2006年05月29日

Musique pour le café −木魚編

5月7日のcyberbloomはんのカフェ音楽紹介の末尾に、「これはいちおうバトンの一環なので、次は木魚さんにタッチ!」とある。

Bags Meets Wes! Crazy and Mixed Up Quartet

え、あたくしにカフェ用の音楽? 僭越至極、ガラじゃないっすよ、そんなんしてはいけませんよ。ろくすっぽ喫茶店にも行かへんし、今どきコーヒーなんぼするんか知らんけど、その金払う代わりに立ち呑み屋で4時くらいからナンキン焚いたん相手にジョッキ傾けてますわ。町のおちこちにあるファーストフード的なコーヒー屋さんもタバコ飲んだらアカンとこ多いし、まったくこまっちんぐマイ子先生です。

そういう事情やから喫茶店の扉カランコロンするとしたらひとりではなく連れがいる。木魚にとってはおしゃべりのための空間で音楽はどうでもいいかも知れない。心は赤ちょうちんやけど、まだ4時までなんぼもあるし行儀悪いから、しゃないわ。扉カランコロンが喫茶店の原イメージやけど、喫茶店とカフェは似て非なるものなのだろうか。レーミーコ注文しても「はあ?このひと外国の人やわ、何語ゆうてはるんかしら」って思われるんやろな。アイスカフェオレなんやけどな。

カフェ飯って聞いたことあるぞ。そうか、わりとフードメニューに熱入れてて、mandoline さんが作りはるようなワンプレートのオカズにパンやサラダなんかをゆっくり食べれて、ほでもレストランより肩肘はらず、ショットバーみたいにハードリカー中心でもなく、パブのように誰かれ話しかけられるごちゃごちゃな猥雑さもない。オープンと前につくんはカフェぐらいやから、うんうん、あのイメージやな。

さっきも書いたけど、一人では行かない行けない丑三つ時の墓参り。そやからお連れさんとカフェでわーわーやってるとして、でも相手が「ちょいとハバカリ(トイレ)行ってくるわ」って中座すると、岩にしみ入る蝉の声のような静けさだと奥の細道しちゃうんで、ぽつねんと句をひねりたくなる。そん時に耳に入ってくる音楽ぐらいは欲しいかもしれない。

exquise さんはどんなんやったかな(3月24日の投稿)。一日の時間帯にあわせた選曲、知らない曲ばっかりやけど「耳障りにならないあまり主張の激しくない曲」はむべなるかな。入れこむより流れていく、これなんやろね。cyberbloom はんはコンセプトとしてのカフェ、曲にあわせてカフェの形態が変わっていくということなんやろか。テクノからJポップまで多彩やなー。

うーん、困ったな。ほんとは多ジャンル混淆で攻めたいけど、わやくちゃになりそうやから素人名人会談ふうにジャズでお茶にごそ。50、60年代のハードバップの名盤、ワンホーンカルテットやピアノトリオはできるだけ避けよーち。この手んのはどうも夜のイメージが強いと思うからね(ほんまは朝からでもいいもんはいいねんね)。
(1)Don Pullen's the African-Brazilian Connection/Ode to Life
のほとんど全ての曲わけわからんうるさいあっち行ったりぃーなぁわれ、と煙たがられるフリージャズ畑でその昔バリバリ活躍してたドン・プーレン。亡き盟友ジョージ・アダムスに捧げたこのアルバムはポップな仕上がりで、アコースティックな楽器を駆使しながらお得意のびゃんびゃんびゃんっていうピアノソロも健在で余裕の一枚やわん。メロディーがいいとフリースタイルもはじけどころがかっきり決ってとってもおすすめでんわは2番。どの曲もお日さんがよう似合うんちゃうかな。

(2)Jimmiy Smith/Crazy! Baby
うーんとね、5曲目かなあちきはこのひとの「チャンプ」という曲でジャズに開眼したんやったっけ。ハモンドオルガンってハレーム音楽ご用達の楽器やったけどジミー・スミスの荒技でジャズ楽器として認知されるようになったなぁ。ブルー・ノートのジャケットは2色刷りがほとんど、なんでかいうとお金なかったからやね。でもこん人はオールカラーでそんだけ稼ぎ頭という証ですわ。ちょい泥くさいけど、音量下げたらなんとかなるんちゃう。「チュニジアの夜」がかっちょええけど(惜しいことにギターが最後にミスってる)、カフェやったら「マック・ザ・ナイフ」かも。ベース不在はフットペダルで低音リズムを弾いてるから。

(3)Charles Lloyd/Forest Flower
のタイトルチューンつまり1曲目ワンホーンカルテットやからわがでこさえたモノサシからはずれてます。ほんとあなたって、イ・ケ・ナ・イ・お・ひ・と♡それでも引っぱってきたんは、この人のサックスって、どうなんやろ、直球投げさせてもらうと、ずばりヘタ、なんちゃうかな。なんかこもったテナーの音色しててね。そこがうるさないねんね、あぶり出しのような音かな(アマゾンで試聴してみて)。当時1967年でこぼこは「花」がキーワードかもね、ラブ&ピース、森の花、夢見心地なメロディーっすわ。無名の頃のキース・ジャレットがピアノ。キースのソロならFacing Youのオープニングチューンもゴスペル調でよう聴いたな(プレイヤーがめげたのでどっちも今は聴けない)。

(4)Ramsey Lewis/Sun Goddess
これも全体で聞けるけど4曲目以降かなラムゼイ・ルイスやけど、これはクロスオーヴァーの自信作でだいぶ当たったんちゃうかな。クロスオーバーってフュージョンの昔の言い方で、ま、ファンキー色が強い作品ですわ。チャカポコギターは聞きたくなる時あるしユーモアもあるね。熱すぎないファンクとしてレンタルしてもいいと思いますけど、こればっかしはタデ喰う虫も好き好きやからね。Solar Windちゅうアルバムもいいよ。

(5)Milt Jackson and Wes Montgomery/Bags Meets Wes
これ、ちゅうたら2、3、7曲目やろかいちおうハードバップ期の名盤とお墨付をいただいておりますが、メロディー楽器にもリズム楽器にもなれるヴァイブ(ヴィブラフォン)とギターっていうとこがウェス・モンゴメリのお鼻のように丸さを出してる。ウェスといえばオクターヴ奏法(ようわからんけど下のドレミと上のドレミを同時にかき鳴らすんちゃうんかな)でもてはやされてる。けどね、この弾き方ってこれみよがしやとギター知らん木魚にとってボワンボワンであんまおもろない。ゆるくもなく熱くもないこのアルバムはリラックスしたい時によう聞いたな(ほんまプレイヤー欲しいわ)。

(6)Sarah Vaughan/Crazy and Mixed Up
3曲目「枯葉」でどよどよ!ここらでボーカルなど。といってもスキャット。声って楽器なんやな。サラ・ボーンの顔ジャヶ、上沼恵美子とウーピー・ゴールドバーグを足して1.9で割って小数点以下切り上げた感じやわ。名曲「枯葉」はしずじずの演奏が定番やけど、これ、ぶっとんだ「枯葉」になってますよ。っていうか、「枯葉」はどこ? 素人には原曲拾えんよ。アップスピードで低音から高音まで変幻自在。関係ないけど女性ラッパーってなんであんまりいーへんやろ。これもレコード、どなたさんか、プレイヤーを我らに。

(7)Ike Quebec/Bossa Nova Soul Samba
かけ流しでいいですアイク・ケベックは嘆き節が得意なテナー奏者。音色はキライじゃない。ほんでもブルースやと陰がこもって少々辟易食傷気味になる。タイトルよろしくこんくらいの楽曲がよろしいんちゃいますやろか。ほとんどアドリブ効かせず棒読みテナーやけど、イージーリスニングにならへんなぁ。ジャズしてると思う。

(8)Herbie Hancock/Quartet
「パレード」やろねファンクならHead Huntersをおすそ分けするけど、ラムゼイ・ルイスを紹介したから本流でこれにしちゃいました。実は1曲目にやられてほとんどあとは聞き流しで放ったらかし。けどある人のエッセーで6曲目がいいぞましとあったんで聴いてみると、うい奴うい奴、さわやか三太郎やった。幕開けピアノソロのあとのメローディの流れとラッパ(ウイントン・マルサリス)のアドリブがトテモステキ!すんまそん、これもワンホーン。

よう書いたな、ほでも10枚いかんかった。こんくらいでかにんして。今から釣り行きたいの。素人名人会談は復活するんやろか。あ、バトン渡さな、アンカーはイヤヤさかい。んーと、んーと、じゃ木曜かわりべったんでやってる、ポール中川改めキャベツ頭さんへ真紅の大優勝旗を。ぱーーぱーぱぱーぱーぱららら、らんらんらん。、


木魚@無縁仏

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posted by cyberbloom at 21:07 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | Musique pour…のための音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt:  昨日に引き続いて今日もジャズ。別に続けて書きなぐるつもりもなかったけれど、別にジャズにハマってるわけじゃないしハマるとかハメるとか言うほど何にも聴いたこともないけれど、それより何? 何これ。ちょ..
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