2006年04月03日

チープ・シックなフランス人女性

フランス人の贅沢な節約生活フランス人の贅沢な恋愛生活フランス人がお金を使わなくてもエレガントな理由

フランス人の贅沢な節約生活」佐藤 絵子 (著)
お金をかけずに贅沢なフランス人の美容生活」佐藤 絵子 (著)
フランス人の贅沢な恋愛生活」佐藤 絵子 (著)

フランス人がお金を使わなくてもエレガントな理由」吉村 葉子 (著)
お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人」吉村 葉子 (著)
結婚しても愛を楽しむフランスの女たち結婚したら愛を忘れる日本の女たち」吉村 葉子 (著)

本のタイトルを見るだけで、筆者の基本的な論点が読み取れる。日本人には金があるけど、愛がない。日本人は金があるけど、生活を楽しめない。それにひきかえ、フランス人はそんなにお金がなくても、生活や恋愛の楽しみ方を知っている。それこそが本当の贅沢ってことだ。

なぜ「チープシック」という価値観が今評価されているのか?それは、小泉首相の構造改革に象徴される、ネオリベラリズム時代を生き残るための価値観だからだ。経済評論家、森永卓郎さんの「年収300万円時代の経済学」の書評でも書いたが、これから年収がどんどん下がっていく時代をいかに生きるかということを考える場合、ヨーロッパのモデルを考えざるを得ない。女性はフランス女性のライフスタイルを見習う必要が出てくるというわけだ。本の内容は実用的な話も多く、実はチープな生き方はクリエイティブで楽しい生き方だとわかる。お金がなかったらその分は自分でやったり、作ったりすればいい。シンプルな原理。人間の楽しみは本来そこにあったのではないのか。

とにかく日本人には金だけはあった。しかし、「下流社会」が本格化して、金さえなくなったら、どうすんのよ。日本人には、金も、愛も、楽しみもないってわけ?だから、チープな今こそ「愛と生活」を考え直すチャンスなのよ。男の育児参加とか、スローフードとか、田舎で暮らすとか、実際そういう生き方がいろんな分野で提唱されている。「チープシック」は「そこそこ収入があれば、負け組みでもいいや」という開き直りの生き方でもある。

佐藤さんと吉村さんはフランス女性的な生き方を提唱して、注目されている。しかし、「フランス女性」って一体誰のことだろう?彼女たちが描き出すフランス人女性というと、そんなに裕福でもないけど、それなりに良きブルジョワの伝統を受け継いだ家に生まれた、小奇麗な白人女性といった感じだろうか。しかし、そんな条件に当てはまるフランス人女性はなかなか見つからない気がする。世代間格差や移民問題など、様々な格差や対立がせめぎあい、なだれこんでいる、現在進行中のフランスのデモの混沌を見て、「フランス人は…」なんて十把一からげに言えないよなあ。

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posted by cyberbloom at 14:20 | パリ ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評−フレンチ・ライフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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