2006年04月23日

フランス紅茶への招待(前編)

以前イギリス紅茶とフランス紅茶の比較という観点から、フランス紅茶のお話をさせていただきました。仮にそれを概論とするならば、今回は本論といったところです。

フランス紅茶の特質がよくわかるのは、フレーバーティーであるということを前回のエントリーでお話いたしました。これを前提に、フランス紅茶を楽しむ一歩として、フレーバーティーの楽しみ方を少しご紹介いたします。いかなる選び方がよいのか、どのように楽しむべきか、ということに視点をおきますので、いかなる入れ方で、どのような器財でというようなことは割愛したいと思います。

さて、フレーバーティーの選択を始める前に簡単なフレーバーティーの分類についてお話いたします。フレーバーティーはその香料の違いからまず3つに分けることができます。それは花の香り、フルーツの香り、あるいはチョコレートなどのようなお菓子の香りという分類です。そして次に問題になるのは単一の香料のものなのか、それともミックスされているのかという点です。実はこれが大きな点で、ミックスされた香料の数が多ければ多いほど、お湯を加えて抽出した後の香りが想定しにくいのです。恥ずかしい話、私はこれで一度失敗を犯しています。
 
単一香料のお茶というものは割合どのような香りで仕上がるのかが容易に想像できます。当然それは香りが単一であり、且つ私たちが普段から慣れ親しんでいるものであるからです。では香料が2種類、ないし3種類程度の少ない種類でミックスされたお茶は香りの想像が可能かということが疑問点として浮上します。確かに数多くの香料を使用したものに比べ想像は容易ですが、やはり難しいといえるでしょう。その理由はお湯を加えたときに香りのバランスが変わる点にあります。どういうことかといいますと、お店に並んでいる紅茶の葉の香りを確認させてもらっても、お湯を加えれば香りは変わるというわけです。香りというものは温度が高いと強く香ります。つまり、乾燥状態の茶葉に100℃のお湯を加えれば当然に香りは強さを増すわけです。
 
どのような茶葉にもベースとなる香りがあり、それを装飾していく形で他の香料が加えられていきます。しかしながら、装飾用の香料は乾燥状態では香りがあまり感じられずに、お湯を加えたときに真価を発揮することもありうるのです。つまりベースとなる香りを把握しても、それがはじめから全面的に押し出される、いわゆるトップノートなのか、あるいは最後に余韻として残るラストノートなのかはその紅茶の個性とも言うべきであり、一概に言うことはできません。(後編に続く)


LOAD TEA

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posted by cyberbloom at 23:34 | パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | CAFE+WINE+GOURMET | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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