2010年12月11日

「インセプション」

inception01.jpgレオナルド・ディカプリオってこんな俳優だったっけ?―と首をひねってしまう。いつから常に眉間にしわを寄せてる役ばかりやるようになったのか。あの軽快な彼の持ち味はどこへやら、そんなにのめりこみすぎると壊れちゃうよって感じなのだ。演技力には疑問はないのだからそんなに全力投球しなくてもねえ…また横に広がり続ける顔も心配である。どうかマーロン・ブランドみたいにならないでね。

今回も又眉間にしわのレオである。映画自体は悪くない。巧みにデザインされた夢に相手を引き込み相手の考えを操作する。アイディアを盗むというより相手の潜在意識に小さな種子を植え付ける。それが自分が期待するように育つように。しかしもちろんそう期待通りには事は運ばず悲劇を招くこともあるし、夢もデザイン通りに進行するとは限らない。

この夢の世界の構築は良くできているし画面もはっとするほど美しい。ぐいぐい夢のまた夢に引き込む力とテンポは相当なものだ。退屈する暇はない。油断していると今誰の夢の、どのレベルにいるのかわからなくなる。

ただ核になるディカプリオ演じる男とその妻マリオン・コティヤールの相性はどうだろう。
 
男のデザインした夢に現れては事を妨害する完璧なほど妖しくも美しい女。役どころはマリオンにぴたりとはまっているのだがレオとの相性が良くないように思う。どうも対等に見えないのだ。奥さんー?ううん…似合わない。演技力だけではカバーしきれない化学反応みたいなものがこの二人では生じないような気がする。
 
むしろ夢の新たなデザイナーとして登場するエレン・ペイジの方が、役どころが彼女に合うかは別にして、レオとの相性は悪くない気がする。共に童顔だからか。

ハリウッドスターと言うものの、今一つな役どころの多い渡辺謙も今回はまあまあの役。ただアクションもできる人なのだからもう少し動かしてほしかったなあ…

クールに、無表情にアクションを演じたジョセフ・ゴードン・レビットはスタイリッシュだった。

作りこまれた夢の世界を体感するためだけに見ても損はしない作品。




黒カナリア

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posted by cyberbloom at 13:04 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本と世界の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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