバー」をつけへんところに対イギリスの態度をそれとなく示してる。このソールはカレイ型で右向きなんで例外なんやけど、ヒラメ型のヌマガレイもあるから鷹揚に、理由知りたい向きはコメント放りこんどいて。

足の形でソール、ところがこっちはベロに見立てて舌平目。ただし、人間様のベロではない。牛のベロ。ウシノシタが通り名。というわけで、牛タン食べたなったら、これがいいっすよ、国産のクロウシノシタなら、黒毛和牛のタンでっからね。



木魚

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posted by cyberbloom at 22:58 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | CAFE+WINE+GOURMET | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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