2006年04月10日

ドーヴィル競馬場

Deauville01.jpg夏競馬、といえば日本では小倉や札幌だが、フランスでは、ドーヴィル。ドーヴィルはノルマンディー地方の高級リゾート地で、バカンス・シーズンには、パリの社交界のセレブな人々がドーヴィルに集まってくる。「ダバダバダ」の音楽が印象的なクロード・ルルーシュ監督の「男と女」の舞台としても知られている。

競馬場も、日本のようなギラギラした熱気はなく、上品で、のどかな雰囲気。レースというより、お金持ちが自分の馬のお披露目をしている感じ。

ちょっと古い話だが、1998年の夏休み、友人3人とパリでレンタカーを借りて、ドーヴィル競馬場に向かった。日本からフランスに遠征に来ていたタイキシャトルのレースを見るためだ。パリからドーヴィルまで高速を飛ばして、約3時間。「日本道路公団ふざけるな」と叫びたくなるほど、フランスの高速道路は安い!途中の料金所で数回、コインで払ったように記憶している。

タイキシャトルはその年に引退しているが、ウインクリューガー(03年GTNHKマイルカップ1着)やメイショウボーラー(05年GTフェブラリーステークス1着)など、今は子供たちが競馬界をにぎわせている。(最近はあまりパッとしないようだが)。

タイキシャトルが走ったのは、フランスのGTレース、ジャック・ル・マロワ賞。芝の直線レース。芝の直線レースと言えば、日本では新潟競馬場の名物だが、ドーヴィルの直線コースは1600メートルもある。

すでに前の週、武豊の騎乗でシーキング・ザ・パールがフランスのGTを制し、日本の馬の凄さを見せつけていたこともあり、タイキシャトルは1番人気で単勝1・3倍。そういえば、車を止める場所を探しながら、ドーヴィルの街をノロノロ走っていると、レストランから出てきた武豊夫妻に遭遇。奥様は元アイドルの佐野量子さん。ところで、肝心のレースはというと、残り2Fあたりでタイキシャトルが抜け出し、そのまま押し切る、強い勝ち方だった。

LE PRIX DE JACQUES LE MAROIS(16 AOUT 1998 A DEAUVILLE)

フランスの競馬場では日本との違いに驚きっぱなし。耳に赤鉛筆を挟み、競馬新聞を手にしたオッチャンは皆無で、みんなこぎれいな格好。馬の状態を下見するパドックもいいかげんで、パドックに来ない馬もいる。パドックというより、馬がそこらへんを散歩している感じ。出走馬にも触り放題で、タイキシャトルにもタッチできそうだった。それに、全く自動化されていない、昔ながらの馬券売りや払い戻しのシステム。

日本の競馬の、きちんとした段取りを踏んだレースまでの流れや、ハイテクが駆使された馬券システムに比べると、フランスの競馬のすべてが、いいかげんに見えてしまう。ギャンブルという認識があまりないのかもしれない。ギャンブルに打ち込む人々とって何よりも重要なのは、それがいかに公正に行われているか、ということ。レースまでの儀式化された段取りは、いわば、公正さの演出だ。フランスの競馬のいい加減さは、お金持ちの余裕なんだろうな。セレブな人々は、切羽詰ったギャンブルなんてしないからね。

全レースが終わったあとは、車で30分くらいの場所にあるシャトーホテル Château Les Bruyères に赴き、プールサイドで一休み。シャトーホテルは、お城や貴族の館をホテルに改造したもの。1日のレースでけっこう稼いだ私たちは、いつもより高めのワインを選び、地元の美味しい料理を味わいながら、セレブなソワレを満喫したのだった。

その後、パリ郊外のヴァンセンヌ競馬場も体験した。これは関西で言うと園田競馬場って感じ。何かタイムがかかりすぎてるなあ、と思って見てたら、実はトロット(速足)で走るレースだということに気がついた。つまり馬は駆けて(ギャロップ)はいけないのだ。勢い余って駆け出す馬が続出し、みんな失格になっていた。競馬の競歩なんて!最初はストレスの溜まるレースだなと思ってたが、慣れてくると、ジワジワくるスリルもいい。車(chariot)を引っ張って走るレースもあったが、これもトロット。競馬新聞を見てもピンと来ないので、常連っぽいオッチャンの話に耳をそばだてて情報収集してたらそれなりに当たった。



cyberbloom

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posted by cyberbloom at 23:07 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | バーチャル・バカンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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