2010年10月30日

フランス発、広告パネル付バスシェルター

最近目にするバス停がフランスっぽくてオシャレだなと思っていたら、国交省がバスシェルターへの広告設置を許可したのを受けて、フランスの会社(日仏合弁)が横浜・名古屋・神戸市などに広告パネル付バスシェルターを設置していたのだった。雨をしのげる屋根、ガラスの風防、広告のパネルを供えたデザイン性の高いバスシェルター。オシャレなバス停を日本全国に広げている仕掛け人は、フランスの広告会社と三菱商事の合弁会社であるエムシードゥコー(MC Decaux)。それはパリのレンタル自転車ヴェリブを富山市に移植した会社でもある。

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エムシードゥコーの親会社、ジェーシードゥコー(JC Decaux)が創業したのは1964年、フランスのリヨン。それ以後、世界中に徐々に広告付きバス停を浸透させてきた。同社はバスシェルターだけでなく、公衆トイレ、無料貸出自転車、音声認知フロアガイドなどを屋外広告として活用する事業で世界的地位を築いている。広告付きバス停は同社が初めて考案したビジネスモデルで、バス事業者と契約を結び、バスシェルターを無償で設置・維持管理を行い、そのコストを広告収入でまかなっている。同社とバス事業者は標準で20年という長期契約を結び投資回収を行う。初期費用は200万前後。広告は2週間ごとに切り変わる。自治体やバス会社はいっさい負担せずにバス停を再生できるのが、このビジネスモデルの強み。多くの公共交通機関が公営である西ヨーロッパでは、PPP(パブリック・プライベート・ パートナーシップ、公民連携事業:公共と民間の連携・協働によって公共性の高い事業をよりよく進める手法)としてこうしたビジネス・モデルが1960年代 から発展してきた。

日本での合弁会社、エムシードゥコーの設立は2000年。このビジネスの定着のきっかけは規制緩和の動きだった。設立当時は通行の妨げになるとして広告付きバス停の設置が禁じられていた。しかし03年に歩道の幅の確保など、一定の条件を満たせば設置を認める方向へと転換。これを機に導入が進んだ。エムシードゥコーの手がけるバス停は03年の岡山が第一号。現在は全国37都市1200箇所に広がっている。しかし、地域によってはバス停のデザインがオシャレすぎるあまり、全体の景観からやや浮いてしまっているケースもある。バス停のデザインの担当者はバス停の背景となる街の広告の規制をきちんとやるべきだという。パリにある広告付きバス停が周囲の景観とマッチしているように。つまり新しいバス停の設置を街の景観を再考するきっかけにしようというわけだ。

ところで「フランス人は数を数えられない」と発言した石原慎太郎都知事が、フランス生まれの広告付きバス停にもケチをつけたと言う。いつもの記者会見で「フランスの会社ごときが生意気にもだね」と東京に進出しようとしたエムシードゥコーを突っぱねて、東京都は交通局が民間を採用せず、独自に広告パネル付きバスシェルターを設置することを決めたようだ。エムシードゥコーは、長年にわたって蓄積されたノウハウを持つ同社のサービスを採用してもらえれば,自治体は税金を他の行政サービスに回すことができるし、シェルターの設置や整備のスピードを格段に高めることができると売り込みを続けている。

□写真はパリのバスシェルター:「バスを待ちながらバス停で雨宿り。ガラス張りの屋根に大粒の雨が叩きつける」(photo by キャベツ頭)





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posted by cyberbloom at 21:46 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | グローバリゼーションを考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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