2006年04月24日

フランス紅茶への招待(後編)

このような話をすると「フレーバーティーって難しいんだ。」という結論に陥ってしまうでしょう。しかし私が思うのは、フルーツ系ミックスフレーバーの方がフラワー系ミックスフレーバーに比べ選びやすいということです。実はこれはフラワー系のほとんどが、そのドライフラワーを茶葉の中に混ぜ込んであることから生じます。それに比べ多くのフルーツ系は香料のみで仕上げてあります(もちろんドライフルーツが入れてあるものあるのですが)。つまりドライフラワーあるいはドライフルーツが入れてあるものの方が強い香りを放ちやすいということで、それはドライフラワーやドライフルーツに直接お湯を加えることで温度を上げるからに他なりません。

このように考えると、単一のフルーツ系からはじめ、徐々にフラワー系やミックスに挑戦していくというのがよいという結論になります。ちなみにお菓子系はフルーツ系同様スタートにはうってつけといえます。フレーバーティーの最終段階としては、フラワー系とフルーツ系を多重にミックスしたものとなるのでしょうが、私はあまりの臭気にどうも手が出せずにいます。こういうものは、温度と香りの原理を逆手にとって、水出しのアイスティーにするといいともいえます。

フレーバーティーはドライフラワーやドライフルーツで茶葉の見た目の華やかなものが多く存在します。しかしながら、見た目のあまりつい手を出して失敗することは十分に想定されうることです。これを防ぐためには、必ず自分で乾燥状態の茶葉を嗅いで、ある程度の想像をすることです。そうすることにより大きな失敗は激減します。できることなら試飲までして決するべきでしょう(なかなか難しいとは思いますが)。そうして慣れていくと段々とフレーバーティーの素晴らしさに近づけ、その華やかさに目も、鼻も、心も奪われることでしょう。
 
最後に少し、フレーバーティーに関するナチュラルティーのお話を。フレーバーティーを作る紅茶は当然ナチュラルティーですが、その多くはセイロン(現在のスリランカ)で、その他にはアッサム、ケニヤ、インドネシア、場合によってはチャイニーズということもあります。実はこれらの紅茶にはある共通項があって、それは紅茶の「コク」、いわゆる「ボディー」が強いことにあります。着香をしたときに紅茶の味や香りが消えないように強いものを選ぶわけです。しかしながら、ダージリンが利用されることもあり、その際の香料は控えられることが多いといえます。なぜなら、ダージリンはボディーよりも香りや渋みにその魅力があり、それははっきりとしていながらも優雅なものです。つまり、そのダージリンの特徴を香料は簡単に殺してしまうため着香は軽くなされるのです。

フレーバーティーを楽しむためには考えることも多くあります。しかしながら、完成され、また自分に合ったものはまさに芸術というべきものです。それに気づくと、紅茶のための思考はいつしか楽しみへと変わります。そして段々ととりこにされ、魅了されていきます。これを執筆している私も今、先輩から頂いたブルーベリーのシングルフレーバーティーを楽しんでいるところです。(了)


LOAD TEA

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posted by cyberbloom at 20:40 | パリ ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | CAFE+WINE+GOURMET | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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