2006年05月17日

稲葉宏爾『路上観察で歩くパリ』

路上観察で歩くパリ 角川oneテーマ21 (C-101)ずいぶん暖かくなってきて、散歩も楽しい季節です。

歩くのが苦にならない Pst にパリを案内された、というかひっぱり廻された友人たちは決まって「ああ疲れた (怒)」とボヤクのでした。パリ市20区は東京の山手線の内側ぐらいの大きさというのがよく持ち出される比較の基準ですが、パリ南端のシテ・ユニヴェルシテールからモンマルトルまで行ってさらにあちこちうろうろしながら帰ってくるってのをよくやってました。金がなかったというのもありますが、ぶらぶら歩いているときに出会う「なにか」が楽しみで、わくわくしながら街を歩き廻っていたのです。そして、いまでもずんずん歩いてます。

先日、稲葉宏爾『路上観察で歩くパリ』(角川oneテーマ21)を購入しました。パリで発行されている日本語新聞『オヴニ』で連載されていたコラムを纏めた『パリ 街角のデザイン』(日本エディタースクール出版部) をもとに、手を入れた新書版です。パリやフランスを旅行した人なら一度は目にしたことのある、あるいは知っているものたちですが、写真とともにあらためて見・読み直してみると、なんとも不思議なものたちがあるものです。かつて歩いた街の風景を思い出しながら、これから行くパリの姿を想像しながら楽しく読んで欲しい本。

たとえば、歩道に縁のあたりにポンっと置かれているボロ布。よく目にするこのボロ布、その名も「雑巾堤防」chiffon de barrage とは何?

「カフェの砂糖」の話なんかも「そうそう」、いろんなデザインがあって、愛らしいのでつい持ち帰ってしまうなあと相槌。

街の壁を彩る (?)「落書き」Tags なんかもあちこち見て廻ると面白くかつ素晴らしいものに出会えたりします。最近、日本でも似たような落書きをちらほら見かけますが、パリの落書きは気合はいってます。あんなところにも書いたぜっていう自己顕示の側面があるでしょうけど、「落書き」と片付けるには惜しい。パリの Tags を撮った写真集もあったはずです。ずっと気にはしているのですが、まだ手にいれてないな。

『路上観察で歩くパリ』は「フンガイ対策」にもきちんと対処されていて、なんと毎日16トン近くの犬の crottes が落とされているパリで「運」がつかない奴はいない!とあらためて思います。『路上観察で歩くパリ』では触れられていませんでしたが、街をあるくときは下ばかりではなく、たまには上も見て欲しいです。真っ青な空、あるいはパリの曇天、そしてときに建物の壁面に書かれたはっとする「壁画」に出くわすことがありますから。

自分だけのパリやフランスを見つけたい。


Pst@ワインと読書の日々

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posted by cyberbloom at 23:33 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−フレンチ・ライフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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