2011年02月14日

週刊フランス情報 7 - 13 FEVRIER 前編

<仏首相>エジプトで丸抱え接待 外相はチュニジアで
■フランスのフィヨン首相がエジプトで年末年始の休暇を取った際、同国政府丸抱えの接待を受けたことが8日分かった。仏では外相も年末に チュニジアで休暇を取った際、1月の政変で国を追われたベンアリ前大統領の関係会社から便宜供与を受けていたことが判明したばかり。アラブ諸国の強権的な 体制との「癒着」ともとれる閣僚の行動に、サルコジ政権は大きな打撃を受けている。野党は首相、外相の辞任を求めている。
■仏首相府によると、首相とその家族は12月26日〜1月2日、ナイル川沿いの観光地に滞在。宿泊費のほか、付近への小旅行で使った航空機や船舶の代金もエジプト側が負担した。この間、首相はムバラク大統領とも会談している。エジプトまでの往復航空賃は首相が負担したという。野党第1党・社会党幹部は毎日新聞に「(首相と外相の行動は)政府が腐敗している証拠だ」と批判した。
(2月9日、毎日新聞)
【動画】仏アリヨ=マリ外相のチュニジアのデモの鎮圧を仏が手伝う用意があると言った映像。"le savoir-faire, reconnu dans le monde entier, de nos forces de sécurité, permette de régler des situations sécuritaires de ce type..." http://bit.ly/fT8H8r

独裁国家との怪しい関係
■「何百万人のフランス人同様、私もチュニジアで休暇を過ごしただけ」−先の「ジャスミン革命」でサウジアラビアに亡命したチュニジアのベンアリ前大統領一族に近い人物所有のジェット機をクリスマス休暇中に2度も使用し、辞任を迫られているアリヨマリ仏外相が、いみじくも弁解したように、フランス人にとって旧植民地のチュニジアやモロッコは仏語も通じ、治安も比較的良いとあって休暇先として人気がある。外相はジェット機には所有者と同乗しただけと“無実”を主張しているが、この休暇の約2週間後にはベンアリ独裁政権が崩壊した。事態を予測できなかった駐チュニジア仏大使はサルコジ仏大統領の逆鱗に触れて更迭された。
■欧州連合(EU)は4日の首脳会議でベンアリ夫妻に次いで近親者46人の資産凍結を決めたが、フランスには一族の資産が多い。仏ルモンド紙によると高級住宅地のパリ16区には5階建てのビルをはじめマンション4棟、14区のモンパルナス周辺にもマンション2棟を所有。7区の大使館兼大使公邸の公邸部分(600平方メートル)は夫妻が常時利用できるようにと2006年春以来、大改装工事中だ。
■仏野党は、「独裁者は独裁者と呼べ」とサルコジ政権の対エジプト外交の欺瞞を批判しているが、歴代の仏大統領もムバラク政権とは良好な関係を保持してきた。社会党出身の故ミッテラン元大統領は1996年1月に亡くなる前の休暇を隠し子一家とカイロで過ごしたが、個人的にも親しかったムバラク大統領の招待による、とされている。こうした長期独裁国家をフランスをはじめ米欧が支持してきたのはイラン革命の後遺症もあり、ひとえにこれらの国のイスラム原理主義化を回避するためだった。特に地理的にも歴史的にも近い関係の欧州にとってこのツケをいかに支払うかは大きな課題だ。
(2月9日、産経新聞)

<食料品高騰>中東諸国が買い付け加速 政情安定は胃袋から
■中東諸国が小麦など食料の買い付けを加速している。食料価格の高騰をきっかけに、チュニジアやエジプトなどで反政府デモが活発に なったことを背景に、食料確保で政情安定化を図る狙いも透けてみえる。7日の欧米市場では「パニック買い」(市場筋)の影響で、小麦、大豆などの価格が軒 並み上昇、08年の食糧危機時につけた史上最高値以来の水準で推移している。
■年間800万トン以上の小麦を輸入する世界最大の穀物輸入国・エジプト。1月8日に買い付けて以後、政情不安で調達を一時停止していたが、先週末に1カ月ぶりに17万トンの小麦を米国、豪州などから買い付けた。同国は穀物需要の約7割を輸入に依存している。
■一方、アルジェリアも、1月に175万トンの小麦を国際市場で買い付けたほか、2月も80万トンを調達する予定だ。政府当局者は、ロイター通信に対し 「今後、6月まで穀物価格は値上がりを続ける。その前に調達を急ぐ」との考えを示した。サウジアラビアやイラクが2月に入り、小麦などの調達を加速しているほか、トルコも調達を急いでいる。
(2月9日、毎日新聞)
★18日からパリでG20が開催されるが、議長国フランスのサルコジ大統領は1月、商品相場の過度な変動への強い警戒感を表明している。今回の会議では、1次産品市場の実態把握と取引の透明性向上に向けた監視体制の強化、最近の急激な価格上昇の背景にあると指摘される投機的な先物取引への対策などが焦点となる。

シュルレアリスム展にぎわう…国立新美術館
■1920年代のパリに始まり、約40年間続いた20世紀最大の芸術運動「シュルレアリスム」(超現実主義)の全貌を、48人の作家による約170点の絵 画、写真、彫刻などでたどる「シュルレアリスム展」(読売新聞社など主催)が9日、東京・六本木の国立新美術館で始まり、午前10時の開館とともに多くの観客が訪れた。
■夢や幻想、偶然性などに注目し、芸術の可能性を求めた運動をかつてない規模で紹介。パリのポンピドゥセンターの所蔵品からマグリット、ダリ、ジャコメッティら著名作家や、奇妙でユーモラスな生き物を描いたブローネルなど、多彩な作家の作品が並んでいる。5月9日まで、火曜休み(5月3日は開館)。
(2月9日、読売新聞)
□「シュルレアリスム展」 http://www.sur2011.jp/
★『ポンピドゥー・センター物語』:パリのポンピドゥセンターの所蔵品を展示した「シュルレアリスム展」開催中だが、フランスで美術関係の人材を多く輩出するエコール・ドゥ・ルーブルを経て、ポンピドゥー・センターに勤務する岡部あおみさんの著書。
□関連エントリー「ポンピドゥーセンターも30歳」

PACSのカップルが100万人に Un million de pacsés en France
パックス―新しいパートナーシップの形■フランスでPACS(連帯市民協約)しているカップルが2010年1月で100万人に達した。著しい増加だが、結婚 mariage や事実婚 union libre と比べるとまだ少ない。PACSが制定された1999年当初は、法的に結婚が認められてなかった同性のカップルに利用され、2000年では2万2千5百のPACSのカップルのうちの42%を占めていたが、04年に多くの同性カップルが関係を解消し、3万2千人に落ち込んだ。現在は数の上では6万人と持ち直しているが、全体からみると6%にすぎない。
■PACS が支持されたのは税金などの優遇措置がある上に片方の意思だけで契約解消できる手軽さにある。子供の親権も結婚と同じ扱いなので結婚の優位が失われ、05年の改正で税制上の優遇が結婚と同じになった。結婚か事実婚かを選びかねていたカップルがさらにPACSに走ることになった。
(08.02.11 20minutes.fr)
★去年、PACS は10周年を迎えたが、以下はそのときの毎日新聞の記事(09年1月12日)
■ 結婚とも同棲とも異なるフランス独自のカップルの形、パックス(PACS)がはじまって今年で10周年を迎えた。日曜日に発売される新聞「ル・ジョーナル・ド・ディマンシュ」は、一面に「パックス大成功」と見出しをかかげ、この契約を称えている。10年間でパックスを結んだカップルは50万組を超えた。去年1年間に結婚したカップルは27万3500人。10年間ほぼ横ばい。一方、パックスを結んだカップルは20倍増えて、14万3000人。婚姻制度を崩壊させることなく、この新しい制度はフランス人を魅了し、定着した。理由は、結婚に比べて契約の締結や解消が簡単で、結婚しているカップルと同じように一つの世帯として所得税の申告ができること。このほか、結婚までの第一ステップ、つまり婚約のように位置づける人も多い。子どもを授かるなど、あるきっかけで結婚に進んでいく。
■パックスは、フランスだけでなく、フランスに住む外国人にも認められている。条件は、国籍を問わず共通で、兄弟姉妹など直系親族同士でないこと。重婚およびパックスをすでに結んでいる状態でないこと、など。2007年にコラムでパックスをご紹介した後、私も日本人のパートナーとパックスを結んだ。フランス人の動機と同じで、簡素な手続きや税制優遇措置に惹かれたこと。パスポートや証明書などの姓を変えることなく、カップルとして公に認められることも魅力だった。区役所と同じ建物のなかにある小審裁判所で必要書類を聞く。外国人であり離婚経験のある私の場合、日本から取り寄せる書類が多く複雑だった。フランスに支払う手数料は全くないが、書類を法定翻訳家に依頼しなければならず、その額は決して安いものではない。
■ 次に、大審裁判所の別館に出向いて「パックス未締結」の証明書を発行してもらう。所用時間5分。再び小審裁判所に行き、書類を提出。指定された日に、小審裁判所に出向くと、小さなオフィスに呼ばれて、A4の紙に2人の名前、生年月日、出生地が記載された「連帯市民契約締結宣言記録受領書」が1枚ずつ手渡された。「紛失しても再発行しないので注意して。はい、終わり」、評判通り簡素な手続きだった。家族も友人も同伴せず、セレモニーもない。現代フランス人の仲間入りをした。日本にいる時よりも、2人で暮らすための選択肢がひとつ多かったのは喜ばしい。





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posted by cyberbloom at 01:56 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 週刊フランス情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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